2009年1月14日
IBM、米国特許取得件数記録を塗り替える
IBM、より多くの発明を今後公開
IBMの研究員が「特許の質」を測るプロジェクトに参画
[米国ニューヨーク州アーモンク、2009年1月14日(現地時間)発]
IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は14日(現地時間)、IBMの2008年における米国特許取得件数が4,186件となり、単年度に米国で4,000件を超える特許を取得する初の企業となりました。IBMの2008年の米国特許取得件数は、ヒューレット・パッカードのそれのほぼ3倍で、マイクロソフト、ヒューレット・パッカード、オラクル、アップル、EMC、アクセンチュア、グーグルの各社合計数の2倍以上です。また、IBMは16年連続で米国特許取得件数最多を記録しました。
| 2008年米国特許取得数上位リスト* | |||
|---|---|---|---|
| 1 | IBM | 4186件 | |
| 2 | Samsung | 3515件 | |
| 3 | Canon | 2114件 | |
| 4 | Microsoft® | 2030件 | |
| 5 | Intel® | 1776件 | |
| 6 | Matsushita** | 1745件 | |
| 7 | Toshiba | 1609件 | |
| 8 | Fujitsu | 1494件 | |
| 9 | Sony | 1485件 | |
| 10 | HP | 1424件 | |
* IFI Patent Intelligenceから提供された年間上位リストのデータ
** 現 Panasonic Corporation
IBMは今回、さらにイノベーションの促進、経済成長を支援するプランを発表しました。発明について、特許による保護を求める代わりに、公開によりその技術を公知とするものを年間50%増(3,000件以上)にする計画です。その結果、これらの発明に、誰もが無償でアクセスできるようになります。
また、IBMは、自社の基礎研究部門であるIBMリサーチが持つ先端的な統計・分析能力を用いて、特許の質を測る指標(パテント・クオリティ・インデックス:PQI)を開発している協働プロジェクトに貢献します。
技術情報を公開することは、「科学の発展と役立つ技術を促進する(米国憲法第1章第8条—米国特許法制定の根拠)」ための一つの手段です。発明を公開して先行技術の一部とすることで、侵害リスクを低減します。また、発明を公開することで、その発明が先行技術として特許庁による審査で引用され、特許が与えられる範囲を適正化することができるため、特許の質を向上させます。さらに、発明を公開することは、ダイナミックなビジネス成長を確実にするイノベーション促進を支援することにも繋がります。
IBMは引き続き特許を取得し、自社の知的財産を保護していきますが、同時に、新しい、より優れたインフラ構築を促進するような技術分野に焦点をあてて発明の公開を増やす計画です。このIBMの特許に関する方針は、今まで行ってきたオープンソース・ソフトウェア、医療、教育、環境、ソフトウェアの相互運用性の分野において、イノベーションを促進するために特許を開放して、自社特許を行使しないと公約してきた取り組みをさらに発展させるものです。
東京大学先端科学技術研究センターの渡部俊也教授とコロンビア・ロースクールのロナルド・J・マン教授が取り組んでいるPQIの開発プロジェクトに、このたびIBMの研究員が参加することになりました。このプロジェクトでは、その範囲が不明確である、あるいは科学的な進歩もしくは技術的なイノベーションの観点から特許性が疑わしいなど、質の低い特許に関する課題に取り組んでいます。質の低い特許は未審査の案件も含め、近年急激にその数を増しており、知的財産権について不安定な状況を、また憶測や訴訟を多く生み出しています。IBMは、その研究員が持つ先端的な統計・分析の専門知識を活用して、特許出願人、特許審査官、そして一般公衆が特許出願および特許取得されたものの質の客観的評価を可能にするPQIの開発に寄与し、特許の質の向上を追求していきます。
このプロジェクトの目標は、特許を受けようとする発明の明確性や特許審査の過程で適切な関連先行技術が引用されているかなどの要因に直接関連する経験則に基づいた客観的な評価指標を突き止め、確立することにより、特許システムがより良く機能していくことを支援することです。発明者がより良い特許出願を行い特許審査官がより早くより良い判断ができるよう支援して、特許明細書および審査の質を高めることで、より法的安定性の高い特許取得を可能にします。
このプロジェクトを通して特許の質を高めることにより、研究開発への継続的な投資が促進される一方で、世界中で事業活動の自由を阻害している激しい法的争いが抑制されると考えます。
IBMリサーチ担当シニア・バイス・プレジデントのジョン・E・ケリー3世は次のように語っています。「IBMの知的財産の戦略的な活用におけるリーダーシップは、プロプライエタリーなイノベーションとオープンなイノベーションのバランスを取ることに基づいています。グローバル経済を活性化させるために大型のインフラ・プロジェクトへの公共投資が計画されている中、IBMはイノベーションの促進を支援することを目標としています。また、特許システムの透明性をさらに高めることにより、発明者、起業家、あらゆる規模の企業で障害となっている特許の質に関する危機への取り組みを促進できると期待しています。」
IBMリサーチ、予測モデリング担当マネージャーのリチャード・ローレンスは次のように語っています。「特許の質の向上は、最重要な優先事項となるべきであり、数学的モデルの適用により、今まで主観的に評価されていたものをより客観的に評価するための経験測度を開発する支援ができると考えています。当プロジェクトおよび他の様々な特許の質に関する取り組みを通じ、特許システムを向上させ、新しいイノベーションの追求を促進できると考えます。」
* 当報道資料は、IBM Corporation のプレスリリースの抄訳です。
IBMは、International Business Machines Corporationの米国ならびにその他の国における商標。
Microsoftは、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標。
Intelは、Intel Corporationまたは子会社の米国およびその他の国における商標または登録商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標です。
[参考資料]
「特許の質」を測るプロジェクトの概要:IBMリサーチ・ファクト・シート
先端データ分析を使い、特許の質を評価
IBMの研究員は、このたび、東京大学先端科学技術研究センターの渡部俊也教授とコロンビア・ロースクールのロナルド・J・マン教授が取り組んでいるパテント・クオリティ・インデックス(PQI)の開発プロジェクトに参加することになりました。このプロジェクトでは、その範囲が不明確である、あるいは科学的な進歩もしくは技術的なイノベーションの観点から特許性が疑わしいなど、質の低い特許に関する課題に取り組んでいます。質の低い特許は未審査の案件も含め、近年急激にその数を増しており、知的財産権について不安定な状況を、また憶測や訴訟を多く生み出しています。
IBMは、その研究員が持つ先端的な統計・分析の専門知識を活用して、特許出願人、特許審査官、そして一般公衆が特許出願および特許取得されたものの質の客観的評価を可能にするPQIの開発に寄与し、特許の質の向上を追求していきます。
このプロジェクトの目標は、特許を受けようとする発明の明確性や特許審査の過程で適切な関連先行技術が引用されているかなどの要因に直接関連する経験則に基づいた客観的な評価指標を突き止め、確立することにより、特許システムがより良く機能していくことを支援することです。発明者がより良い特許出願を行い特許審査官がより早くより良い判断ができるよう支援して、特許明細書および審査の質を高めることで、より法的安定性の高い特許取得を可能にします。
PQIプロジェクトのハイライト
IBMリサーチが取り組むPQIプロジェクトの分野では、先端の統計、データ分析手法を適用し、特許の特定の属性が今まで認められた特許の質の尺度と一貫性を持っているかどうかを見つけ出します。IBMの研究員は、以下の点を含む特許の質の評価に関連する様々な課題について取り組む新しい方法を研究していきます。
構造的特性: どの特定の構造的な評価指標(たとえば請求項の数など)が特許の質に貢献しているのか、その程度を特徴付ける統計手法の適用
テキスト・ベースの特性: 特許の質を表すと経験上考えられているテキストのさらなる特徴を捕らえる新しい評価指標
分類された例: データが増加してもモデリングができるよう、膨大な数の特許を自動的に分類できる方法の究明
機械学習モデル: 特許の質の差別化要因をより良く説明するモデルの開発
洞察力の発揮: 短期的な目標として、ある特許出願の特許性に関する洞察を提供する試作ウェブサイトを開発し(たとえば、ある発明の各特徴が関連する先行特許のどこに開示されているかをまとめるなど)、長期的な目標として、PQI(上記に記載された分析に基づいて演算される特許の定量的な評価指標)を開発
