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プレスリリース

素粒子や宇宙の研究データを世界中のグリッド・システムで解析


2009年3月19日

素粒子や宇宙の研究データを世界中のグリッド・システムで解析
‐高エネルギー加速器研究機構で新システムが稼働開始‐

日本IBM(社長:橋本孝之、NYSE:IBM)は、高エネルギー加速器研究機構(機構長:鈴木厚人、以下KEK)の共通情報システムが本年3月に本格稼働し、素粒子や宇宙の研究に必須となる膨大なデータ解析を実現するとともに、メール、Webシステムといった国内外の研究者を支援する情報インフラが大幅に強化されたと発表しました。また、新たに稼働を開始した共通情報システムは、世界中で連携した大規模なデータ・グリッド・システムによって構築されており、大規模データ・グリッドを活用した先進的な事例となります。

KEKは、粒子加速器を研究手段に用いて、宇宙、素粒子、原子核、物質、生命などの謎を解き明かす加速器科学を推進し、国内外の研究者に対して研究の場を提供しています。共通情報システムの大容量データ解析に関しては、大強度陽子加速器施設(J-PARC)から収集されるデータの解析が主な利用用途となり、KEKの中心的な研究システムとしてさまざまな研究分野の大容量データを高速で解析できるようになります。さらに、メールやWebシステムといった情報インフラとしての機能も提供でき、KEKの情報インフラの基幹となるシステムが刷新されたことになります。

加速器を用いて素粒子物理の実験を行う高エネルギー物理学の分野では、装置が巨大になってしまうため、国際的に共同して実験装置を建設し、協調しながら大容量データを解析することが進められています。データ・グリッドは離れた場所にある複数のデータをどこからでも共有可能にする技術で、このような世界規模のデータ解析環境を構築するための有望なIT技術として注目されています。

今回の共通情報システムの稼働においては、CERN(欧州原子核研究機構)が中心となって整備しているグリッド環境の基礎技術であるEGEE(Enabling Grid foe E-scienceE) gLiteと、米国エネルギー省の研究所とIBMとで共同開発された階層型ストレージ管理ソフトウェアであるHPSS(High Performance Storage System)を連携させることにより、ペタバイトという大容量を求められるような膨大なデータとその解析をシームレスに実現できる環境が整備されました。これにより、二つの技術を連携させながら、サーバー資源とストレージ資源の両方において効率的かつダイナミックな資源共有を、高速で行うことができるようになります。

今回のシステムは、IBMのSystem p®520、System x®3650などや、高速なデータ転送を実現するGPFS(General Parallel File System)サーバーを採用しました。

なお、当システムの落札金額は11億9,700万円としてすでに公開されています。

高エネルギー加速器研究機構(KEK):
国立大学法人法により設置される大学共同利用機関法人。我が国の加速器科学(高エネルギー加速器を用いた素粒子・原子核に関する実験的・理論的研究、生命体を含む物質の構造・機能に関する実験的・理論的研究、並びに加速器の性能向上に関する研究及び関連する基盤技術に関する研究を指す)の総合的発展の拠点として研究を推進し、国内外の関連分野の研究者に対して研究の場を提供することを目的としています。

IBM、System pおよびSystem xは、International Business Machines Corporationの米国ならびにその他の国における商標