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プレスリリース

日本企業は顧客起点のサプライチェーンの構築と可視化が課題


2009年4月24日

日本企業は顧客起点のサプライチェーンの構築と可視化が課題
−世界のサプライチェーン管理者が抱える課題についての調査−

IBMビジネスコンサルティング サービス株式会社(本社・東京都千代田区、社長・椎木茂 以下IBCS)は24日、世界の主要企業でサプライチェーンを統括する上級管理者を対象に行った調査結果「IBM Global Chief Supply Chain Officer Study 2009」を発表しました。

今回の調査は、2008年の5月から8月にかけて、北米、欧州、日本を含むアジア太平洋地域における25カ国の計約400社(うち日本は27社)を対象に、IBMのコンサルタントによる面談形式のインタビューにて実施しました。サプライチェーン担当の上級管理者を対象に面談形式で行った世界初の調査です。また、今回の調査では、トップ・サプライチェーン企業のランキングである「AMR Research Supply Chain Top 25 for 2008」に選ばれた25社のうち、回答された17社をグローバル・リーダー(ベスト・プラクティス)と想定して、ベンチマークの対象としています。

サプライチェーンを取り巻く課題は、グローバル化と相互接続の進展によりますます複雑になっています。世界の企業ではサプライチェーンに関する多くの課題に取り組んでいますが、今回の調査では、以下の5つの課題が最重要であると認識されていることが明らかになりました。

  1. 顧客との親密性
    顧客起点のサプライチェーン構築を目指しながらも、実際には多くの企業が顧客との結びつきよりもサプライヤーとの結びつきを深めていました。日本企業では、世界の56%を約20ポイント上回る74%の企業が、顧客との親密性を構築することが重要と考えています。また、日本企業は顧客ニーズを正確に把握することが大変重要であると認識している一方で、製品開発と需要計画の両面において協働によって顧客ニーズを掴む取組みが遅れており、社内に閉じたサプライチェーンとなっている傾向が見られます。
  2. リスク管理
    サプライチェーンが複雑化しており、世界では60%、日本では73%がリスク管理を重要な課題に位置づけ、例えば、社外パートナーを含めたサプライチェーン全体で供給が止まるといったリスクを管理すべきと考えています。リスク管理の阻害要因として、プロセス標準化の遅れ(世界:46%、グローバル・リーダー:48%、日本63%)やガバナンス問題・利益相反といった組織上の課題(世界23%、グローバル・リーダー:19%、日本46%)が挙げられており、本来管理すべき事項が管理しきれていない悩みが浮かび上がっています。
  3. サプライチェーンの可視化
    これまで可視性を向上するため数々の取リ組みがなされ、多くの情報が入手できるようになりましたが、サプライチェーン担当上級管理者は、適切な情報を「見える化」し、それに基づいて行動することができていないと考えています。日本においても、ビジネス・パフォーマンスの測定や異常発生時にアラートを発するイベント・マネジメントなど、情報が伝達された後に次のアクションへとつなげるという取り組みができていない傾向があります。可視化を妨げるものとして、縦割り組織や多忙の他に、日本では64%(世界:52%、グローバル・リーダー:34%)の回答者が協働や可視化の重要性の認識の低さを指摘しており、組織上の取り組みの必要性を示唆しています。
  4. コストの抑制
    従来からの課題であったコストにおいても、絶え間なく続く急速な変化に対応することが求められています。コストの変動費化を進めるために、ロジスティクス領域を中心にアウトソーシングが広く行われていますが、外部へ依存するだけでなく、戦略の見直しや拠点配置の最適化などを行った上でアウトソーシングすることによって、高い効果を上げている企業が多く見られます。
  5. グローバル化
    グローバル化は、コスト削減よりも売上の拡大に効果があると考えられています。日本でも製造業などの領域で海外移転が進んできていますが、グローバル化によってサプライチェーンの全体的なパフォーマンスが向上したという日本企業は22%(世界:37%、グローバル・リーダー:59%)に過ぎず、真の意味でグローバル展開するサプライチェーンを実現できていないという認識が示されています。

今回の調査では、サステナビリティ(持続可能性)についてもインタビューを行いました。約半数の日本企業は、環境問題がサプライチェーンに与える影響は大きいと考え、このような認識は37%の回答であった世界よりも進んでいます。世界の他地域に比べ日本企業のグリーン・サプライチェーンの取り組みは進んでおり、約7割の日本企業は環境配慮設計や製造でのCO2削減の取り組みを行っており、半数の日本企業は自社外の流通段階やサプライヤー選定において環境を配慮しています。

IBMは地球がより賢く進化していくことを示す「A Smarter Planet」というビジョンを提唱し、スマートな社会の実現を目指しています。サプライチェーンに関しては、例えば、陳列棚レベルでの補充や部品・原材料のトレースといった情報をより詳細にリアルタイムで入手できるだけでなく、今後は、これまでの“センス&レスポンド型サプライチェーン”の先にある“プレディクト&アクト型サプライチェーン”を目指して、課題を予見し新たな課題であっても最適な対応がとれるような、スマートなサプライチェーンを構築していきます。

<ホームページ>
IBM ビジネスコンサルティング サービス トップページ
http://www.ibm.com/services/bcs/jp/
日本IBM トップページ
http://www.ibm.com/jp/

IBMは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。