2009年5月14日
IBM、ストリーム・コンピューティング時代を導く
スマートな意志決定のためのリアルタイムビジネス分析プラットフォームを提供する新ソフトウェア
【米国ニューヨーク州アーモンク、2009年5月13日(現地時間)発】
IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE
: IBM)はこのたび、膨大なデータをリアルタイムに分析し、スマートな意思決定に欠かせない正確な洞察を極めて高速に届けることを可能にする“ストリーム・コンピューティング”ソフトウェア「IBM®
System S」を発表しました。
またIBMは本日、アイルランドのダブリンにIBM欧州ストリーム・コンピューティング・センターを開設しました。このセンターは、最も手腕を問われる経営課題に対処するために、ストリーム・コンピューティングの導入を検討している欧州のお客様向けに、研究やカストマー・サポート、先進的なテストなどを提供する拠点となります。
さらに、IBMは、お客様がこのソフトウェアの性能をよく理解し、どのように業務で活用することができるか判断できるように、System
Sのトライアル・コードを無料で提供します。このトライアル・コードには、開発者向けツール、アダプター、アプリケーションをテストするためのソフトウェアなどが含まれます。
System Sは継続的な分析のために開発され、あらゆるソースのデータから先見的な分析手法を作り出す、新ストリーミング・アーキテクチャーや画期的な数学的アルゴリズムを活用し、人々が求めている対象へと正確に絞込み、追加データが利用可能になる度に分析結果を洗練させ続けます。
例えばSystem Sは株価や小売指数、天気予報など、何百何千もの同時に流れていくデータ(データ・ストリーム)を分析することができ、即断が求められるビジネス・リーダーに、瞬時に分析結果を提供します。このソフトウェアは政府、法務執行機関、金融機関、小売業者、運送・運輸会社、医療機関など、状況変化にリアルタイムで対応する必要のある全ての組織・企業を支援します。
IBMリサーチ担当シニア・バイス・プレジデントのジョン・E・ケリー3世は次のように語っています。「System
Sソフトウェアは、ビジネス・アナリティクスや高度数学への長年の投資を通じ、IBMがお客様に貢献しているもうひとつの実例です。流入するデータをリアルタイムで管理・分析し、よりスマートな意志決定に役立てることにより、企業やビジネスの差別化を支援します。」
コンピューターを活用して、多様で、体系化されていない、互換性のない、しかも複数のデータ・ストリームをリアルタイムに分析し、迅速・正確で、洞察的な決定作業を可能にする
- この技術が持つ非常に大きな可能性は、情報技術の著しい進歩を示しています。世界がますます相互接続され、機能化していくに伴い、データベースなどの体系化された情報だけではなく、電子センサーやウェブ・ページ、e-メール、ブログ、ビデオなどから捕らえられる、体系化されていない、互換性のない、様々なデータなど、データの量の増大は、とどまるところを知りません。2010年までに、デジタル情報の量は、988エクサバイトに達すると予測されています。それは太陽から冥王星までの間、本を山積みにして往復したのと、ほぼ同じ情報量となります。
従来のコンピューティング・モデルは、保管データを過去に遡って分析することはできますが、重要な意志決定に影響するような大量のデータ・ストリームを、継続的に処理することはできません。System
Sは、お客様が“現実の認識”を高め、複雑なシステム間の変化を察知し、それに対応することを支援します。
この多に類を見ないソフトウェア・プラットフォームは、IBMのインフォメーション・マネージメント分野における20年以上の経験と、IBMの基礎研究所による7年間にわたる開発、また様々なハードウェアで稼動する強力で高性能なコンピューティング・システムを構築するために100以上の特許活用に特徴づけられています。IBMリサーチが企業の成長機会拡大を支援すべくお客様に提供する新しいソリューションのひとつであるSystem
Sは、既に世界の一部のお客様で活用されています。
お客様事例
Uppsala University(ウプサラ大学)とSwedish Institute of Space Physics(スウェーデン宇宙物理学研究所)は、電力供給、ラジオやテレビを通じた通信、航空、宇宙旅行、人工衛星などに影響を与える“宇宙の天気”
の理解を深めるために、System Sを活用しています。スウェーデンのLOIS Space
Centerの無線設備を使って宇宙からの情報を3次元で分析することによって、科学者はこの技術を用いて膨大な量のデータを取りまとめ、宇宙活動の予測を導き出します。研究者は宇宙からの信号をかなり長い期間測定する必要があるため、一つのアンテナから受信した小さなデータさえも、すぐに膨れ上がり、取り扱いや保存が難しくなります。System
S はセンサーでデータが受信されると、即座に分析します。来年、または今後数年にわたって、このプロジェクトは、最低でも毎秒6ギガバイト、毎時21,660ギガバイトのデータを分析することが見込まれています。それは現在インターネット上の全てのウェブ・ページの情報量に匹敵します。
The Marine Institute of Ireland(アイルランドのマリーン・インスティテュート)は壊れやすい海洋生態系について理解を深めるため、System
Sを活用しています。この取り組みの中核である、環境のモニタリングと管理のためのリアルタイムでの分散データ・ストリーム分析のための仕組みを現在、開発しています。大量の水中音響データをリアルタイムで処理することで、この研究所は例えば海洋生物の種の特定や、生息数や分布などの重要な情報を抽出します。この分析プラットフォームは今後、最近発表したIBMのSmartBayプロジェクトの有用性を拡大する形で、天候、海洋交通などの分野に拡張し、代替周波数によってサンプリングされた音響データを用いた、相互関係やモデリングを可能にします。
トロント・ドミニオン証券とIBMは、System Sを使って世界最速の自動化されたオプション取引の画期的なプロトタイプを共同で開発しました。トロント・ドミニオン証券と協業していたIBMの科学者は、このシステムを使って、データ処理において、金融取引システムに比べ21倍の処理能力の向上を達成しました。
IBMとオンタリオ工科大学(UOIT)は、テスト用にSystem Sを使用して、医者が重篤の未熟児の微妙な状態の変化を検知できるよう支援しています。このソフトウェアは、未熟児の医療情報と共に、心拍数や呼吸などの医学的データ・ストリームを絶え間なく取り込みます。感染症のような命にかかわる状態において、たとえば生理学的なデータ・ストリームの変化を観察することで24時間前までに感染を見つけることができるなど、未熟児を患者のグループとしてモニターすることは特に重要です。System
Sの活用によってもたらされる類の情報は、まだなく、現在、医師は、様々なモニターの測定値から手作業で判断するといった紙中心のプロセスと、ケアをする看護士からのフィードバックを頼りに未熟児のモニターを行っています。
IBMのSystem Sの詳細については、こちらのサイトをご覧ください。
http://www.ibm.com/software/data/infosphere/streams/(US)
System SはInfoSphere製品ラインとして提供されます。
当報道資料は、IBM Corporation が2009年5月13日(現地時間)に発表したプレスリリースの抄訳です。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/27508.wss
IBMは、International Business Machines Corporationの米国ならびにその他の国における商標。
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