2009年6月19日
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
Fraunhofer Institute for Experimental Software Engineering
日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェアインスペクションの技術者の交流と
先進的技法の評価を目的としたワークショップを開催
~ ソフトウェア欠陥の早期発見技術の発展に寄与 ~
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科(学長:磯貝彰)ソフトウェア工学講座とドイツFraunhofer
Institute for Experimental Software Engineering(フラウンホーファ実験的ソフトウェア工学研究所:エグゼクティブディレクター:
ディーター ロンバッハ)が、ソフトウェアインスペクションに関する技法や研究テーマに関する知見を共有することを目的に、2009年2月に設立したWorking
Group of International Research Cooperation on Software Inspections(ソフトウェアレビュー/インスペクション研究の国際連携ワーキンググループ)は
、日本アイ・ビー・エム株式会社(社長:橋本孝之、NYSE:IBM、以下、日本IBM)と共同で、開発途上のソフトウェアの欠陥を未然に発見し、ソフトウェアテストを補完する「ソフトウェアインスペクション」技術に関するワークショップを開催します。
本ワークショップは、世界的にみても開催される機会が少なかった、ソフトウェアインスペクションを実践する技術者が議論、交流できる場を提供し、ソフトウェアインスペクション技術やソフトウェア品質向上技術の発展に貢献します。また、ソフトウェアインスペクションの技法を紹介するとともに、日本IBMが国際的なソフトウェア品質研究コミュニティにおいても提唱しているクオリティインスペクションの技法と実践を披露します。
開催概要
| 日時: | 2009年7月2日(木) 13:30~17:45 |
| 場所: | キャンパスイノベーションセンター東京1F 東京都港区芝浦 3-3-6 |
| ワークショップアジェンダ: | 詳しくはこちらのWebサイトをご覧ください http://se.aist-nara.ac.jp/events/siw2009.html |
| 参加資格: | 本イベントは、ソフトウェアレビュー/インスペクションの経験者を前提として、参加者にJava®ソースコードのインスペクションを実際に実施していただきます。これらに関する知識がある方に参加いただくことを前提としています。 |
| 参加方法: | 上記のWebサイトよりお申し込みください(本日より申し込み可) |
| 定員: | 60名(定員になり次第締め切り) |
| 費用: | 無料 |
議論の題材と進め方
Javaソースコードを対象として参加者にコードインスペクションを実施していただきます。その後参加者間で評価、議論します。議論に先立ち、インスペクション対象の局所化技術を実際にご覧いただきます。議論では、参加者自身のソフトウェアインスペクション/ソフトウェアレビュー技法を洗練し、改善点を参加者自身によって発見できるよう促します。議論の題材となるJavaソースコードは国際ワーキンググループが提供し、局所化技術に必要なツールとして日本IBMが「IBMR
RationalR Software Analyzer」を提供します。
また、議論の基本的な方向はソフトウェア開発に関する国際実証研究コミュニティでも広く用いられている「開発コンテキスト(状況や事情)の抽出」と「コンテキストに照らし合せた効果の検証や吟味」を中心に進めます。
技法紹介
ソフトウェアインスペクション/レビュー技法の概要紹介と本ワークショップで紹介する技法の位置づけ、日本IBMでのクオリティインスペクション(*)の理論と実践を紹介します。実践事例では大規模ソフトウェアのインスペクション/レビューに欠かせないツールを用いた事例を紹介し、自動化が難しいソフトウェアインスペクションではどのように自動化を進めていくかということについて例題を示しながら進めます。
* Nobuhiro Hosokawa: Data-driven quality inspection: Human-centered defect
lifecycle management from industry practice, In proceedings of 4th World
Congress for Software Quality (2008)
評価結果の公開
本ワークショップで実施したインスペクションの結果は、個人情報を削除した上で研究論文として公開し、研究開発コミュニティの発展に貢献する予定です。
用語解説
ソフトウェアインスペクション
ソフトウェアインスペクションとは、1976年にIBM Michael Fagan氏により提案されたソフトウェアの品質向上技法であり、開発途上のソフトウェア(仕様書、設計書、ソースコードなど)を作成担当者以外の開発メンバ、あるいは第三者が調べることにより欠陥を発見する技法です。
これまで、多くのソフトウェア開発では、実際にソフトを動かすテストによる品質向上活動が中心となっていました。テストでは開発の過程で混入された欠陥を発見することにより品質を高めます。ソフトウェアインスペクションは開発の序盤の工程から実施可能であり、欠陥の予防と欠陥の発見に必要となるコストとスケジュール遅延のリスクが低減できます。さらに、インスペクション実施により欠陥を早期発見することで、テストで検出する場合と比較して修正コストが20%程度に抑えられることが報告されています。
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