2009年6月22日
IBM、モバイル・コミュニケーションの研究に1億ドルを投資
[米国ニューヨーク州アーモンク、2009年6月17日(現地時間)発]
IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE
: IBM)は本日、世界中の企業や消費者のお客様向けのモバイル・サービスと機能向上を目的とした主要な研究活動に、今後5年間で1億ドルの投資を計画していることを発表しました。
IBMの研究所では、インターネットへ接続する主な手段として、PCではなく携帯機器を使用し、現場の社員を管理したり、金融取引やエンターテイメント、ショッピングなどを楽しんだりする何百万ものユーザーに向けて、簡単で使い易いサービスを提供するための技術を開発します。
IBMはこの取り組みを通じて、企業活動や人々の日常生活をより効率的にするためのモバイル・ウェブ基盤に、新たなインテリジェンスをもたらすことを目指しています。IBMの研究投資の重点分野は、モバイル・エンタープライズ・イネーブルメント、新興市場におけるモビリティ、企業エンド・ユーザーのモバイル体験です。分析、セキュリティー、プライバシー、ユーザー・インターフェース、ナビゲーションなどの分野に、IBMリサーチは集中して取り組んでいきます。
IBMリサーチのモバイル・コミュニケーションのグローバル・リーダーで、IBMのインド研究所長であるDr.
Guruduth Banavar(グルダス・バナバール博士)は、次のように語っています。「携帯機器は徐々にユビキタスになりつつあり、私たちが地理的、経済的、社会的、そしてその他様々な境界を越えるために役立っています。高い普及率、シンプルなユーザー・インターフェース、そしてエンド・ユーザーへの大幅なコスト効果などにより、携帯通信は企業のコミュニケーションと情報交換の未来を握っています。」
モバイル・エンタープライズ・イネーブルメント
低コスト、広帯域幅、ワイヤレス接続、そしてPC同様の情報処理能力などが、情報サービスへ接続するための魅力的なプラットフォームとしての、携帯電話の進化を加速化しています。
携帯電話は現在、従来の電話を上回り、その携帯性がもたらす経済成長の機会は、甚大です。IBMのビジネス・バリュー・インスティテュートによると、2006年から2011年までに、携帯電話のユーザーは191%増え、その数は約10億に達すると予測されています。
携帯電話の持つ可能性は、IBMのFirst-of-a-Kind(FOAK)プログラムの一環として実施された、“BlueStar”と呼ばれる技術を活用して保険申請プロセス向けに自動化された携帯機器やアプリケーション管理サービスを開発することを目的とした最近のパイロット・プログラムで確認することができます。IBMのFOAKプログラムでは、IBMの科学者とお客様が一体となって、ビジネスの実課題を、最新技術によってどのように解決することができるかを研究します。
このパイロットでは、保険会社は携帯技術を活用して、各案件に対応可能で最適な保険査定員の位置を割り出して派遣するなど、保険申請処理に必要な時間を大幅に削減することが可能になりました。GPSロケーション技術、所在認識機能、全候補者の対応可能日程の分析機能などを統合して、適切な査定員を特定することができます。査定員が指名されると、BlueStarはその査定員の携帯電話の設定状況やセキュリティーの状況を取得し、必要に応じて更新します。そしてBlueStarは、その申請案件の必要情報を揃え、指定の携帯機器の設定に形式を整え、全てのデータをその機器に転送します。
現場に行くスタッフに向けて情報を設定する、こうしたポリシー主導のアプローチは、携帯サービス製品のメンテナンスを簡単にします。何百、何千もの使用機器に分散された情報よりも、一台のサーバーによって直接提供される情報は、より効率的かつ安全に監視、更新することができます。
このBlueStarのパイロットは、企業の多くの現場社員に対して、どのように携帯機器やアプリケーションを提供し、管理するかを実証しました。この取り組みは、携帯機器のよりスマートな管理だけではなく、携帯機器を使用した現場社員のよりスマートな働き方を可能にします。
新興市場のモビリティ
PCを通じてインターネットへ容易に接続することができない世界の83%の地域において、IBMは、携帯電話ユーザーがより生産性を向上できるよう支援します。そのような地域では、技術や識字能力などの欠乏、安定した電力供給やスマート・フォーンの限られた供給など、インフラストラクチャーの欠如が見られます。
IBMリサーチは南インドにおいて、農家、修理工、中小企業経営者、消費者などを含む人々が、携帯電話を通じた音声によってタイムリーな情報を送信、再現、交換するためのパイロット・プログラムを確立しました。そのコンテンツは、天候、海洋状況、穀物価格、広告、バスの運行スケジュール、ニュース、授業スケジュール、製品カタログ、健康情報、利用可能サービス予約などが事業者や自治体によって作成され、更新されます。
情報の入力や取得、また予約や支払いなどの取引をすることが、携帯電話に向けて話しかけるのと同じくらい簡単に実行できます。このパイロットは9ヶ月稼動していますが、すでに多くのユーザーから賞賛されています。
企業からエンド・ユーザーへのモバイル体験
IBMリサーチのテレコム・リサーチのチーフ・テクノロジストのPaul Bloom(ポール・ブルーム)は、次のように語っています。「モビリティとそれに伴う分析論は、事実上、全ての企業の業務プロセスを変えるでしょう。それは企業とそのお客様、企業の社員とパートナーの関係性を変え、よりインテリジェントに、効率的な方法でビジネスを進めることを可能にします。」
移動性(モビリティ)が企業とそのエンド・ユーザーの関係をどのように変えるかの一例として、台湾第2の大手通信企業であるTaiwan
Mobile(台湾モバイル)と、IBM ハイファ研究所のプロジェクトが挙げられます。このプロジェクトでIBMは、顧客情報を分析し、変化するユーザーの好みや状況、取引履歴などに基づいた、扱いやすいビジネス・インテリジェンスを抽出します。
このFOAKソリューションは、通信企業や小売業者が、携帯ポータルを簡易化し、最善のタイミングで最適な製品を適切なお客様に推薦することで、
お客様との取引を実現する可能性を最大化することなどに活用することができます。
またこの技術によって、製品管理者は、既存もしくは見込み顧客人口の動向、分布領域を分析し、それぞれのお客様に合わせた効果的なオンライン・モバイル・マーケティングを推進することができます。
エンタープライズ・モビリティによって、人々はオフィスや家庭でのエネルギー消費をより詳細に監視したり、店舗からの個別の提示や割引を受けたり、よりじっくりと調査したり、より便利に支払ったり、社会的・専門的なネットワークと密に関ることができます。モバイル・ウェブによってもたらされるポータブルでパーソナルで正確な情報は、より適切な緊急対応を可能にし、医療従事者はより多くの情報を得て、効果的で安全な医療処置を判断することができます。
IBMリサーチは世界中に8つの研究施設を持ち、約3,000人の科学者によって構成されています。またIBMは18カ国にある75の開発研究所に、20,000人以上のソフトウェア開発者を配置しています。IBMは16年間連続で米国特許取得数トップを記録し、その研究者のうちの5人はノーベル賞を受賞しています。
当報道資料は、IBM Corporation が2009年6月17日(現地時間)に発表したプレスリリース
(http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/27747.wss)の抄訳です。
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