2009年10月21日
ダウ・ケミカルと富士ゼロックスがエコ・パテントコモンズに参加
米国ゼロックスも新たに特許を開放
[スイス・ジュネーブ 2009年10月20日(現地時間)発]
持続可能な開発のための世界経済人会議(The World Business Council for Sustainable
Development:WBCSD)がコーディネートする環境に貢献する特許を開放するための初の試みであるエコ・パテントコモンズにこのたび、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(以下
ダウ・ケミカル)と富士ゼロックス株式会社(以下 富士ゼロックス)が参加したことを発表しました。
開放された特許の中には、ダウ・ケミカルが開発した製造プロセスの過程でエネルギー消費および材料消費を削減することによってより効率的なオレフィン(包装、エレクトロニクス、接着剤、その他様々な耐久消費財など多くの材料の基本構成要素)の製造を可能にする技術に関する特許や、富士ゼロックスが開発した廃水を効果的に処理する方法に関する特許などがあります。
「ダウ・ケミカルと富士ゼロックスがエコ・パテントコモンズに参加されることを、とてもうれしく思います。両社の特許開放、研究開発への投資の成果の共有は、持続可能な開発における真のリーダーシップを示すことにつながります。エコ・パテントコモンズは引き続き発展しており、エネルギーの効率化、水処理、廃棄物削減などに取り組まれている個人や企業にとって開放された特許は貴重な資源となっています」と、WBCSDのプレジデントを務めるBjorn
Stigson(ビヨン・スティグソン)氏は述べています。
ダウ・ケミカルが開放した特許について
ダウ・ケミカルが開放した2件の特許は、オレフィン(不飽和炭化水素)化合物の製造をより効率化するものです。触媒の長寿命化や、反応装置内での時間経過に伴う圧力降下の抑制により、触媒を取り換える頻度を減らすことができるなど、既存技術に比べ、いくつかの点で優れています。
これらの特許に記載された製造方法は、炭化水素の脱水素化およびその前処理に使用される、多孔質の支持材に担持された活性化合物を触媒とするものです。炭化水素系化合物の脱水素化によるオレフィン化合物の生成は、化学製品の製造に広く使われている大規模な製造プロセスです。たとえば、脱水素化プロセスには、プロパンからプロペン、ブタンからブテンといった、アルカン(飽和炭化水素)の脱水素化によるアルケン(不飽和炭化水素)の生成や、エチルベンゼンからスチレンのような、アルキル芳香族系炭化水素の脱水素化によるアルケニル芳香族系炭化水素の生成などがあります。
富士ゼロックスが開放した特許について
富士ゼロックスは、廃水を効果的に処理する2件の特許を開放しました。この廃水処理方法は、界面活性剤成分を分離することで処理効率を上げるとともに、工場などからの廃水の中からポリシリカ鉄凝集剤を使用して特定の化学物質などを凝集して分離することで、凝集剤の使用量、発生する汚泥量を削減し、環境を汚さず効率的に工場などから出る廃水を処理する方法です。
米国ゼロックスが新たに開放した特許について
昨年秋に土壌・地下水汚染の浄化にかかる時間とコストを大幅に削減する技術に関する特許11件を開放した米国ゼロックス・コーポレーション(以下
米国ゼロックス)も、磁気冷凍の環境に与える影響を低減する技術に関する特許をこのたび新たに開放しました。米国ゼロックスの米国特許5,641,424は、オゾン層の減少につながるフロンなどの冷媒使用の削減および消費エネルギーが大きいコンプレッサーの削減につながる技術で、磁化された溶液の製造方法およびその磁気冷凍への適用方法について説明しています。今までの磁気冷凍は、多くの場合、温室効果の影響をもたらすとされる化学物質であるクロロフルオロカーボン(CFC)およびハイドロフルオロカーボン(HFC)などのフロン類を使用しています。
2008年1月にWBCSDとIBM、ノキア、ピツニーボウズ、ソニーがエコ・パテントコモンズを設立以来、ボッシュ、ダウ・ケミカル、デュポン、富士ゼロックス、IBM、ノキア、ピツニーボウズ、リコー、ソニー、大成建設、米国ゼロックスと、様々な業界を代表する世界的な企業11社が特許の開放を通じ、エネルギー効率や省エネ、廃棄物削減、リサイクルなどの分野への貢献に寄与しています。
何らかの環境関連特許を一つでも開放すればエコ・パテントコモンズのメンバーの資格が与えられます。どの特許を開放するかは各個人、企業の裁量に委ねられています。エコ・パテントコモンズのメンバーおよびWBCSDは、地球環境を保護するためのイノベーションやコラボレーションを推進するイニシアチブに賛同される個人、企業の参加を呼びかけています。
エコ・パテントコモンズへの参加要領および開放された特許の一覧は、WBCSDが主催するエコ・パテントコモンズ専用のウェブサイトに公開されています。
http://www.wbcsd.org/web/epc
持続可能な開発のための世界経済人会議(The World Business Council for Sustainable
Development:WBCSD)について
持続可能な開発のための世界経済人会議は、経済成長、生態系のバランスおよび社会的進歩を3本柱として、持続可能な開発を進めることを共通のコミットメントとする30を超える国々と20の主要産業部門にまたがる約200の国際企業によって構成されています。また、約60の国家、地域レベルのビジネス協議会とパートナー組織のグローバル・ネットワークのメリットを享受しています。持続可能な開発に向けビジネス・リーダーシップを発揮すること、また、持続可能な開発に関する課題が山積している世界で企業がビジネス活動を行い、イノベーションをおこし、成長するためのビジネスへのライセンスを支援することをミッションとしています。
