2009年12月18日
今後5年間に都市を一変させる5つのイノベーション
[米国ニューヨーク州アーモンク、2009年12月17日(現地時間)発]
IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は本日、今後5年から10年の間に世界の人々の働き方、遊び方、生活を一変させる可能性を持った一連のイノベーションを発表しました。
- より健康的な免疫機構を持つ都市
- 生命体のように感知し、反応する建物
- 燃料が不要な自動車やバス
- 都市の渇きを癒やし省エネを実現する、よりスマートなシステム
- 緊急通報が入る前に危機に対応できる都市
毎年6,000万もの人々が都市や市街地に移り住んでいると推定され、これは週当たりにすると100万人以上になります。世界はいまだかつてないペースで都市化を経験しつつあるため、今年4回目を迎えた「IBM
Next 5 in 5(今後5年間で生活を一変させる5つのイノベーション)」では、都市に重点を置きました。昨年、私たちの地球は、歴史上初めて、世界人口の過半数が都市の住民となったという重要な節目に達しました。
IBM Next 5 in 5は都市を一変する可能性を持つ市場や社会の動向、また、こうした予測を実現させる世界中のIBMの研究所が持つ新たなテクノロジーに基づくものです。
都市は、増加し続ける人口と劣化していくインフラに同時に対応しなければなりません。IBMはすでに世界中の都市と協力して、都市が成長を維持できるよう、よりスマートになるための取り組みを実行しています。インテリジェンスを都市に吹き込むことで、今後5年間に都市は次のように変貌していくでしょう。
より健康的な免疫機構を持つ都市
人口密度を考えると、都市はこれからも伝染性疾患の温床となる状態が続くでしょう。しかし将来、公衆衛生当局は疾病がいつ、どこで、どのように拡大するかを正確に把握できるようになり、どの地区で次に感染が広まるかということが予測できるようになります。科学者たちは市当局、病院、学校、職場での新型ウイルスや季節性インフルエンザなどの感染を検知、追跡して、拡大に備えたり予防したりするためのツールを配布します。電子カルテに納められた匿名の医療情報が安全に共有され、疾病の蔓延を食い止め、人々の健康を維持する「健康インターネット」が登場するでしょう。IBMはすでにNTI(核脅威イニシアチブ)のGlobal
Health and Security InitiativeやMECIDS(Middle East Consortium on Infectious
Disease Surveillance)など、全世界の機関と協力して、医療情報の共有および感染症の爆発的流行の分析に関する方式の標準化に取り組んでいます。
生命体のように感知し、反応する建物
人々が記録的な速さで都市の建物に流入している状況にあって、スマートなビルが建設されるようになります。現在、暖房、水道、下水、電気など、ビルを構成するシステムの多くはそれぞれ独立して管理されています。将来においては、施設を管理するテクノロジーは生命体のように機能して、素早く感知、反応することで市民を守り、資源の節約と二酸化炭素排出量の削減が実現するようになります。ビル内部の何千ものセンサーが、動きや温度、湿度、居住率、光にいたるまで、すべてのものを監視するようになります。建物は自然と共存するだけでなく、自然の持つ力を利用します。このシステムにより、何かが壊れる前に修理できるようになり、緊急ユニットが必要な資材を使って素早く対応します。また消費者や事業主はこのシステムにより自身のエネルギー消費量と二酸化炭素排出量をリアルタイムでモニターし、減らすための措置を取ります。いくつかのビルでは、すでに省エネルギー、運用効率の改善、居住者の居心地や安全性の向上など、インテリジェント化の兆しを見せるようになってきました。中国の杭州黄龍飯店(ドラゴン・ホテル)は「スマートなホテル」への変革の一環として、装備した機器を相互接続し、インテリジェントなホテル管理システムを構築するにあたってIBMを選定しました。この契約に基づき、IBM
は同ホテルの主要システムを統合していきます。
燃料がいらない自動車やバス
車の燃料計の「E」(タンクが空)が、初めて「Enough」(充分)を意味するようになります。自動車や市内バスは徐々に化石燃料への依存を排除していきます。車両は数日間、あるいは使う頻度によっては数カ月間も充電が不要な新しい電池技術で稼動するようになります。IBMの科学者とパートナー企業は、1回の充電で300~500マイル(480~800キロ)の走行が可能な電気自動車(現在の走行可能距離は50~100マイル)を実現する、新しい電池の設計に取り組んでいます。また都市のスマート・グリッドにより自動車は公共の場所で充電できるようになり、使う電力も風力などの再生可能エネルギーに変わり、石炭による発電への依存がなくなります。これにより二酸化炭素排出量が減るとともに、騒音公害も少なくなります。IBMと、デンマークに本拠を置く研究コンソーシアムEDISONは、再生可能エネルギーで稼働する電気自動車の大規模導入を可能にする、インテリジェントなインフラの開発を進めています。
都市の渇きを癒やし省エネを実現する、よりスマートなシステム
今日、全世界の5人に1人は安全な飲み水が確保できない状況にあり、市町村は水道設備の水漏れのために貴重な水を最大50%も失っています。その上、水の需要は今後50年間で6倍に膨れあがると予測されています。この課題に対処するため、都市はスマートな給水システムを導入して、水の無駄遣いを最大50%減らすようになります。また都市は、河川や湖への汚水流入を防ぐだけでなく、水を浄化して飲用可能にするスマートな下水システムを取り入れます。先進的な浄水テクノロジーによって、都市はその地域ごとに水のリサイクルと再利用ができるようになり、水を輸送する場合に比べてエネルギーが最大20%削減できます。双方向のメーターとセンサーが水道およびエネルギーのシステムに統合され、使った水の量がリアルタイムで正確に把握できます。そのため人々は、水という貴重な資源をいつ、どのように使うか、より適切に判断できるようになります。
緊急通報が入る前に危機に対応できる都市
都市は犯罪や災害などの緊急事態を削減し、時には防止することもできるようになります。IBMはすでに司法当局と協力して、適切な情報を適切なタイミングで分析し、担当公務員が事態を先取りした対策を講じて犯罪を阻止できるようにしています。ニューヨーク市の消防局はIBMを選定して、リアルタイムでデータを収集・共有し、火災を予防するとともに救助隊を守る最先端のシステムを構築しました。またIBMは、都市を壊滅的な洪水から守るスマートな堤防システムについても設計を進めています。
当報道資料は、IBM コーポレーションが12月17日(現地時間)に発表したプレスリリースの抄訳です。
<関連サイト>
2008年 Next 5 in 5
2007年 Next 5 in 5
2006年 Next 5 in 5
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