プレスリリース

IBM、今後5年間で人々の生活を一変させる5つのイノベーションを発表

2010年12月29日

IBM、今後5年間で人々の生活を一変させる5つのイノベーションを発表

[米国ニューヨーク州アーモンク、2010年12月27日(現地時間)発]

IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE : IBM)は本日、人々の働き方、生活、遊び方を一変させる可能性を持った一連のイノベーション「Next 5 in 5」を発表しました。今年で5回目となる「Next 5 in 5」は以下の通りです。

「Next 5 in 5」は、私たちの生活を一変させる可能性を持つ市場・社会の動向や、こうしたイノベーションを実現させる世界中のIBM研究所が持つ新たなテクノロジーを基にしています。今後5年間のテクノロジー・イノベーションによって、人々の生活は次のような変化を遂げるでしょう。

友人との通信も3Dで
今後5年間で、映画のような3Dインターフェースが実現し、友人のホログラム(3次元立体画像)とリアルタイムで双方向通信ができるようになります。既に映画やテレビは3Dに移行しつつあり、3Dカメラやホログラフィー・カメラも携帯電話向けに高性能化・小型化が進んでいます。今後はこれまでになかった全く新しい方法で、写真のインタラクティブ操作やWebブラウジング、友人とのチャットが行えるようになります。

現在、ビデオ・チャットを「3Dテレプレゼンス」と呼ばれるホログラフィー・チャットへと進化させる研究が進んでいます。この技術では、対象物からの散乱光を利用して対象物の画像を構築します。人間の目が周囲の状況を視覚化するときと同様の仕組みです。

さらに3Dの世界で可能なことは、友人とのホログラフィー・チャットだけではありません。例えば、地球の平面地図では極付近に歪みが生じるため飛行経路も曲がっているように見えますが、同じようにデジタル・フォト・アルバムなどのデータにも歪みが存在し、その歪みはデジタル情報が「スマート」になるにつれて大きくなっています。今では写真にジオタグが付与され、Web情報はデバイス間で同期化され、コンピューター・インターフェースは人々にとってますます当たり前のものになっています。

IBMリサーチでは、3Dデータを視覚化する新しい手法の開発に取り組んでいます。この技術が実現すれば、建物からソフトウェア・プログラムにいたる、あらゆる設計図の内部から、エンジニアがインタラクティブな3Dの地球儀上で疾病の拡大をシミュレーションしたり、ツイッター上で話題になっている世界のトレンドを視覚化したりできるようになります。しかも、すべてがリアルタイムで進行し、データの歪みが生じることもほとんどありません。

空気を利用して携帯機器に動力を供給するバッテリー
ラップトップ・パソコンのバッテリーが充電なしで一日中もってくれたらと考えたことはありませんか?あるいはポケットに入れているうちにいつの間にか充電してくれる携帯電話は?

今後5年間でトランジスタと電池技術が進歩し、デバイスの連続使用可能時間は現在の約10倍になるでしょう。それだけではなく、小型のデバイスではバッテリーそのものが必要なくなるかもしれません。

現在使用されている重いリチウムイオン電池に替わり、私たちが呼吸している空気を高エネルギー密度の金属と反応させることで、長時間使用を妨げている主要な原因を解消できるバッテリーの開発が進められています。成功すれば、電気自動車から家電製品まで幅広い用途に使用できる軽量かつパワフルな充電式電池が実現します。

しかし、バッテリーそのものを完全になくすことができたらどうでしょう。
IBMでは、電子機器の基本的なビルディング・ブロックであるトランジスタを見直し、トランジスタ1個あたりのエネルギー容量を0.5ボルト未満に抑えることを目指しています。エネルギーの必要量をここまで低減できれば、携帯電話や電子書籍リーダーなど一部のデバイスではバッテリーそのものが完全に必要なくなるかもしれません。

その結果、エネルギー・スカベンジングと呼ばれる技術を用いて充電するバッテリー不要の電子機器が実現します。この技術は既に一部の腕時計で実用化されており、時計はねじを巻く必要がなく、腕の動きによって充電が行われます。これと同じコンセプトで携帯電話などを充電することができるのです。方法は簡単、「振ってダイヤルする」だけです。

あなたも地球を救う市民科学者
たとえ物理学者でなくても、あなた自身が歩くセンサーです。5年後には、あなたの電話や自動車、財布に組み込まれたセンサー、さらにはTwitterのつぶやきからもデータが収集され、科学者に周辺環境のリアルタイムな情報が伝えられるようになります。提供したデータは地球温暖化対策や絶滅危惧種の保護、世界の生態系を脅かす侵入動植物の追跡などに利用することができます。5年後には、「市民科学者(citizen scientist)」というカテゴリーが生まれ、既存の単純なセンサーを使って研究に役立つ大量のデータ・セットを提供していくことになるでしょう。

例えば、町で雪解けが始まったのはいつ頃か、最初に蚊が現れたのはいつ頃か、あるいは小川があるはずの場所から水が干上がっていないかなどの単純な観察も、研究者による包括的な情報収集ができていない現状では貴重なデータになります。さらに、地震活動を検知するセンサーとして手元のラップトップ・パソコンを使用することもできます。パソコンを他のコンピューター・ネットワークに接続するなど適切に活用すれば、地震後の影響の素早い測定に役立ち、緊急時出動員の対応の迅速化や、人命救助にもつながる可能性があります。

IBMはこのほど、地震などの自然災害の正確で詳細な事後分析や地震による津波発生の早期警告を可能にする技術を開発し、特許を取得しました。この開発によって地震の被災地域の迅速な把握や分析も可能となり、救助活動の優先順位の決定に役立てることができます。

当社はまた、一般市民が飲料水の水質改善や騒音公害の報告などを目的とした有益なデータを提供することのできる携帯電話アプリケーションを展開しています。既にリリースしている「Creek Watch」は、住民が小川や河川の写真を撮影し、関連する3つの簡単な質問に応えるというアプリケーションで、データは地域の水資源管理団体が利用できるよう自動的に配信されます。

私にぴったりのマイ・ルート
ハイウェイの混雑も満員の地下鉄も工事による渋滞もなく、遅れを取り戻すための残業の心配もない快適な通勤を想像してください。5年後には、先進の解析技術により、目的地に最短時間で移動できるパーソナル化された推奨ルートを利用できるようになります。適応性を備えた交通システムが移動パターンや行動を直観的に把握し、今までにない柔軟性を備えた移動時の安全とルート情報を提供します。

IBMの研究者は、異なる輸送ルートによる様々な移動結果を予測する新しいモデルの開発を進めています。実現すれば、従来の交通情報や、交通渋滞の中で現在地を示すだけの事後装置や、交通遅延で所要時間を予測するウェブベースのアプリケーションではカバーできなかった新しい情報を提供できるようになります。

新たな数学モデルやIBMの予測解析技術を用いて、移動に影響を与えうる複数のシナリオを分析・統合し、毎日の移動に最適なルートを提示します。具体的には、交通事故、通勤者の現在地、道路工事の状況や予定、1週間のうちで移動することの多い日、勤務開始の予想時間、交通に影響しうる地域の催し、鉄道やフェリーなどの代替輸送手段、駐車スペースの有無、天候など様々な要素が考慮されます。

例えば、センサーから得られた現在の混雑状況に関するリアルタイムの情報などを予測解析と組み合わせ、最寄りの公共交通機関までのルートのほか、電車が定刻通りに到着するかや、駅に駐車スペースがあるかなどを分析し、目的地へ向かうよりよい方法を提示します。この新しいシステムでは、普段の移動パターンから目的地を判断し、利用可能な様々なデータや予測モデルを統合して最適のルートを割り出します。

コンピューターを都市生活のエネルギー源に
コンピューターやデータ・センターのイノベーションによって、これらの設備から放出される余分な熱やエネルギーを冬のビル暖房や夏の冷房などに利用できるようになります。世界のデータ・センターに集められたエネルギーが、今後は都市生活のために再利用されるのです。

現代のデータ・センターで消費されているエネルギーのうち、冷却に使用されているエネルギーは最大で50%程度であり、熱の大半は利用されずに大気中に排出されています。IBMが開発したオンチップ水冷システムを始めとする新技術では、コンピューターのプロセッサー群から放出される熱エネルギーを効率的にリサイクルし、オフィスや家庭に温水を提供することができます。

この技術を搭載したコンピューター・システムを用いたスイスの実験プロジェクトでは、二酸化炭素の年間排出量を最大で30トン、これまでの85%削減できると予想されています。ヒート・シンク内のマイクロ流体キャピラリーが新たなネットワークでコンピュータ・クラスターの各チップ表面に取り付けられ、半導体材料の数ミクロンまで水を通すことが可能になります。各チップに非常に近接して水が流れるため、熱をより効率的に除去することができます。60oCまで熱せられた水は熱交換器を通過し、これによって様々な場所へ熱が送られます。


詳細については、http://www.ibm.com/press/5in52010(US)をご覧ください。

当報道資料は、IBM コーポレーションが12月27日(現地時間)に発表したプレスリリース(http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/33304.wss)の抄訳です。

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