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特集によせて

「PROVISION Summer 2007 No.54」 特集 イノベーションを生み出すDNA のご紹介

イノベーションをリードし続ける


日本アイ・ビー・エム株式会社
代表取締役社長
大歳 卓麻


  このたび、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は創立70周年を迎えました。企業として、長い間活動することができたのも、わたしたちを支えてくださったお客様やパートナー様のおかげであり、そして、OB・OGの先輩方や一人ひとりの社員が誇りを持って仕事に取り組んできた結果だと思っております。この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございます。

  1937(昭和12)年6月、日本IBMの前身となる日本ワットソン統計会計機械株式会社が設立されました。当時は、新会社設立や設備投資といった事業拡張の機運が高まったころです。重化学工業や金融保険業の成長が著しく、製品の量産化が進むとともに、事務処理の増大といった課題も生まれてきていました。実は、日本におけるIBMの第1号機は、日本IBM設立前の1925(大正14)年にさかのぼり、日本陶器(現・株式会社ノリタケカンパニーリミテド)様にお納めしたのです。その後も、時代の先端を進むお客様をご支援するために、例えば、生命保険業界における各種統計業務や、航空機の生産管理などにIBMのシステムをご利用いただいてまいりました。設立初期の日本IBMも「お客様が成長するために自分たちができることは何か」を問い続け、「お客様のイノベーションに貢献すること」を実行してきました。これらは今もなお、日本IBMのDNAとして息づいているものと確信しております。

  この70年の間、IBMはお客様のビジネスや業界そのものを一変するようなイノベーションを実現すべく、お手伝いをしてまいりました。皆様よくご存じの例としては、オリンピックにおける記録集計、製鉄所、新聞制作、銀行のオンライン・システムなどがあります。このようなさまざまなイノベーションによって新しい価値を創造し、お客様の成長、ひいては日本社会の発展に微力ながら貢献できたのではないかと自負しております。

  さて、企業を取り巻く環境は劇的に変化し、「グローバル化」をキーワードとした変革の波が押し寄せています。世界中がネットワークで結ばれ、情報やサービスが瞬時に届く社会となった今、世界中に存在する最適なリソースを取り込むという判断が経営に求められています。IBMは世界170カ国でビジネスを展開していますが、自らも真のグローバル企業となるべく、「グローバルに最適統合されている企業(Globally Integrated Enterprise)」を目指して体制強化を図っています。スキルや人材をグローバルな枠組みで最適化し活用することで、お客様にとって最善のソリューションをご提供する、それがIBMの目指す企業像です。世界中のIBMの英知を結集し、日本IBMは「日本のIBM」として日本のお客様に価値をお届けしたいと考えております。
  もう一つのキーワードは「イノベーション」です。お客様の要求や市場の変化に柔軟かつ迅速に対応できるかどうかが、企業の競争力を決定する時代となっています。コスト削減の努力は当然のこととして、ビジネス戦略や業務プロセスを状況に応じてスピーディーに変化させ、成長に向けたベクトルを適切に判断しながら、攻めの経営を進める必要があります。そのためのイノベーションを追求することが、経営そのものとなっているのです。
  攻めの経営を実行していくには、これまで以上に、ITインフラが「企業変革を支える基盤」としての役割を果たす必要があり、柔軟性、堅牢性、安全性などが必須要件となってきます。異機種混在環境であっても、常に全体の状況を把握し柔軟に対応する手段の一つとしてVirtualization(仮想化)を活用すれば、コンピューティング資源を柔軟に監視・管理でき、地理的・物理的な障壁から解放されます。また、SOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャー)も欠かせないアプローチです。SOAは、事業体におけるビジネスの機能、業務プロセス、および組織を有機的に連携させ、ビジネスの変化に柔軟、迅速に対応できるシステムを構築する考え方ですが、サービスのコンポーネント化により、社内だけではなく社外のさまざまなリソースとも連携することができます。その上、それらのリソースを再利用し、アセットとして企業内に蓄積することもできるのです。Web2.0の時代を迎え、積極的に社外のリソースとのコラボレーションを進めることができれば、さらに多くのメリットを享受できます。また、このようなリソースとのコラボレーションを超え、IBMではさまざまなソフトウェア企業との協業を進めています。イノベーションを実現するために重要なテクノロジーを取り込み、お客様に最適な形で提供できるよう進めているのです。

  IBMでは、お客様の成功のために何をお手伝いできるかを常に問い続け、実行してきました。これこそが、わたしたちが継承すべき価値であると考えています。過去から現在に引き継いできた「IBMの価値」を、将来にわたって、あらゆる局面でお届けすることが願いです。最近では「IBM Next Five in Five」として、今後5年間に人々の働き方や生き方を一変させる可能性を持った五つのイノベーションを発表したり、地球規模の重要課題である温暖化対策のため、ITにおけるエネルギー効率向上を目的に年間10億ドルを投入する「Project Big Green」を発表しました。日本IBMの社員一人ひとりが、「イノベーションによってお客様に成功していただくための、最も信頼されるパートナー」となるべく、研鑽に努めております。今後ともご指導いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。