企業における集合知の活用事例「InnovationJam」
- 全世界のIBM社員、家族、そしてお客様が一体となったオンライン・ディスカッション -
日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所
副主任研究員
村上 明子
[プロフィール]
1999年、日本IBM入社。以後、東京基礎研究所において自然言語処理の研究に従事。テキスト・マイニング・ツールIBM TAKMIの研究開発において品詞管理や辞書作成などを担当した。昨今では、電子メールやオンライン・ディスカッションなどの人と人のコミュニケーションの文書を対象としたコミュニケーション分析などを行っている。
日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所
Senior Technical Staff Member
武田 浩一
[プロフィール]
1983年、日本IBM入社。以後、東京基礎研究所において自然言語処理やテキスト・マイニングの研究開発に従事。英日機械翻訳システム「インターネット翻訳の王様」、インターネット情報収集ツールmySiteOutliner、テキスト・マイニング・ツールIBM TAKMIなどの研究開発に貢献した。2002年には、約1,200万件のMEDLINE生医学文献抄録すべてを対象としたマイニングを実現した。現在は電子カルテなど医療情報のマイニングや新しいビジネス・インテリジェンスの実現に取り組んでいる。
次世代のインターネットを象徴する概念としてWeb 2.0が注目されています。2006年にハーバード・ビジネス・スクールのAndrew McAfee准教授は、Web 2.0の考え方を企業の先進的な知的共同作業に適用し、これをエンタープライズ2.0と名付けました。多くの企業経営者にとって知的作業のイノベーションは重大な関心事であり、エンタープライズ2.0にその期待が集まっています。
本稿では、企業における集合知の活用事例として2006年夏にIBMが実施したオンライン・ディスカッションであるInnovationJamを取り上げます。このイベントには、IBM社員を中心として世界104カ国・15万人以上が参加し、さまざまなアイデアについて議論しました。そこで得られた知見は、今後5年間でわたしたちの生活を一変させ得る五つのイノベーションに最終的にまとめられました。企業における集合知の活用は、ナレッジ・マネジメント一般の課題と同様に単なるIT(情報技術)の応用では達成できず、参加者の積極性や社内の運用方法などに大きく左右されます。この事例では、集合知の活用のための技術とそれを促進するための工夫も併せてご紹介します。
