zSeries導入へ、短期間でz/OS化を図り、ユーザー要件に沿った従量課金制も実現
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- 「JIKKO(実行)-Execution for Excellence」の経営方針のもと、IT中期計画を実施
- 従量課金という新しい考え方、そのシステム化を可能にしたz/OS
- ゴール・モードにより、運用管理が容易になり、サービスの質も向上
- 6ヵ月という短期間でシステムのサービスインを実現
- 将来的にはLinux®なども活用して、より多彩な用途に使えるシステムに
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「JIKKO(実行)-Execution for Excellence」の経営方針のもと、IT中期計画を実施

旭硝子株式会社
経営企画室
統括主幹
滝沢 正男氏
ガラス製品の開発・製造でワールド・ワイドに事業展開を繰り広げている旭硝子株式会社(以下、旭硝子)。2004年4月には門松正宏氏が社長に就任され、さらなるグローバル優良企業の実現に向けて新体制がスタートしました。そこで掲げられたスローガンが「JIKKO(実行)−Execution for Excellence」です。
旭硝子は大きく4つのカンパニー(板ガラスカンパニー、自動車ガラスカンパニー、ディスプレイカンパニー、化学品カンパニー)からなり、AGC(旭硝子)グループとしてグローバルに事業を展開。IT戦略も、各カンパニー独自のものと、それらを横断する2つの方向で行なわれ、2004年には中期計画を策定。新体制以降のIT施策が実行に移されました。
「課題の一つはワールド・ワイドに各カンパニーを横断できるインフラストラクチャーを整備したいということです。また、経営環境がめまぐるしく変化している現在、事業再編やM&Aも考えられますので、システムには変化への対応も求められます。これらを含め、今後のIT施策はどうあるべきかについて、IBMの協力のもと、天城セッションでも話し合いを持ちました。そこで取り上げられたことの一つがコンピューター・サービスの受益者負担、すなわちエンド・ユーザーに対する課金をどうするかでした。サービス料金の従量化が浮上してきましたが、どうやって実現していくか。ユーザー負担をできるだけ増やさないという方向で検討しました」と語るのは旭硝子経営企画室統括主幹の滝沢正男氏。
従量課金という新しい考え方、そのシステム化を可能にしたz/OS

株式会社アイ・ティ・フ
ロンティア
企業IT事業
旭硝子本部
副本部長
システムサービスグ
ループ部長
工藤 修司氏
今回のプロジェクトを手がけ、旭硝子全体のシステムの運用保守・維持管理をトータルにアウトソーシングしている株式会社アイ・ティ・フロンティア(以下、アイ・ティ・フロンティア)企業IT事業旭硝子本部副本部長の工藤修司氏はワークロード料金の従量制への移行について次のように述べています。
「エンド・ユーザーの論理区画ごとにIBMのソフトウェア料金を従量課金にすることができるワークロード料金方式(WLC)の採用が浮上してきましたが、WLC化にはその前提としてz/OSへの移行が必要です。結果的には従量課金にフィットするということでz/OSを導入したわけですが、WLCは他にはない新しい考え方だと思います。
z/OSはその考え方をカタチにできる先駆けとも言えますね。さらに、これまでメインフレームとして使ってきた9672がリリース・アップの時期になってきたことやプログラム・プロダクト(PP)※1のバージョンアップも必要になってきたこと、またシステムがサーバー系に移行し、それに合わせて費用を下げるしくみも求められてきたことなどもあり、総合的に判断してz/OS化に踏み切ったわけです」
ゴール・モードにより、運用管理が容易になり、サービスの質も向上

株式会社アイ・ティ・フ
ロンティア
企業IT事業
旭硝子本部
システムサービスグル
ープ
インフラストラクチャ担
当
佐藤 浩康氏
旭硝子の基幹システムのz/OS化は、課金体制の見直しだけではありませんでした。
z/OS化の一連の作業について、旭硝子のシステム・インフラストラクチャー全体を統括しているアイ・ティ・フロンティア企業IT事業旭硝子本部システムサービスグループの佐藤浩康氏は次のように述べています。
「まずアプリケーションに関係するミドルウェアであるIMS、CICS、DB2®のバージョンアップから始めて、次のステップでOSおよびNetViewをバージョンアップするという手順で取り組みました。このz/OS化はzSeries 890の導入を見据えたものでもあり、さらにzSeries 890を動かすためにはワークロード・マネージャー※2をゴール・モードに切り替えなければならないということで、一連の作業を段階を経て行いました」
ゴール・モードは理解しやすい表現方法でサービス目標を設定し、目標達成度を数値で評価することで、システム全体のスループット向上と管理の容易性を実現しようというもの。
「ゴール・モードは大変わかりやすいですね。今まではパフォーマンス・グループは数字のIDナンバーによって区分けされていましたが、ゴール・モードは文字列で表現され、しかも細かくグループ分けができるので、ジョブとジョブの重要性の差もつけやすくなりました。きめ細かな設定や管理ができるということで、サービスの質の向上にもつながりますね」(佐藤氏)
移行スケジュール概略
6ヵ月という短期間でシステムのサービスインを実現

株式会社アイ・ティ・フ
ロンティア
企業IT事業
旭硝子本部
システムサービスグル
ープマネージャー
諏訪 雅氏
「Team Z」を立ち上げ、今回のプロジェクトがスタートしたのは2004年の9月末。期限も6ヵ月と決められ、結果的にはその期限内でサービスインにこぎつけることが必要でした。その間に緻密な稼働テストも行なわれたことを考えれば、きわめて短期間に作業が進められたと言えます。
「12月まではPPのバージョンアップに専念し、1月のハードウェアの入れ替えをはさんで、次にz/OS化というふうに進めました。アプリケーションのテストは1ヵ月単位で行なわれ、新しい環境で1ヵ月間問題がなければ1ヵ月後には本番を決めるという流れにしました」と語るのはアイ・ティ・フロンティア企業IT事業旭硝子本部システムサービスグループの諏訪雅氏。
「きわめてクリティカルな作業でありながら、短期間に仕上げなければならなかった。これが実は一番苦労した点です。本来なら9ヵ月はかかる作業ですから」(工藤氏)
「特に12月までのPPのバージョンアップの作業は、2000年問題の時と基本的には同じ品揃えで行なわれ、かなり厄介だったのですが、逆にこの時の経験が今回のプロジェクトにも活かされていたと思います。結果的にはPPも従量課金の対象になるバージョンにアップすることができました」(佐藤氏)
将来的にはLinux®なども活用して、より多彩な用途に使えるシステムに
変化し続ける事業環境。それへの柔軟な対応という視点からも選ばれたz/OS、zSeries。将来的にも、これを核にしたシステム展開が期待されています。今後の展望を工藤氏は次のように語っています。
「サーバー系のシステムやホストの設置にスペースをとられているという現状があるので、まず設備を一つに統合したいですね。手始めにサーバーを統合したいと考えています。そうなるとzSeriesをどう位置付けるかということが課題にもなりますが、ホストとしてだけではなく、LinuxやWindows®で稼働するソフトが使えるようにしていきたい。そうなれば、用途も広がるし、そのメリットは将来必ずでてくると思います。zSeriesは、こうした思いもあって導入したのですから」
こうして、旭硝子の中期計画の一翼を担う基幹システムの更改は、さまざまな案件をクリアーして短期間のうちに無事終了しました。
※1
プログラム・プロダクト(PP)
OOS以外のミドルウェアなどのプログラム製品のこと。OSのバージョンアップにともない、多くの場合PPのバージョンアップも実施されます。
※2ワークロード・マネージャー(WLM)
z/OSのもとで稼働するオンラインやバッチなどのさまざまなワークロードを、あらかじめ設定した優先度に基づいてシステム資源を自動的に配分する機能。ゴール・モードでは設定がより簡単になるとともに、優れた自動ワークロード管理効果が期待できます。
IBM、IBMロゴ、DB2、eServer(ロゴ)、OS/390、z/OS、zSeriesは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。
LinuxはLinus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名などはそれぞれ各社の商標または登録商標。
- 掲載された情報は2005年11月現在のものです。事前の予告なく変更する場合があります。
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