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株式会社日本航空インターナショナル 様

言語環境およびz/OS移行お客様導入事例

システムの安定稼働を継続させながら、航空会社としての信頼性を確保

株式会社日本航空インターナショナル ITセンター次長 岡田好正氏
株式会社日本航空イ
ンターナショナル
ITセンター次長
岡田好正氏
2002年10月2日、日本航空株式会社および株式会社日本エアシステムは、両社を統合し、新しいJALグループを発足させました。さらに、2004年4月1日からは、国内旅客事業を日本航空ジャパン、国際旅客事業および貨物事業を株式会社日本航空インターナショナル(以下JALと略す)として「JAL・日本航空」の統一ブランドのもとに再編(以下JJ統合と略す)。
この統合は競争激化と時代のめまぐるしい変化にさらされる中、国内はもとより海外でも常に優位性を持った航空会社でなければならないという経営課題に応えたものです。IT施策もこれに沿って進められています。
「何よりもまず航空会社に求められるのは信頼性です。そのためには、第一にシステムを安定的に継続して稼働させること。第二にお客様に求めらるシステムを構築すること。第三にコスト競争力を向上させること。この3つのミッションを軸にIT施策を展開しています」と語るのはJAL・ITセンター次長の岡田好正氏。
JALはこれまで、基幹業務システムの大半をはこれまで、基幹業務システムの大半をIBMのメインフレーム上で稼働させてきました。JJ統合を機に、システム全体を見直す気運が高まり、より安定した基盤の必要性からシステムの再構築が検討されました。その方策としてとられたのがLE(言語環境プログラム)化、すなわち、従来の言語ごとの実行環境から統合された実行環境へのアプリケーションの移行です。統合環境を支えるOSのバージョンアップも行われました。
その背景と目的について岡田氏は次のように述べています。
「将来的にはzSeries®導入を図ることで、現在9台あるメインフレームをホスト統合するのと同時に、オープンな最新プラットフォームに更改。Linux® on zSeriesを導入することで900台近いサーバーも統廃合して、コストをミニマイズしたいと考えています。そのためにはz/OSへのバージョンアップが欠かせませんし、その前提となるのが今回のLE化でした。LE化そのものが目的ではないのです」

移行ステップ概念図
移行システム概念図



低リスク・低コストでのバージョンアップを図るため、LE化とz/OS化を段階的に実施
リスクやコストの軽減を図りながらシステムアップするために、JALはこのLE化とz/OS化を2段階に分けて実施しました。
すなわち従来のOS/390® V2R8のレベルのまま、まずLE環境へ移行することでリスクを減らし、その後にOS、ミドルウェア等をバージョンアップ。効率のよさと合わせ、リスク分散も図れるこの二段階方式は画期的と言えます。

異言語が混在するシステム環境 3度にわたる事前検証でLE化を実現
株式会社JALインフォテックシステム 基盤事業部 貝沼祐史氏
株式会社JALインフォ
テックシステム基盤事
業部
貝沼祐史氏

LE化に当たってはLE準拠コンパイラーによって対象となる全プログラムの再コンパイルを実施しました。対象プログラムの洗い出しには支援ツールとしてEPA(Edge Portfolio Analyzer)を採用しました。このツールを使って現在のロードモジュールを分析することでコンパイルした言語種別、コンパイラーのバージョン・リリース、ならびにコンパイル・オプション、リンケージ・エディターのオプション、また非互換となるアセンブラーマクロ等の重要な情報を識別することができ、効率的に再コンパイル作業を進めることができました。
特にLE化でポイントとなったのが異言語混在環境。一つのプログラムが100モジュール以上もの複雑な構造で構成されているものが多数あり、その中の言語がこれまた多彩なのがJALの基幹系システムの特徴とも言えます。
「移行した言語はCOBOL、PL/I、FORTRAN、Cなどです。期間はトータルで10~11ヶ月位かかりました。異言語が混在しているので、その点は苦労しました。事前調査には6、7ヶ月はかけました。言語の相関関係など、どのようなところに気をつけなければならないか、IBMのアドバイスをいただきながら行ないました。言語を一度にここまでバージョン・アップすることは、これまで経験したことがなかったので、その分、事前調査には時間をかけたということです」と語るのは、システムを運営されている株式会社JALインフォテックシステム基盤事業部の貝沼祐史氏。

株式会社日本航空インターナショナル ITセンター マネージャー 相川淳氏
株式会社日本航空イ
ンターナショナルITセン
ター マネージャー
相川淳氏
さまざまな言語が混在していることに関して「問題があった場合にどこがひっかかっているのかの解析から始めなければならず、そこは苦労しましたね。言語間には親子関係もあって、なかなか難しいのです。事前検証の時にも途中で問題が発生し、立ち上げが遅れましたが、幸いIBMからエキスパートを配置していただいて感謝しております。
また、IBM側で併行して再現テストすることで、問題解決の時間が短縮できたと思います。」とJAL・ITセンターマネージャーの相川淳氏も語っています。
「言語移行はミドルウェアのバージョンアップよりも慎重な稼働検証が必要」(岡田氏)、信頼が第一のJALとしては、数字がひとつ違っていても大きな問題になります。
そのため、事前検証は3度も行い、厳密なテストをしたため、移行自体はスムーズだったということです。


業務の流れに沿ったテスト・シナリオでエンドユーザーにも納得のいく事前検証
この事前検証で注目したいのが、ストーリー検証と呼ばれる業務フローに沿ったテスト・シナリオ。1日の業務の流れに沿ったテスト・シナリオをつくり、イレギュラー・ケースも含めたテストだったそうですが、「1日の流れを追えば、主要トランザクションの9割は検証でき、これなら大丈夫という確信を持てるようになった」(岡田氏)ということです。
さらにこの検証にはエンドユーザーも参加。納得してもらうことで、ユーザー側にも安心感が生まれました。
このテスト・シナリオはJJ統合のときに発案されたもので、z/OS化にも、そのノウハウは生かされています。
このLE化により、単一の共通実行時ライブラリーで異なる言語が動くようになり、今後はz/OSをバージョンアップしても、言語に手を加えることなくシステムアップを図ることが可能になりました。現行のアプリケーションも継続でき、しかも一旦LE化しておけば、将来にわたってサポートも受けられるということで、これは大きなメリットです。

将来的にはzSeriesでオープン・プラットフォームの構築を
将来的な構想について、岡田氏は次のように語ってくれました。「現在検討中ですが、次はオープンメインフレームであるzSeriesを導入して、オープン・プラットフォームを実現したいですね。
Linux on zSeriesも導入し、より一層のコスト削減を図るとともに、信頼性をさらに高めていきたいと考えています。コストに関しましては変動料金方式のWLC(ワークロード使用料金)が使えるようになるというのも魅力的です。
最初に申し上げた3つのミッションに対するご提案や安定性確保や管理のしくみに対する施策など、IBMには大いに期待しています」こうしてJALのメインフレームの基盤更改は完了し、更なる成長に向けてのシステム環境が整いました。


IBM、ON(ロゴ)Demand Business、e-businessロゴ、e(ロゴ)server、DB2、CICS、EnterPrise Storage Server、TotalStorage、WebSphere、z/OS、zSeriesは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。 Linuxは、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。他の会社名、製品名およびサービス名などはそれぞれ各社の商標または登録商標。

サマリー

適用業務
基幹系システム全般

ソフトウェア
z/OS DB2® IMS CICS

ハードウェア
IBM eServer zSeries 890