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特集 "IBM BladeCenter 誕生物語"

ブレード・サーバーとは?

IBM BladeCenter®誕生についてのご紹介。ラック型1Uサーバーとの違い、構成、工夫、メリット、管理性能、オペレーティング・システムのサポート、コンセプトなど。




1.ブレード・サーバーとラック型1Uサーバーってどこが違うの?
2.ブレード・サーバーの基本的な構成は?
3.止まらないサーバーにするためのさまざまな工夫
4.データセンターにおける電力的なメリットは?
5.管理者のワークロードを低減する管理性能とオペレーティング・システムのサポート
6.ブレード・サーバーの業界標準を目指した製品コンセプト



1.ブレード・サーバーとラック型1Uサーバーってどこが違うの?

まず、ブレード・サーバーと筐体がよく似ているラック型1Uサーバーから説明します。ラック型サーバーのサイズは、業界で標準となっているサーバーラックの規格EIAに準じています。横幅と奥行きはそれぞれ44cm、68cmと規定されており、高さについてはU(ユー)という単位で、1U=約4.4cmと規定し、サーバーの高さについてはこの倍数であることが定められています。

そして、その規定のサイズの箱の中にサーバーで必要とされる一式のコンポーネントが収められているわけです。しかし、通常のタワー型サーバーと違い、1Uのラック型サーバーは小さな箱にタワー型サーバーと同じだけの機能、つまりコンポーネントを搭載しなければならないため、メカニカル・デザインがとても重要になります。一部のコンポーネントはラック用に小型化できても、CPUやHDDはタワー型と共通のものを使うことになります。これら放熱し続ける部品を、凝縮された空間に、ほとんど隙間なく搭載し、しかもノンストップで稼動させようというわけですから、熱対策に全てがかかっていると言っても過言ではありません。

狭い筐体内部で常に発生し続ける熱を、効率よく外に出して安定稼動させるために十分なクーリング(冷却)ファンの数、そのファンのレイアウトや、発熱し続ける各コンポーネントの配置に大変な神経を使います。以前、1Uサーバーが出始めたころには、この空冷のメカニカル・デザインに不備があり、熱暴走を起こすなどの障害が発生し、数社がリコールを発表しましたが、IBMは"Calibrated Vectored Cooling"(キャリブレーテッド・ベクター・クーリング)による優れた熱対策により、このような問題を当初から排除してきました。

さて、1Uサーバーが出た時点で、メカニカル・デザインとしてのサーバーの小型化、いわゆる"高密度化"は、一度終わったかに見えました。

しかし、インターネットの急激な普及に伴い、サーバーの台数も爆発的に増え、今後も増大する傾向にあります。特にデータセンターやISPなどの業界では、サーバー台数を増やすことで、負荷を分散し、より高いパフォーマンスを維持することを余儀なくされました。しかし、かけられるコスト・スペースや電力、運用管理-を可能な限り抑えながら、言い方を変えれば、省スペース/省電力/運用管理コスト削減をしながら、それらを実現したいという市場ニーズにより、さらに高密度なブレード型サーバーの開発が進んだわけです。



2.ブレード・サーバーの基本的な構成は?

1Uのラック型サーバーをラックに直接搭載した場合、物理的に、ラックのサイズの最大42U=42台までが限界です。通常はサーバー以外に運用に必要となるUPS(無停電電源装置)や、外部ストレージ装置などもラックに搭載されます。
一方、ブレード・サーバーはというと、IBMの場合、7Uと9Uの二つのサイズの“シャーシ“と呼ばれる、例えるなら、本棚のような「箱」があります。その本棚(シャーシ)に、本(ブレード)をしまうようにブレードを搭載していくわけですが、このシャーシ1台には最大で14台(枚)のブレード・サーバーを搭載できるので、7Uのシャーシの場合で14台のブレード・サーバーとなります。単純計算では、スペース的には1Uサーバーの半分で済むわけです。

1Uのサーバーでも高密度なのに、その半分のサイズにサーバーとして必要な全てが搭載できるのかとお思いになるでしょう。ブレード・サーバーは1枚単体で機能するわけではなく、シャーシに搭載することで初めてサーバーとして機能します。

IBM BladeCenterは、いわゆるx86サーバーの主要な部品、超高密度の集積回路、マイクロ・プロセッサー、メモリー、ハードディスク、ネットワーク回路、その他がブレード1枚に収容されています。通常の1Uのラック型サーバーと異なり、BladeCenterはミッドプレーンを採用することで、個々のキーボード、マウス、電源などのケーブルを著しく削減すると同時に、シャーシ側の別のモジュールでそれらが一括管理されます。前面から入る各ブレード・サーバーと背面のスイッチや電源などのモジュール、共有されるDVDやその他のメディア、それにKVMスイッチやリモート管理機能への接続もまた、ケーブルを介さずにミッドプレーンで接続されます。このミッドプレーンは内部で上下二系統のコネクターを持ち、これに接続される背面のモジュールも二重化されているため、片方に障害があっても、もう一方で運用を継続できるため、高い信頼性を保つことが可能です。

実物のBladeCenterの背面を見ていただくと一目瞭然なのですが、最低限のケーブルだけを配したすっきりとしたものになっています。通常の1Uサーバーの構成と比較して、Ethernetケーブルを最大70%削減、電源ケーブルは最大85%削減という事例も出ています。このことは導入や保守の際の効率化だけでなく、配線ミスやケーブルの脱落などによるトラブル防止にも一役かっています。このケーブリングのテクノロジーもBladeCenterの自慢のひとつです。

* KVMスイッチ...キーボード/ビデオ/マウスのスイッチ、つまりサーバーの切り替えを行う装置



3.止まらないサーバーにするためのさまざまな工夫

この点においては、ブレード・サーバーに限らず、各社それぞれの設計思想に基づいて製品開発がなされています。

基本的に「部品点数が増えるほど、(各部品の故障の可能性の掛け算となるので)、障害発生の確率が上がる」という考え方があります。一方で「100%壊れない機械はない」という考え方もあります。IBMのBladeCenterはその両面からアプローチし、重要な各コンポーネントに“止まらない”技術を投入しました。

BladeCenterは、基本的にミッドプレーンやスイッチなどの重要なコンポーネントは二重化(冗長)構造となっています。いずれか片方が故障してもシステムに影響を与えません。さらにSANブート構成にすれば、スペアー・ブレードにより、サーバー・ブレード自身の障害も最小限の影響に留められます。また、クーリング・ファンや電源ユニットは二重化に加え、ホットスワップにも対応していますので、サーバーを止めることなく保守作業ができます。

おかげさまでBladeCenterは、日本のブレードサーバー市場において、4年連続出荷台数1位となりました。数多くのメーカーの中からIBMを選んでいただいた大きな理由が、一貫して旧製品との互換性を維持してきたことをはじめ、上記で述べた二重化と、次の項目で述べる業界標準によるところではないかと思います。

*2003年-2006年 国内ブレード・サーバー市場 出典: IDC Japan, Japan Server Quarterly Model Analysis, Q4 2006



4.データセンターにおける電力的なメリットは?

Intel社の創設者の一人であるゴードン・ムーア博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18〜24ヵ月で倍増する」という法則は、未だに有効です。パフォーマンスの向上、イコール消費電力量の向上は、2006年後半に来るといわれている新たな世代のCPUコア・テクノロジーの到来まで続くと予想されています。しかし、お客様にとっては、そのタイミングで一斉に新しい製品への買い替えをするというのはあり得ない話です。今、データセンターのある建物では次のような問題が起こっています。

典型的な 1U サーバーの電力消費分布
システム図

サーバーの消費電力に対するUPS(無停電電源装置)の容量の不足、サーバー台数増加による分電盤への効率的な配線、コンセントの不足、センター内の空調機器のパワーの限界、ラックなどへのサーバー集積による床の耐荷重問題...。

一般的な1Uサーバーにおいて、電力を消費している箇所を解析すると以下のような分布になっていると言われています。普通、プロセッサーが多くの電力を消費すると考えられていますが、プロセッサーでは30%、メモリーで11%、ハードディスクで6%、ここまででやっと半分の47%です。実は、“その他“であるAC/DC変換、DC/DC変換、クーリング・ファンなどで40%もの電力を消費しているのです。

BladeCenterは、単に物理的な容積を小さくするだけでなく、これらの削減にも大きな力を発揮します。

まず、我々はAC/DC変換にかかる電力を減少させ、消費電力の効率を上げることにしました。AC/DC変換で浪費される電力を減らすことで、より多くの力をサーバー自身の処理能力に使うことができるようになります。
第二に、無駄な電力消費を減らすために、構成パーツをより少なくするようにデザインしました。コンポーネントの部品を減らすことで、より少ない電力消費に抑えることが可能になりました。
第三に、上記に加え、効率的な放熱が可能なデザインにすることで、クーリング・ファンの数を112個からたったの2個に、しかも低電力の送風機に減らすことに成功しました。

これらのことにより、BladeCenterは一般的な1Uのラック型サーバーに比較して、消費電力で25%、発熱量で25%、床への加重を40%、フロアで必要となるエアフローを40%、削減することに成功しました。
BladeCenterのメリット




5.管理者のワークロードを低減する管理性能とオペレーティング・システムのサポート

管理者のワークロードを削減する容易な管理性能

BladeCenterは、14台分のプレード・サーバーや、スイッチ・モジュールなどを一元監視および管理できる管理モジュールを標準装備しています。業界標準のスイッチも多くサポートしているので、遠隔地にいても、Webブラウザーを通じたシステムの監視はもちろん、各サーバーの電源ON/OFFやBIOSの更新などの操作が可能となり、管理者のワークロードを削減します。

BladeCenterのケーブリングの効率の良さも、多くの採用理由にあげられています。ケーブルの配線を格段に減らすことで、メンテナンスや導入も楽々。さらに管理モジュールにオープンソース(PHP、Apache、Linuxなど)を採用し、柔軟な管理を実現します。

ブレード・サーバーを中心としたシステム構築は、最良の製品選択を考えた場合、お客様の環境によっては、単一のメーカーだけで構成できるものではありません。複数のメーカーの製品を一元管理できることの多大なメリットと合理性については、システム管理者の方が最もよくご存知でしょう。

広範囲に渡るプロセッサーとオペレーティング・システムのサポート

BladeCenterは、そのラインアップの中で、インテル、AMD、IBM PowerPCを含むプロセッサーを搭載しており、Windows、AIX、Redhat Linux、SUSE Linux、Solaris10などの現在業界で代表的なオペレーティング・システムや、仮想化OSとして代表的なVMWareもサポートしております。もちろん、同一のシャーシの中で複数のプロセッサーやオペレーティング・システムを稼動できます。

*モデルによってサポートするオペレーティング・システムの組み合わせは異なります。



6.ブレード・サーバーの業界標準を目指した製品コンセプト

IBM BladeCenterは、インテル社との共同開発により誕生しました。

そして、2002年の発表時より製品仕様を世界に公開し、ブレード・サーバーの業界標準を目指してきました。これにより、ネットワークやSAN環境における主要メーカー、Brocade社、Cisco社、Nortel社など、350社以上のパートナー企業との協業から提供されるBladeCenterに内蔵可能なスイッチ類により、豊富なソリューションでお客様の多様なニーズにお応えすべく努めてきました。BladeCenterは単にサーバー統合を実現するだけではありません。上記のようなパートナー企業との協業によるBladeCenter対応、つまりは業界標準のスイッチ・モジュールが提供され、お客様のネットワーク/ストレージ環境に合わせた製品を選択することにより、真のインフラ統合を実現します。

実は、業界標準を目指すことは、基本的な仕様を変更しないとお約束すること、つまりその仕様に対して投資いただくことへの責任を持つということでもあります。

最新の技術を採用する際に、それに合わせて仕様を変更することはメーカーにとっては最新のモデルとしての見映えも良く、好都合であり容易なことです。しかし、仕様を変更せずに最新の技術を投入した製品をご提供し続けること、それまでの投資を無駄にしないとお約束することが、採用してくださったお客様やパートナー企業への責任であるとIBMは考えています。

特にブレード・サーバーのような、長期に渡って段階的に拡張していくことを主眼においた製品をご検討の際には、メーカーの都合で仕様が変更されることが、これまでの投資をいかに無駄にしてしまうか、その投資の有用性についてぜひ一度お考えください。

そう、例えば、5枚のブレードとシャーシを導入した直後に新製品が出て、旧製品には対応できないと言われたら?あなたはそのメーカーの新しいシャーシを買い直しますか?それとも仕様を変えないメーカーへの乗り換えを検討しますか?




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