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高可用性構成でのDB2 V8分散サーバーのライセンス

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Paul C. Zikopoulos
カナダIBM
2003年1月

はじめに

お客様がIBM® DB2® Universal Database™を選ぶのは、DB2 UDBがパフォーマンスに優れ、異種環境にまたがるスケーラビリティーと統合機能を備え、堅牢で、そしてダウン時間 (計画および計画外の両方) が最小限であるためです。この記事では、DB2が提供する高可用性について、様々な文書で説明されているような機能面ではなくライセンスの観点から検証します。

高可用性 (HA) 環境 (計画外のダウンに対応するように設計されている構成) でのDB2のライセンスについて、多くの質問を耳にします。構成の価格をどのように計算するか、何を基準にしてアイドル・スタンバイ・マシンまたはアクティブ・スタンバイ・マシンと言うか、どの製品にどのライセンス方式を使用できるかなどを、お客様が必ずしも理解しているとは言えません。HA環境でのライセンスは、次のようないくつかの質問にどのように答えるかにより決まります。

さらに、専門家は競合製品やIBMの他の分野での自身の経験に基づいて、それぞれいろいろな用語を使うので、話はもっと複雑になります。この記事の目的は、HA環境でDB2 V8サーバーをライセンスする方法を要約し、IBMがDB2でのフェイルオーバー・クラスターを記述するために使用する用語を定義することです。

DB2では、スタンバイ・サーバーとして、アクティブアイドルという2つの構成を定義しています。

アクティブ・スタンバイ

アクティブ・スタンバイ構成とは、すべてのサーバーが、ユーザーのトランザクションや照会に対してサービス提供するDB2データベースを作動可能な状態でそれぞれ独立して持っている構成です。クラスター・サーバーのうちの1台に障害が発生した場合、クラスタリング・ソフトウェアは障害の発生したサーバーのワークロードをクラスター内の残りのサーバーに転送します。アクティブ・スタンバイ・サーバーは自身のワークロードと障害が発生したサーバーのワークロードを処理しなければならないため、このフェイルオーバーにより、アクティブ・スタンバイ・サーバー上のワークロードは実質的に2倍になります。

DB2の世界では、アクティブ・スタンバイ・サーバーとは、ユーザーのトランザクションや照会に対応するように設定されたマシンで、障害時には同じような別のマシンのワークロードを引き受けられるマシンのことです。アクティブ・スタンバイ・マシンは、障害が発生した場合でも、ユーザーのトランザクションや照会用として使用されるため、フルにライセンスされている必要があります。

アクティブ・スタンバイのシナリオを図1に示します。この例では、マシンは物理的に4台 (番号1から4) あり、トランザクションおよび照会のワークロードに使用されます。マシン4に障害が発生し、そのワークロードがフェイルオーバー・パートナーであるマシン3に転送されます。このシナリオでは、マシン3がアクティブ・スタンバイ・マシンです。マシン3はトランザクションおよび照会のワークロード用として常時使用され、マシン4に障害が発生した場合、マシン4のワークロードが単純にマシン3に転送されます。

図1.マシン3がアクティブ・スタンバイ・マシン

ライセンスに関する考慮事項

プロセッサー単位ライセンス
:プロセッサー単位料金モデルによりライセンスされるDB2サーバー製品 (DB2 WSUEやDB2 ESEなど) の場合は、アクティブ・スタンバイ・サーバー (マシン3) 上のすべてのプロセッサーのライセンスを取得する必要があります。

図1に示されている例で、各マシンの4-way SMP上でDB2 WSUEまたはDB2 ESEが稼動している場合、サーバー4台 x プロセッサー4個 = プロセッサー16個に対してライセンスを取得する必要があります。

同時ユーザー:同時ユーザー・モデルによりライセンスされるDB2サーバー製品 (たとえば、DB2 WSE) の場合は、アクティブ・スタンバイ・サーバーに対して、サーバー・ライセンスと、フェイルオーバー前にアクティブ・スタンバイ・サーバーにアクセスするユーザーの数でライセンスを取得する必要があります。フェイルオーバー中は、障害の発生したサーバー上の同時ライセンスをアクティブ・スタンバイ・マシンに転送できます。

図1の例で、DB2 WSEサーバーのそれぞれで50人の同時ユーザーにライセンスを取得する場合、次の数のライセンスが必要になります。

サーバー4台 x 同時ユーザー50人 = 同時ユーザー・ライセンスが200、および DB2 WSE サーバー・ライセンスが4つ

フェイルオーバーの後、アクティブ・スタンバイ・サーバー (この場合はマシン3) は100人の同時ユーザーに対してライセンスされます。つまり、マシン3の元の同時ライセンス50とマシン4からの同時ライセンス50がプラスされます。

登録ユーザー:登録ユーザー・モデルによりライセンスされるDB2サーバー製品 (たとえば、DB2 WSE) の場合は、アクティブ・スタンバイ・サーバーのサーバー・ライセンスを取得する必要があります。DB2登録ユーザー・ライセンスは、特定の個人が会社内の任意のDB2サーバーにアクセスするための資格です (DB2 WSEでのみ使用可能)。

図1の例で、登録ユーザーが100人、DB2 WSEサーバーが4台ある場合、100人の登録ユーザー用のライセンスとDB2 WSEサーバー・ライセンスが4つ必要になります。登録ユーザー・ライセンスは、具体的なユーザー専用であり、動的に譲ることはできないので注意してください。

アイドル・スタンバイ

アイドル・スタンバイ構成とは、フェイルオーバー・クラスター内の最低1台のサーバーが、ユーザーのトランザクションや照会のワークロードに対してサービス提供する作動可能なDB2データベースを持っていない構成のことです。このマシンにはDB2がインストールしてあり、マシンの電源がオンになっているかどうかは関係なく、アイドル状態つまり「有用な」作業を実行していない状態のものです。「有用でない」作業として分類される作業には、フェイルオーバー/HAシナリオでの支援を行う管理作業 (たとえば、ログ出力をサポートするためにデータベースをロールフォワード保留状態にしたり、DB2データベースのフラッシュ・コピーを作成してからこのコピーのデータベース・バックアップを別サーバー上で実行するなどの作業) が含まれます。クラスター・サーバーのうちの1台に障害が発生した場合、クラスタリング・ソフトウェアはそのワークロードをアイドル・スタンバイ・データベース・サーバーに転送します。

アイドル・スタンバイ・シナリオを図2に示します。この例では、マシンは物理的に3台 (番号1から3) あり、トランザクションおよび照会のワークロードに使用されます。マシン3に障害が発生し、そのワークロードがアイドル・パートナーに転送されます。このシナリオでは、新しいマシン (マシン3のワークロードの転送先のマシン) がアイドル・スタンバイ・マシンです。

図2.マシン3のワークロードはアイドル・スタンバイ・サーバーに転送

ライセンスに関する考慮事項

プロセッサー単位ライセンス
:プロセッサー単位料金モデルによりライセンスされるDB2サーバー製品 (DB2 WSUEやDB2 ESEなど) の場合は、アイドル・スタンバイ・サーバー上のプロセッサー1台のライセンスを取得する必要があります。図2の例で、各マシンの4-way SMP上でDB2 WSUEまたはDB2 ESEが稼動している場合、必要なライセンスは、次のようになります。

サーバー3台 x プロセッサー4個 = プロセッサー12個 (本番サーバー用) + プロセッサー1個 (アイドル・スタンバイ・マシン用)
合計:プロセッサー13個

パーティション・データベース:パーティション・データベース環境におけるアイドル・スタンバイ・マシン用のライセンス条件は、DB2 V7以降変更されています。DB2エンタープライズ拡張エディション (EEE) V7で提供されてたDPF (Database Partitioning Feature) フィーチャーとともに使用されるアイドル・スタンバイ・マシンは、区分化されないサーバーと同じ方式でライセンスされます。たとえば、8-way SMPマシンが4台あり、各マシンにDB2 ESEがインストールされ、DPFフィーチャーを使用してマシン1、2、3にまたがりデータベースを区分化し、残り1台をアイドル・スタンバイにする場合、次のライセンスが必要になります。

サーバー3台 x プロセッサー8個 = プロセッサー24個 (本番サーバー用) + プロセッサー1個 (アイドル・スタンバイ・マシン用)
合計:プロセッサー25個

同時ユーザー:同時ユーザー・モデルによりライセンスされるDB2サーバー製品 (たとえば、DB2 WSE) の場合は、アイドル・スタンバイ・サーバーにサーバー・ライセンスを取得する必要があります。フェイルオーバー中は、障害の発生したサーバー上の同時ライセンスをアイドル・スタンバイ・マシンに転送できます。図2の例で、DB2 WSEサーバーのそれぞれが50人の同時ユーザー用にライセンスされる場合、サーバー3台 x 同時ユーザー50人 = 150人用の同時ユーザー・ライセンスとDB2 WSEライセンス4つが必要になります。

フェイルオーバーの後、アイドル・スタンバイ・サーバーは50人の同時ユーザー用にライセンスされます。これは、マシン3の元の同時ライセンスの50です。

登録ユーザー:登録ユーザー・モデルによりライセンスされるDB2サーバー製品 (たとえば、DB2 WSE) の場合は、アイドル・スタンバイ・サーバーのサーバー・ライセンスを取得する必要があります。DB2登録ユーザー・ライセンスは、特定の個人に対して会社内の任意のDB2サーバーにアクセスするための資格を供与します (DB2 WSEでのみ使用可能)。図2の例で、登録ユーザーが100人、本番用のDB2 WSEサーバーが3台ある場合、100人の登録ユーザー用のライセンスとDB2 WSEサーバー・ライセンスが4つ (本番サーバー用に3つとアイドル・スタンバイ・サーバー用に1つ) 必要になります。

ヒント:この環境でアイドル・スタンバイ・マシンをアクティブ・スタンバイ・マシンとして使用すると、登録ユーザー・ライセンスの価値をさらに引き出せます。(登録ユーザー・ライセンス条項により) このような使用方法はライセンス料金に影響しないからです。この場合、スタンバイ・マシン上のワークロードがトレードオフの対象になります。アイドル・スタンバイは、障害の発生したサーバー1台だけのワークロード専用であり、他方、アクティブ・スタンバイは障害が発生した場合に2台のサーバーのワークロードを引き受けるように設定されるからです。いずれにするかはビジネスのデータ可用性要件により決まりますが、ライセンスの観点から言えば、アイドル・スタンバイ・マシンに登録ユーザー用のDB2 WSEライセンスを取得するのと、同じ構成でアクティブ・スタンバイ・マシンにライセンスを取得するのはまったく同じです。

HA構成で使用されるその他の用語

業界でHAクラスターを記述するその他の用語は、コールド・スタンバイ、ウォーム・スタンバイ、パッシブ・スタンバイ、ホット・スタンバイなど多数あります。

各ベンダーはそれぞれ異なる用語を使用するため、このような用語をDB2での用語に対応付けることはできません。あるベンダーによるアイドル・スタンバイの記述は、DB2のライセンス使用条件に定義されている用語と異なる可能性があります。DB2環境以外で他の用語が見つかった場合は、詳しい記述を入手し、この記事に説明されているDB2用語のアクティブ・スタンバイまたはアイドル・スタンバイと対応付けてみてください。困ったときは、筆者まで連絡してください (paulz_ibm@msn.com)。

まとめ
DB2は強力で、信頼性が高く、スケーラブルで、なおかつどのようなIT環境にでも統合できる機能を提供し、その価値に関して議論の余地はありません。可用性の高いフォールト・トレラント環境用のDB2のライセンス条項はコストを抑えるようになっていて、ユーザーにとっては一石二鳥です。

特記事項
この記事に含まれている情報は、記事の刊行時点のもので、IBMにより予告なく変更されることがあります。この記事の情報は、Linux、UNIX®、およびWindows®用のDB2を対象とします。

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