| 2006年4月28日(金) |
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| 前回までコンテンツ・リポジトリーについて解説を行ったが、次にコンテンツのタイプに応じて必要なアプリケーション構築を実現するアプリケーション・インフラストラクチャーの紹介を行う。 |
執筆者

サミー |
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イメージング・コンテンツ管理のシステムは、光ファイリングシステムなどの導入が90年代から進んでおり、紙文書の電子化保存として比較的古くから存在するアプリケーション分野である。現在のコンテンツ管理においても、イメージングコンテンツ管理はその主要分野であり、紙のドキュメントをスキャナー等で電子化し、電子化されたドキュメントを管理するシステムの構築は重要である。これまで、企業において保管が義務づけられているドキュメントの多くは紙での原本保管が義務づけられていたが、90年代後半以降に施行された電子帳簿保存法やIT書面一括整備法など電子的に作成された電子データに関しては電磁的な記録が認められた。さらに本年4月に施行させたe-文書法で紙ドキュメントの電子化保存を可能にする統一的な法的枠組みが整備され、企業におけるイメージングコンテンツ管理の利用拡大が実現されたといえる。イメージングコンテンツ管理は、DB2
Content Managerのコンテンツ・リポジトリーをベースに構築が可能で、業務アプリケーションと連携することで、業務の効率化、コンプライアンス管理などが行える。
スプール管理は、印刷出力などの電子的に作成されたドキュメントの保管に対応するアプリケーション分野である。例えば、電子帳簿保存法(1998年施行)で保管が認められている帳票の電子出力を保管するするシステムなどがある。スプール管理システムは、印刷出力を自動的にコンテンツ管理システムにロードし、インデックスを作成しドキュメントの検索などができる必要がある。DB2
Content Manager OnDemandは、AFP (Advanced Function Printer)フォーマットやPostScriptフォーマットの印刷出力を自動的にシステムにロードし、メタデータの自動抽出を行うことができる。メタデータの自動抽出は、定型的な帳票などの場合、帳票レイアウトに対してメタデータになるテキストストリングの座標を事前に指定し、指定された座標の文字列を自動抽出してインデックスを作成する(図1)。 そのため、スプール管理システムでは、
- スプール・データの自動保管
- スプール・データの長期保管
- メタデータにより電子帳票の検索機能
の技術要件が必要になる。
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| 図1.DB2 CM OnDemandのアーキテクチャー |
スプール管理システムは電子帳票保管などで多く利用されるが、CRMシステムとの連携などその活用範囲は広い。例えば、請求書や明細書の印刷物をお客様に送付している企業では、コールセンターでの請求書や明細書に関する問い合わせに対してオンラインでお客様に送付したドキュメントを迅速に参照できることにより、カスタマーサービスの向上を実現できる。
イメージングコンテンツやスプールコンテンツなど業務系のコンテンツ管理アプリケーションは、保管が義務づけられているドキュメントである場合が多く、企業の情報資産やコンプライアンスの観点でも必須のアプリケーション分野であると言える。
印刷出力と同様に電子的に作成されたドキュメントとして電子メールシステムなどのアーカイブもコンテンツ管理の分野である。電子メールの普及に伴い、ビジネスにおける情報流通の多くが電子メールをベースしにしたものにシフトしている。しかし、多くの電子メールシステムは、メールの送受信がその主要な機能で長期保管をサポートしているメールシステムは少なく、メールシステムの運用はディスク制限を設けて制限を超えた電子メールを削除する運用が一般的になっている。電子メールがビジネスにおける重要なエビデンスになっていることから、電子メールの長期保管をサポートするコンテンツ管理システムが必要になってきおり、既に米証券取引委員会(SEC)では電子メール保存規制(SEC規則17条a-4)により、証券取引、仲介、売買業務に関する電子メールを3年以上の保管することを義務づけていている。
DB2 CommonStoreは、これらの課題を解決するため電子メールサーバー(Lotus
Domino、Microsoft Exchange Server)のデータ・アーカイブ機能を提供している(図2)。
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| 図2.DB2 CommonStore |
DB2 CommonStoreは、指定した電子メールサーバーのメール・データ(メール本文と添付ファイル)を自動的にコンテンツ・リポジトリーにアーカイブする。その際、電子メールのSubjectや送信先、送信元、送信日付などのメタデータを自動抽出し、コンテンツ・リポジトリーのメタデータとして保管する。さらにメール本文や添付ドキュメントに対する全文検索のインデックスを作成し、これらの文書の検索機能を提供する。このように、電子メール・アーカイブのシステムにおいては、
- 電子メールデータの自動保管
- 電子メールデータの長期保管
- メタデータ、全文検索によりメールの検索機能
の技術要件が必要になる。電子メール・アーカイブを導入することにより、企業において過失、不正が発生した場合などの追求、発見が容易になり、企業におけるコンプライアンス管理が実現できる。
また、CommonStoreは電子メール・アーカイブの他にSAPの文書アーカイブもサポートしており(DB2
Content Manager CommonSoter for SAP)、企業におけるERPデータの長期保存も同時に実現している。
スプール管理や電子メール・アーカイブは、電子的に作成されたドキュメント(帳票、電子メールなど)のアーカイブを主体にするアプリケーション分野であるが、ドキュメントを作成するプロセスを含めて支援するのがドキュメント管理アプリケーションの分野である。ドキュメントの作成過程では、ドキュメントの初版を作成し、レビュープロセスにおいて修正依頼が発生し、差し戻し処理を行った後にドキュメントの変更履歴を保管する必要がある。また、ドキュメント管理アプリケーションでは、ドキュメントのレビュープロセスを定義し、レビュー、承認、公開などレビュープロセスに沿ったドキュメントのライフサイクルを実行する必要もある。DB2
Document Managerは、DB2 Content Managerをコンテンツ・リポジトリーにしたドキュメント管理アプリケーションで、これらのドキュメントのレビュープロセスやドキュメントの変更履歴管理機能をサポートする(図3)。
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| 図3.ドキュメントマネージャーのアーキテクチャー |
また、ドキュメントには図、表など複数の構成要素が含まれる場合があり、DB2
Document Managerでは複合的なドキュメントのリンク関係を保持することができる。更に、ドキュメント管理アプリケーションでは、これらのプロセスを経てドキュメントを管理するGUIの操作性も重要な要素になる。DB2
Document Managerのデスクトップ・アプリケーションは、ActiveXベースにしたMicrosoft
Internet Explore上で稼働するアプリケーションで、ユーザーが直感的にドキュメント操作を行えるGUIを提供している(図4)。
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| 図4. DB2 Document ManagerのGUI |
このようにドキュメント管理アプリケーションは、
- レビュープロセスの管理
- 変更履歴管理
- 複合ドキュメント管理
などをサポートするコンテンツ・リポジトリー上のアプリケーションである。ドキュメント管理システムを導入することで、ユーザーはドキュメントの履歴管理やレビュープロセスを正確に実行でき、ドキュメント作成プロセスを合理化できると同時にその過程を記録することによりコンプライアンス管理を確実に実践できる。
企業における情報発信の主要媒体としてWebが利用されるようになったことにより、Webサイトのコンテンツ管理も重要視されている。
Webコンテンツ管理でもコンテンツ作成からアーカイブまでのライフサイクルが存在し、Webコンテンツのライフサイクルを管理することで、Webサイトを企業における有効な情報配信媒体として活用できる(図5)。
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| 図5. Webコンテンツのライフサイクル |
Webサイトのコンテンツ管理は、コンテンツの作成支援、公開するコンテンツのレビュープロセス管理、公開スケジュールの管理、コンテンツの変更管理などが技術要件になる。
- Webコンテンツの作成支援機能
- Webサイトへのコンテンツ公開
- Webコンテンツのレビュープロセスの管理
- 公開コンテンツの履歴管理(バージョン管理)
例えば、新製品発表などのコンテンツをWebで公開する場合、製品発表の日時にコンテンツを確実に公開する必要があり、製品の価格情報など誤記無く正確な情報を配信する必要がある。しかし、Webシステムは簡単かつ即時性を持って情報発信を行える利便性があるが、Webコンテンツ管理を行わないと誤った情報を誤ったタイミングで配信してしまうリスクがある。Webコンテンツ管理システムでは、公開するコンテンツのレビューと公開スケジュールを確実に管理する。また、Webサイトの情報は随時変更されるため、過去の情報に対する問い合わせ、苦情などにも対応できるようWebコンテンツの変更履歴管理もWebコンテンツ管理の重要な技術要件になる。これらの処理をWebマスターの責任で行う場合、Webマスターの作業負荷は増大する一方で、Webコンテンツ管理システムを導入する必要がでてくる。
IBM Workplace Web Content Managementは、これらWebコンテンツ管理の技術要件をカバーする統合的なWebコンテンツ管理システムである(図6)。
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| 図6. IBM Workplace Web Content Managementの概要 |
IBM Workplace Web Content Management を導入することにより、Webコンテンツの作成から公開、アーカイブに至るWebコンテンツのライフサイクル管理をWebシステムの知識も持たないユーザーでも行える。
今回は、コンテンツ・タイプに応じたIBMのアプリケーション・インフラストラクチャーについて紹介をしたが、実世界において、すべてのコンテンツ・タイプを単一のコンテンツ・リポジトリーで管理しているケースは少なく、複数のコンテンツ・リポジトリーで管理しているケースがほとんどだ。このような環境で既存の資産を活用し効率的に情報統合を行うこともコンテンツ管理の重要な要素になる。次回は、分散されたデータ・ソースに対する情報統合を実現するインフォメーション・インテグレーションの技術を紹介する。
本記事は、株式会社メディアセレクト発行の月刊サーバセレクト2005年8月号に掲載されたものをもとに、補筆改訂したものです。

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