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Microsoft Cluster Serverを使用したDB2 UDB for Windows高可用性サポート- 概要



 
 
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コンテンツ
要約
はじめに
DB2 EEE について
アーキテクチャーの概要
2ノードの単一区画データベース (EE) ホット・スタンドバイ構成
2ノードの EE 相互テイクオーバー構成
2ノードの EEE 相互テイクオーバー構成
2ノードの EEE ホット・スタンドバイ構成
N+1 ホット・スタンドバイ構成
EEE のロード・バランシング構成
複数の MSCS クラスターの例
フェイルオーバー
クラスターを認識するアプリケーション
フェイルオーバー環境での DB2 管理
参照情報
 執筆者
Aslam Nomani
IBM トロント研究所の IBM データベース・テクノロジー・チームに所属して 5 年になる。最近の 4 年間は、DB2 UDB システム検証テスト部門に所属し、MSCS 環境における DB2 UDB EE および DB2 UDB EEE のテストに広く携わる。現在は UDB テスト組識内のチーム・リーダーの 1 人である。
Lan Pham
IBM トロント研究所の IBM データベース・テクノロジー・チームに所属して 9 年になる。最近の 6 年間は、DB2 for Windows 開発チームに所属し、DB2 EEE の Windows への移植と、アクティブ・ディレクトリー、Kerberos セキュリティー、MSCS 統合などの主要 Windows 統合機能の実装の責任を担う。現在は Windows NT および Windows 2000 環境の DB2 のアーキテクトである。
 

要約
DB2® ユニバーサル・データベース (UDB) は、業界初のマルチメディア、Web 対応リレーショナル・データベース管理システムで、大企業の要求を十分に満たせる強さと、小規模から中規模の e-business の要求にも応え得る十分な柔軟性を併せ持っています。DB2 ユニバーサル・データベースは、ビジネス・インテリジェンス、コンテンツ管理、および e-business の統合パワーを、業界最先端のパフォーマンスおよび信頼性とともに提供します。
DB2 は Windows オペレーティング・システム環境で稼動時に、Microsoft Cluster Server (MSCS) と統合して高可用性 (HA: High Availability) サポートを提供します。完全な高可用性設定は多くの部分から成りますが、そのうちの 1 つが MSCS ソフトウェアです。優れた HA ソリューションには、計画、設計、カスタマイゼーション、および変更管理が含まれます。HA ソリューションは、障害発生ポイントを排除することで、アプリケーションが利用できない時間をなくします。
この文書では、DB2 と、フェイルオーバーをサポートする MSCS との間の統合の概要を解説します。アーキテクチャーを解説し、フェイルオーバー処理の仕組みを説明します。

はじめに
MSCS は Windows NT Server Enterprise Edition、Windows 2000 Advanced Server、および Windows 2000 DataCenter Server の組み込みフィーチャーです。高可用性と、データやアプリケーションの管理しやすさのために、2 台のサーバー (DataCenter Server では最大 4 サーバー) の「クラスター」への接続をサポートするソフトウェアです。MSCS はサーバーやアプリケーションの障害を自動的に検知して回復できます。サーバー負荷を移してマシン使用率を平衡化したり、システムを停止せずに計画保守を実施するために使用できます。
MSCS 環境で DB2 を稼動させると、ユーザーは高可用データベース・サーバーから恩恵を受けられます。ソフトウェアやハードウェアのアップグレード、あるいはアプリケーションやハードウェアの障害などによって 1 つのノードが使えない場合、使えなくなったノード上のデータベース・サーバーは、データベースが存在する同一ディスクへのアクセス権限を持つ別ノード上で自動的に再始動されます。オンライン・ユーザーがいないというめったにない時間帯をみつけて、管理者が保守のすべてを実施する必要はありません。クラスター内のサーバーの 1 台がクラスター・ワークロードをすべて処理できる十分なパワーを持つ場合は、便利なオフピーク時まで単に待つだけです。そして、ポイント・アンド・クリック操作で全ワークロードをその強力な 1 台のサーバーに移動すれば、アイドル中のサーバー上で保守を実施する準備完了です。保守が完了してテストも終えると、管理者はそのサーバーをオンラインに戻し、サーバーはクラスターを自動的に再結合して、作業の受け入れ準備が整います。場合によっては、管理者は処理を繰り返してクラスター内の他のサーバー上で保守を実施することもあります。サーバー保守の実施中にアプリケーションやデータをオンラインに保つ機能は、「サーバーに対する"ローリング・アップグレード"を実施する」と表現されることもあります。
次の DB2 製品は、MSCS サポートを備えています。

  1. DB2 ユニバーサル・データベース ワークグループ・エディション (DB2 WE)
  2. DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ・エディション (DB2 EE)
  3. DB2 ユニバーサル・データベース コネクト エンタープライズ・エディション (DB2 CEE)
  4. DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ拡張エディション (DB2 EEE)
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DB2 EEE について
DB2 EEE はマシン間にリソース競合のないシェアード・ナッシング・ハードウェア・アーキテクチャーで稼動するように構成できます。各マシンはそれ自体のディスクとメモリーに対する排他的アクセスを持っています。この環境で稼動する場合、データベースは複数区画に分割され、各区画はデータベース区画サーバー (またはノード) によって管理されます。
データは複数のデータベース区画に分割されるため、複数の物理ノード上の複数のプロセッサーのパワーを使用して、情報要求を満たすことができます。データ検索と更新要求は、自動的にサブ要求に分解され、複数の適切なデータベース区画で並列に実行されます。データベースが複数データベース区画にわたって区分化されているという事実は、SQL ステートメントを発行するユーザーには透過的です。
ユーザー対話は、そのユーザーに対するコーディネーター・ノードとして知られる 1 つのデータベース区画を経由して行われます。コーディネーターはアプリケーションと同じデータベース区画か、リモート・アプリケーションの場合はアプリケーションが接続されたデータベース区画上で稼動します。
1 台のマシン上に複数のデータベース区画がある場合、これら区画はプロセッサーを共用することもあるので、論理データベース区画と呼ばれます。ただし、論理区画間ではデータとメモリーは共用されません。論理データベース区画を実行できるので、1 台のマシンに障害が発生したときに、EEE は相互テイクオーバー・シナリオでサポートされます。障害の発生したマシン上のデータベース区画は、1 つ以上のアクティブなデータベース区画をすでに持つ他のマシン上で再始動できます。
MSCS は DB2 EEE 製品の前提条件ではないことに注意してください。DB2 EEE は MSCS と統合して、高可用性をサポートします。

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アーキテクチャーの概要

DB2 MSCS コンポーネント
クラスターは、それぞれが独立したコンピューター・システムである複数のノードで構成されます。ネットワーク・クライアントには、クラスターは 1 台のサーバーとして映ります。




図 1. DB2 MSCS 基本アーキテクチャー

MSCS クラスター内のノードは、1 つ以上の共用ストレージ・バスと、物理的に独立した 1 つ以上のネットワークを使用して接続されます。サーバーしか接続せず、クライアントをクラスターに接続しないネットワークをプライベート・ネットワークといいます。クライアント接続をサポートするネットワークをパブリック・ネットワークといいます。
各ノードには 1 つ以上のローカル・ディスクがあります。各共用ストレージ・バスは 1 台以上のディスクに接続します。共用バス上のそれぞれのディスクを所有するのは、一時点で 1 つのクラスター・ノードだけです。DB2 ソフトウェアはローカル・ディスク上に存在します。DB2 データベース・ファイル (表、索引、ログ・ファイルなど) は共用ディスク上に存在します。
MSCS はクラスター内のロー区画の使用をサポートしないため、MSCS 環境でロー・デバイスを使用するように DB2 を構成することはできません。

DB2 リソース
MSCS 環境では、リソースはクラスタリング・ソフトウェアによって管理されるエンティティーです。たとえば、ディスク、IP アドレス、あるいは汎用サービスは、リソースとして管理対象です。DB2 は「DB2」という独自のリソース・タイプを作成することで、MSCS と統合します。各 DB2 リソースは DB2 インスタンスを管理します。区分化データベース環境で稼動する場合は、各 DB2 リソースはデータベース区画を管理します。DB2 リソースの名前はインスタンス名です。ただし、区分化データベース環境の場合、DB2 リソースの名前は、インスタンス名と区画 (またはノード) 番号で構成されます。

例を次に示します。
リソース「DB2」は、シングル区画インスタンス「DB2」を管理します。
リソース「DB2MPP-0」は、区分化インスタンス「DB2MPP」の論理ノード 0 を管理します。

オンラインになる前後のスクリプト
DB2 リソースがオンラインにされる前後に、スクリプトを実行できます。これらのスクリプトはそれぞれ、オンライン前およびオンライン後スクリプトといいます。オンライン前およびオンライン後スクリプトは .BAT ファイルであり、DB2 コマンドおよびシステム・コマンドを実行できます。
DB2 の複数のインスタンスが同一マシン上で稼動する状況では、オンライン前およびオンライン後スクリプトを使用して、両インスタンスを正常に起動できるように、構成を調整できます。フェイルオーバーが発生すると、オンライン後スクリプトを使用して、手動のデータベース・リカバリーを実施できます (後述のフェイルオーバーの説明を参照してください)。オンライン後スクリプトは、DB2 に依存する任意のアプリケーションやサービスの起動にも使用できます。

DB2 グループ
関連または従属リソースは、リソース・グループに整理されます。1 つのグループ内の全リソースがクラスター・ノード間で 1 つの単位として移動します。典型的な DB2 EE クラスター環境では、次のようなリソースを含む DB2 グループがあります。

  1. DB2 リソース。DB2 リソースは DB2 インスタンス (またはノード) を管理します。
  2. IP アドレス・リソース。IP アドレス・リソースにより、クライアント・アプリケーションは DB2 サーバーに接続できます。
  3. ネットワーク名リソース。ネットワーク名リソースにより、クライアント・アプリケーションは、IP アドレスではなく名前を使用して DB2 サーバーに接続できます。ネットワーク名リソースは、IP アドレス・リソースに従属します。ネットワーク名リソースはオプションです。(ネットワーク名リソースを構成すると、フェイルオーバーのパフォーマンスが影響を受ける場合があります。)
  4. 1 つ以上の物理ディスク・リソース。各物理ディスク・リソースは、クラスター内の共用ディスクを管理します。

DB2 リソースは同一グループ内の他のすべてのリソースに従属するように構成されるので、DB2 サーバーは他の全リソースがオンラインになった後でのみ、開始できることに注意してください。


図 2. DB2 グループ内のリソース

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2ノードの単一区画データベース (EE) ホット・スタンドバイ構成
この設定では、ワークグループ・エディション (WE) かエンタープライズ・エディション (EE) のいずれかが稼動する DB2 インスタンスは、2 ノード MSCS クラスター上で稼動するように構成されます。
1 次 DB2 ノードと呼ばれる 1 つのノードが全 DB2 クライアントをサポートする一方で、もう一方のノードはアイドル状態です。後者のノードは専用の「ホット・スペアー」で、フェイルオーバーが発生したときにいつでも使用可能な状態にあります。1 次ノードに障害が発生すると、ホット・スペアーは即座にリソース (ディスク、IP アドレス、ネットワーク名) を引き継ぎ、DB2 サーバーを再始動して、1 次ノードのパフォーマンスに非常に近いレベルか同等レベルで、クライアントにサービス提供を続けます。


図 3. 2ノードのホット・スタンドバイ構成

この構成では、可用性とパフォーマンスは最高になりますが、ほとんど使用されない状態にあるハードウェアへの投資が必要になります。したがって、これはマシン (CPU、メモリー) 追加の経費を正当化できるような、組識の最重要アプリケーションに適しています。ディスクは共用されるため、ホット・スペアー・ノードにストレージ容量を追加する必要はないことに注意してください。

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2ノードの EE 相互テイクオーバー構成
この設定では、DB2 ワークグループ・エディションか DB2 エンタープライズ・エディションのいずれかが稼動する 2 つの DB2 単一区画インスタンスは、2 ノードの MSCS クラスター上で稼動するように構成されます。
DB2 は同一マシン上で、データベース・サーバーの複数インスタンスの実行をサポートします。1 つのノードに障害が発生すると、そのノード上のインスタンスは、すでにアクティブなインスタンスのある他のノード上で再始動されます。フェイルオーバー後、DB2 の両インスタンスは、同一ノード上で並行稼動します。


図 4. EE 相互テイクオーバー構成

注: この環境では、データベース・マネージャーの各インスタンスは、別々のデータベースを 1 つ以上管理します。インスタンスは別のインスタンスに属すデータベースをアクセスすることはできません。

たとえば人事データベースやマシン在庫管理データベースなど、2 つの独立したデータベースを使用する場合、この構成は便利です。
相互テイクオーバー構成は、クラスター内の両マシン上のリソースを利用します。したがって、ホット・スタンドバイ構成よりも低コストです。しかし、クラスター内の 1 つのノードに障害が発生すると、他のノードは両方のインスタンスを稼動させなければならないため、パフォーマンスが低下します。障害が発生したマシンがオンラインに戻ればインスタンスが元のマシンへ戻されるように、即時フェイルバック用に構成することによって、パフォーマンスの影響を最小化できます。
この構成では、DB2 の各インスタンスが別々のノードで稼動する場合は利用可能な全システム・リソースを活用し、DB2 の両インスタンスが同一ノードで稼動する場合は、両方とも正常に始動できるように、オンライン前およびオンライン後スクリプトを使用して、DB2 構成を調整する必要があります。

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2ノードの EEE 相互テイクオーバー構成
DB2 EEE 製品は、複数区画のデータベース・インスタンスの稼動をサポートします。EEE インスタンスには、複数のマシンにわたって区分化されるデータベースを含みます。この環境では、MSCS クラスター内の各ノードが 1 つ以上のデータベース区画を管理する相互テイクオーバー構成を構成できます。1 つのノードに障害が発生すると、そのノード上のデータベース区画を他のノードがテイクオーバーし、同一データベース内の全区画を管理します。
各 DB2 インスタンスが別のデータベースを管理する EE 構成とは異なり、EEE 相互テイクオーバー構成では、データベースのシングル・イメージを提供します。


図 5. EEE 相互テイクオーバー構成

各論理区画は、他から独立してフェイルオーバー/フォールバックができるように、独自の DB2 グループの中に構成されます。
この構成では、DB2 の各区画が別ノードで稼動する場合は利用可能な全システム・リソースを使用し、DB2 の両区画が同一ノードで稼動する場合は両方とも正常に開始できるように、オンライン後スクリプトを使用して DB2 構成を調整する必要があります。
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2ノードの EEE ホット・スタンドバイ構成
大量メモリー (4GB RAM 以上) と処理パワー (4 CPU 以上) を装備した大規模 SMP マシンについては、複数の論理ノードを使用して DB2 UDB EEE を稼動することをお勧めします。32 ビット・アドレス方式の制限のため、各区画がシステム上でアクセスできるメモリーは最大 3GB だけですが、使用する論理区画が 2 つになると、データベース・システム全体は最大 6GB のメモリーをアクセスでき、3 つになると 9GB … というように増えて行きます。
2 ノードの EEE ホット・スタンドバイ構成を図 6 に示すように構成できます。


図 6. EEE ホット・スタンドバイ構成

論理区画は両方とも、1 つの単位としてフェイルオーバーおよびフォールバックできるように、同一 DB2 グループに構成されます。
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N+1 ホット・スタンドバイ構成
Windows 2000 DataCenter Server は、最大 4 ノードのクラスタリングをサポートします。この環境では、リソースはクラスター内の任意のマシンで稼動するように構成できます。N+1 のホット・スタンドバイ構成では、1 つのノードが専用のホット・スペアー・ノードになり、他の N ノードはアクティブな DB2 サーバーを持ちます。アクティブ・ノードの 1 つに障害が発生すると、ホット・スペアーがリソースをテイクオーバーし、DB2 はホット・スペアー上で再始動されます。
この構成では、即時フェイルバックを構成することが重要です。これにより、ワークロードは元の 1 次ノードへフェイルバックできます。こうすると、他のノードがダウンしたときに備えて、ホット・スペアー・ノードはいつでもテイクオーバーできる状態でいられます。
N+1 ホット・スタンドバイ構成は、EE および EEE 製品の両方用に構成できます。EE については、各 1 次 (アクティブ) ノードは、データベース・サーバーのインスタンスを管理します。EEE については、各 1 次ノードは 1 つ以上のデータベース区画を管理します。
この構成は、1 つのノードだけに障害が発生したときに、最高のパフォーマンスを提供します。複数のノードがダウンすると、マシン処理能力 (CPU、メモリー) 不足のために、パフォーマンスが低下します。


図 7. N+1 ホット・スタンドバイ構成
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EEE のロード・バランシング構成
次の構成は、Windows 2000 DataCenter Server 上で稼動する DB2 EEE のみに有効です。この構成では、DB2 EEE データベースは、単一の MSCS クラスター内に構成された 4 台の物理マシン上で稼動する 12 の論理区画に分割されています。各論理区画は、論理区画のフェイルオーバーが他の区画に影響しないように、独自のディスクを持つ別々の MSCS グループに属するように構成されています。ノードに障害が発生したときに、ターゲットとなるテイクオーバー・ノードを制御するには、各論理区画の推奨所有者リストが使用されます。たとえば、マシン名が A、B、C、D の場合、論理区画の推奨所有者リストを次のように設定できます。

論理区画
推奨所有者リスト
1
A,B,C,D
2
A,C,D,B
3
A,D,B,C
4
B,A,C,D
5
B,C,D,A
6
B,D,A,C
7
C,A,B,D
8
C,B,D,A
9
C,D,A,B
10
D,A,B,C
11
D,B,C,A
12
D,C,A,B

元々、各マシンは 3 つの区画をホストし、それら区画はすべてアクティブにアプリケーションにサービス提供しています。ノードの 1 つに障害が発生すると、そのノード上の区画のそれぞれは、残り 3 つのノードによってテイクオーバーされます。この例では、マシン D に障害が起きると、区画 10 は次の推奨所有者、すなわち A に移動し、区画 11 はその次の推奨所有者の B に移動、区画 12 はそのまた次の推奨所有者の C に移動します。その結果、障害が起きたノードのワークロードは、均等に分散されます。


図 8. EEE 平衡化されたワークロード・フェイルオーバー構成

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複数の MSCS クラスターの例
DB2 UDB EEE 環境では、インスタンスは 1 つのクラスターでサポートできる台数を超える数のマシンにわたることができます。この場合、複数のクラスターは、EEE インスタンス全体の高可用性をサポートするように構成できます。各区画は、それが属するクラスター内の他のマシンへだけフェイルオーバーできます。各クラスターで使えるマシンが 1 台はある限り、EEE インスタンスを完全にオンラインにできます。ただし、特定のクラスター内の全マシンに障害が発生すると、そのクラスター内に構成されたすべての EEE 区画は使用できなくなります。次のケースでは、EEE インスタンスは 4 つの区画を含みます。区画 0 と区画 1 はクラスター MSCS-1 に、区画 3 と 4 はクラスター MSCS-2 に存在します。図 9 では、フェイルオーバー・オプションを矢印で示します。


図 9. 複数クラスターの例
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フェイルオーバー

フェイルオーバーは、使用不能に陥ったノードから使用可能なノードへクラスター・リソースを移動するプロセスです。関連プロセスのフォールバック (フェイルバックともいう) は、オンラインになった後で、オフラインだったノードにリソースが復元されたときに発生します。
フェイルオーバーは、MSCS がクラスター・ノードの 1 つで障害を検知したときに、MSCS によって自動的に開始されます。1 つのリソースに障害が起きると、MSCS はそのリソースが所属するグループ全体をフェイルオーバーします。たとえば、DB2 リソースに障害が起きると、MSCS は DB2 グループ全体をフェイルオーバーします。この DB2 グループも、IP アドレス、ネットワーク名、およびディスク・リソースを含んでいます。

障害検知
MSCS は定期的に各リソースを調べて、まだ活動状態かどうか確かめることで、リソースの障害を検知します。各リソースは、まだ活動状態であることを示すステータス・コードを返して、check-alive要求に応える必要があります。DB2 リソースについては、DB2 サービス (ウィンドウ・サービス) が稼動していれば、データベース・サーバーは活動状態にあると報告されます。データベース・マネージャーがクラッシュすると、DB2 サービスは停止し、これがリソース障害を知らせます。
DB2 UDB V7.2 では、ハングアップした状態は、リソース障害を知らせません。この場合、管理者は手動でシステム・コントローラー・プロセス (db2syscs.exe) を終了し、同一マシン上でサーバーを再始動するか、あるいはフェイルオーバーを開始します。

フェイルオーバー・プロセス
リソースに障害が発生すると、MSCS は最初に同一マシン上でリソースを再始動しようとします。(リソースを再始動しないように構成することもできます。) 同一マシン上での再始動に失敗し、再始動の最大試行回数に達した場合だけ、フェイルオーバーが開始されます。クラスターがノードを 2 つ持つ場合、グループは常に障害の起きたノードから他のノードへ移されます。クラスターがノードを 2 つ以上持つ場合、ターゲットのテイクオーバー・ノードは、グループ用に構成された推奨所有者リストで決まります。
グループがオンラインにされる場合、リソースがオンラインにされる順序は、リソースの従属関係がどのように構成されているかによって異なります。デフォルトでは、DB2 リソースは、他のすべてのリソースに従属するように構成されるので、他のすべてのリソースがオンラインになった後にオンラインにされます。物理ディスクおよび IP アドレス・リソースには従属関係は一切ないので、常に最初にオンラインにされます。
DB2 サーバーがクラッシュした場合、データベースは一貫性のない状態に陥り、再始動が必要になることがあります。データベースが AUTORESTART 用に構成されていれば、最初のデータベース接続時にデータベース・リカバリーが自動的に実施されます。データベースが AUTORESTART 用に構成されていない場合、RESTART コマンドを実行するオンライン後スクリプトを構成して、自動データベース・リカバーをトリガーすることができます。
フェイルオーバー中に、アプリケーションは通信エラー・メッセージを受け取ります (アプリケーションの接続先の IP アドレスが一時的にダウンしているためです)。アプリケーションはフェイルオーバー中に同じデータベースへの接続を再試行できます。DB2 リソースが正常に再始動されれば、データベースへの接続は正常に行われます。

クラスターを認識するアプリケーション
MSCS 環境で実行する場合、各クライアントは、DB2 グループで IP アドレス・リソースとして構成されたクラスター IP アドレスを使用して、サーバーに接続する必要があります。これにより、クラスター内の 1 つのノードに障害が発生して DB2 が別ノード上で再始動された後も、アプリケーションは接続を保つことができます。
フェイルオーバー中に、非コミット・トランザクションはロールバックされます。アプリケーションはデータベースに再接続して、トランザクションを再適用する必要があります。データベース接続を保持する必要のない多くのインターネット・アプリケーションでは、アプリケーションはトランザクション発行前に常に接続を行うので、この割り込み (フェイルオーバー) はほとんど透過的です。長時間の接続を必要とするアプリケーションについては、通信エラーでトランザクションに失敗したときに自動的にデータベースに再接続してトランザクションを再割り当てするように、アプリケーションを変更することをお勧めします。
区分化データベース環境 (EEE) では、非コーディネーター・ノード (接続ポイント) で障害が発生すると、通信エラーを生成しません。代わりに、現行トランザクションがロールバックされたことを示すエラーが返される場合があります。この場合、再接続は不要です。アプリケーションはトランザクションを再適用する必要があります。読み取り専用トランザクションの場合、非コーディネーター・ノードでの障害発生は、アプリケーションには透過的です。障害の起きたノードが再始動されれば、システムは運用可能になります。そして読み取り専用データが戻されます。


フェイルオーバー環境での DB2 管理
MSCS 環境では、DB2 はコントロール・センターやコマンド行プロセッサー (CLP) などの DB2 管理ツールを使用して管理できます。また、DB2 管理クライアント・コンポーネントが導入されたクライアント・マシンからリモートに、あるいはサーバー・マシン上でローカルに管理することもできます。
DB2 がリモートに管理される場合、管理ツールは DB2 に割り当てられるクラスター IP アドレスを使用するように構成される必要があります。こうしておくと、フェイルオーバー後もサーバーに引き続きツールを接続できます。
管理ツールがサーバー・マシン上でローカルに実行される場合、DB2 がアクティブなノード上のみで実行できます。ホット・スタンドバイ構成では、DB2 ツールと CLP は、アクティブなノード上のみで実行できます。相互テイクオーバー構成では、任意のノードで実行できます。
DB2 サーバーと同じマシン上に存在する DB2 管理サーバーは、コントロール・センターからの要求を処理します。DB2 管理サーバーは、DB2 サーバーと一緒にフェイルオーバーまたはフォールバックするように、フェイルオーバーを有効にできます。管理サーバーに対してフェイルオーバーを有効にすることの利点は、データベース・サーバーに対して実行すべきスケジュール済みジョブがある場合に、データベース・サーバーが別のマシンへフェイルオーバーすると、管理サーバーも同じマシンへフェイルオーバーし、スケジュール済みのジョブはすべて保たれます。

参照情報
DB2 ユニバーサル・データベースの最新情報については、データベースおよびデータ管理のホームページを参照してください。
詳細な設定手順やサンプルについては、同ホームページから入手可能な次の IBM 技術白書を参照してください。

  1. 『Implementing IBM DB2 Universal Database EnterpriseEdition with Microsoft Cluster Server』(TR-74.177) (英文)
  2. 『Implementing IBM DB2 Universal Database Enterprise - Extended Edition with Microsoft Cluster Server』(TR-74.178)(英文)

クラスタリング・テクノロジーについては、Microsoft Windows Clustering テクノロジーのホームページを参照してください (URL は次のとおりです)。

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