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はじめに
IBM® DB2® EveryplaceTMのモバイル・アプリケーションへの使用に関する2部構成シリーズの最初の記事は、DB2
EveryplaceによるPalmデバイス用モバイル・アプリケーションの作成です。この記事では、ワイヤレス・アプリケーションを構築し、エンタープライズ・データをワイヤレス・デバイスに配信するために、どのようにMobile
Application Builder(MAB)を使用できるのかを説明しています。
この記事では、MABを使ってDB2 Everyplaceエンタープライズ・データにアクセスするJavaTMアプリケーションの構築方法と、それをNokia
Emulator上に展開し、ローカルでテストする方法を説明しています。この記事では、以下のような開発者向けの内容をご紹介します。
MABでのJava開発サポート概要
DB2 Everyplaceは、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルド・パーソナル・コンピューター、携帯電話、組み込み機器用のリレーショナル・データベースです。DB2
Everyplaceは、IBMのモバイル・コンピューティング・ソリューションの一環をなすもので、営業担当者などの移動が多いプロフェッショナルが外出先からでも必要なデータにアクセスできるようにします。
ハンドヘルド・デバイス上で動作するDB2 Everyplaceアプリケーションを開発するための統合ツールキットです。MABを使用すれば、モバイル・デバイスに展開するための堅牢なアプリケーションを、より強力な開発プラットフォーム(MABはWindows
NTR SP4以上、Windows 2000® 、およびWindows CE®
に対応)で容易に作成することができます。MAB builderを使えば、コードを1行も書くことなく、DB2 EveryplaceデータベースにアクセスするSymbian等のデバイスをサポートする、Javaアプリケーションを生成できます。
ツールのインストールと構成設定
この記事では、DB2 Everyplace、MAB builder、および必要なツールが、前の記事で説明した通りに既にインストールされていると想定しています。しかし、この記事で説明するサンプル・アプリケーションのために、Nokia
9200 Communicator SDKをインストールする必要があります。
Nokia 9200 Communicator SDKのインストール
以下の手順で、Nokia 9200 Communicator SDKをインストールします。
- Nokia 9200 Communicator Series SDK for Symbian OSをhttp://www.forum.nokia.com/からダウンロードしてください。SDKのダウンロードには登録が必要です。Windowsデスクトップ・エミュレーターはSDKに含まれています。なお、これらの手順はSDKバージョン1.2を基にしており、このアプリケーションはWindows
2000でテスト済みです。
- デフォルトのインストール・ディレクトリー(C:/symbian/6.0/NokiaJava)に、SDKをインストールしてください。インストールするコンポーネントを選択するように表示されたら、PerlとJREを含むすべてのコンポーネントを選択してください。既にJava開発キット(JDK)の1.2(Java2)またはそれ以上のバージョンをWindowsデスクトップに置いている場合は、インストールに含まれてくるJREをインストールしないで、JDKを使用するという選択も可能です。
- エミュレーターにDB2 EveryplaceエンジンおよびJDBC?ドライバーをインストールしてください。これらのファイルは、DB2
EveryplaceをC:/にインストールしている場合、C:/DB2Everyplace/DB2e/Clients/EPOC6/DB/winsディレクトリーに置かれます。
- db2e.dll、db2e.lib、およびdb2ejdbc.dllを C:/Symbian/6.0/NokiaJava/Epoc32/Release/wins/urelにコピーしてください。
- db2ejdbc.jarをC:/Symbian/6.0/NokiaJava/erj/extにコピーしてください。現時点では、DB2
Everyplaceエンジンにはエミュレーターのインストール・プログラムが含まれていません。これはセットアップ時に一度限りで完了する手順です。
注:
Perlの他バージョンをインストールしている場合、PATH環境変数でのSymbian SDKのPerlより前にPerlの他バージョンが現れると、アプリケーションのビルド・プロセスが失敗するケースがあります。これが発生した場合、PATHを適切に設定する必要があります。Start
-> Control Panel -> System -> Advanced -> Environment Variables -> System
Variablesの順にクリックし、PATHを選択してからEditをクリックします。Perlの他バージョンより前に、C:/Perl/binが現れることを確認してください。
サンプルJavaアプリケーションの作成、展開、およびテスト
この演習では、MABを使用したサンプル住所録アプリケーションをビルドし、Nokia Emulatorに展開します。スタート
-> プログラム -> IBM DB2 Everyplace -> Mobile Application Builderの順にクリックして、MAB環境を起動し、それから以下の手順に従ってください。
- Start a new projectオプションを選択します。
- 図1のように、プロジェクトに「JavaBook」等の名前をつけます。
- ターゲット・デバイスとして、「SymbianOS V6-Crystal」を選択します。
- デフォルトでは、アプリケーションIDが「0x1000911B」になります。新しいプロジェクトを作成する際は、アプリケーションを一意に識別するアプリケーションIDを指定する必要があります。
- Finishをクリックします。
図1. Create new project画面
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サンプル住所録への表定義のロード
プロジェクト定義後、アプリケーションで使用される表の表定義のロードを開始できます。DB2 EveryplaceのMABには、表定義をプロジェクト・ファイルにインポートするオプションがあります。これらの定義は、この後フォームを作成する際、またはフォーム上の他の表の列を参照する際に使用できます。以下の手順により、address.ddl(sample.zipファイルのサンプル・ディレクトリー)をロードします。
- 下図2のように、Tablesを右クリックし、Import Tableを選択します。
- Import table definitionウィンドウがオープンします。表定義を含むaddress.ddlファイルを選択して、Openをクリックします。表がロードされると、プロジェクト・ツリーのウィンドウの、Tableセクションの下に表示されます。
図2.表定義のインポート
ユーザー・インターフェースの構築
Project区画に表定義をロードしたら、アプリケーションで使用するフォーム作成を開始する準備が整いました。MABでフォームを作成するには、以下の2通りの方法があります。
- 手作業で作成します。
- Form Creationウィザードを使用して、自動的にフォームを作成します。
この記事では、Form Creationウィザードの使用方法を説明します。フォームを作成するには、以下の手順に従ってください。
- Address表を右クリックして、「Launch Form Creation Wizard」を選択します。Form
Creationウィザードが下図3のように表示されます。図3のようにボックスをチェックしてすべてのデータベース列を選択し、フォームに含めます。
図3.Form Creationウィザード:データベース列の選択
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- 次のウィンドウで下の図4のようにボックスを選択して、フォームと関連づけたいデータベース・オペレーションをすべて選びます。それからFinishをクリックします。
図4. Form Creationウィザード:データベース・オペレーション
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- 上記手順の後、AddressフォームがFormsセクションに含まれます。「Form1」はブランクのデフォルト・フォームであるため、選択して削除します。
Addressフォームの分析
以下の手順によって、新しく作成したAddressフォームを分析できます。
- Addressフォームを選択すると、右側の区画にAddressフォームが表示されます。この画面で、図5のようにAddressフォームのNewボタンを選択します。
図5. Addressフォーム
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- 「SymbianOS V6-Crystal」を強調表示して、図6のようにProperties区画の「Database
Location」の内容を調べます。「Database Location」に関連づけられた値はデータベースの位置を識別しており、デフォルトは\system\data\db2eです。この位置にデータベース表をセットアップすれば、構築するアプリケーションから表にアクセスできます。値\system\data\db2eは、アプリケーションが展開される場所にマップされます。例えば、Nokia
Emulatorでのテスト中で、SDKをC:\Symbian\6.0\NokiaJavaにインストールしてある場合、データベースの位置はC:\Symbian\6.0\NokiaJava\Epoc32\Wins\c\system\data\db2eになります。
図6. データベースの位置
- Menusオプションをクリックすると、New、Delete等の各アクションのためのメニューが生成されます。Menusの下のNewをクリックして、それからその区画の下部にあるEventsタブをクリックします。図7で示す下の画面が表示されます。
図7. 新規メニューの作成
- Menu Selectオプションに関連づけられた値をクリックすると、下の画面(図8)が表示されます。ここでレコードの削除および更新に関するイベントも参照できます。
図8. Menu Selectオプション
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- Addressフォームで、下図9のように「FirstName」フィールドに関連づけられたField1Form2値をクリックして、Properties区画に進みます。
図9. Addressフォーム画面で値を選択
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- Properties区画の「Data field」プロパティー・フィールドに、Field1Form2のどの値がデータベースのどの列にマップされるかが表示されます。「Data
source」はマップされた表を示します。つまり、この方法により、すべての「fieldvalue」値がデータベースの列にリンクされます。
アプリケーションの構築
さて、ツールのインストールと構成を行い、データベースのセットアップを適切に行ったところで、メニューからBuild -> Buildを選択してアプリケーションをビルドできます。すべてが正しい場合には、「Application
build was successful」というメッセージが表示されます。エラーの場合は、Preferencesウィンドウでのツールのインストールおよびツールへのパス設定により、適切に構成が設定されているかを確認してください。
アプリケーションのビルドにより、数多くの中間ファイルが作成されます。これらのファイルはMABによって使用され、変更するとプロジェクトにエラーが発生することがあります。以下は作成されたファイルの一覧です。
- *.java: アプリケーションのソース・ファイル
- *.class: アプリケーションのクラス・ファイル
- *.bat: 展開のためにコールされるスクリプトで、Nokia Emulatorに必要ファイルのコピーやNokia
Emulatorのスタートに用いられる
- .aif: アプリケーション情報ファイル、およびSymbianプラットフォーム固有ファイル
- .app: UID、Symbianプラットフォーム固有ファイルを含むアプリケーション・ファイル
- .txt: pjava.exe(JVM実行可能ファイル)用のコマンド行パラメーターを含むファイ
- .jar: Nokia Emulatorに展開されるクラスを含むJarファイル
- .pkg: 展開すべきコンポーネント一覧を含むパッケージ・ファイル
- .sis: 必要なクラスとパッケージをすべて含んだ、 (エミュレーターではなく)実際のデバイスに展開が必要なファイル。.sisファイルは、赤外線ポートまたはケーブル接続を使用して、実デバイスにコピーできます。アプリケーションは、自作のアイコン「ApplicationName」に表示され、本書の例では「Extras」画面の「JavaBook」となります。アプリケーションを実行する際にこれを検証します。
アプリケーションのテスト
アプリケーションをテストする前に、サンプル住所録の作成が必要です。このためにいずれかのディレクトリーにsample.zipファイルをunzipすると、sampleフォルダーが作成されます。sampleディレクトリーには、BuildAddress.java、SetupAddressDB.bat、およびAddress.ddlファイルがあります。データベースを作成するには、SetupAddressDB.batを変更すると、DB2
EveryplaceおよびMAB builderをインストールした位置が、DB2EVERYPLACE_LOCATIONおよびMAB_LOCATIONに指定されます。SetupAddressDB.batを実行すると、BuildAddress.javaファイルをコンパイルし、実行します。C:/Symbian/6.0/NokiaJava/Epoc32/Wins/c/System/data/db2e/ディレクトリーに、BuildAddressクラスがAddress表を作成します。この表は、先に行ったAddressフォーム分析時にマップされ、ダミー値がいくつか追加されています。このファイル実行中にエラーが発生した場合、DB2EVERYPLACE_LOCATIONおよびMAB_LOCATIONのパスが正しいか確認してください。SetupAddressDB.bat実行後、以下のメッセージが表示されます。
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Table: Address created
Results from table Address :
FirstName= Raj , LastName= Malhotra.
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Nokia Emulatorでアプリケーションを実行
これでNokiaメニューからBuild -> Testを選択して、Nokiaアプリケーションを構築できるようになりました。下図11のように、Nokia
Emulatorがポップアップします。通常は、JVMのロードに時間がかかるため、1分間の遅延があります。図11で示すように、JavaBookアプリケーションへ進んでください。
図11. JavaBookアプリケーションをオープン
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Open Linkをクリックして、JavaBookアプリケーションをオープンします。あらかじめ転送されたデータ(SetupAddressDBスクリプト実行時に挿入されたもの)とともに、以下の画面が表示されます。図12参照。
図12. JavaBookにあらかじめ転送された住所データ
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データベースに挿入したい情報を、それぞれのフィールドに入力し、キーボードのF1キーをクリックしてください。メニューが下図13のように表示されます。Newボタンをクリックして、データベースにデータを挿入します。
図13. データベースに新情報を追加
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F1キーをクリックすると、メニューが表示されます。Navigationsメニューをクリックし、データベースの最後のレコードを参照するためにLastを選択して、このデータが正しく挿入されたか検証してください。図14参照。
図14 データベースの最後のレコードを参照
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各種のアクションとナビゲーションのメニューを使用して、情報の挿入や検証、ならびにアプリケーション・フローの参照ができます。
まとめ
この記事では、サンプルJavaアプリケーションの作成、展開、およびテストを正常に行うために、DB2 Everyplaceの機能を使用する方法を紹介しています。構築されたアプリケーション・ビルドは、実際のNokia
9200シリーズのデバイスに転送できます。
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著者について
Naveen Balaniは、J2EEベースの製品の設計、開発、実装などに携わってきました。彼の連絡先はmailtonaveenbalani@rediffmail.comです。
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