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インフォメーション・オンデマンドとは

企業システムの命運はいったい何に左右されるのか大変革にも動じないインフォメーション戦略とは

IBMが提唱する「インフォメーション・オンデマンド(以下IOD)」が意味するものは何か、従来のデータの有効活用を意味する「データからインフォメーションへ」という動きと何が違うのか、その背景や最近の企業システムの動向について、日本IBMソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部ブランド・マネジャーの森英人氏にお話を聞きました。(インタビュアー:慶應義塾大学・お茶の水女子大学講師 吉舗紀子 氏)

「IOD」提唱の背景

「IOD」提唱の背景には、データベースに対するどのようなニーズの変化があるのでしょうか?

1980年代から90年代前半にかけて、情報系システムから業務系システムまでリレーショナル・データベース(RDB)の利用が進みました。さらに、2000年代に入ると、e‐メールなどのテキストや画像、オフィス文書などのいわゆる非構造化データをデータベース化したいという新たな要求が出てきました。それに対して、IBMは自社のRDBであるDB2を拡張したCM(コンテント・マネジャー)を製品化し、コンテンツ管理の分野をリードしてきました。
ここまでの動きは、ある業務目的に対してデータを利用する、アプリケーションとデータベースが密接に関係した世界といえます。
ところが、最近、この本質を大きく覆す新たな要求が生まれてきているのです。すなわち、ある基幹業務システムがもつデータそのものを同時に、別の基幹業務の用途で利用していきたい、という新たな動きです。

情報系システムやデータウェアハウスとの違い

これまでにも、情報系システムやデータウェアハウスにおいて、基幹系システムのデータを他の用途で利用したい、という動きがありましたが、それらとは何が違うのでしょうか?

情報系システムやデータウェアハウスは、業務系システムからデータを抽出し、業務用途とは異なる目的でデータを活用、高付加価値化するという要求に対応するものです。この動きは、データをインフォメーション化するという意味で新たなデータベースの活用形態でした。
しかし、今起きているデータ活用形態への新たな要求は、業務系データ、情報系データという関係ではなく、高いリアルタイム性をもって複数の基幹システムが一つのデータを取り扱う、「必要なデータに対して、必要な人・アプリケーションが、必要なときにアクセスしたい」というものです。
受発注データを受発注システム以外のアプリケーション、例えば、コールセンターでの受発注状況問い合わせに利用したい、という要求です。これは、従来の「アプリケーションとデータが密接に結びついた関係」を覆す本質的な変化と見ています。

「IOD」の具体例

このような変化が「IOD」なのですね。それでは「IOD」の具体例を挙げていただけますか?

テレコム業界のお客様A社の事例をお話しましょう。
テレコム業界は、地域電話、長距離国際電話、携帯電話、インターネット・プロバイダーなど、さまざまな業務拡張、買収・合併・分社という激しい業態変化を経ています。このA社においても例外ではなく、その結果として、提供するサービスごとにシステムが異なり顧客データベースがバラバラになっていました。
そのためお客様対応窓口では、「ここでは固定電話関係のお問い合わせにはお答えできますが、インターネット・サービスについては別にお問い合わせください」といった対応がなされ、深刻なお客様満足度低下を招いていました。日々、加入者処理や課金処理が行われ、新たなサービス業務追加も起こりうるなか、基幹システムをリプレース統合することは解決策とはなりえませんでした。
そこで、この会社では、既存システムを維持したまま、相互に顧客データベースにアクセスを可能にする「仮想データベース」の仕組みを導入することで、「IOD」環境を構築したのです。

「IOD」を実現の先に

「IOD」を実現した企業は、その後どんな進化を遂げるのでしょうか?

いまお話したA社では、次の段階として業務プロセスの再構築に着手しました。
「IOD」環境を実現することでシステムの相互接続環境が整ったことにより、その上にワークフロー・エンジンを実装して既存のアプリケーションの枠組みにとらわれることなくプロセスの整理・統合が可能になり、「あるべき業務プロセス」を実現することができたのです。
この考え方は、まさにサービス指向アーキテクチャー(SOA)であり、「IOD」は、劇的な企業の変化を支えるSOAのエントリー・ポイントとして見ることもできるのです。

「IOD」実現のための技術要素とは

「IOD」を実現するうえで重要な技術要素はどのようなものですか?

IBMでは、以下の4つの分野を重要な技術要素として見ています。

  1. Information On Demand イメージ(Data Service、IIS、CDS、BISがつながっている図)企業内に散在する多種多様なデータに対して、オンデマンドな活用環境を実現していく、「インフォメーション・インテグレーション」分野
  2. RDBでは対応が困難であった柔軟かつ迅速な変更要求に応えるXMLデータベース機能を取り込んだ「データベース」分野
  3. 物理的な情報統合によってオンデマンド環境を実現し、かつデータの高付加価値化を推進する、「ビジネス・インフォメーション」分野
  4. 従来のRDBが必ずしも得意ではなかった非構造化データなど、多種多様な種類のデータへ対応する「コンテンツ&ディスカバリー」分野

これら4つの分野において、IBMは製品とソリューションを提供し、お客様の「IOD」環境実現に貢献していきます。

4つの技術要素を組み合わせることで実現する「IOD」環境は、まさにSOA時代のインフォメーション戦略というわけですね。
(2006年 6月 日本アイ・ビー・エム株式会社にて)

ご紹介

森 英人(もり ひでと) 顔写真
森 英人(もり ひでと)
1990年代初頭から数多くのデータウェアハウス・プロジェクトを手がける。この数年はデータ統合案件に加え、プロセス連携プロジェクトなどSOAの先駆けとなる先進プロジェクトにも携わる。

日本アイ・ビー・エム株式会社
インフォメーション・マネジメント事業部
ブランド・マネジャー

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