Tab navigation
上記リンクをクリックすると、ページ内の該当箇所に移動します
開幕基調講演
SOAが加速するイノベーション
アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティング サービス株式会社
取締役 パートナー 福井 隆文
アイ・ビー・エム ビジネスコンサル
ティング サービス株式会社
取締役 パートナー 福井 隆文
2年前にIBMがSOAの発表をした時から、コンサルティングを中心としてSOAを推進している福井が最初の基調講演を行った。
発表当初を振り返る話から始まり、自らSOAの適用について関わってきた、三井倉庫株式会社のグローバルとしての事例にも話が及んだ。
現在のSOAの浸透度については、実装の段階に入ったと考えられ、SOAは会社の構造改革を進めるのに有効なIT構築手段であると強調している。再利用、拡張性など、SOAの考え方自体は決して新しいものではないが昔と違うところは、体系化された方法論が確立され、それを支えるソフトウェア(ツール)が充実し、今後の変化に継続的に対応していくことができる点である。
今後のSOAの重要課題は、SOA化されたシステムの使用をきちんと把握、管理し、有効度をモニターすることであり、それにより初めて、SOAの効果が出てくると考えられる。IBMではこの課題をSOAガバナンスとして、サービスの提供を始めたことを説明。
最後はSOAの開発についての話として、今までそれぞれの仕事のスペシャリストが、ビジネスの要件からデザイン、開発とそれぞれの言葉に翻訳して作業を進めていたが、それぞれの作業の継ぎ目に、翻訳が必要であり、効率が良くなかったことに触れた。それをデザインから開発、モニター管理まで、ツールを使って進めることによって、一気通貫でできる時代ももうそこまで来ていると話を締めくくった。
ビジネス中心でとらえるSOA
IBM Corporationソフトウェア・グループ
ワールドワイド・ソフトウェア・セールス担当バイス・プレジデント
マイク・ボーマン

IBM Corporationソフトウェア・グループ
マイク・ボーマン
三浦常務執行役員からマイク・ボーマンの紹介があった。技術のバックグラウンドを持つマイクは、現在WW SWG Salesのバイス・プレジデント(VP)というポジションで日夜世界中のCEOの皆さまとよくお話をしており、経営者の観点にも長けている。
1年前と比べ、お客さまのSOAに対する反応は明らかに変わってきているという実感が語られた。1年前は「SOAって何?」という質問が多かったが、昨今では、「わが社はどこから、具体的にどうやってSOAを進めればいい?」というのが多い。SOA化を進めることはすでに決定しておられ、実際に進める具体的な手助けをIBMに求めてこられる。そこで、IBMは、お客さまのニーズにあった、5つのSOAエントリーポイントを発表した。
- 「人」
- 「プロセス」
- 「情報」
- 「接続性」
- 「再利用」
上記エントリーポイントのひとつずつ、プレゼンテーションの内容にそって、一つずつ、実例が紹介された。最後に、それぞれのエントリーポイントにおいてのIBMの実績と、優位性を述べて講演が終了した。世界中のSOAの動向を含めての講演であった。
【A-2】SOAを成功させる鍵「ガバナンス」とその事例
アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティング サービス株式会社 マネージング・コンサルタント 小林 真
アイ・ビー・エム ビジネスコンサル
ティング サービス株式会社
小林 真
SOA化のメリットを享受し続けるには、適切な管理・運用、そして部門間の取り決めなどが必要だ。こういった「ガバナンス」の重要性と検討方法を紹介するセッションで、SOA構想策定プロジェクトのリーダーを務めた経験があるIBCSのコンサルタント、小林真が実例を交えながら分かりやすく説明した。
「SOAは作って終わりではないのです」と強調する。
長期的視野で見た時に、ビジネスの変化に対してトータルITコストが下げられるのがSOAの本来のメリット。ところが、構築した後に適切な管理、すなわちガバナンスが考えられていなければ、初期投資が無になってしまう可能性だってある、と警鐘を鳴らした。
価値の高いサービス、いらないサービスは何か?誰がそれを決めるのか?サービスの変更は誰がどうやって管理し、評価していくのか?
こういった各局面で発生するさまざまな考慮点を4つの主要な課題として整理し、誰が何をどういう順番で検討していくべきか、というステップが経営者から開発者までのロール毎に紹介された。
部門横断的なサービスに関しては、責任所在が不明になってしまうため特に注意する必要がある、という。そのために、お客さまの方でもトップレベルで組織横断的なチームを作っていただくなど、体制を確立することもガバナンスで考慮すべき成功要因の一つだ。
何のためのSOAなのかいま一度考え、サービスを作る以上にどう「使うのか」を考える必要性を実感させられた、有意義なセッションであった。
【C-1】IT最新動向~SOAのテクノロジーを理解しよう
日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業
IBMディスティングイッシュト・エンジニア(技術理事) 清水 敏正
日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業 技術理事
清水 敏正
セミナー会場を満員にしたお客さまを前に、日本IBM 清水敏正はSOA実現に必要なキー・テクノロジーについて話を始めた。SOAに関するテクノロジーは、Webサービスを中心としてさまざまなものが誕生/進化し続けている。その中の一つがEnterprise Service Bus(以下、ESB)である。SOAの本質は究極の分散コンピューティングを実現することであるが、ESBを介在させることによってリクエスターとプロバイダーの直接的依存関係を絶ち、ソフトウェア部品の共有化、再利用性の向上を図ろうとしている。ESBはEAIでのブローカーと異なりサービス・コンポーネント呼び出しを受け入れて処理するものであり、プロトコル変換やデータ変換の機能により、サービス・コンポーネントの再利用性を高めていく。
また、刻々と変化するテクノロジーを隠ぺいし、アプリケーション開発者がテクノロジーの詳細を知らなくとも開発できるようにするためのテクノロジーがService Component Architecture(以下、SCA)である。言語中立であり、下位技術に依存しないアプリケーション開発が可能になる。SCAはすでにIBMを初めとする複数のソフトウェア・ベンダーで提唱されている。
ESB、SCAを初めとするこれからのSOA時代のテクノロジーの動向と方向性についての話は非常に興味をそそるものであり、聴いている方々の熱気が伝わってくるようなセッションであった。
【C-4】SOA化推進のための既存システムの有効活用法
日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・ビジネス・サービス事業
ソリューション最適化技術 先進技術担当 中川 恵太

日本アイ・ビー・エム株式会社 グ
ローバル・ビジネス・サービス事業
中川 恵太
アーキテクチャー・トラックの最後を締めくくるセッションは、「高橋メソッド」の巨大文字のプレゼンテーションで印象的に始まった。
「お金をかけずに簡単にSOA化したいと思っていませんか?」「SOAは魔法の杖ではありません」
SOAを実現するには地道な取り組みが必要、とこのセッションを担当した先進技術担当の中川恵太は「SOAへの幻想」にまず注意を促した。
SOA化にあたっては「どの技術を使うか」ではなく「SOAの本質的な価値や特性を満たしているか」で考えようと呼びかける。まずSOAの価値を4つ提示し、それらの目的と満たすべき要件が何であるか、ビジネスとITの両側面から明確な説明がされた。
そして、既存システムをSOA化するボトムアップ・トップダウン両アプローチの方法の紹介とともに、データのカプセル化、疎結合、ステートレスといった「SOAの要件」がどのように考慮されるべきかが具体的に紹介され、非常に実用的なセッションとなった。
SOAの大きすぎる理想像に萎縮してしまわず、まずは効果を実感するために小さく始めること。本当の目的を見定めてITとビジネスの距離を近くしよう、とセッションは締めくくられた。なかなか実態が見えてこないSOAの現実的な問題と本来の意義を改めて見直すことのできた講演であった。
