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Iris Today Archives

ノーツ/ドミノの PROS ソリューション


Lotus Software
by Jason English
レベル:ビギナー
対象:Domino 5.0
原文の掲載:2001年12月4日

Iris Today Archivesの原文(US)

インデックス
PROS パッケージ
カスタマイズ
プロ・スカウト・データベースとアマチュア・スカウト・データベース
作業方法
アマチュア選手のドラフト・データ集計
選手開拓データベース
先進的スカウト
スケジュール・データベース
データ表示
システム管理
セキュリティー
新しいテクノロジー ? 最新の動向
最後に

メジャー・リーグのベースボール・チームは、多くの点で企業の組織に似ています。例えば、キーとなる意志決定者は、いち早く情報を必要とし、その情報が彼らにとって有益な形式になっていることが大切です。スカウト活動の時期になると、特にこのことが言えます。メジャー・リーグのスカウト・システムでは、膨大な量の情報を収集し、それらを全て、素早く各種のユーザーの要求に応じた形式で提示しなければなりません。

メジャー・リーグのスカウト・システムのデータは、メジャー・リーグ・ベースボール(MLB:Major League Baseball)のような参照情報ソースや、システムを通じた様々なレベルのスカウトの情報に基づいています。メジャー・リーグ・ベースボールには、野球史上の全野球選手の詳細な情報があります。例えば、スカウトたちは、ベネズエラの首都カラカスの有望なバッターを観察したエリア・スカウト情報を、チームが来シーズン直面するであろうメジャー・リーガーについて分析したプロ・スカウト情報という形で提供しています。いったん情報が収集されると、データはゼネラル・マネージャーやその他の首脳部の人たちに有益な形式に加工され、しばしば重大な最終決定のために用いられます。

IBM プロフェッショナル・レポート組織ソリューション(PROS:Professional Reporting Organization Solution)は、セキュリティーを維持しながら、9つのメジャー・リーグ・チームにこの種の拡張性と柔軟性を備えた機能を提供しています。9つのチームには、過去5年間にコロラド・ロッキーズ、カンザス・シティー・ロイヤルズ、ロサンゼルス・ドジャーズ、ピッツバーグ・パイレーツ、ニューヨーク・メッツの各チームが含まれています。ノーツ・データベース、ドミノ サーバー、複製機能を使用して、PROS により、最大の効果と素早いアクセスを可能にする各チームのスカウト・システムを構成します。その一方で、この PROS は、組織の内部と外部の両方に不可欠なセキュリティー保護を提供しています。

基本 PROS ソリューションには、ドミノ サーバーとデータベースのコア・パッケージのカスタマイズ機能の設定が、通常では含まれています。しかし、しばしばチームの IT グループがドミノとデータベースのインストールを彼ら自身の手で行うこともあります。もちろん、特定の「アドオン」データベースや、スカウトとスタッフのためのトレーニング機能を導入するために、各チームでパッケージ機能を拡張することもできます。

この記事は、コアとなる PROS データベース、ドミノ サーバーでの PROS の設定とメンテナンス、現テクノロジーのいくつかの展開について、その基本となるワークフローとテクノロジーについて解説します。この記事を読むには、ノーツ・データベース設計とドミノ・ネットワーク管理を基本的に理解していることが前提になります。

PROS パッケージ
PROS ソリューションをインストールしているチームには、データベースのコア・セットが渡されています。この主な目的は、メジャー・リーグ・ベースボールの膨大なアーカイブからの情報か、あるいは現場のスカウトからの情報を、入力データとして収集し、そして役立つ形式に情報を構成して表示することです。

遠隔地にいるスカウトからゼネラル・マネージャーまで、システムにアクセスしている全ユーザーが同じデータベースを参照できます。アクセス制御リスト(ACL:Access Control List)や「読者」と「作成者」フィールドのようなノーツ/ドミノのセキュリティー機能を使用すると、ユーザーは、彼らの仕事のために必要な情報だけを参照できます。 
  
コア・データベースには次の機能が含まれます。
  • アマチュア・スカウト ? 組織内で、アマチュア選手の統計データと解説を収集するのに使用されます。
  • アマチュア管理 ? メジャー・リーグ・ベースボール(MLB)による学校のデータがあります。これは、大部分は参照データベースです。
  • プロ・スカウト ? プロ選手の統計データと解説を収集するのに使用されます。
  • プロ管理 ? MLB によるメジャー・リーグ・チームのデータがあります。これは、大部分は参照データベースです。
  • スケジュール ? 学校スケジュールのデータがあります。
  • 選手開拓 ? マイナー・リーグ人員の統計データと解説を収集するのに使用されます。
  • 設定 ? チーム独自の情報を入力するフィールドがあります。この情報は、他のデータベースに移植されていきます。
  • インポート・データベース ? 全プロ選手の基本情報と一緒にMLB から最新のデータを取ってくる「展開」データベースです。背後で他のデータベースに情報を提供しています。

チームは、次のような機能について、PROS パッケージを拡張できます。
  • 選手のディレクトリー・データベースを、他の全データベースを検索する際に使用することができます。
  • 選手の健康状態を追跡調査する際にデータベースを使用できます。
  • データベースで、まだドラフト対象にならない世界中の選手を追跡調査できます。
  • (MLB によって公表される)プロ選手の詳細な経歴情報をデータベースに載せることができます。

その他のオプションには、旧システムのデータの新システムへの移行、パーム・パイロット・インプットの設定、個々の選手のビデオ参照設定などがあります。
 
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カスタマイズ
過去4年間に PROS 開発グループは、どのようなデータが複数のチームで広く標準となっているか調査しました。まず PROS 開発者たちは、各チーム用の新しいフィールドとフォームを作成しました。ですが、各チーム・データのおよそ 80 %は同じものなので、すぐにそれらは必要ないということに気がつきました。この解決方法は、個々の設定データベースを作成することでした。このデータベースには、チーム名、チームがある市の名称、将来性(OFP:Overall Future Potential)を割り出す評価式(これについては、後述します。)、スカウトの現地分析(例えば、米国内を東部、西部、中央部の3つに分割して情報を収集したりします。)などのチーム独自の情報を入力するフィールドがあります。いったんこの情報がチームの設定データベースに入力されると、他のデータベースへ移植されていきます。

標準フィールドとフォームの設定の後、チームは必要な基本データベースと不必要な基本データベースを決定し、その他に必要となるデータベースも割り出すことになります。カスタマイズは、チームのロゴをフォームに表示させたり、フィールドやビューを追加したりとバラエティーに富んでいます。例えば、選手の経歴フォームでは、身長と体重は標準フィールドとなっています。しかし、あるチームでは、手と足のサイズ用のフィールドも必要となることもあります。複数のチームからは、次のようなフィールドの要求がありました。選手の住所、電話番号、電子メール・アドレス、携帯電話番号、選手の代理人の名前、そして、その代理人の電話番号までも入力できるフィールドです。またいくつかのチームは、空港や学校への交通手段などの道順を入力するフィールドの要求がありました。というのは、スカウトがエリア内で次の現場へ向かう際に、道順をこのフィールドにより探すことができるからです。

カスタマイズの共通エリアは、OFP 得点予測と、選手各人の OFP 得点による分類方式にあります。そしてこれは、各チームによってさまざまです。例えば、あるチームは、選手評価を 1 得点刻みで 20 から 80 の範囲で行い、20 から 30 得点の選手を「優秀」に分類します。しかし、別のチームでは、5 得点刻みで 70 から 10 の範囲で行い、60 から 70 得点の選手を「優秀」に分類します。

カスタマイズの可能性は、チームの要求によってのみ制限されます。スポーツ&コンテンツ管理ソリューション開発のマネージャーを務めるダイエッター・ポエッツシュケ氏や、データベース開発のメンバーのひとりは「2日間の実地試験で済みます。」と言っています。そして「2日目の終わりまでには、カスタマイズの内容を参照できるようになります。見たい箇所を普通にクリックするだけです。『私たちが望むものを構築するには2週間は必要だと思っていました。』とも運用して下さっている方々は言っていました。」とも述べています。
 
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プロ・スカウト・データベースとアマチュア・スカウト・データベース
プロ・スカウト・データベースとアマチュア・スカウト・データベースは、システムで最も頻繁に使われるツールです。これらのデータベースは、インポート・データベースから基本情報を得ています。一部は、ユーザーには表示されないコア・パッケージから得ているものもあります。インポート・データベースとは、チームとこれまでに契約した全ての登録選手、あるいは登録抹消選手の MLB データ(名前、身長、体重、選手が現在活躍中かどうか、無効リストに載っているかどうかなどのデータです。)により毎週更新される参照データベース、または展開データベースのことです。(登録選手の定義は、公正に広く定義されます。その定義は、現在プレーしている選手だけでなく、最近引退した選手のことも示しています。登録抹消選手とは、再びプレーすることがないであろう選手のことを意味しています。インポート・データベースにはおよそ 32,000 人の選手の文書がありますが、その半分はもはや登録選手のものではありません。)

加工していない MLB データが、テキスト・ファイルに保存され、コンマで区切られた文字列や数列の形式で、インポート・データベースに送られてきます。スカウト・データベースは、検索や選手の既存ファイルとインポート・データベースのデータを比較するために、選手の名、姓、生年月日を使用します。(MLB は、各選手にユニークな ID を付与しています。しかし、PROS 開発グループは、この方法を採用した比較は、ある環境下では登録選手を見逃しやすいということに気が付きました。)インポート・データベースのデータのどのような変更も察知されます。そしてスカウト・データベースでは、新しい選手用の新規ファイルを作成したり、不要のファイルを削除したりして、それ自体の内部で更新が実行されます。
 
プロ・スカウト・データベースは、例えば、インポート・データベースから選手の基本情報を取得します。そして、インポート・データベースは、その情報を MLB から取得しています。プロのスカウト・データベースには、身長や体重といった基本情報がある全登録選手の経歴が保存されています。データの一部を見る際には、この情報は、エージェントとビューにより表示されます。

データを送受信したり表示させたりするこの方法は、PROS システムで使用されます。まず、データが、MLB からインポート・データベースへ送られます。次にインポート・データベースから、そのデータは、プロ・スカウト・データベースとアマチュア・スカウト・データベース、そしてプロ管理データベースとアマチュア管理データベースへと送られていきます。そして、そこから、スケジュール・データベースとその他のデータベースへとデータはさらに送られていきます。
 
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作業方法
アマチュア、あるいはプロの試合観戦から戻ったスカウトたちは、ラップトップ・パソコンを接続して、目立った選手の情報を経歴文書と評価文書に入力します。経歴文書の中で、スカウトは、インポート・データベースからの基本情報を参照して、そして、そこにそれまでなかった情報を入力します。評価文書には、40 から 50 のフィールドがあります。その大部分は、選手のベースボール技術を評価したものです。選手は、打撃、打撃のパワー、投球、スピードといった技術について2つに分けて得点されます。1つ目の得点は、現在の能力です。2つ目の得点は、将来性です。

得点は、スカウトが文書を保存する際に計算され、その計算結果の数値は、OFP 評価となります。OFP とは、選手の評価を決定する際に使用されるメジャー・リーグ基準です。OFP を計算する正確な式は、チームにより異なります。そして、時にはスカウトに OFP の変更が許され、その主観的な判定に、ふつう 5 もしくは 10 ポイントが許可されています。リーダーシップ能力や強固な目的遂行意識のような 数値で表すことのできない選手の特質を入力できるコメント・フィールドもあります。

OFP により、データベース内での選手のカテゴリーが決定されます。例えば、OFP 評価で 60 から 70 ポイントの間の選手は、優秀カテゴリーに分類されます。ですが、カテゴリーのポイント範囲は、チームにより異なります。

スカウトが、まだそれを送信しないで文書を保存のみ行いたいときには、[Save to Edit(編集を保存)]をクリックすると、作業中の評価の下書きを保存できます。文書の作業を終了したときに、[Save to Send(保存後送信)]をクリックすると、首脳部へ評価データが送信されます。

以下の画像は、アマチュア・スカウト・データベースの評価文書の例です。コンピューターに不慣れなスカウトがデータベース・システムにより簡単に順応できるよう、フォームは、かつての紙のフォームにできるだけ似たものになっています。PROS が最初に市販されて以来、フォームの表示は変更されていません。その一方さまざまなチームの要求に応じて、データ処理は発展しました。

Evaluation document

以下の画像は、同じデータベースにあるアマチュア選手の経歴の例です。

Biography document

スカウト・データベースでは、メイン・メニューから種々のデータベース・ビューを使用すれば、さまざまな方法でデータを参照できます。例えば、選手の評価ビューに、姓名ビューとともに各ポジション・ビューを入れることもできます。

Main menuPlayer evaluation view menu

以下の画像は、アマチュア・スカウト・データベースで選択したリスト・ビューの例です。スカウトがシステムに、ある選手を入力するときには、その選手をランク付けする必要があります。この場合、この各自が選択したビューで、選手たちは「良好(Good)」あるいは「普通(Average)」とランク順に並べられます。ユーザーも、スカウト列をクリックすると、ビューをスカウト名のアルファベット順に並べかえることができます。選手の OFP 評価、ポジション、左利きなのか右利きなのか、身長と体重、所属学校、スカウトが最後に観察した日付などが一目で識別できます。

ranking view

以下の画像は、アマチュア・スカウト・データベースのもうひとつ別のビューです。OFP 評価により、リストアップしたキャッチャーの例です。

Catcher evaluation view

プロ・スカウト・データベースの一部分は、メジャー・リーグの他チーム選手の評価用フォームです。以下の画像は、あるチームが別のチームの選手を模擬的に、評価した例です。

team evaluation
 
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アマチュア選手のドラフト・データ集計
毎年5月には、1つのチームでおよそ 30 人のスカウトが本社にやって来て、彼らがかつてスカウトした選手や、チームが6月のドラフトで引き当てたい選手について話をします。多くのチームでは、スカウト・システムは、明確に階層化されています。例えば、現地調査の多くは、ある特定の州の特定の地域の選手を観察する、エリア担当のスカウトが行います。そして、また例として、米国内を西部、東部、中央部に分割すると、その分割エリアを監督するスカウト監督者がいます。全国レベルの責任を負う検査官もいます。そしてトップに、最も重要な決定を行う首脳部の人達がいます。

階層のさまざまなレベルから寄せられる予測には、しばしばいくつものレポートが存在します。より正確な予測が出され、対象選手をより多くの人々が観察し、より多くのレポートが作成されていきます。例えば、各エリア・スカウトは、彼が年間を通して観察してランク付けした選手を、好みのリストにして見ることができます。そして、検査官も最も良い予測だけを見極めて、彼ら自身のレポートを作成します。

ドラフトの時期が近づくと、予測データは、集計されランク・リストに追加されます。そして首脳部に候補者が一目でわかるように、予測データは加工されます。完全な予測値と膨大なデータ量についての処理は、IT 部門の人達の悩みの種です。というのは、スカウトたちは、5,000 人を超える選手についてデータを作成しレポートしますが、トップのスカウトと首脳部は、ドラフトでの「トップ選択」選手として、データからたったひとりの選手だけを選び出すからです。PROS システムにより、比較的、この問題を解消できます。しかし、そのためには、評価と経歴情報をドラフト・リスト文書(Draft List document - 名前、ポジション、OFP などのデータが入った文書)にまとめるためにエージェントを利用します。 そしてこの文書は、ランク・リストへ追加されることになります。フロント・オフィス・ナビゲーター(Front Office Navigator - 首脳部でのみ使用できるインターフェース・ソフト)のビューにある、[Prepare for Draft(ドラフト用初期設定)] ボタンをクリックすると、エージェントは起動されます。ボタンがクリックされると、エージェントは、まだランク付けされていない予測を検索してそのドラフト・リスト文書を作成し、ランク・リストにその文書を追加します。ランク・リストは、フロント・オフィス・ナビゲーターのもうひとつのビューで次のように参照することができます。

Rankings list

リストは、当初、序列化されていません。ドラフトの日の前のある時点で、首脳部はこのリストの配列を好きなように変更できます。ランク付けはバラエティーに富んでいます。いくつかのチームは、評価の値によってランク付けしたリストを1つだけ作成する方を好みますが、別のいくつかのチームは、ポジションごとに選手を複数のリストに分類して、そのリストの中でランク付けする方を好みます。
 
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選手開拓データベース
選手開拓データベースは、ファーム・システムのマイナー・リーグ・チームの選手やコーチを、主にモニターする際に使われるツールです。スカウト・データベースのような処理を行います。一種の「ボックス得点の追加」機能です。ある特定の試合の詳細レポートをスカウトが入力するために、フォームは設計されています。また、マネージャー判断と選手の働きが補足された情報、すなわち通常のボックス得点情報なども一緒に入力されます。ここで、選手の働きとは、ピッチャーの能力、ある特定のポジションの選手の能力などのことです。

例えば、コーチはチームの名前、現在の記録とその地位、そして試合の日付と場所を入力し、紙に記録するのと同じように、得点を正確に保管します。試合でラップトップ・パソコンを使用するか、彼が宿泊しているホテルで情報を入力するかのいずれかですが、コーチは、各「打席」ごとの経過を記録します。試合が終了すると、彼らは、各ピッチャーがとったアウトの数から、あるピンチ・ヒッターが8回の裏の打席に出た経過などの、あらゆる詳細な統計データを得ることができます。以下にデイリー・ゲーム・レポートの一部の例があります。

daily game report

以下に、ピッチャー・ゲーム・レポートがあります。

Pitcher game report

システムの他のデータベースと同じように、ある特定の選手について、スカウトがコメントできるフィールドがあります。これは、経験豊かな観察結果を数値に追加する機会を残すことになり、現地の状況のより鮮明な全体イメージを提供することになります。

毎晩、エージェントは全選手のデータを処理し、選手の統計データを取り出し、カスタマイズ・データを出力します。そして、それにより、選手がシーズン進行につれ、どれくらい上達したかという、はっきりとしたイメージを提供しています。例えば、X 選手は、18 回、バントを成功させなければならない状況に置かれましたが、そのうち 16 回のバントに失敗しました。その選手がプレーし続けなければならなかったのはバントだということは明らかです。そして、選手が上達していないので、チーム内での彼の地位を変更したり、あるいはトレードしなければいけないということがわかってくることになります。
 
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先進的スカウト
スカウトとは、チームの勝利に貢献できる選手を、チームのシステム内部と外部から探し出すことを意味しています。これは、「素質のある選手のスカウト」です。しかし、スカウトは、敵対する選手の弱点をつかんだり、その強さを最小限に抑えるために、相手チームの情報を収集することも意味しています。これを、「先進的スカウト」といいます。

素質のある選手のスカウトに必要な選手データのおよそ 80 %が、公開されている標準データであるため、PROS 開発グループは、主に素質のある選手のスカウトを目的としています。身長、体重、選手が左利きか右利きか、速球の速さ、何種類のタイプの投球ができるか、打撃のパワーはどれくらいか、良い野手かどうかなどの情報を、チームは必要としています。選手のスカウト・データのおよそ 20 %だけをカスタマイズできます。

先進的スカウトは、一方、チームのマネージャーが表示させたいデータ・タイプや表示させたい形式にすることができます。ある選手がある投球に対して打撃不振かどうかや、ピッチャーが投球カウントで追い詰められた時にいつも速球を投げるかどうかを、あるマネージャーが知りたいかもしれません。また別のマネージャーは、それとは全く違うデータを必要としているかもしれません。トロント・ブルー・ジェイズは、PROS の先進的スカウトを最初に導入したチームです。このチームの先進的スカウト・システムは、対戦相手の試合の詳細なデータを記述し、そして首脳部やマネージャーへ、40 枚から 50 枚の FAX を送信するのに使われています。PROS 開発グループのソリューションでは、できるだけ紙のフォームの形式に似せた、カスタマイズしたフォームを、プロ・スカウト・データベースに作成しました。フォームを埋めた後、スカウトは首脳部のサーバーで、データベース上の彼のデータのコピーを作成します。首脳部ではそれを印刷して、マネージャーに送ります。実際、スカウトがデータを入力するためのフォームと、印刷してマネージャーに送るためのもうひとつ別のフォームがあります。
 
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スケジュール・データベース
スケジュール・データベースは、基本パッケージのもう一方の構成品です。プロのスケジュールはよく知られているので、これは、主にアマチュアのスカウトのために使用されます。エリア・スカウトは、ある州のある一部の地域を担当していて、そしてある一連の学校に焦点を合わせています。スカウトは、1つのフォームに各学校のスケジュールを入力します。このフォームの基本情報(例えば、試合がいつどこで行われ、その試合がダブル・ヘッダーかどうかといった情報)は、アマチュア管理データベースから取り出されることになります。アマチュア管理データベースは、インポート・データベースから情報を取得しています。コメント用のフィールドがあります。ですから、スカウトは、トーナメント戦の試合であるのか、レギュラー・シーズンの試合であるのかなどの付加情報も入力できます。

検査官と監督者たちは、このデータベースを最も頻繁に利用しています。エリア・スカウトたちは、彼らの担当の学校についてはかなり熟知しています。しかし、上役のスカウトが、メリーランドの予測や試合が雨で中止になったかどうかを知りたい場合は、スケジュール・データベースから参照できます。そして、他の試合があるかどうかや、そのエリアに注目選手がいるかどうかも見ることができます。

アマチュア・スカウト・データベース、スケジュール・データベース、アマチュア管理データベースの各データベース相互間でデータを共有しています。スカウトがアマチュア・スカウト・データベースのボタンをクリックすると、ある特定選手のスケジュール情報を取得できます。あるいは、クリックで、アマチュア管理データベースから選手の経歴情報も取得できます。またあるいは、スケジュール・データベースを参照中のスカウトは、クリックにより、アマチュア管理データベースから選手の評価データを取得できます。これらの処理は全て、背後で行われています。ポエッツシュケ氏は、「私たちは、スカウトの手間を省くように努力しています。」と言っています。
 
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データ表示
織内の誰もが、同じデータベースを使用しています。そして複製データも全て最新のデータに更新されるようになっています。スカウトは、彼ら自身の文書を参照したり編集だけを行えば良いですし、またその作業のみが許可されています。しかし、首脳部(ゼネラル・マネージャー、アシスタント・ゼネラル・マネージャー、管理アシスタント、スカウト・コーディネーターなどの人たちが含まれます)は、決定するためには相当量のデータにアクセスする必要があります。スカウト課程のいくつかのポイントで、スカウトが入力した基本データは、包括的であり、また詳述されたレポートとビューに変換されます。そのレポートとビューは、フロント・オフィス・ナビゲーターというクライアント・ソフトを介してのみアクセスできます。これらのレポートとビューに書かれている情報やその変換方法は、チームごとに異なります。

複製の利点は、あるクライアント・マシンのデータベースに問題発生した場合、他のユーザー・マシンには、最新のデータベースが保持されているということです。ユーザーが規則的に複製作業を行う限り、いつも安定したデータベースをどこかに保持することができますし、最新の情報を失わずにすみます。

ポエッツシュケ氏は、次のように述べています。「複製とは、信頼性でありスピードを意味します。複製を行う主な理由は、球団が私たちのソリューションを利用して、競合相手に勝つためです。開発の観点から見ると、ノーツの最大の利点の1つは、実行、管理、アップグレード、ノーツ・データベースと設計の更新などがしやすいことです。R5 のデザイナー IDE と管理クライアントには、初期化作業と移植作業だけでなく、その後のアプリケーションの管理やメンテナンスといった作業で使用する非常に強力なツールを装備されています。遠隔操作においても、この強力ツールを使うと、これらの機能を向上させることができます。(接続スピードによりますが、)ほとんど遠隔地にいるような感じがしません。 」

ほとんど全てのメジャー・リーグ球団が使用しているスカウト・システムは、ワークシートと電子メールを使用しています。個々のスカウトがまとめた小さなワークシートをさらにまとめて、「マスター」ワークシートにするといった、時折発生するこうした面倒くさい作業に、多くの IT 作業時間を費やすことになります。ノーツ・データベースでは、情報を入力して、複製するだけです。入力された情報は他のスカウトの情報と結合され、ほぼ瞬時に全ての人が参照できるようになります。情報を素早く入手することは、特にゼネラル・マネージャーやアシスタント・ゼネラル・マネージャーにとって重要なことです。彼らは、7月のトレード終了時期前の数週間のような、大切な時期のトレードに気を配っています。複製を行えば、IT 処理により情報が完全な形になるまで待つことなく、彼らは情報を入手できるようになります。

「組織をより良くするために、トレードで選手を獲得したり新人選手を加入させたりしますが、その際には、時間が重要になってきます。スカウトは、トレードで5、6時間早く対応できれば、データを待っている別のチームより早く選手を獲得できます。」とスポーツ・ソリューションのプロジェクト・マネージャーのトニー・ソールマン氏は言っています。
 
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システム管理
「サーバーの観点から言うと、システムは実にシンプルにできています。PROS アプリケーション特有の問題を管理するのは特殊でもなく、複雑でもありません。ですから、多くの組織で PROS はインストール設定され、サーバー上で実行されています。」と、ポエッツシュケ氏は述べています。

1つのチームは PROS ソフトウェアとともに、ふつう1台のドミノ サーバーを購入します。サーバーとのソフトウェアのインストール作業の補助は行っています。しかし、時にはチームの IT グループだけでこれら全てのインストールを行うこともあります。たいがい1月には、例年のスカウト会議が行われます。この時期に、IBM のスポーツ・ソリューション開発グループは現地訪問を行い、1日目の作業で、サーバーにデータベースを追加し、複数のラップトップ・パソコンにその複製をインストールします。次に、スカウトのトレーニングを2日目から3日目に行います。トレーニング初日の午前中にスカウトたちに使い方を説明し、そして、スカウトたちに彼ら自身のデータベースを使用してもらい、翌朝、その使用状況について質問します。普通これは1年契約のサービスです。このサービスでは、開発グループが変更や修正を行います。スポーツ・ソリューション・グループは、ソフトウェアのみならず、ハードウェアについてもサポートしています。新しいドミノやノーツがリリースされた時には、開発グループがチームにそのことを通知しアップグレードを薦めます。ベテスダやメリーランドの各データベースにあるローカルな複製も全て、開発グループによって管理されています。ですから、開発グループはテンプレートを監視し、ドミノデザイナー・タスクと複製を使って、テンプレートのアップグレードを規則的に行っています。

チームのサーバーの設定は、ドミノとノーツの利用状況により異なります。スカウトが利用するのであれば、ユーザーの基本は、ふつう 50 人から 75 人になります。しかし、組織でも、電子メールのためにシステムを利用するのであれば、150 人のユーザーまで想定することになります。

多くのチームは、テープやその他の伝統的手段でチームのサーバーのバックアップを取っています。あるサーバーがダウンすると、IT が最新のバージョンの修復作業を行います。スカウトが行うことは、複製のみです。そして、データベースは完全に更新されます。もしユーザーのクライアントが、クラッシュした場合に、ユーザーが行うことは、サーバーから新しい複製を作成するだけです。
 
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セキュリティー
スカウト・システムは、球場内と球場外で利権をチームにもたらすようなる情報を提供します。この情報を保護することは極めて大切なことです。いくつものチームが、他チームのような外部の経営者や、内部の情報源からも、チームの機密情報を保護することは重要であると考えています。これは、ネットワークやデータベースにアクセスする際には、ユーザーの ID を入力するといった、セキュリティー基準を用いれば、ノーツでは簡単に処理できます。

しかしドミノとノーツのセキュリティーの本当の効果は、内部でも保護が行われているということです。ドミノ/ノーツのセキュリティーは、非常に柔軟性があります。ですから、ネットワーク全体から文書のフィールド単位にいたるまで、情報のさまざまなレベルでセキュリティーをかけることが組織内で行えます。

データベースのセキュリティーは、ノーツのアクセス制御リスト([ロール]と[グループ])の編集と、フォーム([読者]と[作成者]フィールド)のセキュリティー基準の編集の組み合わせによって決まります。例えば、評価文書は、これを作成したスカウトと、スカウト・システムの階層において彼らの上位にいる人、つまり、監督者あるいは首脳部だけが参照できます。アマチュア・スカウト・データベースの例では、エリア・スカウトは、彼自身が提案した文書のみ参照できます。スカウト監督者は、彼の管理下にあるエリア・スカウトの文書だけを参照できます。検査官は、彼の配下にいる監督者の文書だけ参照できます。そして首脳部は、全ての参照が許されています。

ポエッツシュケ氏は次のように述べています。「MLB 組織の内部で、全てのスカウト・レポートの参照を許可されているのはごくわずかな人々です。これらの人々は、ふつうはゼネラル・マネージャーに限られています。もしかしたらアシスタント・ゼネラル・マネージャーや、十分信頼できる1、2名のスカウトにも参照が許可されることもありますが、許可される人は、おそらく野球に十分精通し、組織への忠誠心に信頼がおける人でしょう。検査官は、いくつかのグループ分けされたレポートを参照することが許されています。たいがい、レポートのグループ分けは地区単位になります。そして、最後に自分自身のレポートだけ参照できるエリア・スカウトがいます。スカウトたちはしばしば、所属球団を変えたり、組織内でのその地位も変動しますから、このようなことは全て、難なく運営していく必要があります。私たちは、個々の文書を保護できるノーツの機能で、チームのセキュリティー要求にお応えしています。」
 
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新しいテクノロジー ? 最新の動向
PROS システムは、多くのメジャー・リーグ・チームのスカウト活動をより迅速にし、より効果的なものにしました。その一方、IBM サービスと、スポーツ&コンテンツ管理ソリューション開発グループは、いつも新しいテクノロジーを取り入れて、機能を強化することに注意を払っています。ここにその2、3の例があります。

パーム・パイロット(手のひらサイズのツール)
パーム・パイロットとは、手のひらサイズの付録ツールです。スカウトは、試合中に彼らの席からパーム・パイロットに基本データを入力できます。ですから、のちに、ホテルでデータベースにメモを入力する手間が省けます。(スカウトたちがラップトップ・パソコンを野球場に持ち込むことを、チームはあまり望んでいません。)スカウトは、彼のラップトップ・パソコンのデータベースとパーム・パイロットを同期させると、全般的なコメントを除いた他の全てのデータ入力が完了することになります。

パーム・クライアントは、スカウトが利用するカスタマイズされたデータベースの縮小版です。このパーム・クライアントでは、各選手の経歴を簡素化(もちろん、スカウトたちが正しい選手を確認できるだけの十分な情報は含まれています。)しています。そして、インターフェース上のプルダウン・リストを使用すれば、情報を選手のファイルに追加できます。ただし、このインターフェースは、データベースのインターフェースに一致するものです。

パーム・デバイスのメモリーが進歩すれば、PROS ソリューションで、いつかの日かコメントも入力できるようになるでしょう。

ビデオ
「ビデオは、絶大な効果をもたらします。レポートを読むことも重要です。しかし意志決定者が、ピッチャーのファースト・ベースへの動きや、ピッチャーのカーブ・ボールが速球とはどのように違うのかをビデオで観察できれば、レポートはさらにずっと完璧なものになります。現在、アナログ・ビデオを使用しています。ですので、テープ全体のサーチを何度も繰り返さなければなりません。ビデオをデジタル化し、選手の経歴とそのビデオをリンクさせれば、ひとりの選手につき、15 分から 20 分短縮できます。」とソールマン氏は言っています。

MLB は、アマチュア選手のビデオと一緒に CD のセットをチームに送付しています。多くの場合、首脳部の誰かがビデオを見たい場合、見たい CD を探し出し、その CD をコンピューターにセットして、対象選手を探します。PROS 開発グループでは、データベース上の選手の文書にビデオを添付させています。ですから、ビデオは、選手情報の内容に配慮して添付されています。チームの人たちも、チーム独自のビデオを追加できます。今のところ、ダイヤルイン・アクセスでは、高品質のビデオ画像を配信できないので、ネットワーク上のユーザーだけが利用できます。ですから、遠征先にいるスカウトは CD を探すことになります。しかし、Web 上のビデオ・ストリームのような、ブロードバンド技術が進歩すれば、これは改善できるでしょう。
 
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最後に
IBM PROS 開発グループの開発は、複雑で何回にもわたる紙や FAX の膨大な事務処理といった、まったく面倒な作業を、コンピューター化したテクノロジー主導のシステムに変えることに他なりません。そして、このシステムは、2、3年前よりもはるかにスピードアップして効果的なシステムになっています。ノーツ・データベース、ドミノ サーバー、複製機能をより効果的に組み合わせて利用して、PROS はプロ・チームのスカウト情報を効果的な構成にすることができます。とその一方、チームの IT 部門のデータ移動作業は少時間ですみ、システム管理にもっと時間を当てることができるようになります。PROS は、お客様の要求に応えるべく、なおも発展中です。と同時に、この基本パッケージは、その慣例において、プロ・ベースボールにコンピューター時代をもたらしました。その伝統で知られるベースボール産業の分野に革命を起こしたのです。



著者について
ジェイソン・イングリッシュは、過去3年間、ロータス/IBM でテクニカル・ライターとして活躍しています。彼は、ドミノ・オフライン・サービス、Web サービス、QuickPlace を含め、ノーツ/ドミノやその他のさまざまなプロジェクトの文書を著してきました。彼は、熱烈なレッドソックス・ファンでもあります。
 
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