パブリック・プライベートキーの例その1:秘密性のみ
例えば、私がケイティにシークレットメッセージを送りたいとしましょう。メッセージの内容が「Let's have breakfast at Dunkin Donuts.(ダンキンドーナッツで朝食をいっしょにどうですか)」だとします。私はケイティのパブリックキー(アクセス権を持っている必要があります)を使ってメッセージを暗合化し、「4dRf7H4rt7dUfd3h58nGcFu7」というような具合に解読不能にします。メッセージを受信した後、ケイティはこのシークレットメッセージと彼女のプライベートキーを解読アルゴリズムに入れ、私の送った元の招待状をリカバーします。ケイティのキーペアのプライベートキーでしかメッセージを解読できないので、他の誰にも読まれることがありません。またこのメッセージは、たとえメッセージの暗合化に利用されたものであっても、ケイティのパブリックキーを持ってしても解読することはできません。(これは最終目標です。完璧なパブリックキーはまだありません。)
実際に x.509 証明書を利用するためには、認証機関のパブリックキーの値がパブリックであり、信頼されていなければなりません。Netscape と Internet Explorer には、信頼された証明機関名とパブリックキーが含まれています。ユーザーはまた、ユーザー自身が信頼する他の認証機関を、内蔵のリストに追加することもできます。ノーツ/ドミノユーザーと管理者は、「インターネット相互認証(Internet cross certificates)」を作成し、ユーザーの個人アドレス帳に保管することで、認証機関のパブリックキーに信頼を置くことができます。
電子 ID(digital ID) を取得する
S/MIME を利用する上でまずやらなければならないことは、「電子 ID」を取得することです。電子 ID とは、特定の名前におけるパブリックキーの有効性を証明するための、パブリック・プライベートキーのペアであり、名前であり、そして証明書でもあります。
電子 ID を販売しているもっとも有名な会社は、 VeriSign と Thawte です。VeriSign で ID を購入すると1年間に 15 ドルほどかかりますが、簡単に取得できて使いやすいです。Thawte の ID は代金はかかりませんが、 ID に名前を付加するためにいろいろ操作をする必要があります。忙しいビジネスユーザーは、おそらく簡単な VeriSign を選ぶことでしょう。
1つ注意してください。必ずオンライン説明書に沿って ID の取得を行ってください。すべての操作を1つのパソコンからやるなど、指示されたことはその通りにやってください。
補足としてですが、ドミノ管理者はドミノ認証機関アプリケーションを使えば、全ノーツユーザーに対して自動的に x.509 証明書を発行することができます。このプロセスはドメイン内のエンドユーザーには見えず、彼らは自身専用の電子 ID を取得しなくとも S/MIME を利用できるようになります。認証機関アプリケーションの設定を行った後、ドミノ管理者はドミノディレクトリからユーザーレコードを選択し、[アクション] - [選択されたユーザーへのインターネット認証の追加] としてください。するとユーザーレコードに保存されているパブリックキーを元に、各ユーザーに対してインターネット証明書が発行されます。こうすることにより、ユーザーが次回ホームサーバーを使って認証を行うと、ユーザーの ID ファイルに証明書が自動的に追加されるのです。
ドミノ自身を証明機関とする場合、電子メールの受信者が、あなたのドミノ認証機関を信頼した機関として認めなければなりません。なぜなら、彼らの電子メールプログラムにプリインストールされている信頼した機関に、ドミノは含まれていないからです。ドミノ認証機関に関するさらなる情報は、Iris Today の記事、 "Trust yourself: Become your own certification authority" をご覧ください。
一般的な電子メールクライアントで S/MIME を使う
あなたが現在使用しているのがすべてマイクロソフト社の製品であり、そのパソコンに電子 ID を取得すると、あなたのプライベートキー証明書とパブリックキー証明書は自動的にインストールされます。そしてこれらの証明書は、 Internet Explorer と Outlook/Outlook Express に組み込まれます。電子 ID 取得後は、これを簡単に確認することができます。
Windows では、[スタート] メニューをクリックし、[設定] - [コントロールパネル] を開いてください。
[インターネットオプション] を開き [コンテンツ] タブをクリックします。
[証明書] ボタンをクリックしてリストをご覧ください。
取得した電子 ID を使用するには、電子メールを作成しているときに [署名] (認証) か [暗合化] (シークレット)、もしくは両方のボタンを押します。署名されたメッセージを受信したら、添付ファイルのペーパークリップが表れる場所のすぐ近くに、これを知らせる画像が出ます。
Netscape Messenger、Groupwise その他の電子メールソフトウェアを使っている場合でも、電子 ID のインストールや使用方法の詳細は多少変わるでしょうが、基本的なアイディアは同じです。
ノーツで S/MIME を使う
次にご紹介する手順は、すでに Internet Explorer を使って Windows に電子 ID をインストールしたことを前提に、同じパソコンでその電子 ID をロータスノーツでも使用したい場合のものです。基本的に4つの段階があります。
Windows から電子 ID をエクスポートします。
あなたのノーツ ID ファイルに電子 ID をインポートします。
ノーツから送られてくるインターネットメールのために、この証明書を利用することを確認します。
ノーツで電子メールの送受信を行う際に、デジタル ID を使用します。
はじめの3つは最初に1回設定するだけなので、実際にはもっと簡単なことです。
Windows 意外のマシンにエクスポートするなど、あなたの状況が異なっていても、基本的なアイディアは同じです。
ウィリアム・スターリングス著の「Cryptography and Network Security」、Prentice Hall 発行、1998 年、はこれらのトピックに関わる最高のテキストブックです。数学的な理論や、S/MIME の詳細を含む実用的な導入方法などをこの本はカバーしています。この本は Amazon.com(US) などいろいろな場所で入手可能です。