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Domino for Linuxの制限事項 

(技術情報)



Linux版ドミノのパフォーマンス
Linuxのサービス
同時起動するタスクの制限
カーネルの再構築についての重要なメモ
ファイル・ディスクリプター
スレッド/プロセス



当技術情報は、Lotus製品の知識や理解を深めていただくために、弊社営業技術部門が執筆したものです。 (最終更新日: 2002年9月)

資料概要


2004/07/05 更新

United Linux Extension Pack for Lotus Dominoのサポート
下記の制限事項については、United Linuxより提供されている、「United Linux Extension Pack for Lotus Domino」を適用することにより緩和されます。ご使用の環境により増減しますが、2000ユーザー以上の接続が可能になります。このExtension Packを使用したDominoであってもサポート対象となっております。尚、「United Linux Extension Pack for Lotus Domino」は、同社のサイトから入手してください。

United Linux 1.0 SP2 on S/390
Domino 6.5よりUnited Linux 1.0 SP2 on S/390がサポートされるシステム環境として追加されています。本環境に含まれるglibcではスレッド数の制限が緩和されています。カーネル・パラメータ等の変更についてはリリース情報をご参照ください。

Red Hat Enterprise Linux 2.1上での動作
Domino 6.5.1よりSMPでのサポートが追加され、Update 2 (Q2 2003)の適用が必須となっています。本環境に含まれるglibcではスレッド数の制限が緩和されています。カーネル・パラメータ等の変更については「Domino for Linuxの制限事項」をご参照ください。


以下の記述はDomino R5/6/6.5に適用される内容です。

R5.0.10以降のリリース・ノートで「Linuxの設定」という項目(以下参照)に、カスタムカーネルなどを使用したパフォーマンス改善の方法が紹介されていますが、リコンパイルを実施したカスタムカーネルを使用した環境で問題が発生した場合、インシデントとしてロータス・サポートおよびAnswerLineのサポートを受けることはできません。(ファイルディスクリプタの変更などカーネルのリコンパイルを伴わない場合はサポート範囲内。)

ただし、問題がカスタムカーネルから標準のカーネルに戻した環境でも再現する場合はサポートの対象となります。カスタムカーネルを使用した環境で問題が発生した場合には、標準のカーネルでも問題が発生するかどうかをご確認ください。標準のカーネルでも発生する場合にはインシデントとしてロータス・サポートおよびAnswerLineにご連絡ください。

参考ですが、Linuxのglibcが作成できるスレッド数に制限がある(1024)ため、Domino for Linuxでは、最大同時ユーザー数は概ね300人程度となります。(国外で発売されている一部のカスタム・ディストリビューションを除く。)

Linuxの設定(Domino R5.0.10 リリース情報より)


Linux版ドミノのパフォーマンス

ドミノのベンチマークや処理能力は、ハードウェアとドミノ サーバーの元で起動するオペレーティング・システムのプロセスによって影響を受けます。この文書は、Linux上で起動するドミノで発生する既知の制限、そして、これらの制限に作用する Linuxシステム・レベルの設定を記述します。R5.0.2で、Linuxプラットフォームでのドミノ サーバーの処理能力は、調査中です。Linuxでの能力やパフォーマンスについての追加情報は現在作成中で、ロータス フォーラムよりリリースされる予定です。下記の「Red Hat Linuxサーバー対応ドミノのパフォーマンスのチューニング」と、「SuSE Linuxサーバー対応ドミノのパフォーマンスのチューニング」を参照してください。



Linuxのサービス

ほとんどのLinuxディストリビューションは、デフォルトで次のサービスが有効になっています:NNTP、SMTP、IMAP、POP3、HTTP。ドミノ サーバーが提供するこれらのサービスを利用するためには、競合する Linuxサービスを無効にする必要があります。IMAPやPOP3では、/etc/inetd.conf ファイルを編集することによって、簡単に作業できます。ファイル中の、POP3と IMAPのエントリーをコメント・アウトします。SMTP、NNTP、HTTPを無効にするためには、各Linuxディストリビューションで与えられているユーティリティーを使う必要があります。



同時起動するタスクの制限

Linux2.2.5カーネルの制限により、ドミノ サーバーは約200以上のタスクを同時に実行することはできません。タスクを大まかに定義すると、以下のようになります(ユーザー接続となるセッションも含みます)。
  • dbserver セッション (データベース・サーバーへのユーザー・コネクション)
  • LDAP セッション
  • IMAP セッション
  • エージェント・マネージャーによる同時実行エージェント (8個まで)
  • 各複製プロセス
  • Router
  • Calconn
  • 各HTTPスレッド
これに影響を与える制限として、ユーザー/システムごとに同時にオープンできるファイル・ディスクリプターの最大数とユーザー/システム当たりの最大プロセス/スレッドがあります。これらの上限を拡大することにより、ドミノ サーバーが同時に実行できるタスクの数を増加させることができます。



カーネルの再構築についての重要なメモ

カーネルをリビルドし、これらの制限を拡張することも可能です。実際にRed Hat 6.1カーネルでは拡張されています。初期のテストの結果、ドミノは、Red Hat6.1のような処理能力の高い環境で実行するべきです。

以下の理由によりLinuxの制限を変更する場合には注意が必要です。
  • カスタム・カーネルは、ドミノ サーバー用としてIBMによっては公式にはサポートされません。
  • ファイル・ディスクリプターの最大数のソフト・リミット/ハード・リミットを増加させることにより、動作しているさまざまな既存のアプリケーションが動作しなくなる場合があります。
  • プロセスの最大数をソフト・リミット/ハード・リミットを増加させると、内部テーブルが原因となってカーネルが不安定になるおそれがあります。
  • これらの最大数を増加させるとメモリ内のカーネル・イメージが大きくなり、システムのリソースのオーバーロードにつながります。更新したカーネルをロードできない可能性もあります。
ドミノ サーバーでLinuxカーネルを更新する際には、これらの事項を考慮し、理解する必要があります。また、カーネルのドキュメントに書かれているように、Linuxカーネルをカスタマイズするときの一般的な注意点もありますが、これに加えて上記の項目を考慮する必要があります。



ファイル・ディスクリプター

Linux 2.2.5カーネルでは、1ユーザーがオープンできるファイル・ディスクリプターの最大数はデフォルトで1024に設定されています。また、システムの制限により、オープンされているファイル・ディスクリプターの合計数は約3000が上限となります。Red Hat 6.1では、ユーザー制限のデフォルトは同じですが、ワーク・アラウンドとしてこの数値を増加させるためのコードが含まれています。 rootユーザーとして /proc/sys/fs/file-max と /proc/sys/fs/inode-max に大きな値をエコーすることにより (ただし、含まれている値の3倍まで)、実行中のカーネルで上限の値を増加させることができます。

例:
$ echo "16384" > /proc/sys/fs/file-max
$ echo "55296" > /proc/sys/fs/inode-max

たとえば、file-maxの値を16kにして、inode-maxの値を54kにすると、16kまでのファイル・ディスクリプターをオープンできるようにシステムの上限が拡張されます。これによって、実行中のカーネルのメモリ消費量が増えることに注意してください。拡張した上限を利用するには、ユーザーあたりの上限を増加して、ファイル・ディスクリプターを使えるようにしなければなりません。これを行う1つの方法として、rootユーザーとして ulimit コマンドを使ってユーザーの上限を増加させ、ドミノ サーバーの所有権、実行権を持つユーザーIDに su します。

例:
$ su
# ulimit 8192
# su - notesadmin
$ cd /my/notes/data/directory
$ /opt/lotus/bin/server

これは、ユーザーがオープンできるファイル・ディスクリプターの上限を、8kに増加します。(この数値は、上で定義されたシステム拡張制限より小さくする必要があります。)


スレッド/プロセス

各スレッドはLinuxのlight-weight-process(LWP)なので、ノーマル・プロセスと同様に、実行されるプロセスの最大数が限定されています。つまり、200スレッドによるプロセスと56プロセスで、1ユーザー当たり合計256プロセスになります。これは、2.2.5カーネルでの標準の制限である1ユーザー当たり256プロセスに一致します。Red Hat 6.1ディストリビューションでは、この上限が1ユーザー当たり2000プロセス、システム全体で3000プロセスに拡張されています。


大まかにいうと、サーバーの各ユーザーは、約3個のファイル・ディスクリプターを使い、実行する各タスクごとに1つのプロセスを生成します。たとえば、メール・ファイルにアクセスするユーザーはdbserverの1スレッドになり、ネットワーク接続用に1つ、アドレス帳へのアクセスに1つ、メール・ファイルへのアクセスに1つの合計3つのファイル・ディスクリプターを使います。必要に応じてタスクは大きく異なるため、これらの値を正確に見積もるのは非常に困難です。

例として、http経由でドミノ サーバーにアクセスするユーザーを考えてみましょう。ブラウザーによって生成された各リクエストごとに、ユーザーは、ネットワーク・ファイル・ディスクリプター、リクエスト用のスレッド、リクエストされるアイテム用のファイル・ディスクリプターを使用し、さらに認証用に複数のファイル・ディスクリプターが必要です。ブラウザーが複数の同時リクエストをサポートする場合は、1人のユーザーがかなり多くのリクエスト(4つの同時リクエストの場合、4スレッドと12以上のファイル・ディスクリプター) を使うことになります。このことを理解した上で、1人のユーザーが3つのファイル・ディスクリプターと タスクごとに1つのスレッドを使うものと仮定して、ドミノ サーバーがどれだけの人数のユーザーを処理できるかを考慮してみます。たとえば、16kのファイル・ディスクリプターと2000スレッドでは、スレッドの数が制限となり、サーバーは2000スレッドを使う約2000のタスクと6000ファイル・ディスクリプターをサポートできることになります。しかし、ドミノ サーバーを実行するユーザーのシェルやユーザーが実行しているその他のプロセス(X、kvt、kdwmなど)も考慮すると、その分のリソースが必要となり、タスクの数はこれよりも減少します。

Red Hat Linuxサーバー対応ドミノのパフォーマンスのチューニング
ドミノにいくつかのパフォーマンス拡張がされましたが、システム全体のスケーラビリティーはオペレーティング・システムそのものに依存しています。Linuxのパフォーマンス拡張を調査し、ドミノのコードを変えることなく単一のドミノLinuxサーバーで 3800ほどのテスト・メール・ユーザーと処理できるパフォーマンスを得るための手順を作成しました。

オペレーティング・システムの変更をともなう手順なので、実際のサーバーに適用する前にテストサーバーを使ってこの手順を試してください。実際のサーバーに適用するときは、はじめる前にデータとオペレーティング・システムのバックアップを取るようにしてください。

このガイドの作成と、3700のメール・ユーザーをテストした環境は以下です:

IBM Netfinity 7000 M10
450MHz Pentium II CPUを2個
10個の19GBハードディスク・ドライブをつけたIBM ServRaid 3Lアダプター・カードを2つ
(45GB SCSI RAID 1を4つ - 19GBハードディスク・ドライブ5個をストライプ )
2GB RAM
glibc-2.2.4-13とgdb-5.1-1を適用した、compat-libstdc++ rpmをインストールした
RedHat 7.2
ロータス ドミノLinux対応版 R5.0.9

準備:
ドミノ R5.0.9をインストールし、compat-libstdc++とgdb-5.1-1ライブラリーをアップグレードします。ドミノLinux対応版のインストール・ガイドについて多くの参照先がありますが、ライブラリーのアップグレードには以下の手順に従います。

rpm-ivh gdb-5.1-1.i386.rpm
rpm -ivh compat-libstdc++-6.2-2.9.0.16.i386.rpm

About Rpmfind.Net Server から2つのライブラリーを入手できます。
Domino for Linux からドミノのインストール・ガイドを参照できます。
Domino for Linux


以下の説明は 2.4.7-10カーネルのRedHat 7.2に特有のものです。

最初に、カーネル自体のデフォルトの上限を増やさなければなりません。以下の手順を実行するには、システムに root のアクセス権が必要です。サーバーに root でログインし、以下の手順に従います:

1) テキスト・エディターで、/etc/rc.d/rc.local に次のステートメントを追加します。
echo "49152" > /proc/sys/fs/file-max
echo "8192" > /proc/sys/kernel/shmmni
echo "250 18432 32 1024" > /proc/sys/kernel/sem

2) /etc/security/limits.conf に次の行を追加します。
* soft nofile 1024
* hard nofile 49152

3) /etc/pam.d/login に次の行を追加します
session required /lib/security/pam_limits.so

4) /home/notes_user/.bash_profile (notes_user はドミノを実行するために作成したシステム・ユーザー)に次の行を追加します。
ulimit -n 49152

5) Red Hat Linux 7.2 Source Code CD-ROMの
/SRPMS/glibc-2.2.4-13.src.rpm から glibc 2.2.4 ソース・パッケージをインストールします。
Red Hat Linux 7.2 Source Code CD #3 をCD-ROMドライブにインストールし、以下のコマンドを入力します:
mount /dev/cdrom
rpm -ivh /mnt/cdrom/SRPMS/glibc-2.2.4-13.src.rpm

パッケージがシステムにインストールされます。

6) ソース・アーカイブ /usr/src/redhat/SOURCES/glibc-2.2.4.tar.bz2 を展開し、その中の 2 つのファイルを変更します。以下のコマンドを入力します:
cd /usr/src/redhat/SOURCES
bunzip2 glibc-2.2.4.tar.bz2
tar -vxf glibc-2.2.4.tar

/usr/src/redhat/SOURCES/glibc-2.2.4 ディレクトリーにソースのアーカイブが展開されます。

7) 最初に変更するファイルは、/usr/src/redhat/SOURCES/glibc-2.2.4/linuxthreads/internals.h の C ヘッダー・ファイルです。スレッド・スタックのリザーブを2MBから256KBに減らします(4,096バイトのページ・サイズ):

/usr/src/redhat/SOURCES/glibc-2.2.4/linuxthreads/internals.h:
変更前:
#ifndef STACK_SIZE #define STACK_SIZE (2 * 1024 * 1024) #endif

変更後:
#ifndef STACK_SIZE #define STACK_SIZE (64 * PAGE_SIZE) #endif

2つめのファイルは /usr/src/redhat/SOURCES/glibc-2.2.4/linuxthreads ディレクトリーの下の sysdeps/unix/sysv/linux/bits/local_lim.h です。Posixスレッドの実行制限をプロセスごと 1,024 からプロセスごと 8,192 に変更します:

/usr/src/redhat/SOURCES/glibc-2.2.4/linuxthreads/sysdeps/unix/
sysv/linux/bits/local_lim.h:

変更前:
#define PTHREADS_THREADS_MAX 1024

変更後:
#define PTHREADS_THREADS_MAX 8192

8) ソース・アーカイブ /usr/src/redhat/SOURCES/glibc-2.2.4.tar.bz2 を再構築して変更を反映し、オリジナルと置き換えます。次のコマンドを入力します:

cd /usr/src/redhat/SOURCES
rm -fR glibc-2.2.4.tar
tar -cvf glibc-2.2.4.tar glibc-2.2.4
bzip2 -z glibc-2.2.4.tar

glibc-2.2.4.tar.bz2 が再構築され、変更が反映されます。

9) 変更を有効にするため、バイナリーとソース・パッケージを再構築する必要があります。RPM specification ディレクトリー /usr/src/redhat/SPECS に移動し、次のコマンドを入力します:
rpm -ba glibc.spec

10) ハードウェアによって、数時間かかることがあります。完了すると、新しいLinuxThreadsライブラリーが次の下の libpthread.so で見つかります:
/usr/src/redhat/BUILD/glibc-2.2.4/build-i386-linux/linuxthreads

11) 新しいライブラリーを使うには、新しいスレッド・ライブラリーを自分の lib サブディレクトリーにコピーします:
cd /usr/src/redhat/BUILD/glibc-2.2.4/build-i386-linux/linuxthreads
mkdir /home/notes_user/lib
cp libpthread.so /home/notes_user/lib/libpthread.so.256kstack
cd ../rt
cp librt.so /home/notes_user/lib/librt.so.256kstack
cd /home/notes_user/lib
ln -s /home/notes_user/lib/libpthread.so.256kstack libpthread.so.0
ln -s /home/notes_user/lib/librt.so.256kstack librt.so.1
chown notes_user.notes_user *
notes_user はドミノを実行するために作成したシステム・ユーザー名です。

12) 以下の手順は、ドミノ サーバーを実行するときに /home/notes_user/lib/libpthread.so.256kstack をプリロードするために使います。goserver というスクリプトを作成し、以下のコマンドを入力します。スクリプトはドミノ・プログラム・ディレクトリーになくてはなりません。通常は /opt/lotus/bin にあります:
LD_PRELOAD_SAV=$LD_PRELOAD
LD_PRELOAD=/home/notes_user/lib/libpthread.so.0:/home/notes_user/
lib/librt.so.1:$LD_PRELOAD
export LD_PRELOAD
/opt/lotus/bin/server
LD_PRELOAD=$LD_PRELOAD_SAV
export LD_PRELOAD

サーバーを実行するノーツ・ユーザーにスクリプトへの権限を持っていることを確認します:
chown notes_user.notes_user *
以下のコマンドを入力して実行権限を追加します:
chmod +x /opt/lotus/bin/goserver

13) note.ini を編集して、次のパラメーターを追加します:
Mail_Number_Of_Mailboxes=4
ドミノ サーバーに1GB以上の物理メモリがあるときは次のパラメーターを追加します:
NSF_Buffer_Pool_Size_MB=256

notes.ini 設定は環境によって適さないことがあるので、各エントリーは個別に考慮してください。notes.ini 設定に関する詳細情報は、Lotus - Technical resources for Lotus software で参照できます。ドミノ サーバーを起動するには、root からログアウトし、て作成したノーツ・ユーザーで再ログインし、次のコマンドを入力します:
cd /local/notesdata
/opt/lotus/bin/goserver

拡張したパフォーマンスの新規ライブラリーを使ってドミノ サーバーを起動します。次のコマンドを入力して新しいライブラリーが使われていることを確認します:
cat /proc/server_pid/maps (server_pid はサーバー・プロセスの1つのプロセスIDです)

NotesBenchのテストでは、ここでの手順を使って3800のテスト・メール・ユーザーを処理できました。環境によっては処理できる数が異なることがあります。この数は使うソフトウェア、ハードウェアにかかわらずパフォーマンス向上の一定のレベルを保証するものではありません。

参照:
Lotus - Technical resources for Lotus software
Red Hat
NotesBench
Domino for Linux

SuSE Linuxサーバー対応ドミノのパフォーマンスのチューニング
ドミノにいくつかのパフォーマンス拡張がされましたが、システム全体のスケーラビリティーはオペレーティング・システムそのものに依存しています。Linuxのパフォーマンス拡張を調査し、ドミノのコードを変えることなく単一のドミノLinuxサーバーで3700ほどのテスト・メール・ユーザーと処理できるパフォーマンスを得るための手順を作成しました。

オペレーティング・システムの変更をともなう手順なので、実際のサーバーに適用する前にテストサーバーを使ってこの手順を試してください。実際のサーバーに適用するときは、はじめる前にデータとオペレーティング・システムのバックアップを取るようにしてください。

このガイドの作成と、3700のメール・ユーザーをテストした環境は以下です:

IBM Netfinity 7000 M10
450MHz Pentium II CPUを2個
10個の 19GBハードディスク・ドライブをつけた IBM ServRaid 3Lアダプター・カードを2つ
(45GB SCSI RAID 1を4つ - 19GBハードディスク・ドライブ5個をストライプ )
2GB RAM
SuSE Linux 7.2
ロータス ドミノ Linux対応版 R5.0.9

この説明はSuSE 7.3特有のものです。

ドミノを正しくインストールするには、compat-2001.9.23-1.i386.rpm をインストールする必要があります。

rpm -ivh /media/cdrom/full-name/i386/compat-2001.9.23-1.i386.rpm

このライブラリーはSuSE Linux 7.3のCD#1にあります。

次に、カーネル自体のデフォルトの上限を増やさなければなりません。以下の手順を実行するには、システムに root のアクセス権が必要です。サーバーに root でログインし、以下の手順に従います:

1) テキスト・エディターで、/etc/rc.d/rc.local に次のステートメントを追加します。
echo "49152" > /proc/sys/fs/file-max
echo "8192" > /proc/sys/kernel/shmmni
echo "250 18432 32 1024" > /proc/sys/kernel/sem

2) /etc/security/limits.conf に次の行を追加します。
* soft nofile 1024
* hard nofile 49152

3) /etc/pam.d/login に次の行を追加します(存在しないとき)
session required /lib/security/pam_limits.so

4) /home/notes_user/.profile (notes_user はドミノを実行するために作成したシステム・ユーザー)に次の行を追加します。
ulimit -n 49152

5) SuSE Linux 7.3 Source Code CD-ROMの
/full-names/src/glibc-2.2.4-21.src.rpmから glibc 2.2.4 ソース・パッケージをインストールします。
SuSE Linux 7.3 Source Code CD #6をCD-ROMドライブにインストールし、以下のコマンドを入力します:
mount /dev/cdrom /cdrom
rpm -ivh /cdrom/full-names/src/glibc-2.2.4-21.src.rpm

パッケージがシステムにインストールされます。

6) ソース・アーカイブ
/usr/src/packages/SOURCES/glibc-linuxthreads-2.2.4.tar.bz2
を展開し、その中の2つのファイルを変更します。以下のコマンドを入力します:
cd /usr/src/packages/SOURCES
bunzip2 glibc-linuxthreads-2.2.4.tar.bz2
tar -vxf glibc-linuxthreads-2.2.4.tar

/usr/src/packages/SOURCES/linuxthreads ディレクトリーにソースのアーカイブが展開されます。

7) 最初に変更するファイルは、
/usr/src/packages/SOURCES/linuxthreads/internals.h のC ヘッダー・ファイルです。
スレッド・スタックのリザーブを2MBから256KBに減らします(4,096バイトのページ・サイズ):

ファイル:
/usr/src/packages/SOURCES/linuxthreads/internals.h

変更前:
#ifndef STACK_SIZE #define STACK_SIZE (2 * 1024 * 1024) #endif

変更後:
#ifndef STACK_SIZE #define STACK_SIZE (64 * PAGE_SIZE) #endif

2つめのファイルは /usr/src/packages/SOURCES/linuxthreads ディレクトリーの下の sysdeps/unix/sysv/linux/bits/local_lim.h です。Posixスレッドの実行制限をプロセスごと 1,024 からプロセスごと 8,192 に変更します:

/usr/src/packages/SOURCES/linuxthreads/sysdeps/unix/sysv/linux/
bits/local_lim.h:

変更前:
#define PTHREADS_THREADS_MAX 1024

変更後:
#define PTHREADS_THREADS_MAX 8192

8) ソース・アーカイブ
/usr/src/packages/SOURCES/glibc-linuxthreads-2.2.4.tar.bz2
を再構築して変更を反映し、オリジナルと置き換えます。次のコマンドを入力します:

cd /usr/src/redhat/SOURCES
rm -fR glibc-linuxthreads-2.2.4.tar
tar -cvf glibc-linuxthreads-2.2.4.tar linuxthreads linuxthreads_db
bzip2 -z glibc-linuxthreads-2.2.4.tar

glibc-linuxthreads-2.2.4.tar.bz2 が再構築され、変更が反映されます。

9) 変更を有効にするため、バイナリーとソース・パッケージを再構築する必要があります。RPM specification ディレクトリー /usr/src/packages/SPECS に移動し、次のコマンドを入力します:
rpm -ba glibc.spec

10) ハードウェアによって、数時間かかることがあります。完了すると、新しいLinuxThreadsライブラリーが次の下の libpthread.so で見つかります:
/usr/src/packages/BUILD/glibc-2.2.4/build-i386-linux/linuxthreads

11) 新しいライブラリーを使うには、新しいスレッド・ライブラリーを自分の lib サブディレクトリーにコピーします:
cd /usr/src/packages/BUILD/glibc-2.2.4/cc/linuxthreads
mkdir /home/notes_user/lib
cp libpthread.so /home/notes_user/lib/libpthread.so.256kstack
cd ../rt
cp librt.so /home/notes_user/lib/librt.so.256kstack
cd /home/notes_user/lib
ln -s /home/notes_user/lib/libpthread.so.256kstack libpthread.so.0
ln -s /home/notes_user/lib/librt.so.256kstack librt.so.1
chown notes_user.notes_user *

12) 以下の手順は、ドミノ サーバーを実行するときに /home/notes_user/lib/libpthread.so.256kstack をプリロードするために使います。goserver というスクリプトを作成し、以下のコマンドを入力します。スクリプトはドミノ・プログラム・ディレクトリーになくてはなりません。通常は /opt/lotus/bin にあります:
LD_PRELOAD_SAV=$LD_PRELOAD
LD_PRELOAD=/home/notes_user/lib/libpthread.so.0:/home/notes_user/lib/
librt.so.1:$LD_PRELOADexport LD_PRELOAD MALLOC_MMAP_MAX_=2048
/opt/lotus/bin/server
LD_PRELOAD=$LD_PRELOAD_SAV
export LD_PRELOAD

サーバーを実行するノーツ・ユーザーにスクリプトへの権限を持っていることを確認します:
chown notes_user.notes_user *
以下のコマンドを入力して実行権限を追加します:
chmod +x /opt/lotus/bin/goserver

13) ドミノがインストールされていないときは、インストールを開始し、note.ini を編集して、次のパラメーターを追加します。ドミノがすでにインストールされているときは、既存の notes.ini を編集します:
Mail_Number_Of_Mailboxes=4
ドミノ サーバーに1GB以上の物理メモリがあるときは次のパラメーターを追加します:
NSF_Buffer_Pool_Size_MB=256

notes.ini 設定は環境によって適さないことがあるので、各エントリーは個別に考慮してください。notes.ini 設定に関する詳細情報は、Lotus - Technical resources for Lotus software で参照できます。


ドミノ サーバーを起動するには、root からログアウトし、て作成したノーツ・ユーザーで再ログインし、次のコマンドを入力します:
cd /local/notesdata
/opt/lotus/bin/goserver

拡張したパフォーマンスの新規ライブラリーを使ってドミノ サーバーを起動します。次のコマンドを入力して新しいライブラリーが使われていることを確認します:
cat /proc/<server_pid>/maps (<server_pid> はサーバー・プロセスの 1つのプロセス ID です)

NotesBenchのテストでは、ここでの手順を使って3700のテスト・メール・ユーザーを処理できました。環境によっては処理できる数が異なることがあります。この数は使うソフトウェア、ハードウェアにかかわらずパフォーマンス向上の一定のレベルを保証するものではありません。



特記事項

本資料の記載内容は、正式な日本IBMのテストやレビューを受けておりません。内容について、できる限り正確を期すよう努めてはおりますが、いかなる明示または暗黙の保証も責任も負いかねます。本資料の情報は、使用先の責任において使用されるべきものであることを、あらかじめご了承ください。

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本資料の著作権は日本IBMにあります。非営利目的の個人利用の場合において、自由に使用してもかまいませんが、営利目的の使用は禁止させていただきます。

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IBMはIBM Corporationの商標。Lotus、Lotus Domino、Lotus NotesはIBMの商標。その他、記載された社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
 
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