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WebSphere Everyplace Deploymentのご紹介-IBM Workplaceを支えるミドルウェア- 

(技術情報)

(最終更新日: 2006年3月)
ソフトウェア事業 Lotusテクニカル・セールス&サービス 茂木 尚子

はじめに

本連載ではWebSphere Everyplace Deployment(WED)について、WEDとは何か、その特徴、Workplace製品群との関連性など2度に分けてご紹介してまいります。
第1回目は、WEDとは何か、その全体像についてのお話になります。
注)WEDはWCTMEの後継製品です。

WEDとは何か

WEDとは一言でいってしまえば、「エンタープライズ・リッチ・クライアント」です。言い換えると、企業内業務アプリケーションをPCクライアント上に構築するためのミドルウェアということができます。 リッチクライアントというと、入力補完機能やGUIのリッチさに目が向きがちですが、今回の連載ではリッチクライアントを以下のように定義しています。

リッチクライアントとは:
  • スタンドアローンアプリケーションではなく、サーバーが存在すること
  • リッチなGUIが実現可能であること
  • アプリケーション配布機能があること
  • オフライン(非接続)時にも実行可能であること
単にリッチなGUIを提供するだけでなく、企業内で業務アプリケーションを稼働する際に必要な、配布の問題、サーバーとの連携機能も解決できるクライアントテクノロジーをご提供するのがWEDです。

企業内業務アプリケーションはwebアプリケーションとしてサーバー側で動かすことが現在主流となっています。 しかし、サーバー側にアプリケーションがあると以下のような点で困ることがあります。
  • レスポンスが悪い
    • 帰社後に入力する必要のある日報アプリケーションでは、アクセスが集中しレスポンスが極端に遅くなる
    • 社外からアクセスした場合、ネットワークの帯域が狭いなどの原因で次の画面までの遷移がとても遅い
  • ネットワークコストがかかる
    • 社外からwebアプリケーションにアクセスを許可している場合、PHSの定額制以外はパケット従量制プランが多く通信コストがかかる
  • ネットワーク確保が大変である
    • 社外からPHSや携帯電話を使って社内にあるwebアプリケーションに接続しているときに、そのネットワークが途切れることがある(作業をもう一度やり直すことも・・・)
    • ホットスポットは増えてきたものの、見つけるのは大変だし、事前申し込みが必要であり必要なときにすぐに使うことができない
また、サービス時間外といってアクセスを拒否されてしまった経験もありませんか?
上記のような問題が起こるのは、なぜでしょう?

図1.これまでのWebアプリケーションのイメージ
これまでのWebアプリケーションのイメージ
画像をクリックすると、拡大して見られます。


従来のwebアプリケーションは、以下のような動きをしています。
図1のようにクライアント側にはwebブラウザがあります。そして、そこからサーバー側にリクエストを投げます。そうすると、サーバー側では、サーブレットがそのリクエストを受け取ります。その後、ビジネスロジックを呼び出して、DB参照/更新などの処理を行い、最後に結果を表示するために画面生成を行ってからその結果をwebブラウザに返します。 上記からお分かりだと思いますが、webアプリケーションを動かすには、クライアント側のwebブラウザとサーバー側のwebアプリケーションの間に常にネットワークが介在するわけです。ネットワークの通信速度が遅ければ、レスポンスも悪くなります(=レスポンスが悪い)。また、ネットワークがなければwebアプリケーションは使うことすらできません(=ネットワークの確保が大変)。なので、webアプリケーションを使用する際には常にネットワークに繋いでいなければいけなくなります(=通信コストがかかる)。

そこで、ネットワークを介してやっていたことを全てクライアント側で処理してしまったらどうでしょう?

図2.これからのWebアプリケーションのイメージ
これからのWebアプリケーションのイメージ
画像をクリックすると、 拡大して見られます。


図2をご覧ください。今までサーバー側で動いていたwebアプリケーションがクライアント側にも配置されています。webブラウザは、クライアント側にあるサーブレットにリクエストを投げ、そこでビジネスロジックが走り、結果の出力処理まで行います。もちろんビジネスロジック内では、通常のアプリケーションどおりにDBの参照/更新を行ったり、MQのメッセージをキューにポストしたりします。
これらを全てネットワークに接続せずに行うのです。そうすることによって今までネットワークを介して処理を行っていたがために起こっていた問題を解決します。
ただし、クライアント側で更新したデータやポストしたキューをサーバー側に送りたいこともあります。そういう時のために、サーバー側にもある程度そのようなデータを受け取るための仕組みが必要です。また、クライアント側のアプリケーションをバージョンアップするための仕組みも必要になります。

WEDは、クライアントとサーバーという形態で上記のような機能をご提供します。
クライアントは、
  • Web(J2EE)アプリケーションをクライアントサイドで稼働させます(=アプリケーションランタイム)
  • ローカルにデータをストアすることができます(=DB2e)
  • 処理キューをローカルに保存することができます(=MQe)
  • リッチクライアントUIの実現も可能です(WEDクライアントはEclipseを基盤としているのでSWTやJFaceを使ったリッチUIの開発も可能となります。)

サーバーは、
  • クライアントに導入されているアプリケーションを管理します(=DMS)
  • ローカルにストアされたデータとサーバー側データを同期します(=DB2e)
  • ローカルの処理キューにたまったキューをサーバー側で処理します(=MQe)

留意していただきたいのは、WEDクライアントはサーバーがなくても動作することができる、という点です。そして、必要があれば、ネットワークを介してクライアント側のデータをサーバーに反映します。またその反対にサーバーのデータをクライアントに反映します。
従来のwebアプリケーションではクライアントPCをネットワークに接続して初めて作業が始められたのですが、今回ご紹介した仕組みを使えばネットワーク接続は作業自体を行う際には必要ありません。

まとめ

今回は、WEDの全体像をご説明してきました。WEDが「エンタープライズ・リッチ・クライアント」と言われる所以をご理解いただければ幸いです。 次回は、今回ご紹介したWEDとWorkplace製品との関係についてお話を進めていく予定です。

参考資料

製品発表レター:
WebSphere Everyplace Deployment Client for Linux & Windows V6.0の発表
WebSphere Everyplace Deployment V6.0の発表
事例紹介ページ:
IBMソフトウェア事例 | 日本生命保険相互会社
WebSphere Everyplace関連情報:
WebSphere Everyplace製品ページ
WebSphere Everyplace技術情報(WebSphere Developer Domain)

特記事項

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