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LDD Today

ネットワーク圧縮を使った複製のパフォーマンス向上


Lotus Software
by Warren White
レベル:中級者
対象: Notes/Domino
原文の掲載:2003年5月1日

LDD Todayの原文(US)

インデックス
テスト・セットアップ
結果
まとめ

「Performance Perspectives」の以前のコラム「Network compression in Domino 6(US)」では、Domino 6のネットワーク圧縮機能の概要を紹介しました。その中で、「ネットワーク圧縮」と「添付ファイル圧縮」という2種類の圧縮について説明しました。Notes/Domino 6で導入された新機能であるネットワーク圧縮では、ネットワークを通じて送信されるデータを、LZ1 compression algorithm(US)を使って圧縮できます。ネットワーク圧縮は、DominoサーバーとNotesクライアントの両方で利用できます。もう一方の添付ファイル圧縮は、名前からわかるとおり、添付ファイルを圧縮します。R5では添付ファイルの圧縮にHuffman compression(US)を使用していますが、Domino6では、ハフマン圧縮かLZ1圧縮のいずれかを選択できます。先のコラムの結論では、圧縮によって、比較的少ないCPUやメモリー使用率の増加で、添付ファイルのサイズを35〜52パーセント(使用するアルゴリズムによる)小さくできるというテスト結果が示されました。

このコラムが掲載されてから、Domino 6のネットワーク圧縮の複製パフォーマンスに対する効果について、多くのお客様から関心が寄せられました。それに応えて私たちは、R5の複製と、ネットワーク圧縮を有効にしたDomino 6の複製とを、さまざまな回線速度で比較する調査を行いました。この記事は、その結果をまとめたものです。(結論を待ちきれない方のために先に申し上げると、時間の観点からも送信されるデータ量の観点からも、Domino 6では複製パフォーマンスが大幅に向上することが確認されました。)

なお、この記事は、Dominoについて十分な知識をお持ちの管理者を対象としています。


テスト・セットアップ
今回の調査では、R5のクライアント/サーバー間の複製パフォーマンスを調べて、その結果を、ネットワーク圧縮を有効にしたNotes/Domino 6と比較しました。回線速度には、ダイヤルアップ、DSL、ケーブル・モデムに近い回線速度を使用しました。ネットワーク圧縮には2つのメリットがあります。1つは、小さなメッセージをバッファーに入れられること、もう1つは、すべてのメッセージをLZ1アルゴリズムで圧縮できることです。圧縮では、圧縮可能なすべてのメッセージのサイズが縮小されます。「圧縮可能な」メッセージとは、テキストなど、圧縮されていないコンテンツを持つあらゆるメッセージです。この圧縮機能によって、送信しなければならないデータの量を減らすことができます。

テスト環境の構成は次のとおりです。
  • Domino 6サーバーとR5サーバー、システム:IBM RS6000 H50、CPU:332MHz×4、メモリー:1GB、ハード・ディスク:4.5GB×2、40GB RAIDアレイ、オペレーティング・システム:AIX 4.3.3 fix pack 9
  • Notes 6とR5、システム:IBM M Pro XEON P3、CPU:1.6GHz×1、メモリー:1GB、オペレーティング・システム:Windows 2000
  • WANシミュレーターCloud、システム:IBM M Pro XEON P3、CPU:1.6 GHz×1、メモリー:1GB、オペレーティング・システム:Windows NT 4 service pack 6
次の2つのテスト・シナリオを作成しました。
  • 200の文書を含む複製メール・データベースを新規作成する
  • 同じデータベースに対して50の新規文書を複製によって追加する
それぞれのシナリオを、256 KBpsと56 KBpsの回線速度で実行しました。回線速度の調整には、Shunra SoftwareのCloudを使用しました。Cloudは、LAN/WANシミュレーターとして機能します。データの精度を確実なものとするために、それぞれのテストを2回ずつ実行しました。
Notes/Domino 5.0.11とリリース前のNotes/Domino 6.0.1をテスト対象とし、Windows 2000のNotesクライアントとAIX 4.3.3のDominoサーバーで複製を実行しました。このテストは、シングル・ユーザーの手動テストです。(このテストの目的は、R5とNotes/Domino 6のパフォーマンスを比較することであり、Dominoサーバーの負荷テストではありません。帯域幅の低い接続を使ったシングル・ユーザーの複製操作に対する、Notes/Domino 6の効果を測定することを目指しました。)

この比較テストは、ホフマン圧縮した添付ファイルを送信するように構成したR5と、LZ1圧縮した添付ファイルを送信するように構成し、クライアントとサーバーでネットワーク圧縮をオンにしたDomino 6を使った、「バージョン・ベスト・ケース・シナリオ」の比較テストとして設計されました(R5とDomino 6の両方とも、デフォルトではホフマン圧縮が使用されます)。Domino 6は、デフォルトでストリーミング複製も行います。両方のテストで、R5のメール・テンプレートを使用しました。200の文書を含むメール・データベースの更新前のサイズは約20MBで、複製によって50の文書が追加された後のサイズは約30MBでした。

このメール・データベースには、さまざまなサイズのテキスト・メッセージと、50 KB〜10MBのバイナリ(圧縮不可)添付ファイルとテキストが混在した文書が含まれています。更新データの方も同様に、さまざまな種類およびサイズの文書で構成されています。すべてのテストは、ほかのネットワーク・トラフィックによる干渉を防ぐために、プライベート・ネットワーク上で行われました。テスト・データの収集には以下のツールを使用しました。
  • Server.Loadのベースとなる内部ツール(テスト・スクリプトの記述に使用)
  • entstat (ネットワーク・アダプターの統計を測定するためのAIXツール)
  • Log.nsf (複製イベントの表示に使用、時間と送信バイト数を比較)
今回のテストでメールを格納するのに使用したメールボックスデータベースは、それぞれのリリースのネイティブODSバージョン、すなわちR5ではODS41、Domino 6ではODS43を使って作成されています。(LZ1圧縮は、ODS43でしか機能しません。)
 
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結果
テスト結果では、クライアント/サーバーのデータベース複製にNotes/Domino 6を使用すると、送信されるデータの量と完了までの時間の両方が大幅に改善されることが確認されました。送信されるデータが少なくなれば必要な時間が減るのは明らかなので、この結果は予想どおりのものでした。しかし、その改善度合いは予想以上でした。

56 KBpsテスト
56 KBpsテストでは、上で説明した2つのシナリオに従って、200の文書を含む複製メール・データベースを新規作成し、そのデータベースに50の新規文書を複製によって追加して、R5とNotes/Domino 6のパフォーマンスを比較しました。

複製の作成
次の表は、56KBps複製テストの結果をまとめたものです。
完了までの時間(分) 時間の改善(パーセント) 送信される
データの量(MB)
送信されるデータ量の改善
(パーセント)
R5 52.96 19.38
Notes/Domino 6 29.13 45.28 11.86 38.84


50の新規文書の追加
次の表は、作成した複製データベースに50の新規文書を追加したときの統計です。
完了までの時間(分) 時間の改善(パーセント) 送信される
データの量(MB)
送信されるデータ量の改善
(パーセント)
R5 20.04 7.494
Notes/Domino 6 14.97 25 6.037 19.44


いずれのテストにおいても、Notes/Domino 6では、完了までの時間と送信されるデータ量の両方で大幅な改善が見られます。

256KBpsテスト
256KBpsテストでも、56 KBpsテストと同様に、Notes/Domino 6ではR5より優れたパフォーマンスが確認されました。

複製の作成
次の表は、256KBps複製テストの結果をまとめたものです。
完了までの時間(分) 時間の改善(パーセント) 送信される
データの量(MB)
送信されるデータ量の改善
(パーセント)
R5 12.61 19.38
Notes/Domino 6 6.41 49 11.86 38.84


50の新規文書の追加
次の表は、複製データベースに50の新規文書を追加したときのデータです。
完了までの時間(分) 時間の改善(パーセント) 送信される
データの量(MB)
送信されるデータ量の改善
(パーセント)
R5 4.96 7.494
Notes/Domino 6 3.26 34.27 6.037 19.44


送信されるデータの量とそのパフォーマンスの改善のデータは、両方の回線速度で同じ値になっていますが、これは、2つのシナリオの圧縮率が同じであるためです。
 
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まとめ
上の表からわかるとおり、新規複製データベースを送信する際にNotes/Domino 6を使うと、R5を使った場合に比べてパフォーマンスがおよそ45〜50パーセント向上します。また、同じデータベースを50の文書で更新する際にも、パフォーマンスが25〜35パーセント向上することが確認されました。送信するデータを圧縮によって20〜40パーセント小さくすることができれば便利であることは明らかです。

このテスト結果からは判断できないことの1つに、Notes/Domino 6の添付ファイル/ネットワーク圧縮技術を使用することによって節約できるコストの問題があります。Ferris Research Reportの最近のレポート;PDFファイルをダウンロード可能)によると、ネットワーク圧縮によって、Notesの帯域幅の要件を通常30パーセント以上縮小できます。これにより、1ユーザー1か月あたり5〜10ドルのコストを節約できます。これは、大規模な組織では、全体で数十万ドル以上という莫大な額のコストの削減につながります。つまり、ネットワーク圧縮は、時間と費用の両方を節約できる、全体として利用価値の高い技術であるといえます。



著者について
Warren Whiteは、2000年に製品導入エンジニアリング部門に加わって以降、ネットワーク圧縮、DEAS、iNotes、スパム・フィルタリングなどのプロジェクトに参加してきました。最初はサポート・アナリストとしてLotusに入社し、Notes 4と4.5のQEを務めた後、Lotusプロフェッショナル・サービスのフィールド・エンジニアとして3年間勤務しました。
 
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