本文へジャンプ

ソフトウェア > Lotus > Lotus Developer Domain > 製品別技術情報 > WebSphere Portal > 

LDD Today

WebSphere Portalの新機能であるCollaboration Center People Finderポートレットの設定方法


Lotus Software
by タラ・ホール、サム・アレクサンダー
レベル:すべて
対象: WebSphere Portal Collaboration Center
原文の掲載:2003年6月2日

LDD Todayの原文(US)

インデックス
People Finderポートレット
Directory Connector for People Finder
People Finderポートレットの構成
まとめ

IBM WebSphere PortalのCollaboration Centerは、QuickPlace、Sametime、お客様の社内のLDAPディレクトリーをWebSphere Portalに統合するためのコンポーネントが1つになったものです。その名が示すように、Collaboration Centerはすぐに使用可能な以下のポートレットによって、Portalに即座にコラボレーション機能を提供します。
  • My Lotus
    Team Workplaces My Lotus Team Workplacesは、ユーザーが所属するTeam Workplace(つまりQuickPlace)のリストを表示し、そのTeam Workplace全体を検索できるようにします。また、Team Workplaceの作成と管理をPortalから行うこともできます。
  • Lotus Web Conferencing
    Lotus Web Conferencingポートレットは、Sametime Meetingのテクノロジーを利用して、オンライン会議への参加やスケジュール設定を可能にします。また、オンライン会議の検索に使用することもできます。
  • People Finder
    People Finderポートレットは、社内ディレクトリーを検索できるようにします。このポートレットは、Sun ONE Directory Server(従来のiPlanet Directory Server)、IBM Directory Server、Domino Directoryなど、任意のLDAPディレクトリー・サーバーに接続することができます。
People Finderポートレットは、Collaboration Centerの唯一カスタマイズ可能なポートレットで、お客様の組織のニーズに合わせて構成できます。People Finderポートレットの構成は、「directory connection」と呼ばれるXML構成ファイルでも、ポートレットのユーザー・インターフェースでも行うことができます。この記事では、Collaboration Center People Finderポートレットの構成方法について説明します。具体的には、XML構成ファイルを使用してPeople Finderポートレットをお客様の社内のLDAPディレクトリー・サーバーに接続する方法と、「People Finder Configuration」を使用してPeople Finderポートレットを構成する方法を取り上げます。この記事の対象読者は、経験のあるLDAPディレクトリー管理者で、XMLの知識があることを前提としています。


People Finderポートレット
People Finderポートレットは、BluePagesというIBMのイントラネット・アプリケーションをある程度ベースにしています。このBluePagesとは、IBM社員が氏名、インターネット・アドレス、シリアル番号などの識別情報を使用して、組織内の他の人を検索できるようにするものです。次図は、IBM BluePagesアプリケーションの画面です。



BluePagesアプリケーションと同様に、People Finderポートレットは、氏名、電話番号、メール・アドレスなどによって組織内の他のユーザーを検索できるようにします。また、さらに詳細な検索のために、「Advanced Search」オプションも用意されています。Collaboration Centerを最初に開いたときに表示される「Quick Search」と、「Advanced Search」フォームはどちらもカスタマイズ可能です。これについては、後で詳しく説明します。

BluePagesアプリケーションは、連絡先情報の検索だけでなく、組織階層情報も表示します(つまり、選択した個人と同じ管理者に直属する個人と選択した個人の組織系統を一覧表示します)。同様に、People Finderポートレットも「Show in Organization View」オプションを選択すれば、組織階層情報を表示することができます(このオプションは、「Show Person Record」や「Send E-mail」オプションと同様に、ユーザー名をクリックすると使用可能になります)。「Organization」ビューに情報を表示するには、まずLDAPディレクトリー・サーバーを設定する必要があります。XML構成ファイルで共通に使用されるManager属性を使用すれば、組織階層を追加することができます。



「Person Record」には、連絡先、仕事関連情報、および背景情報が一覧表示されます。「Advanced Search」フォームと同様に、「Person Record」もカスタマイズ可能で、その中に表示するフィールドを指定することができます。People Finderは、Collaboration Centerポートレットの中で唯一、WebSphere Portalから構成できるポートレットです。この後、ポートレットの構成方法について説明しますが、ポートレットを構成するには、まずポートレットをLDAPディレクトリーに接続する必要があります。
 
上に戻る
 
Directory Connector for People Finder
Directory Connector for People Finderは、People FinderポートレットをLDAPディレクトリー・サーバーに接続するアプリケーションです。Directory Connectorは、Collaboration Centerのインストール時に、WebSphereアプリケーション(EARファイル)としてWebSphere Portal/WebSphere Application Server(WAS)上にインストールされます。Directory Connectorは、DB2またはOracleデータ・ストアとSQLプログラミング言語を使用してデータを検索します。

People Finderの接続先にするLDAPディレクトリー・サーバーの定義は、XML構成ファイルを使用して行います(LDAPディレクトリー・サーバーにCollaboration Centerコンポーネントをインストールする必要はありません)。XML構成ファイルは、WebSphere PortalにCollaboration Centerをインストールすると自動的に生成されます。このXMLファイルを構成することによって、特定のLDAP URLへのアクセスや、baseDNの指定、公開される属性とそのラベルの変更を行うことができます。公開される属性については、ラベルの変更、LDAPスキームからの属性の追加、あるいは属性の削除ができます。さらに、Collaboration CenterはinetOrgPersonオブジェクト・クラスをサポートしています。これについては後で詳しく説明します。

Directory Connectorを開くには、以下を入力します。

http://Serverhostname/PFDirectoryConnector

ここで、ServerhostnameはWebSphere Portal Collaboration Centerのインストール先サーバーの名前です。

People Finderの設定を変更するには、まず既存のXMLファイル「PFSampleConnection」をエクスポートし、「メモ帳」などのテキスト・エディターを使用してファイルを変更した後、そのファイルをDirectory Connectorにインポートします(インポート操作は、最初はよく失敗しますが、もう一度実行すればうまくいきます)。Directory Connectorは、公開される属性が、指定されたLDAPサーバーのスキームに存在することを確認して、ファイルの妥当性を検査します。妥当性検査完了後、ファイルをアクティブにします。ファイルをアクティブにすると、People FinderポートレットがLDAPディレクトリー・サーバーに接続されます。



XML構成ファイル
XML構成ファイルには、以下のセクションがあります。
  • connection settings(接続設定)
  • exposed attributes(公開される属性)
  • exposed filters(公開されるフィルター)
  • exposed custom queries(公開されるカスタム照会)
  • exposed recursive queries(公開される再帰的照会)
「connection settings」セクションは、LDAPディレクトリーへの接続を定義するもので、以下の表に示す必須要素があります。


要素 説明
hostURI 次の構文に従った完全修飾LDAP URL。
ldap://hostname:389
ここで、:389はLDAPサーバーがリッスンするデフォルト・ポートです。
baseDN 検索場所として指定するLDAPサーバーの「ルート・ディレクトリー」。これは、組織全体でも組織の下位集合でも可。
bindDN LDAPサーバーからデータを読み取るためのアクセス権を持つユーザーの名前。この要素を空白にすると、匿名でバインドできます。特定のユーザーをバインドするには、完全修飾名または識別名を指定します。

cn=ユーザー名,ou=組織単位,o=組織

bindDNに対してユーザーを指定する場合、privateCredentials(つまりパスワード)を指定し、<securityProtocol>要素を「none」から「simple」に変更します。


「exposed attributes」セクションには、後述の「People Finder Configuration」に設定できるすべてのフィールドがリストされます。「exposed fields」のエントリーによって、公開されるフィールドに分かりやすいラベルが関連付けられます。「exposed custom queries」セクションは、同じく後述の「Quick Search」に使用されます。「exposed custom query」は、1つのフィールドを対象とする照会よりも複雑な特殊照会です。「By Name」カスタム照会を使用すれば、「FirstName」、「LastName」、および「NickName」フィールドを1回で検索することができます。「exposed recursive query」は、組織系統を構築するための「ReportsTo」照会であり、「Manager」フィールドのエントリーに基づいて、再帰的に「Person Record」を検索するように設定されます。

inetOrgPersonオブジェクト・クラス
Collaboration Centerは、既存のLDAPディレクトリーからPeople Finderポートレットへのフィールドのマッピングのために、inetOrgPersonオブジェクト・クラスをサポートしています。ただし、People Finderはスキーマがなくても使用できます。inetOrgPersonオブジェクト・クラスは、組織に関連する個人を定義します。このオブジェクト・クラスは、特にインターネット/イントラネットへのディレクトリー配置のための多数の属性を備えています。
inetOrgPersonオブジェクト・クラスとその属性の詳細については、RFC2798『Definition of the inetOrgPerson LDAP object class』(US)をご覧ください。

LDAPスキーム属性のマッピングは、XML構成ファイルを変更することによって行います。次の例に示すように、XMLファイルには属性ラベル、説明、マップ済み属性名、および属性タイプがリストされています。

<exposedAttribute label="DisplayName">
<description />
<mappedAttribute>displayName</mappedAttribute>
<type>String</type>
</exposedAttribute>

変更後、このファイルをDirectory Connectorにインポートします。あるいは、既存のXMLファイルを更新するか、新規作成したXMLファイルをインポートします。ファイルのインポートまたは更新後、「Validate」をクリックして、XMLファイルの妥当性を確認します。ファイルの妥当性検査完了後、「Activate」をクリックしてPeople Finderを有効にします。
 
上に戻る
 
People Finderポートレットの構成
People FinderをLDAPディレクトリーに接続すると、直ちに社内ディレクトリーの検索が可能になります。なお、Collaboration Centerは複数のディレクトリーをサポートしているため、認証用のディレクトリーと検索用のディレクトリーを分けて構成することができます。ただし、そのインプリメンテーションの詳細については、この記事では割愛します。
前述のとおり、People Finderポートレットは、唯一カスタマイズ可能なCollaboration Centerポートレットです。ポートレットの右上隅のレンチ・アイコンが、構成可能であることを示しています(Team WorkplacesポートレットとWeb Conferencingポートレットはどちらも編集可能ですが、構成はできません)。



以下のセクションでは、「Person Record」や「Advanced Search」フォームなど、構成できる各種領域について説明します。

Configuration Basics(基本設定)
People Finderポートレットの構成は、まず「Configurations Basics」の設定から行います。この基本設定を行うには、People Finderポートレットのレンチ・アイコンをクリックして「People Finder Configuration」を開き、「Directory connection and other essential settings」リンクをクリックします。



「Configuration Basics」では、「directory connection」(つまりXML構成ファイル)を選択して、People FinderポートレットをLDAPディレクトリーに接続します。「directory connection」の管理(インポート、エクスポート、および妥当性検査)には、前述のDirectory Connectorアプリケーションを使用します。

このセクションでは、LDAPディレクトリー内のレコードを更新できるWebアプリケーションのURLを指定します。そのリンクは、ユーザーがディレクトリー内のレコードを更新できるように、すべての「Person Record」上に表示されます。
また、「Configuration Basics」では、People Finderに表示する「directory connection」のフィールドを選択します。使用可能なすべてのフィールドが表に一覧表示され、そこから選択します。表示したいフィールドの横の「Include」チェックボックスをチェックし、表示形式を選択します。

形式 説明
String テキスト・ストリングを表示します。
Person link 「Person Record」へのリンクを表示します。
Email address mailtoリンクを表示します
Web page link Webページへのリンクを表示します。
Other person link その人の管理者など、他の「Person Record」へのリンクを表示します。


Shared Elements(共用要素)
「Shared Elements」セクションには、「Business Card fields」と「Sections in Person Record and Advanced Search」の2つの部分があります。「Business Card fields」では、「Person Record」の「Business Card」領域に表示するフィールドを指定します。フィールドは、追加、削除、または再配置ができます。また、「Business Card」に個人の写真を入れることもできます。

「Sections in Person Record and Advanced Search」では、「Person Record」と「Advanced Search」フォームの両方にセクションを追加することができます。「Person Record」および「Advanced Search」のデフォルト・セクションは、「Contact Information(連絡先情報)」、「Current Job(現在の仕事)」、「Background(背景)」です。セクションは、追加、削除、または再配置ができます。また、各セクションに表示するフィールドは、次に説明する「Person Record」および「Advanced Search」セクションで変更できます。

Person Record(ユーザー・レコード)
「Person Record」セクションには、「Person Record fields」と「Organization View fields」の2つの部分があります。「Person Record」は、共通名、表示名、メール・アドレスなどの連絡先情報を含む、数多くのフィールドを一覧表示します。「Person Record」に表示するフィールドの追加、削除、および再配置は、「People Finder Configuration」を使用して行います。それにはまず、フィールドの追加、削除、または再配置を行うセクションを選択します。フィールドを追加する場合は、フィールドのリストからフィールド名を選択し、「Add」をクリックします。フィールドを削除する場合は、フィールドを選択し、「X」をクリックするとそのフィールドが「Person Record」から削除されます。削除したフィールドはPeople Finderポートレットに表示されなくなりますが、後で再追加できます。「Person Record」のフィールドを再配置する場合は、フィールド名ごとに上矢印と下矢印を使用します。

「Organization」ビューは、個人が所属する組織階層を表示します。「Organization View fields」では、「Organization」ビューの有効/無効、つまりPeople Finderポートレットに「Organization」ビューを表示するかどうかを設定することができます。デフォルトでは「Organization」ビューは有効であり、共通名、会社の電話番号、役職、および組織単位がビューに表示されます。「Organization」ビューのフィールドも追加、削除、および再配置が可能です。

Advanced Search(詳細検索)
「Advanced Search」セクションにも、「Queries for search」と「Fields for results」の2つの部分があります。「Queries for search」では、「Advanced Search」フォームでユーザーが検索できるフィールドの追加、削除、および再配置ができます。「Advanced Search」フォームは、「Contact Info」、「Current Job」、「Background」のセクションに分かれており、セクションごとにカスタマイズできます。

「Queries for search」と同様に、「Fields for results」では「Advanced Search results」フォーム上のフィールドの追加、削除、および再配置ができます。ただし、「Advanced Search results」フォームに表示されるフィールドは、「Advanced Search」フォームほど多くありません。

Quick Search(クイック検索)
「Quick Search」は、People Finderポートレットのシンプルな検索フィールドで、検索する連絡先情報をドロップダウン・リストから選択できるようになっています。「Advanced Search」セクションと同様に、「Quick Search」セクションにも「Queries for search」と「Fields for results」の2つの部分があります。どちらも「Advanced Search」と同様の方法で「Quick Search」をカスタマイズできますが、フィールドは「Advanced Search」ほど多くありません。「Quick Search」のデフォルトでは、以下の検索が行えます。
  • Name(名前)
  • User ID(ユーザーID)
  • Email address(メール・アドレス)
  • Office phone number(会社の電話番号)
  • Department(所属)
  • Employee job title(役職)
「Name」検索では、byName照会を使用します。この照会は、「Quick Search」で各種フィルターを使用可能にする特殊アルゴリズムでコーディングされています。XML構成ファイルを開き、「exposed custom queries」セクションを見ると、以下のbyName照会が含まれています。

<exposedCustomQueries>
<customQuery label="byName">
<description>Query to search for different combinations of first, last and nickname</description>
<customRenderExtension>com.lotus.ap.ds.custom.ldap.LDAPRender
ExtensionByName
</customRenderExtension>
<queryAttributes>
<queryAttribute label="FirstName">
<mappedAttribute>FirstName</mappedAttribute>
</queryAttribute>
<queryAttribute label="LastName">
<mappedAttribute>LastName</mappedAttribute>
</queryAttribute>
<queryAttribute label="NickName">
<mappedAttribute>NickName</mappedAttribute>
</queryAttribute>
</queryAttributes>
</customQuery>
</exposedCustomQueries>

<customRenderExtension>では、特殊なアルゴリズムが利用されています。例えば名と姓を入力する場合や姓だけを入力する場合などの各種検索照会形態に対応するには、さまざまなフィルターが必要です。byName照会は、姓、名、および共通名フィールドを検索します。検索照会にコンマを含めた場合は(例:smith, john)、コンマの前の語が姓として処理され、People Finderは完全に一致する語句を検索します。コンマを使用しない場合は、3つのフィールドをすべて検索します。

ヒント:検索の際、ワイルドカードとしてアスタリスク(*)は使用できません。People Finderは、検索にワイルドカードを自動的に付加するため、ユーザーがワイルドカードを追加すると、Dominoを除く一部のLDAPサーバーがサポートしていない2つのアスタリスク(**)が含まれてしまいます。また、People Finderはワイルドカード(*)のみの検索はサポートしていません。
 
上に戻る
 
まとめ
この記事では、People Finderポートレットの構成オプションの概要を説明しました。また、Directory Connectorを使用してPeople FinderポートレットをLDAPディレクトリー・サーバーに接続する方法についても説明しました。BluePagesアプリケーションがIBMで重宝されているように、きっとPeople Finderポートレットはお客様の貴重な資産となるはずです。この記事で説明した構成オプションを十分に利用して、People Finderポートレットを最大限にご活用ください。



著者について
サム・アレクサンダーは、IBM Lotus Product Introduction Engineeringチームのメンバーです。チームでは、ツール開発者として、ソフトウェア・ツールの開発支援や、パフォーマンス・テスト、データ収集、およびデータ分析の方法論に関するアドバイスをしています。最近では、Discovery Serverパフォーマンス・チームと共同で、Lotus Discovery Server 2.0および2.0.1の検索機能のパフォーマンス・テストの開発とその結果の分析を担当しました。仕事以外では、ボストン大学のメトロポリタン・カレッジで、コンピューター・サイエンス修士号の取得を目指しています。ノースカロライナ出身の彼は、休日はニューイングランドを探索したり、地元の5 km/10 kmロード・レースに参加したりして楽しく過ごしています。
 
上に戻る