|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
IBM Lotus Notes/Domino 8.0.1での新機能と強化点
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
松尾 邦夫、Lotus テクニカル・セールス&サービス、日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 レベル:初級 原文の掲載:2008年3月7日
Lotus NotesクライアントLotus Notes 8では、Eclipse RCPをベースにし、その上に各種汎用サービス(同期メカニズムやセキュリティーなど)を加えたLotus Expeditorを基底にして、更にその上にLotus NotesやLotus Sametimeなどを動作させるアーキテクチャーに変更しました。従来のOSネイティブのアプリケ ーションとはアーキテクチャーが異なっており、この新しいアーキテクチャーのものを「Standard版」と呼称しています。これに対して、従来のOSネイティブなク ライアントを「Basic版」と呼称しています。8では、両方が提供されていますので、従来と同じアーキテクチャーのBasic版を使うことができます。 8.0および8.0.1での機能改善のほぼすべてがStandard版のみでの対応です。本記事においてもStandard版を対象にしています。特に断りがない限り Standard版のみの機能ですので注意が必要です。 8.0ではユーザーからのフィードバックなどをもとに、ユーザー・インターフェースの一部を最適化したほか、大きな機能として「マイ・ウィジェット」と 「Live Text」の2つを追加しました。 1. マイ・ウィジェットLotus Notes 8では画面右側にサイドバーと呼ばれるパネルが表示でき、8.0では4つの機能 (Lotus Sametimeの連絡先、一日の予定、RSSフィード、アクティビティー)が提供されていました。8.0.1ではこれに加えて、「マイ・ウィジェット」が追加され ました。これは、ウィジェットをすぐに呼び出すためのカタログとして機能するものです。業務を行う上で便利なインターネット上に流通しているウィジェットや、 企業で開発したウィジェットを、予め登録しておくことですぐに呼び出すなど、Lotus Notes 8を起動した時点で表示させることもできます。 すでにウィジェットは膨大な種類が提供されています。趣味的なものも多いものの業務で使えるものも多数存在します。また、各企業の業務に密着し た独自のウィジェットを作成して利用することもできます。それらをLotus Notesのメールやアプリケーションなどと同時表示させることで、より使いやすく効率的な環境を提供します。 この詳細については次回以降に解説します。 図1. 画面右側のサイドバーに追加された「マイ・ウィジェット」とウィジェットの例![]() 2. Live Text Live Text(ライブテキスト)は、メールやアプリケーションなどのLotus Notes文書中のテキストから、条件に合致して文字列を抽出して、他のアプリケー ションに値を渡して連携する機能です。 例えば、本文中に郵便番号があった場合にそれを認識させるように設定しておきます。すると、認識された郵便番号には自動的に下線が引かれます 。認識された場合の処理として天気予報のウィジェットに渡すようにしておきます。こうしておくことにより、即座に別のアプリケーションと連携して関連情報を入 手できます。この機能を利用する場合、多くの場合においてアプリケーション開発を伴います。しかし、マッシュアップのアイディア次第では業務の効率化や付 加価値の増大に寄与する可能性が高い機能です。尚、この機能は設定や開発を伴います。 この詳細については次回以降に解説を行います。 図2. Live Textを利用した例。会社名をWebの各種サービスに渡して検索結果を表示します。![]() 3. クライアントの新機能および改善点 a. メールの制限値と使用率の表示機能 メールの制限値を1クリックで表示する機能をナビゲーターに追加しました。これまで制限値を確認するには、データベース・プロパティーを確認する しか方法がありませんでした。そのため、制限値に達したことを、突然知る場合も多くありました。サーバー上のメールデータベースを開いている場合と、ロー カルとでは若干表示が異なります。サーバーの場合には、ゲージも常時表示されています。 図3. メール制限値情報の表示例 (ローカルのDBを開いた場合の表示例)![]() b. オープンリストの常時表示時の検索機能 Lotus Notes 8から、画面左上に「オープン」と書かれたボタンが追加され、ここから各種アプリケーションにアクセスできるようになっています。ボタン を押した際に表示される一覧を「オープンリスト」と呼び、このリストを検索する検索窓も付属しています。 図4. 「オープン」ボタンと「オープンリスト」(最上部は検索窓)![]() 表示メニューで、「オープンリストの常時表示」を選択すると、画面左側に常に表示されるようになります。8.0では、この表示形態の場合には、検索機 能が使えませんでした。8.0.1では、このリストの最上部の双眼鏡アイコンを使って検索が可能です。 図5. オープンリストを画面左側に常時表示時でも表示される検索ボタン![]() c. メールの「返信」と「全員に返信」時の添付ファイルの削除処理 8.0では、メールで「返信」、「全員に返信」ボタンを押した場合に、「添付ファイルを付けたまま返信/全員に返信」するように設計されていました。 8.0.1では、8.0のユーザー様からの要望などから、「添付ファイルを削除して返信/全員に返信」をデフォルトの動作としました。添付ファイルを付けた まま返信/全員に返信を行いたい場合には、ドロップダウン・メニューから選択して行います。 d. 選択したテキストの右クリックでの検索機能Lotus Notesのメールやアプリケーションでテキストを選択して、右クリックメニューから検索を実施できるようになりました。メール以外にも、検索機能 を設定しておけば、好みのサーチエンジンを使った検索も可能です。 図6. 本文中のテキストを選択して、即座に検索を実施できます。![]() e. 「最近使用した連絡先」を削除する機能 Lotus Notes 8では、やりとりするメールなどで使われているアドレスを、連絡先(個人アドレス帳)に自動保存しておき、これらのリストを「最近使用した 連絡先」ビューに表示する機能が備わっています。 このビューには、ある人とのやりとりを一覧表示する機能などが備わっており、人を軸にした情報の取得が可能です。また、このリストを分析して、新 規メールで宛先を指定する際の候補リストとしても使用しています。より出現頻度が高いユーザーを上位の候補として表示しますので、容易な宛先指定が可 能です。 しかしながら、不用な宛先が混入するなどした場合には、宛先指定時の「雑音」となり、操作を妨害する結果となる場合があります。「最近使用した連 絡先」を全面的に記録しない設定は8.0でも可能でしたが、8.0.1では「雑音」となるエントリーのみを個別に削除できます。 f. Lotus Sametime 8.0 クライアント・モジュールの組み込みLotus Notes 8では、Lotus Sametime 7.5.1相当のモジュールが組み込まれていましたが、8.0.1では、Lotus Sametime 8.0相当のものが組み込まれ、細かな使い勝手が向上しています。 g. プラットフォームLotus Notes 8.0ではインストール時に、Microsoft Vista UACをOFFにする必要がありましたが、 8.0.1ではOFFにする必要がなくなりました。また、ICA クライアントを使用する Citrix Presentation Server 4.5 (Microsoft Windows 2003 Server)が8.0.1からサポートされます。 4. 復帰した機能8.0ではLotus Notes 7で利用できた機能が一部欠落していることがありました。8.0.1ではそれらが修正されています。 a. カレンダー、タスク、メールのブックマークへのメールのドラッグ&ドロップ機能 メールのフォームを開いた状態で、そのタブをドラッグ&ドロップで、画面左側のブックマークにある、「カレンダー」や「タスク」や「メール」のアイコ ンにドラッグ&ドロップすると、新規フォーム(例えば新規カレンダー)が開き、新規エントリーとして作成されます。 同様な処理を、「オプション」-「コピーを追加」で行うことができますが、マウスを主に使うユーザーを中心に、直感的に動作できる仕組みとして用意さ れています。 b. ブックマークでの「新規ウィンドウで開く」のサポート タブ部分での右クリックメニューに、「新規ウィンドウで開く」がサポートされました。特定の文書を別ウィンドウで開いて、Windowsのウィンドウを切り替 えながら操作する場合に便利です。 図7. 文書を別ウィンドウで開く操作![]() c. タイムゾーンの二重表示機能 時差を意識したスケジュールの作成を必要とする場合に便利な機能です。 図8. ボストン(東部標準時)を日本時間と並べて表示させた例![]()
Lotus Dominoサーバー64-bit版 Lotus Dominoサーバーの提供 Windows版とAIX版について、64-bit版のLotus Dominoが提供されます。32-bit版も従来通り提供されます。インストールするプログラムは、32-bit版 と64-bit版では別々ですので注意が必要です。(Language Packは32/64-bit共通で、インストール・ウィザードの途中でどちらかを選択します。) 尚、iSeries対応版は7から64-bitで動作しています。 System i V6R1のサポート FIPS 140-2のサポート 米国の暗号化基準であるFIPS 140-2に対応しました。Windows 32-bit版サーバーでのみサポートされます。
Lotus Domino Web Access (DWA)ライト・モードの追加 従来のDWAでは、よりLotus Notesクライアントに近い機能を実現できるように設計されていました。8.0.1では、細い回線でもスムーズな操作を実現で きる「軽量化=Lite」を設計目標とした「Lotus Domino Web Access ライト・モード」が追加されました。これまでのDWAを「Lotus Domino Web Access フル・モード」と呼びます。 軽量化のために随所に工夫を凝らすと共に、使いやすさにも配慮し、Lotus Notes同様のタブ形式の画面(メール)切り替えや、サイドバーでのカレンダ ー表示機能を備えています。 この詳細については次回以降に解説します。 図9. Liteモードの画面例![]() 「コピー不可」機能の追加 Lotus Notesクライアントで従来から備わっていた「コピー不可」機能が追加されました。転送や履歴付き返信を行おうとすると、引用できない旨の警 告メッセージが表示されます。 連絡先やグループのプライベート機能 自分のメールファイル(メール、カレンダー、タスク、個人アドレス帳)を他のユーザーに公開、あるいは、操作の委任を行った場合であっても、「プライベ ート」が設定された連絡先エントリーは他のユーザーからは見えません。 リッチ・テキスト形式で署名追加機能 メール末尾に追加する署名は従来テキスト形式のみに限定されていましたが、8.0.1からはリッチ・テキストも予め設定しておき、追加できるようになり ました。 メールの回収機能のサポートLotus Notes/Domino 8.0では、送信済みのメールを回収する機能がサポートされましたが、8.0.1からはDWAでも利用できるようになりました。
Lotus Notes TravelerLotus Dominoサーバー上のメールファイルを、Microsoft Windows Mobile端末との間で双方向に同期する機能が加わりました。メール、カレンダー、タ スク、個人アドレス帳、ジャーナルのデータについて同期を取ることができるほか、メールの送信も可能です。 この機能を利用するには、8.0.1に追加されたLotus Notes Traveler用のタスクを、Lotus Dominoサーバーで動作させます。 この詳細については次回以降に解説します。
リソース
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||