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IBM Lotus Connections のデプロイ: プランニングおよびアーキテクチャーの考慮事項 |
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レベル:中級 原文の掲載:2007年7月31日 2007年9月11日更新
この記事では、IBM Lotus Connections のデプロイメントを準備するときの最も一般的な手順について説明します。また、アーキテクチャーの概念および利用可能な代案の概要を示し、組織に適した Lotus Connections の正しいデプロイメントを計画できるようになります。この記事は、I/T アーキテクトおよび I/T スペシャリスト向けの内容になっています。 はじめにLotus Connections は、企業のニーズをサポートするよう調整された J2EE ベースのソーシャル・コラボレーション・サービス群を導入する IBM の新製品です。Lotus Connections は、独立した軽量の 5 つの機能で構成されています。これらの機能は、業務に応じて段階的にインプリメントおよび導入できると同時に、組織内へのデプロイ時に個々の機能が相互に対話することを可能にするシンプルで拡張性の高い統合フレームワークを提供します。 Lotus Connections の 5 つの機能は次のとおりです。
Lotus Connections は新しい製品のため、デプロイメントの計画を立てる手順はほとんど知られていません。この記事の目的は、アーキテクチャーの概念および利用可能な代案の概要を説明し、組織に適した Lotus Connections の正しいデプロイメントを計画できるようにすることです。
Lotus Connections の機能のアーキテクチャーそれでは、機能のアーキテクチャーについて、論理および運用の両面から見ていきましょう。 機能の論理アーキテクチャー
Lotus Connections の機能の論理アーキテクチャーを図 1 に示します。アーキテクチャーは次のもので構成されています。
図 1. Lotus Connections の論理アーキテクチャー ![]() Lotus Connections は、REST プロトコルおよび Atom 標準に基づく API を通じて、標準 Web ポート上でさまざまなタイプのクライアントに機能を提供します。機能にアクセスするいくつかの方法 (ブラウザー・アクセス、IBM Lotus Sametime 7.5 または IBM Lotus Notes 8 用のアプリケーション・プラグインなど) はネイティブに提供されますが、API は、ユーザー自身のカスタム・アプリケーションから Lotus Connections 情報を作成、更新、照会、および管理できるように設計されています。 Lotus Connections REST API は構造的に HTTP に似ているだけでなく (実際に、HTTP は REST ベースのプロトコルです)、標準 Web サーバーと同じトランスポート・レイヤーを使用するため、機能への呼び出しは、標準 Web サーバーおよびプロキシー・サーバーと互換性があります。 この API により、POST、PUT、および DELETE の各メソッドを使用し、サービス・データを HTML 形式または XML Atom 文書にカプセル化することで、情報を入力および管理できます。情報は GET メソッドを使用して取り出すことができ、要求側のクライアントのニーズに応じて HTML または XML Atom 文書としてレンダリングできます。 たとえば、次の URL は、ユーザーのブックマークを取得するドッグイアの REST 呼び出しを示す異なる 2 つの例です。最初の URL は情報を HTML 形式で取得します。2 番目の URL は Atom フィードとして取得し、ユーザーのブックマークのサブセットだけを選択するフィルターを追加します。 http://dogear.ibm.com/html?user=Jane_Roe@us.ibm.com
クライアントによってアクセスされる 5 つの機能に加え、Lotus Connections には 4 つの共通ユーティリティー・モジュールがあります。
また、Lotus Connections は次のような主要バックエンド・サービスで構成されます。
運用アーキテクチャー Lotus Connections を構成する主なデプロイメント・コンポーネントを図 2 に示します。これらは、最小限必要なコンポーネントです。事例によっては、コンポーネントが同じ物理サーバー上に共存することがあります。たとえば、HTTP サーバーを IBM WebSphere Application Server とは異なる物理装置にインストールすることは、一般的にデプロイメントでのベスト・プラクティスですが、使用度が低い状況では、HTTP サーバーを同じ物理装置にインストールすることが適しているケースもあります (たとえば、開発またはテスト・サーバーとして使用したり、小規模な概念検証 (Proof of Concept) またはパイロット用のデプロイメントを行う場合など)。 図 2. Lotus Connections の運用コンポーネント ![]() Lotus Connections には、そのホスト・プラットフォームとして、Microsoft Windows または Linux 上で実行されている WebSphere Application Server V6.1 が必要です。1 つの機能をインストールすることも、複数の機能を同じ物理インスタンス上の異なるアプリケーション・サーバーにデプロイすることもできます。さらに、会社で可用性の高い環境が必要な場合、または大量のユーザーがいる環境へのデプロイメントをサポートするよう Lotus Connections にスケーラビリティーが求められる場合は、ネットワーク・デプロイメント・クラスターの一部である複数の物理サーバーにわたって機能をデプロイすることが可能です。 Lotus Connections では、IBM Tivoli Directory Server V6.1 と Microsoft Active Directory 2003 の 2 つのディレクトリー・サーバーがサポートされています。IBM Lotus Domino および Sun Java System Directory Server など、それ以外の LDAP ディレクトリーは今後のメンテナンス・リリースでサポートされる予定です。 (サポート情報は、記事執筆時のものです。最新のサポート情報は弊社営業までお問い合わせください。) Lotus Connections のデータベースは、IBM DB2 V9.1 または Oracle 10g のいずれかでホストできます。DB2 では、各サービスのデータはそれぞれ個別のデータベースに保存されます。Oracle 10g では、プロフィールおよびアクティビティーのデータは個別のデータベース・インスタンスに保存されるのに対し、ブログ、コミュニティー、およびドッグイアのデータは 1 つのデータベース・インスタンスを共有する個別の表に保存されます。ほとんどのデプロイメントでは、プロフィール・データベースの作成に使用された Tivoli Directory Integrator V6.1 アプリケーションは、データベース・サーバーと共存しています。 前述のように、特定のデータは、データベース外部で Lotus Connections の機能がアクセスできるファイル・システムに保存されます。これらのファイル・システム・コンポーネント (索引および添付ファイルなど) は、WebSphere Application Server に装着されたドライブに保存される必要があります。クラスター化された WebSphere Application Server 環境にデプロイする場合、各クラスター・インスタンスは、共通ファイル・サーバー上のファイル共有または企業ネットワーク・ストレージ・デバイスへのアクセス権を持たなければなりません。 アクティビティー機能では、ファイル保存のオプションとしてもう 1 つの方法が可能です。添付ファイルおよびコンテンツをファイル・システムに書き込む代わりに、Lotus Domino サーバー上でホストされる Lotus Domino の NSF ファイルを使用するようアクティビティーを構成できます。このオプションは、Lotus Connections がスタンドアロン環境にインストールされているか、クラスター環境にインストールされているかにかかわらず、利用できます。
デプロイメント・アーキテクチャーおよびスケーラビリティー・オプションLotus Connections は、非常に柔軟なデプロイメント・シナリオをサポートするよう設計されています。たとえば、IBM Lotus Notes 8 のロールアウトをサポートするために、アクティビティー機能など、1 つの機能だけを組織にデプロイすることができます。一方、企業全体にデプロイする場合は、クラスター環境を構築し、組織内で最も使用率の高い機能に複数のノードを割り当てることもできます。 テスト・システムおよび POC 環境 使用度が低いシナリオ (たとえば、会社の開発組織によって使用されるテスト・システムや限定された概念検証など) に適した Lotus Connections の最小限のデプロイメント・トポロジーを図 3 に示します。 図 3. テスト/概念検証用のデプロイメント・トポロジーのサンプル ![]() このトポロジーについて説明します。
Lotus Connections の各機能は、それぞれ固有のアプリケーション・サーバーを持つため、これらのサーバーはインストールの前に作成しておく必要があります。スタンドアロンの WebSphere Application Server を使用する場合、最も簡単なアプローチとしては、デフォルトの server1 アプリケーション・サーバーをそのまま残して WebSphere Application Server Console をホストし、インストールされた特定の Lotus Connection 機能をホストするために、同じアプリケーション・サーバー・プロファイルに新しいアプリケーション・サーバー・インスタンスを作成します。 <WAS_ROOT>/AppServer/profiles/<profile>/wsadmin.sh (or wsadmin.bat)
たとえば、アクティビティー、プロフィール、およびドッグイアをホストする 3 つのサーバーを Linux サーバー上でセットアップするには、リスト 1 に示すコマンドを発行します。 リスト 1. ホストするサーバーのセットアップ
これらのコマンドは、それぞれが異なるサービス・ポートのセットを持つ 3 つのサーバーを作成し、その設定を WebSphere Application Server プロファイルの構成に保存します。 小規模な実動システム 組織内で 1 つまたはすべてのサービスが使用される小規模な実動デプロイメントに適した Lotus Connections のデプロイメント・トポロジーを図 4 に示します。このようなシステムは、デプロイされるサービスおよびシステムの使用状況に応じて、比較的大量の登録ユーザーをサポートできます。 図 4. 小規模な実動デプロイメントのトポロジーのサンプル ![]() このトポロジーについて説明します。
メモ: この構成は基本的な実動デプロイメントをサポートしますが、システム・フェイルオーバー用の冗長性またはユーザー・ロードの増加に応じて規模を拡大する機能は提供しません。これを行うには、次のセクションで説明するように、クラスターによるソリューションが必要です。 エンタープライズ・デプロイメントおよびスケーラビリティー・オプション エンタープライズ・デプロイメントに適した Lotus Connections のトポロジーを図 5 に示します。この構成は、運用の高可用性およびフェイルオーバーをサポートするコンポーネント冗長性を提供するとともに、大量のシステム・ロードおよび同時利用ユーザーをサポートするよう Lotus Connections 機能をスケーリングする方法も提供します。 図 5. エンタープライズ・デプロイメントのトポロジーのサンプル ![]() このトポロジーについて説明します。
Lotus Connections のパフォーマンスを向上させる重要な方法の 1 つとして、キャッシュがあります。Lotus Connections へのネットワーク・トラフィックの 70% は、プラグインおよび RSS/Atom リーダーのフィードのポーリングによるものです。フィードは、プロキシーをキャッシュすることで提供できます。これにより、WebSphere Application Server から不要なトラフィックの負荷を軽減できます。 非常に大規模なデプロイメントおよび最大のスケーラビリティーが必要な場合は、Lotus Connections の各機能をそれぞれ専用のクラスターに置くことを考慮するとよいでしょう。このアプローチにより、5 つのすべての機能をまとめたスケーリングではなく、各機能ごとのスケーリングが可能になります。 たとえば、組織でアクティビティー機能とコミュニティー機能をインプリメントするときに、アクティビティーの使用度がコミュニティーの使用度を大幅に上回っているケースがあります。このような場合は、2 サーバー構成のクラスターでコミュニティーをホストし、冗長性をサポートできます。一方、アクティビティーについては、ユーザー・ロードをサポートするために 4 サーバー構成のクラスターが必要となるでしょう。
Lotus Connections のデプロイメントのプランニングLotus Connections の機能は幅広い用途を持ち、さまざまなビジネス要件をサポートするよう構成できます。Lotus Connections のデプロイメントを成功させるには、組織のビジネス・ニーズをデプロイメント・アーキテクチャーに対応づける慎重なプランニングが必要です。 望ましいサービスとユーザー数 Lotus Connections のデプロイメントをプランニングする最初のステップは、どのサービスをデプロイする必要があるのかを決めることです。一度にすべてのサービスをデプロイすることは可能ですが、ほとんどのケースでは、1 つの機能を完全にデプロイして動作させた後、次のデプロイに進む手順の方がより実践的です。デプロイメントの順序は、ビジネスでの重要度に基づく必要があります。たとえば、ある組織ではグローバル・プロジェクトのスタッフ配置をサポートするために、専門知識を検索するサービス (プロフィールなど) が重要でしょう。また、別の組織では、アクティビティーのワーク・シェア機能を活用し、ワークグループ全体でタスクを管理し、プロセスのベスト・プラクティスを把握する必要があるでしょう。 もう 1 つ考慮しなければならないのは、ターゲットのユーザー数を判断し、ユーザーがどのようにシステムを使うのか理解することです。ユーザー数に関する主な考慮事項は次のとおりです。
また、インストールおよび実装に関する主な考慮事項として、次の点を理解することも重要です。
主要なサポート・システムとの統合 Lotus Connections のすべての機能の中で、プロフィールは、実装について最も多くの技術的なプランニングを必要とします。これは主に、プロフィール・データ・ストアにユーザー情報を他のソースからプリロードしなければならないためです。初期プランニングを行う際の主な考慮事項は次のとおりです。
ユーザー・データ・ソースを識別し、検証することは、プロフィールをセットアップする上で重要です。通常、これに該当するのは組織の LDAP ディレクトリーですが、組織の人事データベースなど、他の場所からこのデータを抽出することが必要になる場合もあります。 プロフィール・ユーザー・データのロードを促進するために、Lotus Connections には、Tivoli Directory Integrator V6.1 とあらかじめ構築された Tivoli Directory Integrator のアセンブリー・ライン、構成ファイル、およびコマンド行スクリプトのセットが含まれています。主要スクリプトは、Tivoli Directory Server V6.1 または Microsoft Active Directory 2003 からのユーザー情報の抽出をサポートするよう設計されています。また、写真、ユーザー名の発音を含む AVI ファイル、ロケーション・コード用の詳細データなどをロードする追加スクリプトも提供されています。 Tivoli Directory Integrator が、サーバー・モードで使用するアセンブリー・ラインもあります。これにより、変更が行われたときに、Tivoli Directory Integrator はソース LDAP とプロフィール・データ・ストアをポーリングし、同期を実行します。 ユーザー・データのソースが、サポートされている LDAP ディレクトリーに存在しない場合は、他のソースからデータを抽出するカスタム・アセンブリー・ラインを作成できます。組み込みの TDI コネクターにより、システム管理者は LDAP ディレクトリー、リレーショナル・データベース、ファイル・システム・リソースなどとの間でデータの読み取りおよび書き込みを実行できます。また、カスタム・スクリプトを作成し、ターゲット・システムにデータが書き込まれる前に、データを解析して操作することもできます。多くの場合、カスタム TDI アセンブリー・ラインは、ほんの数時間ほどで作成しテストできます。 さらに、データ・ソースの管理者と協力してデータへの適切なアクセス権を Lotus Connections に付与したり、データ・ソースの管理者および Lotus Connections の管理者の間でデータの更新と同期について同意があることが重要です。 組織内への Lotus Connections の導入 Lotus Connections は強力なソーシャル・ネットワーキング・ツール群を提供しますが、人々が参加しないソーシャル・ネットワークはありえないことを肝に銘じる必要があります。ツールを実装すると、組織内の人々はそれを自動的に採用するという考えは誤りです。組織内には、パブリックなソーシャル・ネットワーキング・ツールを使用した経験がある人もいれば、最初はそのようなツールの価値に気付かず、通常の作業を方法を変えたがらない人もいます。これは、他のコラボレーション・ツールを会社に導入したときの経過 (たとえば、電子メールやインスタント・メッセージングの最初の導入時など) にたいへんよく似ています。 導入をうまく促進するには、組織内にソーシャル・ネットワーキングの使用を紹介する、献身的なボランティアによる強固なコミュニティーが必要です。このコア・グループが組織のソーシャル・ネットワーキングのエバンジェリストとなり、一緒に働く人々の間にこのツールを導入することを推進します。適切な啓発を行うことにより、ソーシャル・コンピューティングは急激に普及することがあります。つまり、業務での価値や個人に対する価値が明らかになるにつれ、チームおよび部署内に迅速に浸透します。 デプロイメントを成功させるポイントを以下に示します。
ユーザーによる Lotus Connections の導入をサポートすることに加え、プランニングの段階で、コンテンツおよびコミュニティー管理者を定義する必要があります。これらの役割は、組織内でのソーシャル・ネットワークの導入と管理に直接の責任を持つユーザーまたはグループを意味します。これらの役割を持つ人々は、次のことを実行します。
まとめLotus Connections は新製品ですが、部署内での小規模なシステムからエンタープライズ・デプロイメントに至るまで、さまざまなデプロイメント・オプションをサポートするよう綿密に設計されています。Lotus Connections はパブリック API を提供するため、Lotus Connections の機能と社内 IT 環境内の他のコンポーネントを迅速に統合できます。適切なプランニングを行うことにより、組織のビジネス・ニーズに適合するデプロイメント・アーキテクチャーを開発できるとともに、ユーザーへのテクノロジーの浸透も促進されます。
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