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IBM Lotus Dominoメール・データベースの制限値の概要 |
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レベル:中級 原文の掲載:2006年8月29日 この記事では、メールの制限値を実装することにより、メール・データベースのサイズを制御する管理チームの能力(IBM Lotus Domino環境の管理に不可欠な機能)がどれほど向上するかについて説明します。制限値の実装に必要な手順とユーザー・コミュニティーへの影響についても説明します。 メール・データベースとメール・リソースがサーバー上で占有するサイズは、多くの企業にとって重要な関心事です。メール・データベースのサイズが大きくなると、管理チームによる環境のバックアップやメンテナンスの実施がより困難になります。さらに、プロセッサー、メモリー、ディスク入出力(I/O)、帯域幅といった要件の増大によって、データベースへのアクセス時に、サーバー上およびワークステーション上でユーザーがパフォーマンスの低下に気付くことがあります。メール・データベースのサイズを単に維持するだけでは、ユーザーやサーバーのパフォーマンスを最善の状態に保てないことを認識する必要があります。メール・データベースのサイズに加えて、ビュー(特に受信ボックス)内の文書の数も、パフォーマンスを低下させる原因になります。 企業は、法律上の理由から電子メッセージの保管に関する規制がますます厳格になる状況に直面しており、メール・データベースのサイズを制御する適切な対策を立てるのは難しい問題です。この記事では、適正なメール・データベース・サイズの維持管理に役立つ制限値の利用に焦点を当てています。法的な要件を順守するには、単に制限値を実装するだけでなく、適切なメールのジャーナリングとアーカイブ機能を実装することも重要です。 IBM Lotus Domino環境では、制限値の実装に柔軟性を持たせるため、多数の異なる設定が可能になっています。メール制限値の基本設定では、最大サイズの制限と警告のしきい値を設定します。制限値に達した後でも、ユーザーはメッセージの送受信や管理を行うことができます。ただし、新しい送信メッセージやドラフトの保存、メッセージのコピー、新しい設計要素のメール・データベースへの追加など、メール・データベースのサイズを増やすような変更を行うことはできません。さらに高度な設定では、メール・データベースが制限値を超えている間は新しいメッセージの送受信ができないようにルーターの機能を制限できます。 制限値を設定する際に、メール・データベースのサイズが設定しようとしている制限値を下回っていなければなりません。制限値を超えている場合、制限値は適用されません。例えば、メール・データベースが125 MBの状態でデータベースの制限値を100 MBに設定しようとした場合、メール・データベースのサイズが100 MBより小さくなるまでこの制限値は適用されません。この場合はエラー・メッセージが表示されるので、データベースのサイズを大きくしてください。 データベース制限値の要素このセクションでは、メール・データベースの制限値の標準的な設定や、メール・ルーターを利用して制限値の適用の機能を強化する方法など、データベース制限値のプロセスの要素について説明します。さらに、メール・データベースのサイズ制限、ユーザー・エクスペリエンスに影響を与える一時的削除や圧縮などのデータベースの要素、警告しきい値または制限値に達したメール・データベースを管理チームが把握する際に役立つサーバー・ログのメッセージについても説明します。 メール・データベース制限値の標準設定デフォルトでは、メール・データベースに制限値を設定しても、メール・ルーターはメッセージの送受信などにより、引き続きユーザーにメールを配信します。これにより、ユーザーはメール・データベースを使用して新しい受信メッセージを表示したり、そのメッセージに返信したりできます。ただし、送信済みのメッセージの保存、ドラフト文書の保存、新しいカレンダー・エントリーの追加、ビューなどの新しいデータベース要素の作成はできません。 メール配信の拡張設定サーバー設定文書を使用してLotus Domino環境を設定し、メール・データベースにメッセージを配信するユーザーの機能をメール・ルーターによって制限することができます。この場合でもユーザーはメッセージを送信できますが、送信済みメッセージやドラフトの保存など、データベースのサイズを増やすような機能は実行できなくなります。組織のニーズに合わせて、配信の設定をカスタマイズできます。 データベース・サイズの制限テスト済みのLotus Dominoデータベースの最大サイズは64GBです。実際には、基盤となるオペレーティング・システムによって制限されます。これは最大サイズであり、実際のサイズはメール・ファイルの置かれる環境によって異なります。オペレーティング・システム、プロセッサー、メモリー、データ・ストレージなどに応じたサーバーのサイズによって実際の最大サイズが決定されます。受信ボックスのサイズがサーバーのパフォーマンスに与える影響など、詳細については、developerWorks Lotusの記事『Lotus Notesの大きなメール・ファイルに対するベスト・プラクティス(US)』を参照してください。 一時的削除とメール・データベース・サイズの削減メール・データベースで一時的削除が使用できる場合(リリース7のメール・テンプレートに基づくメール・ファイルのデフォルト)、メッセージを削除してもただちにメール・データベースのサイズが減るわけではありません。メッセージは、一時的削除が設定された期間はメール・データベース内に残ります(デフォルトでは、メッセージは48時間後に期限切れとなるよう設定されています)。メッセージをただちに削除するには、メール・データベースの「ごみ箱」フォルダーを開き、メッセージを選択して「選択した文書を削除」ボタンをクリックするか、「ごみ箱を空にする」ボタンをクリックしてすべてのメッセージを削除します。 制限値に関係するLOG.NSFのメッセージデータベースがデータベース制限値に関連したある一定のしきい値に達すると、サーバーのLOG.NSFの「Miscellaneous Events」ビューに次のメッセージが表示されます(データベースを開いたときにも表示されます)。
メール・データベースの制限値の設定このセクションでは、メール・データベースの制限値を設定する際に、メッセージングの管理チームで使用できる別のオプションについて説明します。ここで説明するオプションには、登録時に使用するポリシーと、メール・データベースの作成後に手作業で使用するポリシーがあります。 ポリシーによる登録時の制限値の設定Lotus Domino環境内でユーザーを作成する場合、通常は登録ポリシーを利用して登録プロセスを簡略化します。登録ポリシー文書には、メール・データベース制限値を管理するセクションがあります。 最初のオプションは、実際のデータベース制限値を設定するオプションです。データベースがこの最大値に達すると、ユーザーに制限値エラーが送信されます。2番目の設定は、メール・データベースの警告のしきい値です。このしきい値により、ユーザーへの警告メッセージがトリガーされます。警告のしきい値として適切な値(一般に、制限値の75から90パーセント)を設定し、制限値に達する前にメール・データベースのサイズを縮小するのに十分な時間をユーザーに与えることが重要です。警告のしきい値と制限値が近すぎる場合、1つのメッセージによって、しきい値の警告と制限値の超過の両方のアクションがトリガーされてしまう可能性があります。登録ポリシー設定の詳細については、『Lotus Domino 7 Administratorヘルプ』の『登録ポリシー設定文書を作成する』のトピックを参照してください。 これらの設定を行うには、Lotus Notesクライアントを使ってDominoディレクトリを開いてください。「設定」フォルダーの「ポリシー」-「設定」ビューで「設定の追加」ボタンをクリックします。ボタンのドロップダウン・リストから「登録」を選択します。登録設定文書で「メール」タブを選択します。「メールの詳細オプション」セクションで、「データベース制限値の設定」オプションと「警告限界値の設定」オプションを有効にし、適切な値を入力します(図1を参照)。「保存して閉じる」をクリックして、登録設定文書を閉じます。 図1. 登録設定文書の「メールの詳細オプション」セクション Lotus Domino Administrator クライアントからユーザーを登録する際に、「ユーザー登録」ダイアログ・ボックスでメールの制限値と警告限界値を設定できます。詳細オプションを選択すると、「メール」タブが左側のナビゲーターに表示されます。これをクリックすると、図2に示すダイアログ・ボックスが表示されます。「メールデータベース制限値の設定」オプションと「警告限界値の設定」オプションを選択し、適切な値を入力します。ユーザーの登録後、制限値が適用されます。 図2.「ユーザー登録」ダイアログ・ボックス メール・データベースの制限値を設定または変更するには、次の手順を実行します。
制限値とユーザー・エクスペリエンスユーザーのメール・データベースがしきい値または制限値に達すると、メール・データベース・サイズの縮小を求めるエラー・ダイアログ・ボックスが表示されます。 しきい値超過の警告メール・データベースに警告しきい値を設定している場合、データベースを開くか、ユーザーがドラフトまたは新規の送信済みメッセージを保存しようとすると、次のエラーが表示されます。 IBM Lotus Domino Web Access上では、それほど目障りではありません。クライアントにはメール・データベースのサイズを示すインジケーターがあり、色が警告のしきい値を示す赤に変化します(図4を参照)。 図4. Lotus Domino Web Accessの警告しきい値のインジケーター 制限値超過の警告 メール・データベースのサイズがしきい値を超えた後で保存対象のメッセージをユーザーが送信しようとすると、次のエラーが表示されます。 ユーザーがLotus Domino Web Accessクライアントを使用してメッセージを送信しようとすると、次のエラー・メッセージが表示されます。 「Domino Web Access Warning ユーザーは、次に説明する圧縮の手順を実行してメール・データベースのサイズを減らし、制限値の警告を受けないようにする必要があります。
メール・データベースの圧縮ユーザーは、メッセージを削除するかごみ箱を空にした後、サーバー上のメール・データベースを圧縮する必要があります。通常、Compactタスクは業務時間外にサーバー上で実行されるため、ユーザーは自分のデータベースを手動で圧縮します。次のセクションでは、手動の圧縮プロセスとサーバー・ベースのCompactタスクについて説明します。 ユーザーによるメール・データベースの圧縮サーバー上のメール・データベースの圧縮を手動で行い、データベースのサイズが制限値に収まるように調整します。手動による圧縮は、次の手順で実行します。
図5.「データベースのプロパティ」の情報タブ Compactタスクが完了すると、メール・データベースを使用できます(圧縮オプションはLotus Notes のフルクライアントからのみ使用できます)。 トランザクション・ログが有効の場合とトランザクション・ログが無効の場合では、手動圧縮アクションの動作が異なります。特に、強制的に制限値を適用する場合、サーバー文書の「トランザクションログ」タブの「制限値の適用」フィールドで「追加するときにファイルのスペースをチェックする」オプションを選択することにより、サーバーがデータベース内の未使用領域を無視するようにします(図6を参照)。 図6.「トランザクションログ」タブ サーバー上の圧縮の設定 サーバー上にCompactタスクを設定すると、メール・データベースの管理が容易になり、前述の手動による圧縮手順を行う必要がなくなります。次の手順は、サーバー設定文書でCompactタスクを設定するプロセスの概要です。
図7. Compactプログラム文書の例 Compactタスクの実装時に使用できるスイッチの詳細については、「Lotus Domino 7 Administratorヘルプ(US)」の『圧縮オプション』を参照してください。
ルーターを使用した制限値の適用の強化制限値を超えたユーザーへのメールの配信を制限する場合、ルーターに関連する設定を変更すると、さらに厳密な適用が可能になります。 制限値を強制するルーター・パラメーターの設定ルーターから制限値を適用するには、次の手順を実行します。
ここで行った変更が有効になるのは、ルーターの設定が次に更新された後です。これは、サーバー・コンソール上でtell router quitコマンドを入力すると実行されます。ルーターが終了した後で、load routerコマンドを入力します。これにより、ルーターは設定変更を使用して制限値を適用します。
ルーターが強制する制限値とユーザー・エクスペリエンスルーターによって強制される制限値が設定されている場合でも、ユーザーのメール・データベースがしきい値または制限値に達すると、メール・データベース・サイズの縮小を求めるエラー・ダイアログ・ボックスが表示されます。ユーザーから見た違いは、さらなる確認として制限値を超過していることを通知する電子メール・メッセージを受信することです。 しきい値超過の警告メール・データベースが警告しきい値を超えると、ユーザーがメール・データベースを開いたときにエラー・メッセージが表示され、さらに図9に示す割り当て警告レポートという件名のメッセージを受信します。 図9. 割り当て警告レポートのメール ![]() 制限超過エラー 同様に、メール・データベースが設定済みの制限値を超えると、ユーザーがメール・データベースを開いたときにエラー・メッセージが表示されます。メール・データベース内で、ユーザーは図9に示す「制限超過エラー」という件名のメッセージを受け取ります。 このメッセージは、メール・データベースの現在の状況に関する情報から構成されています。図11に例を示します。ここでは、「常に配信(制限を無視)」オプションが選択されています。(「レポートを受信した場合には」の部分に、新規メッセージが引き続き配信されることが記載されています。) 図11.「常に配信(制限を無視)」オプション選択時の「割り当てレポート」の例 図12.「作成者へ配信しない」オプション選択時の「割り当てレポート」の例 図13. 送信エラー・レポートの例
制限値を実装するケース・スタディー環境ごとに独自の要件があることを理解するのは重要です。したがって、あらゆる企業に適用できる標準的な組み合わせや推奨事項を示すのは困難です。次のケース・スタディーは、制限値を適切に設定する際の参考になります。 XYZ社では、メール・データベースに必要なストレージが増大しています。最近、ITチームと法務部門が連携して、全社の環境で取り交わされるすべてのメッセージを取得するメッセージ・ジャーナリング・システムをデプロイしました。ITチームは、ユーザー・メッセージのアーカイブ処理を自動化しても解決策にはならず、ユーザーによるメール・データベースの管理が最適な対策であると判断しました。また、Lotus Dominoベースの制限値を実装して、データベース・サイズの最小化をはかることにしました。 ITチームが自社の現在の使用パターンを評価した結果、全社のメール・データベースの平均サイズは234 MBであることがわかりました。サイズから次の4つのグループに分類しました。
ITチームは、ユーザー・コミュニティーに与えるリスクを最小限にする制限値を実装する計画を作成するため、業務部門と打ち合わせを行いました。業務部門では、ルーターを使ってメッセージの流れを制限する制限値の実装は受け入れがたく、業務にリスクを発生させるのではないかと考えました。業務部門は、最もリスクの大きいユーザー(500 MB超)に個別に対処することは重要であると同意し、該当するユーザーのリストを提出するようITチームに求めました。 さらに業務部門は、ユーザーの制限値と制限値の90%に警告しきい値を設定すること、次に示す4段階のアプローチで実装することに同意しました。
ITチームは、登録されるすべての新規ユーザーに対して250 MBの制限値(225 MBの警告しきい値)を設定する登録ポリシーを作成しました。ITチームはサーバー上の全ユーザーを前述したカテゴリーに分類し、制限値の新しいシステムを開始するスケジュールを通知しました。新しい制限値の適用から6カ月が経過したところでITチームと業務部門は法務部門と話し合い、新しい制限値が会社にとって適切なものであることを確認しました。
まとめメール・データベースのサイズの制御は、IBM Lotus Domino環境の管理に不可欠な機能です。制限値を実装すると、管理チームによるメール・データベース・サイズの管理能力を高めることができます。この記事では、制限値の実装に必要な手順とユーザー・コミュニティーへの影響について説明しました。新しいポリシーを実装する場合、効果的かつ慎重な方法で実施することが重要です。また、ここで説明した情報が現在の環境で適用できるかどうかについては、「IBM Lotus Domino Administratorヘルプ」データベースで必ず確認してください。
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