本文へジャンプ

Lotus  >  Lotus Developer Domain  >  
 

Lotus Domino Web Access クライアントのパフォーマンスの改善

 
   
 
コンテンツ
Domino Web Access の要件
パフォーマンスの要因
テスト
6.5.3 と hotfix を組み込んだ 6.5.3 のパフォーマンスを比較する
エンド・ユーザーのパフォーマンスを改善する方法
まとめ
リソース
筆者について(原文のまま)
レベル:中級

Dana St. Clair
Principal Technical Writer, IBM Corporation
原文の掲載:2005年3月29日
原文はこちら


リリース 6.5.3 hotfix (Domino Web Access 6.5.4 以降に含まれています) を使用すると、Domino Web Access クライアントのパフォーマンスが大幅に向上します。システム管理者およびユーザーは、この記事を参考にして、パフォーマンスとユーザーの満足度を改善できます。

[編集者のメモ: この記事で解説するパフォーマンスの改善方法を活用するには、Lotus Notes/Domino 6.5.4 にアップグレードすることをお勧めします。しかし、Domino Web Access 6.5.3 hotfix を必要とするサポート契約をされているお客様は、入手方法について IBM Lotus サポートまでお問い合わせください。]

※注記
Hotfixは応急処置のために作成される修正モジュールであり、十分な製品品質テストが行われていません。そのため緊急度が認められる場合を除き、お客様への提供は行っておりません。本記事はHotfixについて触れていますが、安全にパフォーマンス向上を図るためには、6.5.4以降のメンテナンス・リリースを利用してください。

Domino ベースのメールファイルへアクセスする IBM 初の Web クライアントである IBM Lotus Domino Web Access (DWA) は、ダイナミック HTML (DHTML) を介して、優れたユーザー・エクスペリエンスを Microsoft Internet Explorer および Mozilla ブラウザーに提供します。Domino Web Access クライアントのパフォーマンスは、DHTML アプリケーションとして、サーバー・パフォーマンス、ネットワーク・パフォーマンス、およびクライアント設定によって左右されます。

Domino Web Access 6.5.3 hotfix (DWA 6.5.4 以降に含まれる) を組み込むことにより、Domino Web Access クライアントの応答時間が、hotfix のない DWA 6.5.3 よりも 30 〜 40 パーセント向上します (特に、ローエンドマシンで顕著です)。hotfix のほかにも、システム管理者とユーザーの両者がパフォーマンスを向上させるために採用できる方法があります。しかし、1 つの領域でパフォーマンスが向上すると、別の領域で予期せぬ影響が生じることもあります。正しい決定を行なうために、利用できるオプションを知り、決定によってどのような影響が生じるかを認識する必要があります。

この記事では、Domino Web Access 6.5.3 hotfix によるパフォーマンス改善の結果を紹介します。また、パフォーマンスを向上させるためにシステム管理者とユーザーが使用できる設定と、この設定から予想される結果についても説明します。
 
上に戻る
 

Domino Web Access の要件

メールファイルにアクセスする Domino Web Access ユーザーの基本的な要件は次のとおりです。
  • ユーザーが Domino Web Access メールテンプレート (INOTESx.NTF) を持つこと。推奨テンプレートは Domino Web Access 6 (INOTES6.NTF) です。

  • メールファイルが存在するサーバーで、HTTP サーバータスク (Domino Web サーバー) が実行されていること。
Notes ユーザーは、INOTES6.NTF を使用してメールファイルの設計を変更できます。変更後は、Web ブラウザーを使用してメールファイルにアクセスすることも、Notes Client からメールファイルを継続して使用してすべての機能を利用することも、どちらも可能です。

Domino Web Access の動作
Domino Web Access は次のコンポーネントを使用します。
  • Domino Web サーバー

  • ユーザーのブラウザー

  • インターネット・パスワード

Domino Web サーバーにはユーザーのメールデータベースが保存されます。このデータベースには、メッセージ、カレンダーエントリ、ビューなど、表示される個人情報が含まれています。このデータ (HTML と JavaScript) を表示するためのロジックとフォームは、共有フォームデータベース (FORMS6.NSF) と Web サーバーのコード自体で維持されています。共有フォームデータベースとサーバー・コードは、すべてのユーザーによって共有されます。

Web サーバーが Domino Web Access の HTTP 要求を受け取ると、共有フォームデータベース (FORMS6.NSF) から 適切なフォームをロードし、必要であれば、ユーザーのメールデータベースのデータを使用して HTTP 応答を生成します。 応答には、スタイル・シート、スクリプト・モジュール、画像などの他の要素への外部参照が含まれることがあります。 応答を受け取ると、Web ブラウザーは HTML と埋め込まれたすべてのスクリプト参照をロードして、 ページをレンダリングします。また、外部参照をロードする要求を発行します。外部参照の多くは、 変更されることがない UI 設計要素です。これらの要素はブラウザーのファイルシステム・キャッシュに保管されるので、 ブラウザーがネットワーク経由でこれらの要素をダウンロードするのは、一度だけです。要素の再ロードが必要な場合、 ブラウザーはキャッシュからそのコピーを取り出します。メッセージの本文などの機密内容は、 サーバーによってタグが付けられ、キャッシュされません。
 
上に戻る
 

パフォーマンスの要因

他の Web アプリケーションと同様に、ユーザーへの応答時間は次の要因の組み合わせに依存します。
  • クライアント・マシンの構成

  • ブラウザーから Web サーバーへ要求を送信するときのネットワーク転送時間

  • Web サーバーが要求を処理する時間

  • Web サーバーからブラウザーへ応答を送信するときのネットワーク転送時間

  • ブラウザーが応答を開いて処理する時間

  • ブラウザーでページをレンダリングするのに必要な要求の数

クライアント・マシンの構成

Domino Web Access の一連のリリースでは、JavaScript テクノロジーを使用して作成された新機能とリッチ・ユーザー・インターフェースが次々と追加されました。製品が成長した結果、これらのすべての機能をサポートするために、クライアントの推奨構成も変化しています。Domino Web Access はローエンド・マシンでもエラーなしに機能しますが、これらのマシンでのパフォーマンスは、メッセージング・ソリューションに必要なレベルに達しないこともあります。このため、推奨されるクライアント構成とともに、最小限のクライアント構成も定められています。

最小限のクライアント構成

リリース 6.5.3 では、最小限の Windows クライアント構成として、Pentium III、800 MHz、256 MB のシステムが推奨されています。しかし、リリース 6.5.3 パフォーマンス hotfix の場合、Domino Web Access の最小限のクライアント構成は、400 MHz、128 MB RAM となります。推奨される最小限の Linux クライアント構成は、Pentium III、500 MHz、192 MB のシステムです。

Domino のバージョン テンプレート プロセッサー・スピード メモリー
5.0.8 - 6.0.1 INOTES5.NTF 600 MHz 128 MB
6.0.2 - 6.5.3 INOTES6.NTF 800 MHz 256 MB
6.5.3 + Hotfix (Windows) INOTES6.NTF 400 MHz 128 MB
6.5.3 + Hotfix (Linux) INOTES6.NTF 500 MHz 192 MB

推奨されるクライアント構成

Internet Explorer 6.0 および Mozilla での Domino Web Access 用に推奨されるマシン構成は、Pentium IV、1 GHz、512 MB のシステムです。

Web サーバーの構成
Web サーバーの構成も Domino Web Access のパフォーマンスの 1 つの要因ですが、課題となるのはスケーラビリティ、ユーザー数、およびネットワーク速度です。これらの課題は、Domino Web Access に固有のものではありません。Web サーバーの構成に関する詳細な情報は、developerWorks: Lotus の Performance ページにある、サーバー・スケーラビリティとパフォーマンスについての多くの記事に掲載されています。
 
上に戻る
 

テスト

パフォーマンスをテストするために、Lotus Domino 6.5.3 とパフォーマンス hotfix を組み込んだ Lotus Domino 6.5.3 を使用して、Windows 2000 上の Internet Explorer 6.0 SP1 と SuSE Linux 上の Mozilla 1.7 の両方で、最も一般的な 16 の操作をテストしました。また、異なるクライアント構成でもテストを行ないました。実際の応答時間は、マシン、メモリーの容量、ネットワークの負荷と速度、Web サーバーの負荷、他のアプリケーションによって消費される処理時間によって変わります。

テストの方法
ユーザー・クライアントの応答時間を測定するテスト方法では、一般的なユーザーによる Domino Web Access の操作をシミュレートするよう考慮されています。クライアントサイドの応答時間は、ストップウォッチによって計測しました。応答時間とは、指定された操作をユーザーが開始してから、ブラウザーがページをレンダリングするまでの合計時間です。

すべてのパフォーマンス・テストは、Domino Server と クライアント・マシンだけを含むネットワーク上でシングル・ユーザーとして実施しました。これは、ネットワークの負荷による影響をパフォーマンスの要因から排除するためです。また、テストは、HTTPS でなく HTTP を使用し、Lotus Instant Messaging 機能をオフにして実施しました。応答時間は、GZIP を有効にした場合と、無効にした場合の両方で計測しました (GZIP の詳細については、この記事で後述する「GZIP 圧縮」のセクションを参照してください)。

テストの前に、ブラウザーの Web ページ・キャッシュを消去しました。この後で 16 の操作を各 1 回実行し、サーバーとブラウザーのキャッシュを生成しました。これは、一般的なユーザーによる Domino Web Access の操作をできるだけ忠実にシミュレートするためです。前にも説明したように、操作を最初に実行するとき、Domino Web Access は JavaScript ライブラリーをダウンロードします。これはキャッシュに保管されます。キャッシュされたコードはキャッシュ内で保持され、ブラウザーが閉じた後や、システムを再起動した後でも再利用できます。したがって、この操作を 2 回目に実行するとき、ブラウザーはキャッシュされているバージョンの JavaScript を使用します。

それぞれの操作は 5 回実行しました。これらの平均時間を計算して、応答時間としました。測定した 16 の操作は次のとおりです。

  • [1日] ビューを開く (7件のカレンダーエントリを含む)

  • [1週間] ビューを開く (22件のカレンダーエントリを含む)

  • [1ケ月] ビューを開く (22件のカレンダーエントリを含む)

  • [受信ボックス] ビューを開く (100件のメッセージを含む)

  • 新規メッセージを開く

  • 受信ボックスを送信者でソートする

  • 1人のユーザーにメッセージを送信する

  • メッセージ (23KB) を開く

  • 会議招集を開く

  • 履歴なしで返信を作成する

  • 返信を3人のユーザーに送る

  • 70KBの添付ファイルを含むメッセージを 1人のユーザーに送信する

  • 1KB の添付ファイルを含むメッセージを 1人のユーザーに送信する

  • 新規のカレンダーエントリを開く

  • 受信ボックスから 1通のメールを削除する

  • 1通のメールを受信ボックスからフォルダへ移動する

マシン・タイプによる影

hotfix を組み込んだ Domino Web Access 6.5.3 はローエンド・マシンでも予期したとおりに動作しますが、より新しく強力なマシンの方がパフォーマンスが良くなることは否定できません。ローエンド・マシンで GZIP を使用するとパフォーマンスが少し低下しますが、ハイエンドの 3 GHz のマシンではこの影響は無視できます。

hotfix を組み込んだ DWA 6.5.3 で、軽量 UI を使用してパフォーマンスを強化し、GZIP を有効にした場合と、無効にした場合の測定結果を次のグラフに示します。(メモ: 軽量 UI は標準 DWA UI のスケールダウン・バージョンで、リリース 6.5.3 hotfix のオプションです。詳細については、後述の「軽量ユーザー・インターフェース」セクションを参照してください。)

図 1. マシン・タイプ別の平均応答時間 (Internet Explorer)


図 2. マシン・タイプ別の平均応答時間 (Mozilla)

 
上に戻る
 

6.5.3 と hotfix を組み込んだ 6.5.3 のパフォーマンスを比較する

最も極端なケースで DWA 6.5.3 hotfix のパフォーマンスをテストするために、推奨される最小限のマシンで測定を実施しました。標準 UI を使用する DWA 6.5.3 の応答時間を基準にして、標準 UI を使用する hotfix 付き DWA 6.5.3 (hotfix) と軽量 UI を使用する hotfix 付き DWA 6.5.3 (hotfix) を比較しました。Mozilla 1.7 での応答時間は、標準ユーザー・インターフェース使用の場合は 41 パーセント向上し、軽量ユーザー・インターフェース使用の場合は 44 パーセント向上しました。Internet Explorer での応答時間は、標準 UI 使用の場合は 42 パーセント向上し、軽量ユーザー・インターフェース使用の場合は 48 パーセント向上しました。軽量ユーザー・インターフェースの詳細については後述の「軽量ユーザー・インターフェース」のセクションを参照してください。

400 MHz、128 MB のクライアント・マシン上の Microsoft Windows 2000 で Internet Explorer 6.0 SP 4 を使用した場合と、500 MHz、192 MB のクライアント・マシン上の SuSE Linux で Mozilla 1.7 ブラウザーを使用した場合の結果を下表に示します。応答時間はミリ秒単位で測定されています。

Mozilla Internet Explorer
操作 6.5.3
(標準 UI)
6.5.3 Hotfix
(標準 UI)
6.5.3 Hotfix
(軽量 UI)
6.5.3
(標準 UI)
6.5.3 Hotfix
(標準 UI)
6.5.3 Hotfix
(軽量 UI)
[1日ビュー] を開く (7エントリ) 8.07 5.05 4.69 4.86 3.91 2.86
[1週間ビュー] を開く (22エントリ) 7.33 4.73 4.49 5.56 3.86 3.27
[1ケ月ビュー] を開く (22エントリ) 10.37 7.93 7.26 7.92 4.45 3.52
[受信ボックス] ビューを開く 11.62 7.38 6.89 8.71 5.96 5.11
新規メッセージを開く 4.35 0.35 0.35 2.45 0.35 0.35
受信ボックスを [送信者] 列でソートする 5.33 3.14 3.08 3.48 2.41 2.39
1人のユーザーにメッセージを送信する 2.69 2.27 2.16 1.92 1.58 1.54
メールメッセージを開く 5.25 0.89 0.87 3.79 0.94 0.92
会議招集を開く 5.64 4.57 4.57 3.81 1.01 0.98
履歴なしで返信を作成する 4.48 3.76 3.62 3.11 2.61 2.57
返信を 3人のユーザーに送る 2.74 2.36 2.26 2.08 1.62 1.59
70KBの添付ファイルを含むメモを1人のユーザーに送信する 3.03 2.51 2.39 2.28 1.81 1.76
1KBの添付ファイルを含むメモを 1人のユーザーに送信する 2.88 2.43 2.32 2.01 1.73 1.69
新規のカレンダーエントリを開く 7.54 0.35 0.35 5.81 0.35 0.35
受信ボックスから 1通のメモを削除する 4.81 2.47 2.46 3.65 2.49 2.47
1通のメモをフォルダに移動する 5.62 3.36 3.28 3.83 2.76 2.62
平均 5.73 3.35 3.19 4.08 2.37 2.12

回線速度がパフォーマンスに与える影響

良いマシンによって良いパフォーマンスが得られるのであれば、同じことがネットワーク速度にも言えます。次のグラフに示すように、遅いネットワークはパフォーマンスに悪い影響を与えます。遅いネットワークでシステム管理者がパフォーマンス改善のために使用できる手段の 1 つに、GZIP 圧縮があります。GZIP は、データの圧縮により、特に遅い回線での速度を改善するために設計されているので、高速ネットワークまたは閉じられたネットワークでは、ほとんど影響を与えません。また、ブラウザーは受信したデータの圧縮を解除しなければならないので、低速のマシン (600 GHz 以下) では、GZIP 圧縮はマイナスの影響を与える可能性があります。ローエンド・マシンと遅いネットワークを含む環境では、GZIP の使用はパフォーマンスのトレードオフになることがあります。つまり、場合によっては、ネットワークの送信時間は改善しますが、クライアント・マシンにおける応答速度が低下します。GZIP の詳細については、後述の「GZIP 圧縮」のセクションを参照してください。

図 3. 回線速度別の平均応答時間

 
上に戻る
 
 
次のページへ