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Lotus Notes/Dominoの歴史



  第1部 Lotus Notesのアイデアはどこで生まれたのか〜リリース 4.0
  第2部 リリース 4.5〜Lotus Notes/Domino 7
  第3部 Lotus Notes/Domino 8

 
 
コンテンツ
初期の日々:アイデアの誕生
Lotus Notesの開発が始まる
リリース 1.0:スター誕生
リリース 2.0:より大きく、より良く
リリース 3.0:すべてのユーザーのためのLotus Notes
リリース 4.0:まったく新しい外観
developerWorks Lotus, Web team, IBM

レベル:中級
原文の掲載:2005年12月20日
更 新 日:2006年08月11日更新
原文はこちら(US)

Lotus Notes/Dominoは、Ray Ozzie、Tim HalvorsenおよびLen Kawellによって、イリノイ大学でPLATO Notesとしてスタートし、やがてDEC Notesへと移行しました。Lotusの創設者Mitch KaporはOzzieが作成したコラボレーション・プロジェクトの潜在能力を見抜いていました。以下は、その歴史です

Lotus Notes/Dominoは、複雑かつ成功したソフトウェアとして、長く変化に富んだ歴史を持っています。見方によっては、この歴史はコンピューター業界の発展そのものを映す鏡といえるでしょう。つまり、PC、ネットワーク、グラフィカル・ユーザー・インターフェース、通信とコラボレーション・ソフトウェア、そしてWebに関する開発と普及の歴史です。
Lotus Notes/Dominoは、これらの発展と共に歩み、重要な進化のそれぞれに影響を与え、そして影響を受けてきました。

この記事では、最も初期の概念と開発の段階から始め、発表されたメジャー・リリースを通じて、Lotus Notes/Dominoの歴史を簡単に振り返ります。この中で、次のものを取り上げます。

  • Lotus Notesのアイデアはどこで生まれたのか
  • Lotus Notesプレリリース開発
  • リリース 1.0
  • リリース 2.0
  • リリース 3.0
  • リリース 4.0 および 4.5
  • リリース 5.0
  • Lotus Notes/Domino 6 および 6.5
  • Lotus Notes/Domino 7

最後に、次の新しいバージョンであるHannoverに触れ、この製品の将来について考えてみます。

初期の日々:アイデアの誕生

少し驚くかもしれませんが、後のLotus Notes ClientおよびLotus Domino Serverへとつながるオリジナルの概念は、パーソナル・コンピューターの商用開発よりも10年近く前に登場しています。Lotus Notes/Dominoのルーツは、イリノイ大学のComputer-based Education Research Laboratory (CERL)で書かれた最初のコンピューター・プログラムの中に見いだすことができます。1973年、CERLはPLATO Notesと呼ばれる製品をリリースしました。当時、PLATO Notesに装備された唯一の機能は、ユーザーIDと日付を使用してバグ・レポートにタグを付け、他のユーザーによって削除されないように、ファイルを保護することでした。システム・スタッフは、画面の一番下で、問題レポートに返答することができました。このような、ユーザー間での安全な通信が、PLATO Notesの基本でした。1976年、PLATO Group Notesがリリースされました。Group NotesはPLATO Notesのオリジナルの概念を継承すると共に、ユーザーに次のことを可能にすることで、それを拡張しました。

  • 件名で分類されたプライベートなメモ・ファイルの作成
  • アクセス・リストの作成
  • 特定の日付以降に書かれたすべてのメモと返答の読み込み
  • 匿名メモの作成
  • ディレクター・メッセージ・フラグの作成
  • 文書内でのコメントの指定
  • 他のPLATOシステム間でのメモ・ファイルのリンク
  • 複数プレーヤーによるゲームの実行

PLATO Group Notesはポピュラーになり、1980年代まで続きました。しかし、IBM PCおよび MicrosoftによるMS-DOSが1982年に発売されると、PLATOのメインフレーム・ベースのアーキテクチャーは、コスト効率が低下しました。Group Notesは、他の多くの「メモ型(notes type)」のソフトウェア製品へと変革を開始します。

1970年代後半、Ray Ozzie、Tim Halvorsen、およびLen Kawellは、CERLでPLATOシステムに従事しました。全員がそのリアルタイム・コミュニケーションに感銘を受けています。その後、HalvorsenとKawellはCERLで習得した内容に基づいて、Digital Equipment CorporationでPLATO Notesに似た製品を作成しました。

同じ頃、Ray OzzieはPCベースのLotus Notes製品の開発に向けた提案に独力で取り組んでいました。最初は、アイデアを実現する資金を得られませんでした。しかし、Lotus Development Corporationの創設者であるMitch Kaporは、Ozzieのアイデアの将来性を見抜き、その開発にLotusの資金を投資することを決意したのです。Kaporのビジネスに対する洞察力、創造性、先見性は、Ozzieのビジョンを実現するために不可欠な要素でした。

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Lotus Notesの開発が始まる


1984年の終わり頃、OzzieはLotusとの契約および資金提供の元でIris Associates Inc.を設立し、Lotus Notesの最初のリリースを開発しました。1985年1月、Iris Associatesがスタートしてからまもなく、Tim HalvorsenとLen KawellがOzzieに合流し、すぐにSteven Beckhardtも続きました。全員が幅広い知識とビジョンを会社にもたらし、コラボレーションとメッセージング用のソフトウェアに非常に大きな関心を持ちました。その当時、このような概念は、せいぜい良くて斬新、最悪だと実現不可能と見られていました。彼らはPLATO NotesをモデルとしてLotus Notesを作りましたが、多くの強力な機能を持つように拡張しました。Alan EldridgeはDigital Equipment CorporationからすぐにIris Associatesに参加し、データベースとLotus Notesアーキテクチャーのセキュリティー機能に貢献しました。

Lotus Notesのオリジナルの構想には、オンライン・ディスカッション、電子メール、電話帳、文書データベースが含まれていました。しかし、当時のテクノロジーの状態では、2つの深刻な問題がありました。1つは、ネットワークが未発達で、現在と比べて低速だったことです。このため、開発者たちは当初Lotus Notesを、何らかの共有機能を持った個人情報管理ツール(PIM)として位置づけていました(たとえば、Organizerのようなものです)。もう1つは、PCのオペレーティング・システムが未発達だったことです。このため、Irisは、名前解決サーバーやデータベースなどを開発するために、システム・レベルのコードを大量に書かなければなりませんでした。最終的に、ネットワークの能力が高まるにつれて、IrisはLotus Notesをグループウェアと呼ぶようになりました。グループウェアという用語(やがて、Lotus Notes自体とほとんど同義とみなされるようになっていきます)は、ユーザー・グループ間で、コミュニケーション、コラボレーション、およびコーディネーションを強化するアプリケーションのことを示します。

この目標を達成するために、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)に接続されたPCで構成される、クライアント/サーバー・アーキテクチャーをユーザーに提供しました。各グループは、他のグループのサーバー・マシン(同じLAN上、または交換網経由)と通信する専用のサーバー・マシン(1台のPC)を設定できます。サーバーは、複製されたデータを介して情報を交換します(同じデータベースの多数のコピーが異なるサーバー上に置かれていて、Lotus Notesサーバー・ソフトウェアが継続的にこれらを同期しています)。これにより、ユーザーは同じオフィス内にいる同僚と情報を交換するときと同様に、支店にいる同僚とも情報を容易に交換できます。

創設者たちの構想は、最初のバーチャル・コミュニティーを作成するというアイデアにまで、すぐに発展しました。Irisのエンジニアリング部門の前の副社長Tom Diazは、「1984年にグループ・コミュニケーション・ソフトウェアを考えることは奇抜なことでした。当時、ほとんどの人が電子メール・システムに触れたことさえありませんでしたから。Lotus Notesは時代よりもはるかに先を進んでいましたね。商用としては最初のクライアント/サーバー製品でした」と語っています。

Lotus Notesのもう1つの主要機能は、カスタマイズでした。Tim Halvorsenによると、Lotus Notesの構造について早い段階から議論がありました。開発者たちは「製品内でアプリケーションを構築すべきか、あるいは、ユーザーが何を望んでいるのかわからないので、柔軟性を持たせて、ユーザーが作成できるようにすべきか」悩んでいた、と彼は語っています。最終的に、彼らは、ユーザーが必要に応じてアプリケーションを作成できるフレキシブルな製品を選択しました。このため、Lotus Notesのアーキテクチャーは構築ブロックによるアプローチを採用しています。ユーザーは、利用可能なさまざまなサービスを組み合わせることにより、グループ用のテキスト・アプリケーションを作成できます。「これが製品の成功に大きく寄与しています」とHalvorsenは語ります。これにより、お客様に「これ以外の方法ではできません」と言うことはありませんでした。Lotus Notesが業界の変化を乗り越えて生き残れたのは、フレキシブルな製品であり、ニーズの変化に応じて製品のユーザーがカスタマイズできるためです。

同じ頃、Apple Computerが、使いやすい新たなグラフィカル・ユーザー・インターフェースを持つMacintoshをリリースしています。これが、Lotus Notesの開発者にも影響を与え、新しい製品に、文字指向のグラフィカル・ユーザー・インターフェースが組み込まれました。

中心となる開発作業は2年以内にほとんど完了しましたが、クライアントとサーバーのコードをWindowsオペレーティング・システムからOS/2へ移植するために、もう1年を費やしました。この期間に、Irisの開発者たちはLotus Notesを使用して、Lotusのユーザーとリモートにコミュニケートしています。Halvorsenは、「毎日単に製品を使用することが、主要機能の開発につながりました」と語っています。たとえば、2つの異なる場所でデータを同期する必要性があり、これをもとに、開発者たちが複製を発明しました。「これはオリジナルの計画にはありませんでした。問題が起きたので、それを解決したのです」とHalvorsenは語ります。

現在の基準に照らし合わせると、Lotus Notesの開発には長い時間がかかっています。しかし、Steve Beckhardtによると、この開発期間の延長がLotus Notesの成功をもたらしています。これにより、Lotus Notesは市場に真のコンペティターを持たない非常に強固なアプリケーションに仕上がりました。

1986年8月、すべての独自機能を披露し、準備段階のドキュメントを用意する状態まで製品は完成しました。Lotusの最初の内部ユーザー用に製品を出荷する準備が整いました。この時点で、Lotusは製品を評価し、受け入れました。そして1987年、LotusはLotus Notesの権利を買い取りました。

Lotus Notesは、その最初のリリース以前から成功を収めていました。Price Waterhouseの社長はLotus Notesのプレリリースのデモを見て大きな感銘を受け、10,000本を購入しました。当時、それは単一ソフトウェア製品として最大のPC売上でした。Lotus Notesの最初の大きな顧客として、Price Waterhouseは、Lotus Notesはビジネスの進め方を変革するであろうと予測しました。現在、彼らの考えが正しかったことが証明されています。

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リリース 1.0:スター誕生

Lotus Notesの最初のリリースは1989年に出荷されました。最初の年に、Lotus Notesは35,000本を超える売上を記録しました。Lotus Notes Clientには、DOS 3.1 または OS/2 が必要でした。Lotus Notes Serverには、DOS 3.1、4.0、またはOS/2のいずれかが必要でした。

図1. リリース 1.0の画面


リリース 1.0には、グループ・メール、グループ・ディスカッション、およびグループ電話帳などの「すぐに使用できる」アプリケーションが用意されていました。また、Lotus Notesには、カスタム・アプリケーションの作成を支援するテンプレートもありました。Notesを使用してカスタマイズ可能なアプリケーションを設計する機能により、Lotus Notesアプリケーションを設計するビジネス・パートナーのコミュニティーが登場しました。今日では、数千もの会社がLotus Notes上で実行される独自のソフトウェア製品を作成していますが、創設者たちはLotus Notesが「開発者の製品」になるとは予測していませんでした。彼らが想定していたのは、箱から取り出してすぐに使える、市販パッケージのPCコミュニケーション製品だったのです。実際には、両方の使われ方をしました。

リリース 1.0には、次の機能が含まれていました。その多くは、1989年の時点で革新的な機能でした。

  • RSA公開鍵技術を使用した暗号化、署名、認証。このように文書をマーク付けすることにより、文書の受信者は、送信中に文書が改ざんされていないことを明確に検証できます。Lotus NotesはRSA暗号方式を使用する最初の重要な市販製品であり、この観点から、ユーザーはLotus Notesの主要機能はセキュリティーであると考えました。
  • ダイヤルアップ機能。対話的なサーバー・アクセスのためのダイヤルアップ・ドライバーの使用、ユーザーによるモデム文字列の使用、オペレーター経由の呼び出しのサポート、電話呼び出しのアクティビティーと統計の自動ロギング、といった機能も含まれます。
  • インポート/エクスポート機能。Lotus Freelance Graphicsメタファイルのインポート、構造化ASCIIのエクスポート、Lotus 1-2-3/Symphony ワークシートのエクスポートの各機能も含まれます。
  • 新規ユーザーを簡単に設定できる機能。システム/サーバー管理者によるユーザー・メールボックスの作成、アドレス帳でのユーザー文書の作成、ダイアログ・ボックスを介したユーザーIDの認証などの機能も含まれます。また、ユーザーが個人用の配布リストを使用したい場合は、ユーザーの個人アドレス帳データベースを自動的に作成できます。
  • 電子メール・システム。ユーザーは、自分のメール・ファイルを開かずにメールを送信したり、受信確認の受信、新規メールの着信通知、メール・メッセージを作成するときの、あいまいな名前やスペルミスの自動修正などを行うことができます。
  • オンライン・ヘルプ。当時は、多くの製品で提供されていなかった機能です。
  • 式言語。Lotus Notesアプリケーションのプログラミングを容易にします。
  • 文書リンク。Lotus Notes文書間の「ホットリンク」アクセスを可能にします。
  • キーワード機能(チェック・ボックスとラジオ・ボタン)。
  • アクセス制御リスト(ACL)。各データベースへのアクセスを誰に許可し、どのようなアクセスを認めるのかを決定します。
  • データベースのリモート・レプリカを1箇所で集中管理する機能。データベース管理者の必要に応じて、この機能を使用できます。個々のエントリーではなく、ACL全体を1つのリストとしてデータベースのリモート・コピーに複製することができます。

リリース 1.1

Lotus Notesへの最初の機能強化は1990年に行われました。リリース 1.1は機能リリースではなく、新しいポータビリティー・レイヤーを含む、内部的なコードの再編成です。開発者たちは、マルチ・プラットフォーム製品として、Lotus Notesのアーキテクチャーに大幅な投資を行いました。その内容は、Lotus Notesの機能部分をオペレーティング・システムから分離する多くの製品を設計することです。このことは、Lotus Notesは多数のプラットフォームで動いていましたが、開発者たちはプラットフォーム間でコードを移植しなかったこと意味します。彼らは、異なるオペレーティング・システム用のコードを並行して開発しました。すでに、この投資に見合う結果が出始めていました。Lotus Notesのこのリリースでは、追加のオペレーティング・システムとして、OS/2 1.2 Extended Edition、Novell Netware Requester for OS/2 1.2、およびNovell Netware/386をサポートしました。しかし、このリリースの最大の功績であり焦点となったのは、Windows 3.0のサポートです。これは、影響力のあるWindows 3.0のベータ・サイトとして、Microsoftと密に連携して作業を行うことにより、実現されました。
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リリース 2.0:より大きく、より良く

Lotus Notesの次の主要リリースは1991年に出荷されました。リリース 2.0では、スケーラビリティーが焦点になりました。リリース 1.0が大企業に販売された後、Lotus Notesには10,000ユーザーをサポートできる規模が必要であることをIrisは理解しました。初期の段階では、Lotus Notesは小規模から中規模のビジネスを対象としていました。創設者のビジョンには、大企業はユーザーとして含まれず、1つのサーバーあたり25人程度のユーザーが想定されていました。この理由は、当時のPCが非力であったためです。PCとそのネットワークが強力になるにつれ、Lotus Notesも強力になりました。

図2. リリース 2.0の画面


1990年代、Lotus Notesはさらに多くのユーザーを獲得し、大企業もそれに含まれていました。多くのユーザーを組織して維持するために時間と労力を惜しまないハイエンドのお客様にLotusは製品を販売したため、その売り上げは徐々にではありますが、着実に伸びていきました。これらの初期のお客様はLotus Notesの運用に成功し、インストール済みユーザー・ベースの数は増加を続けました。

もともと、Lotus Notesの最小ライセンス単位は200であり、個別販売はしていませんでした。この結果、最低購入価格は62,000ドルになっていました。Lotusは、この製品を理解して潜在能力を引き出せるのは大企業だけだという考えから、大企業をターゲットとしていました。Price Waterhouseや他の初期のテスト・サイトは、大企業ならばそれが可能であることを示しました。

Tim Halvorsenは当時を回想し、Lotus Notesはゆっくりと成長を始めたが、開発チームも同様だったと述べています。2番目のリリースまでに、約12人の開発者がLotus Notesに携わっていました。初期のリリースに対し、Halvorsenは「私たちはお客様のニーズに非常に敏感でしたが、業界の将来的な変化に適用できるように製品を構築していました」と語っています。

リリース 2.0では、次の機能強化が図られています。

  • CAPI(C アプリケーション・プログラミング・インターフェース)
  • ビューでの列の合計
  • 表と段落のスタイル
  • リッチ・テキストのサポート
  • 式言語の @関数の追加
  • メールでのアドレス検索
  • 複数のアドレス帳
  • メール受信確認
  • メールを介した文書の転送
  • より大きなデータベースとデスクトップ・ファイル
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リリース 3.0:すべてのユーザーのための Lotus Notes

Lotus Notesリリース 3.0は1993年5月に出荷されました。このときまでに、Irisでは約25人の開発者がLotus Notesに取り組んでいました。リリース 3.0のビルド番号は114.3cです。これは、歴代で114回目のLotus Notesの成功ビルドで、最終ビルドまでに3回の試行を行ったことを意味します。

このリリースの時点では、2,000を超える企業と約500,000人のユーザーがLotus Notesを使用しています。リリース 3.0の目標は、既存のLotus Notesをさらに進化させること、ユーザー・インターフェースをより使いやすく新しいものにすること、およびクロスプラットフォーム製品としての展開をより推進することでした。Lotusは製品のマーケットを広げるために、価格を下げました。リリース 3.0は、より多くのユーザーに対応するために、データベース・システムNIFを書き換えたシリーズ最初の製品です。このリリースは、約200人のユーザーが一度に1つのサーバーにアクセスする環境に適していました。

図3. リリース 3.0の画面


リリース 3.0には、優れた設計機能と、次に示す多くの機能が追加されています。

  • 全文検索
  • 階層名、ビュー、フォーム、フィルター
  • バックグラウンドでの複製を含むモバイル機能の追加
  • スケーラビリティーの強化
  • 代替のメール機能
  • クロスプラットフォームのLotus Notesアプリケーション用に、共通API戦略の開発
  • 選択複製
  • AppleTalkネットワークのサポート
  • デプロイと管理機能の改善
  • Macintoshクライアントのサポート
  • Windowsオペレーティング・システム用のサーバー

Lotus SmartSuiteは、Lotus Notes F/Xと呼ばれるボーナスパック付きで1993年に発売されました。Lotus Notes F/Xを使用すると、アプリケーションがデータを共有し、さらにOLEを使用してLotus Notesデータベース内のデータを統合することができます。

1994年5月、LotusはIris Associates, Incを買収しました。製品自体には、これによる影響はほとんどありませんでしたが、Lotus Notesに関する価格とパッケージングの問題が簡素化されました。1995年5月、Lotusは、インターネットのニュース・ソースとLotus Notes間のゲートウェイとなる製品InterNotes Newsをリリースしました。これは、拡大するインターネットの影響力をLotus Notesに反映した最初のプロジェクトです。
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リリース 4.0:まったく新しい外観

1996年1月、LotusはLotus Notesリリース 4.0を発売しました。このリリースは、お客様からのフィードバックに基づいて完全に再設計されたユーザー・インターフェースを持っていました。このインターフェースには多くのLotus Notes機能が簡潔に配置され、作業、プログラミング、管理を容易にするものでした。Lotusphere(毎年開催されるユーザー・グループ会議)で開発者たちが新しいユーザー・インターフェースのデモンストレーションを行ったときに、お客さまの一団からスタンディング・オベーションが起こるほどでした。

製品は、さらにスケーラブルになっています。企業がマルチプロセッサー・サーバーにプロセッサーを追加するにともない、Lotus Notesの速度がさらに速くなりました。LotusはLotus Notesの価格を半分に下げ、大きなマーケット・シェアを得ることに成功しました。

図4. リリース 4.0の画面


さらに、Lotus NotesはWebとの統合を開始し、多くの新機能が業界の傑出したWebテクノロジーを反映しています。Lotus Notesの最初の開発者で、Iris Associatesの創設者であるRay Ozzieは、今日のようにWebが大きな現象になる前に、Webの重要性を見抜いていました。これは、Lotus Notesの成功を導いた大きな要因でした。Server Web Navigatorと呼ばれる新製品を使用すると、Lotus Notes ServerがWebに接続して取得したページを、Lotus Notes Clientで見ることができました。

Webを活用する他の製品として、InterNotes Web Publisherと呼ばれるサーバー・アドインがありました。これによって、ユーザーはLotus Notes文書を使い、HTMLに変換してWebブラウザーに表示できるようになりました。サーバーは静的にLotus Notes文書を受け取り、Webに公開します。このプロセスには時間的な遅れが生じるため、動的な表示はまだできませんでした。文書はファイル・サーバーに保管され、その後Webに公開されます。

リリース 4.0で提供された機能は次のとおりです。

  • LotusScript - Lotus Notesに組み込まれているプログラミング言語
  • 文書のプリビュー機能が付いた、メールおよび他のアプリケーション用の3ペイン構成のUI
  • パススルー・サーバー
  • サーバー管理者用の新しいグラフィカル・ユーザー・インターフェース
  • Webブラウザーからアクセス可能なLotus Notesデータベースなどの、組み込みのインターネット統合
  • ロケーションおよび積み重ねアイコンを含むモバイル機能の向上
  • 機能強化されたレプリケーター・ページ
  • 統合開発環境(IDE)、インフォボックス、および再設計されたテンプレートによる、迅速なアプリケーション開発とプログラミング機能
  • ビュー、フォルダー、および設計機能 - アクション・バーの作成、ナビゲータの作成(ビュー間の容易でグラフィカルなナビゲーションを可能にします)、および改善された表のサポートといった各機能も含まれます
  • 検索機能 - 索引を作成せずにデータベースを検索したり、式を書かなくても検索ビルダーに検索条件を追加できます
  • セキュリティー機能 - ローカル・データベースをセキュアに保ったり、選択した文書を読むことができるユーザーを制限する機能です
  • SOCKSのサポート、HTTPプロキシーのサポート、Lotus Notes RPCプロキシーのサポートを含む、インターネット・サーバーの改善

1995年7月、IBMは主にLotus Notesのテクノロジーを得るためにLotusを買収しました。この買収は、Lotus Notesに良い影響を与えました。買収前、Lotus Notesの開発者たちは、Webの急成長からくる戦略的な不確実性と、市場での競争の激化を感じていました。IBMによる買収により、財務的な基盤が強固になると共に、最上級のテクノロジーに接することができ(これには、後にLotus DominoとなるHTTPサーバーも含まれます)、販売力も強化されました。Lotus Notesは、非常に大規模なFortune 500社に販売され、部門単位から会社全体へと販売対象も広がりました。これらの好結果により、Lotus Notesの開発者たちは長期プロジェクトに投資する自由を得ました。1996年、Lotus Notes 4.0のリリース後に、メッセージング製品、Webサーバー、これらの製品用の開発システムの各分野で、ビジネスおよび技術の両面から大きな競争が巻き起こります。

リリース 4.0の開発には2年以上かかりました。これは、競争の激化やWebを使用して製品をリリースするコンペティターの短い開発サイクルに照らし合わせると、非常に長い期間といえます。このため、大企業に対して安定性の非常に高いLotus Notesシステムを提供しつつ、Iris Associatesが持っていた従来からの技術的なリーダーシップを維持するために、開発者たちはLotus Notesの製品ラインを次の2つに分割しました。

  • 新しい機能リリースの製品ライン。リリース 4.5から、高い品質を維持しながら、可能な限り短い開発サイクルで、優れた新機能を提供します。市場での競争とLotus Notes上でアプリケーションを構築するソフトウェア・ベンダーのニーズがこれらのリリースに影響を与えました。
  • 90日でのリリース。これは「四半期毎のメンテナンス・リリース」と呼ばれており、新機能はほとんど含まれていません。Lotus Notesの既存のお客さまからのメンテナンスに関する情報は、ほとんどがこの2番目の製品ラインに反映されます。これらのお客さまの多くは大企業のユーザーであり、サーバーに大きな負荷がかかる状況で使用するため、デプロイを阻害するバグを最初に見つけることが多かったのです。これらのリリースの唯一の目的は、バグの修復を集め、総合的な方法でテストし、ライセンスを持つお客さまのためにそれを利用可能にすることです。これらのリリースは新しい機能リリースよりも保守的に管理され、画期的な新技術よりも製品の高い安定性に関心がある大企業に適しています。製品リリース番号の3番目の桁(たとえば、4.5.3 の 3)は、メンテナンス・リリースであることを示します。

今日でも、この方法で維持された2つのLotus Notesファミリー(いわゆる2つの「コード・ストリーム」)が常に存在します。また、次の機能リリースのために、3番目のコード・ストリームが開発中となっています。

新しいユーザーは、どちらのLotus Notesのリリースを購入するかを選択できました。新しいユーザーのほとんどは、現在の機能リリースを受け取りました。時間の経過に伴い、ほとんどのユーザーは複数のリリースを一緒に使うようになり、一部のマシンでは新しい機能リリースの利点を活用し、別のマシンではメンテナンス・リリース・バージョンを実行するようになります。製品のこれらの2つのリリースは、開発プロセスの特定の段階で1つにまとめられます。新しい機能リリースのコーディングが開始されるとき、過去のリリースのすべてのコードは、バグ修正も含めて1つにマージされ、新しいコード・ストリームとして出発します。このマージ・プロセスは、新しい機能リリースの開発プロセスの初期の段階で、数回にわたって行われます。このマージ・プロセスにより、機能リリースの信頼性が保証されます。
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