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Lotus Notes メール:サーバーベース・メールとローカルレプリカ・メールの比較 |
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Timothy Day IT Specialist, IBM 原文の掲載:2005年3月01日 この記事では、以前から存在する「どのような状況のときに、サーバーベースの Lotus Notes メールファイルを使用する方がより適しているか」あるいは「ローカルレプリカコピーを使用した方がよい状況は」という質問に対し、いくつかの新しい視点から考察を試みます。 IBM Lotus Notes/Domino は、幅広く使用されているメールとコラボレーション用のソフトウェアです。Lotus Notes を使用すると、ユーザーは 2 つの方法でメールにアクセスできます。最初の方法は、Domino Server にあるメールデータベースを直接使用する方法です。2 番目の方法は、ユーザーのワークステーションにメールデータベースのローカルレプリカを作成し、これを定期的に同期する方法です。すでに多数の Notes ユーザーが、この 2 つの方法に慣れています。しかし、「サーバーベース・メールが最も適したケースは」または「ローカル・メールが最も適したケースは」という質問への答えは明確に意識していないかもしれません。 この記事では、この質問への答えを探ることにします。まず、サーバー上の Lotus Notes メールに直接アクセスする方法とローカル・ファイルに複製する方法を比較して、それぞれの長所を調べます。また、それぞれの方法の短所も明らかにします。この記事の目的は、状況に応じていずれかの方法を的確に選択できるようになることです。この記事は、Notes/Domino の概念にある程度慣れている方を想定して書かれていますが、記事を理解するために Lotus Notes/Domino に関する専門知識は必要ありません。 サーバーベースの Notes メールを使用するLotus Notes メールにアクセスする最も一般的な設定は、ユーザーが Domino Server にあるメールに直接アクセスして作業する方法です。これは、Notes Client をユーザーのために設定する際に、デフォルトで有効になる設定です。サーバーベースの Notes メールを使用するときは、メールファイルのコピーは Domino Server に存在します。ユーザーがアクションを実行すると、要求が生成されて Domino Server に送信されます。この要求は Domino Server で処理され、その結果が Lotus Notes Client に返されます。これらのアクションはネットワーク・トラフィックを発生させ、サーバーの作業負荷を少し増加させます。もちろん、ネットワーク接続が存在しない場合は、メール、カレンダー、タスクは使用できません。サーバーベース・メールの基本構成を図 1 に示します。 図 1. サーバーベース・メール もう 1 つの長所は、メールファイルに含まれるデータが常に最新であることです。すべての作業はサーバー上で行われるので、ユーザーは新規メールを即時に受け取ります。ユーザーが新規メッセージを作成すると、そのメッセージはすぐに宛先の受信者に送信されます。新しい情報の送信または受信に、遅れはまったくありません。 サーバー上に置かれているメールファイルは、システム管理者によってより容易に維持されます。デフォルトでは、Lotus Domino は夜間にメールファイルのメンテナンスを実行します。これには、データベースの索引作成、データベースの圧縮、およびテンプレートの更新の実行などが含まれます。サーバー上のメールファイルにアクセスするユーザーは、これらの更新をすぐに利用できます。一方、複製を行うユーザーは、次回の複製時にテンプレートの変更を受け取り、ローカル・メールファイルの索引作成や圧縮を手動で行なう必要があります。 また、データベースや ERP システムなどのクリティカル・アプリケーション用のネットワーク・トラフィックを優先させるためにトラフィック・シェイピングが使用されている場合は、Notes
アクセスのパフォーマンスが大きく影響されることがあります。ネットワーク上の負荷の一部は、Lotus Notes/Domino 6 で導入されたネットワーク圧縮設定を使用することで減少させることが可能です。ネットワーク圧縮により、環境によってはトラフィックが最大
50 パーセントまで減少したり、WAN 接続では明らかなパフォーマンスの改善がみられることがあります (詳細については、developerWorks
の Lotus 記事『Domino
6 のネットワーク圧縮機能について』を参照してください)。 計画的にまたは障害によってサーバーが停止したとき、サーバーベースのメール環境で作業をしているユーザーはメール、カレンダー、タスクにアクセスできません。Domino
クラスターを導入することで、このようなユーザーのダウンタイムをなくすことができます。クラスター環境では、ホーム Domino Server が利用できないとき、およびクラスター内の別のサーバー上のメールレプリカにアクセスできるときに、ユーザーに通知されます。
ローカルのレプリカベース・メールを使用するLotus Notes メールにアクセスする 2 番目の基本的な設定は、メールファイルのローカル・メールレプリカを使用する方法です。この方法では、ユーザーは、Domino Server ではなく、自分自身のワークステーションのハードドライブにあるメールファイルのレプリカコピーにアクセスします。サーバーは、ワークステーションとの間で情報を複製するときに主にアクセスされます。Lotus Notes/Domino の主な特長の 1 つとして、Domino データベースに蓄えられたデータは、複数のサーバー間あるいはクライアントとサーバー間で、その信頼性が維持されます。この信頼性は、異なる場所に保存されているデータベース間の複製によって確立されます。複製により、データベースの複数のコピー間でデータが同期されます。このとき、変更があった情報だけが更新されます。したがって、たとえば、1,000
通のメッセージがあるメールファイルを複製するとき、新着メールが 10 通あったとすると、クライアントとサーバー間ではこの 10 通のメッセージだけが複製されます。POP3
および IMAP などの他のプロトコルとは異なり、複製では、Notes Client と Domino Server 間で、カレンダーエントリやタスクを含め、メールファイルに保存されているすべてのデータの同期が可能です。 ![]() ローカル・レプリカベース・メールを使用することで、ユーザーは Domino Server への接続を必要とせずに、ワークステーション上のデータベースにアクセスできます。たとえば、メールファイルをラップトップ・コンピュータに複製すると、Domino Server への接続がない機内であっても、Lotus Notes Client を使用してメールを読んだり、メールの作成や編集ができます。そして、後で再びネットワークに接続したときに、Domino Server との複製を介して、オフラインで作成したメールを送信したり、移動中に受け取ったメールを受信することができます。 ローカル・レプリカベース・メールの実装方法には、次の 2 つのタイプがあります。最初のタイプは、ユーザーがサーバーへのコンスタントな接続を持っていないと想定した場合です。通常、これらのユーザーは、出張の多いビジネスマンや外出する機会が多い業種の人々です。このようなユーザーは、ほとんどの作業をオフラインでこなし、更新を送受信するときにのみサーバーに接続します。 ローカル・レプリカベースでメールにアクセスする 2 番目のタイプは、サーバーへのコンスタントな接続を持っていながら、ローカル・レプリカで作業するユーザーに適用されます。これらのユーザーは、Domino Server への永続的な接続をもっていますが、すべての作業をローカルで行ないます。サーバーにアクセスするのは、定期的な複製、新規メールの送受信、アドレスの検索のときだけです。この使い方は、低速の WAN または VPN リンクを介して Domino にアクセスするユーザーにとって一般的です。この方法を用いると、オフラインでの作業に関連する更新を遅滞なく受信でき、ローカルで作業する方がパフォーマンスが高くなるからです。 ローカル・レプリカベース・メールの長所 Lotus Notes ユーザーがローカルのメールレプリカにアクセスする設定には、数多くの長所があります。ローカル・レプリカを使用して自分のメールにアクセスするユーザーは、たとえ Domino Server に接続できない場合でも、常にメールにアクセスできます。たとえば、これから出張するユーザーは、空港に向けて出発する前に、メールを複製できます。機内では、新規に受信したメールを読んだり、返信することができます。目的地に到着した後、ネットワークに接続し、サーバーとの間で変更内容を複製し、移動中に受信したメールを受け取ることができます。 外出しないユーザーにとって、メールのローカル・レプリカを持つことは、Domino Server がダウンしている場合でもメールにアクセスできることを意味します。非クラスター環境では、トラブルまたはメンテナンスによるサーバーのダウンタイムは、ユーザーの生産性を失うことになります。ローカル・レプリカを使用してメールにアクセスするユーザーは、このような停止期間でも、作業を行なうことができます。 ローカル・レプリカベース・メールを使用すると、ネットワークへの影響も少なくなります。すべての作業がローカル・ワークステーションで実行されるので、サーバーとの間で更新だけがネットワークを介して送受信されます。
これは、各アクションごとにネットワーク・アクティビティが生成されるサーバーベースのメール設定と比べると、対照的です。ePro Magazine によって発表された 2004年3月の記事では、次のことが明らかになっています。 ローカル・レプリカベース・メールを使用するには、ユーザーにより多くのトレーニングが必要です。ほとんどのユーザーはサーバー上のメールで作業するモデルに慣れていて、複製が何であるかを本質的に理解していません。ローカル・レプリカベース・メールの設定でユーザーがメールを使用できるようになるには、追加トレーニング必要です。このトレーニングがないと、なぜ新規メールを受信しないかを理解できないユーザーからのサポート・コールが増加するでしょう。スタート時点からローカル・メールレプリカを導入した組織に比べ、最初にサーバーベース・メールを導入し、その後でローカル・メールレプリカに切り替えた組織の方が、サポート・コールの増加は顕著です。 この設定では、メールファイルのレプリカは少なくとも 2 つあるので、両方のレプリカを管理する必要があります。ほとんどの場合、ユーザーはメンテナンスの方法を知らないので、ローカル・メールレプリカにはメンテナンスがほとんど行なわれないか、まったく行なわれません。このため、compact、updall、fixup
などのタスクは、ローカル・メールレプリカに対してほとんど実行されていません。予防的なメンテナンスが欠けていると、データベースの破損などの事故がローカル・メールレプリカで増えることの原因となります。このような状況でデータが失われることはほとんどありませんが、解決にはメールファイルの新しいレプリカをサーバーから受信することが必要となるので、かなりの時間がかかる可能性があります。 メールと会社のデータをワークステーションに複製する場合は、データが盗まれるというリスクもあります。ラップトップを使用する場合に、これは特に問題となります。データのコピーがワークステーション内に存在すると、ワークステーションのセキュリティが破られたときに、データが危険にさらされます。会社のデータが盗まれるリスクは、ローカルレプリカを暗号化することによって緩和できます。暗号化には、さまざまな度合いがあります。暗号化は Notes ID ファイルに結び付けられているので、犯人がパスワードを知らない限り、十分な安全性が保たれます。暗号化による保護の弱点は、ユーザーにあります。すぐに推測できるようなパスワードをユーザーが使用していると、暗号化はフールプルーフにはなりえません。また、ユーザーはメールや他のデータベースを暗号化するかどうかを選択できるので、暗号化はユーザーの選択に依存します。 ローカル・レプリカベース・メールを使用するときは、新規メールの送信と受信に遅れがともなうことがあります。この状況は、特にオフラインで作業するユーザーにあてはまります。このタイムラグは、メールを読む前に、ローカルにメールを複製する必要があるために生じます。この状態は、定期的な複製を行なうときの複製間の間隔 (時間) によって影響されます。また、Notes Client が手動による複製だけを行なうよう設定されている場合にも影響されます。メールをオフラインで作成した場合、ネットワーク接続が存在しないため、次回の複製が行なわれるまで、メールは実際には Domino Server へ送信されません。この結果、何時間も前にメールが送信されたように表示される場合でも、送信者がサーバーとの間で次の複製を行なうまでは、受信者はそのメールを受け取りません。 Domino Server への接続を維持しながらローカルレプリカで作業すると、この遅れは最小になります。Notes Client はサーバーをポーリングして新規メールをチェックします。新規メールがあると、次回の定期複製が行なわれる前に複製セッションを開始し、メールを取り込みます。それでも、ローカルレプリカで作業するユーザーは、サーバーからのデータ転送時にある程度のタイムラグを経験しますが、Notes Client でのメールのポーリング間隔の設定によって改善されます。 ローカルベースのレプリカを使用しているユーザーは、Domino Web Access などの他の方法でメールにアクセスできますが、サーバーベース・レプリカ内の情報が最新でないことに気づくことがあります。たとえば、ローカルレプリカで作業しているとき、ローカルレプリカとサーバーレプリカ間で未読マークが同期していないことがあります。この問題は、Lotus Notes/Domino 6.0.3 および 6.5.2 で導入された未読マークの複製オプションによって解決されました。 また、ローカルレプリカとサーバーレプリカ間で情報が同じでないことに気づくこともあります。一般的に、この違いが発生する状況として、オフラインでかなりの作業をしたのに変更内容をサーバーに送信しなかった場合と、ユーザーが複製式を設定している場合の 2 つが考えられます。複製式の例は、Domino Server で 30 日間メールを保持するというポリシーがある組織でよく見られます。このような組織では、ユーザーがメールのサーバーコピーにおける削除をローカルレプリカに複製しないように設定していることがあります。このような場合は、メールのローカルコピーにサーバーコピーよりも多くのメッセージが含まれることになり、ユーザーが混乱し、ヘルプデスクの呼び出しが増えることになります。 ローカル・メールレプリカを使用するときは、データベースリンク、ビューリンク、文書リンクは正しく機能しません。たとえば、サーバーから複製されたメールメッセージに文書リンクが含まれていたものとします。オフラインで文書リンクをクリックすると、エラー・メッセージが表示されます。このエラーによって、リンクに問題があるような印象を受けます。実際には、オフラインのためにサーバーにアクセスできないので、エラーが発生します。結果として、ヘルプデスクの呼び出しが増えるでしょう。この状況は、主にオフラインで作業するユーザーにとって問題となります。サーバーへの永続的な接続がある状態でローカル・メールレプリカを使用する場合は、通常、このような問題が起きることはありません。 最後に、ローカル・メールレプリカを使用してオフラインで作業するときは、会議室とリソースのスケジュール設定を利用できません。会議室およびリソースの予約は、Notes カレンダーから、サーバーの busytime.nsf データベース (Domino クラスター環境では clubusy.nsf) を空き時間検索することにより行ないます。ユーザー自身のスケジュールにはオフラインでもアクセスできますが、会議室とリソースの予約情報を知るには、サーバーへの接続が必要です。この制限は、ローカルの [空き時間] データベースに他のユーザーを追加しない限り、組織内の他のユーザーの空き時間情報を検索するときにも適用されます。ローカル・レプリカベース・メールを使用する例 次のような状況では、ローカル・レプリカベース・メールを組織内に導入することを考慮してください。
まとめサーバーベース・メールおよびローカル・レプリカベース・メールを使用するときの長所と短所を次の表にまとめました。
これまでに説明したように、サーバーベース・メールを使用する場合とローカル・レプリカベース・メールを使用する場合では、それぞれに多くの長所および短所があります。組織にとって都合がよいことに、この 2 つの方法は、ユーザーの動向に応じて組み合わせて使用することができます。オフィスにいて Domino Server に接続できるユーザーはサーバーベース・メールを使用し、低速の WAN リンクを介して接続するユーザーはローカル・レプリカベース・メールを使用するとよいでしょう。 メールへのアクセス方法を選択することは、ユーザーがアクセス・タイプを切り替える可能性を奪うものではありません。たとえば、外出することが多いコンサルタントは、外出時はレプリカベース・メールを使用し、オフィスに戻ったときはサーバーベース・メールを使用できます。 Lotus Notes/Domino は、従来のオフィス・ワーカーから 21 世紀のモバイル・ワーカーまで、さまざまなタイプのユーザーに対応できる柔軟性を持っています。この記事で説明した情報を活用し、ユーザーに最も適した方法を選択することで、組織の生産性を高めることができます。
リソース
筆者について(原文のまま)Timothy A. Day works for IBM Software Services for Lotus and has seven years of experience with Lotus Notes and Domino. He is currently working with WebSphere Portal and Lotus Companion Products. In his spare time, he enjoys running and has completed two marathons. He resides in Virginia outside of Washington, DC.
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