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「広報誌Tivoli 2002 NO.4」より転載しています。

株式会社セキスイ・システム・センター(SSC)

クライアント4700台一元管理
複数業務システムのインフラとして活用

会社概要


株式会社セキスイ・システム・センター(SSC)

ビルの写真
セキスイ・システム・センター(梅田ビル)


株式会社セキスイ・システム・センター(以下SSC)は、住宅、プラスチック総合メーカー大手の積水化学工業の情報システム部門が分社という形で、1987年に設立された。これまで、積水化学工業をはじめ、約200社のグループ企業の情報システムの開発・運用とネットワーク構築・運用を主な事業内容として発展してきた。この間、積水化学工業の基幹業務システムの構築・運用では、受注から出荷、売上業務や会計、人事システムを順次クライアント・サーバー型システムへ移行。グループ企業を含めて約4700台のクライアント・パソコンの集中一元管理を、Tivoli製品をベースに実現し、注目されている。

そして、今年、SSCは、これまでのシステム開発、運用の経験とノウハウをベースにグループ以外の一般企業をターゲットにした外販事業を本格化させている。「SSC社員は、積水化学工業本社からの出向という形でしたが、昨年10月に移籍し、これまでの実績をベースに外販事業に本格的に参入することになったのです」と語るのは、SSCインフラ技術部サーバグループ長、角木裕成氏。「基幹業務総合パッケージをASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)として提供する『SKit』をはじめ、ECサイトの導入・運営サービスでは、間接材購入コスト削減ソリューション『ぷらぷらねっと』、システムの受託開発・運用、ネットワーク構築・運用サービスなど多彩なソリューションサービスをお客様に提供します」という。

ネットワーク構築・運用サービスでは、キャパシティー設計やセキュリティーポリシーなどコンサルティング重視の設計・構築支援とIT資産管理支援サービスを行っている。さらに、FAX配信サービス「てまいらず」なども提供。SSCの全国ネットワークを利用、コストパフォーマンスのいいFAX配信サービスが期待できる。ユーザーの基幹システムと連携してのこのサービス、大いに注目される。

そこで、SSCインフラ技術部サーバグループ長角木裕成氏、同シニアSE金山宏幸氏、同渡辺泰弘氏、上崎英哉氏に、新生SSCの概要とTivoliによるシステム運用管理、特にクライアント一元管理について聞いた。


「ITからATへ」をスローガンに

新生SSCが経営理念として掲げているのは、情報システムの「Super Solution Creator」として、IT社会の発展に貢献することにより、企業と個人の成長を実現するということ。

スローガンは「ITからATへ」。ITは情報技術、ATとはアシスト・テクノロジーのこと。いうなれば、ITを駆使して人と企業の成長を実現することである。

SSCは、創業以来約15年の間に、企業のニーズに的確に応えることで、そのスキルを磨いてきたが、これは技術そのものの進化を目的にしているのではなく、問題解決を必要とする人や企業に、適切なソリューションを提供することにあるということだ。それがアシスト・テクノロジー(AT)なのだ。

したがって、新生SSCが外販事業として提供するソリューションサービスは、すべて「ITからATへ」に裏打ちされたものになっている。

SSCが一般企業向けに提供するサービスは4つ。基幹業務システムのASPサービス「SKit」、ECサイトの導入・運営サービス「ぷらぷらねっと」、受託開発・運用サービス、そしてネットワークの構築・運用サービスである。

角木裕成 氏の写真
SSCインフラ技術部
サーバグループ長
角木裕成 氏
「SKit(スキット)はこれまで、われわれがセキスイの販社用に開発してきた受注、発注、在庫システム、会計システム、さらに情報照会、給与などのシステムを統合型パッケージにしてASPで提供しようというものです」(角木氏)。

「SKit」(図1)では、ユーザーはパソコンをインターネットへ接続するだけでいい。アプリケーションシステムやサーバーはSSC側で保有、運用するので、ユーザーのメリットは大きいといえる。「受注から決算まで一気通貫処理ができ、事務の省力化はもちろん、お客様にはタイムリーな情報把握ができるのもメリットです。同時に、正確な在庫処理の実現、会計処理も電子伝票の電子決済等でスピードアップが実現できます。さらに、データベースの一元化ができることにより、お客様はニーズに合ったデータをタイムリーに収集できる。管理資料もスピーディーで精度の高いものが入手できるというメリットがあります」(角木氏)。

図1:基幹業務統合パッケージをASPで提供

金山宏幸 氏の写真
SSCインフラ技術部
シニアSE
金山宏幸 氏
「ぷらぷらねっと」(図2)は、企業での間接材調達のBPRを支援するソリューションサービスである。業務分析からシステム導入・運用、業務の改善支援まで、トータルに対応できるのが特徴。この「ぷらぷらねっと」により、集中購買が実現でき、市場より安価に商品を購入できるとともに、購買に関わる業務工数を大きく削減できるのもメリットだ。また、「ECサイトに参加する企業による共同購買の形ができるので、商品供給者に強力な購買力を発揮できるのである。「SSCが、新しい商品、より安価な商品を開拓・拡大するので、お客様は商品提供者との繁雑な折衝が不要になるのです」(金山氏)。

いずれも、セキュリティー管理は万全で、安全性、信頼性、そして機密保護には十分に配慮された高品質のソリューションサービスが提供される。

図2:ぷらぷらねっとの概念図


Tivoli導入コンサルティングも充実

受託・運用サービスでは、基幹業務、企業間取引業務、ERP導入支援、医療経営、介護のIT化支援、Webアプリケーション開発など多彩である。

さて、新SSCの強力なソリューションサービスの基幹の1つが、ネットワーク構築・運用サービスだ。SSCが長年培ってきたネットワーク構築・運用に関わる経験やノウハウを背景に高度なサービスが提供される。

「やはり、われわれが長年培った、セキスイグループでのネットワーク構築・運用の経験をフルに生かして、信頼性の高い、しかも高品質のインフラ構築・運用が実現できると確信しています」と角木氏は強調している。キャパシティー設計やセキュリティーポリシーなどネットワークに関するコンサルティングに重きを置いた構築から運用までの充実したサービス提供は大いに期待されるところである。

同時に、Tivoliベースのネットワーク構築、IT資産管理支援サービスも注目される。統合システム運用管理ツールとして世界標準となりつつあるTivoli製品により、クライアントの一元管理、ネットワーク管理、セキュリティーを含めたシステム管理を実現することにより、運用効率のいいシステム造りはもちろん、極めて信頼性の高いネットワークシステムを実現できるのも、SSCの卓越したソリューションサービスの大きな魅力である。

さらに、ユニークなサービスとして今後、利用が拡大するとみられるのがFAX自動配信システム「てまいらず」だ。このサービスでは、ユーザーはデータをSSCのセンターに送信するだけで、オーバーレイ方式で、例えば、発注確認、出荷案内、注文書などのフォーマットで宛先にリアルタイムにファックス送信ができるというもの。料金も、月10,000円の基本料金(回線料)と1枚45円(ボリュームによりディスカウント制あり)というローコストで利用できる。文字通り「手間いらず」で繁雑な業務を解消できるのだ。

新生SSCの多彩なソリューションサービス。長年の間培った技術力が十分に反映されたサービスとして、大いに期待されるところである。

次に、SSCのTivoli製品導入、現状について触れる。


複数の業務システムのインフラとして活用

渡辺泰弘 氏の写真
SSCインフラ技術部
渡辺泰弘 氏
SSCは、積水化学工業をはじめ、グループ企業約200社の基幹業務処理の運用を行っている。管理対象のクライアントは総計で、約4700台、サーバーが130台という構成だ。「現在、当社の京都データセンターにサーバーを集中設置、ネットワーク拠点500を介してグループ企業と結んでいます」(渡辺氏)。

特徴としては、SSCの管理するアプリケーションシステムの数が非常に多いこと。「多いことはいいことではないのですが、約40システムとなっています。業務の基幹部分?
会計システム、インターネット受注システム、購買管理システムなど多彩です」(金山氏)。

4700台を超えるクライアント数、中でも、基幹系のアプリケーションが主であるだけに、システムが止まるようなことがあれば、即、損失につながるというわけで、運用管理ツールの必要性がクローズアップされた。

「クライアントが劇的に増える中で、これまで独自ツールで対応してきた運用管理に限界を感じ、、市販プロダクト採用へと踏み切ったのです。当時(1998年)はクライアント管理を中心にツールの選定を行いました」(渡辺氏)。

Tivoliを選んだのは、SSCがすべてコントロールし、エンドユーザーに負担をかけないというSSCの運用基本方針に適合していること。数万台レベルの大規模導入における実績があること。オープン指向であること。軽量なクライアントモジュールであることなどからである。

上崎英哉 氏の写真
SSCインフラ技術部
上崎英哉 氏
「われわれの目的は運用管理の共通インフラとしてTivoliを展開し、管理のルーチン化、標準化により全体の運用効率化を図るということでした。一般には、1つのシステムに1つのツールという考え方が多いのですが、SSCではインフラとしてTivoliを活用している点が特徴でしょう。当初のねらいどおり効率化が進んでいますし、全体の運用レベルも底上げされました」(渡辺氏)。

クライアント管理の工夫の1つとして、渡辺氏は、先行登録による処理の自動化を取り上げている。(図4)

「ユーザーがPCを利用して業務を行う環境を円滑に整えるために、SSCではNotesのワークフローを利用しています。すべてのアプリケーションがそのフローを利用することで、ユーザ窓口の一元管理ができています。フローの中でTivoliサーバーへの登録作業を行い(先行登録)、ユーザーがTivoliを導入すれば、適切なグループへの割り振り、アプリの初期導入の配布まで行うように自動化しています」。

40ものアプリケーション・システムをユーザーに負担をかけずに、適切に利用してもらう環境を整えるための工夫である。

現在SSCでは130台を超えるサーバー監視も実現。(図3)
サーバー性能稼働監視、ログ監視の自動化などレベルアップが行われている。

図3:Tivoliによる監視の仕組み

図4:先行登録による処理の自動化

「システム数が多いため、標準化に力を入れています。運用担当側では、監視定義シート、標準監視テンプレート、障害通報手段など。開発担当側では、ログファイル標準仕様、エラー重要度の統一などを行っています」(上崎氏)。

現在導入されているTivoli製品は、Tivoli Frameworkをはじめ、Software Distribution、 Inventory、 Remote Control、Enterprise Console、Distributed Monitoring、Storage Manager、などである。サービス内容は表1に示す。また、Tivoliによるクライアント運用実績を表2に示す。

(表1)Tivoliによる提供サービス内容
<クライアント向けサービス>

機能 機能説明
ソフトウェア配布 起動時配布 PCの起動時に中継サーバにアクセスし、配布登録されているソフトウェアがあればダウンロードする。
即時配布 管理者の操作により、即時にソフトウェアを配布する。
メッセージ
送信
緊急メッセージ システムのトラブル時などに、ユーザPCに対してメッセージを送信する。
PC起動時メッセージ PCの起動時に表示されるメッセージを送信する。期間指定が可能。
アプリ起動時メッセージ 業務アプリが起動したときに表示されるメッセージを送信する。(アプリ側での作りこみが必要)
リモート
コントロール




インベントリ
収集
リモートコントロール
(遠隔操作)
管理者PCから遠隔地にあるターゲット
(遠隔操作)PCを画面で操作する。
ターゲット(操作対象)
PCの再起動
管理者PCから遠隔地にあるターゲット
(遠隔操作)PCを再起動させる。
ハードウェア情報※ ハードウェア情報(CPU、メモリ、ディスク容量など)を収集する。
ソフトウェア情報※ インストールされているソフトウェアの情報を収集する。
ネットワーク設定情報※ クライアントのネットワーク設定情報を収集する。
  ※各PCから収集した情報は、構成管理DBに収納している。

<サーバ向けサービス>

機能 機能説明
リモート
コントロール

※UNIXは
利用不可
リモートコントロール 管理者PCから遠隔地にあるターゲット(操作対象)PCを画面で操作する。
ターゲット(操作対象)PCの再起動 管理者PCから遠隔地にあるターゲット(操作対象)PCを再起動する。
ログ監視 コンソール監視 サーバのシステムログや業務アプリから出力されるログをコンソール画面で監視する。
メール自動通知 出力されてきたログを内容で判断して、担当者にメールで通知する。
京都マシン室パトライト通報 重大なエラーが発生した場合、京都マシン室のパトライトを回転させて、オペレータに通知する。
性能・稼働監視


性能監視 CPU使用率、ディスク使用率、メモリ使用率などを監視する。あらかじめ設定したしきい値を越えた場合に、警告ログを管理サーバに出力する。
アプリ稼働監視 特定のサービスやプロセスを監視する。稼働していなければ、警告ログを監視サーバに出力する。
サーバ稼動監視 サーバ自体が稼働しているかどうかを、別のサーバから定期的に監視する。サーバのダウンを探知した場合、警告ログを管理サーバに出力する。
ジョブ
スケジューラー
ジョブスケジューリング 業務アプリのバッチ処理を、スケジュールに従って自動的に実行する。
夜間再起動処理 一連の夜間バッチ処理の中で、サーバを自動的に再起動させる。

(表2)Tivoli運用実績/クライアント(2001/10-2002/03)
  内容 件数 備考
依頼 ソフトウェア配布 118件 のべ34,254台へ12,994MB配布
メッセージ送信 238件 Tivoli担当への依頼件数118件
Tivoli作業依頼 約750件 Notes Tivoli作業依頼DBより
導入処理 約1,200件 一括処理案は10件
活用 リモコン利用 6,140件 樹:2,788 住:3,273 他:79件
Tivoli情報参照Web利用 11,561件 約100件/日

今後の展望について、角木氏は次のように語っている。
「当分の間は、現在の状況を継続していく考えです。Tivoli製品のラインアップに大きな変化がありそうなのですが、マニュアル、運用の標準化などが完了しているので、今の環境を継続していくことになると思います。ですから、次のステップということになれば再構築ということになりますね。したがって、もう一度運用要件の洗い出しからのスタートとなると思われます。この場合、Tivoli製品の新しいジェネレーションへの対応を視野に入れたものになるはずです」。

SSCでは、Tivoliを導入して4年目に入る。それだけに運用要件の洗い出しのチャンスといえるし、Tivoli製品の次世代ラインアップへの対応を視野に入れた展開が大いに注目されるところである。

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