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運用部門改革!ビジネスに貢献する運用管理講座

ITIL (Information Technology Infrastructure Library)
概要   |   はじめに   |   ITILとは?   |   アプリ開発と運用管理   |   運用管理の効率化   |   運用改善(その1)   |   運用改善(その2)

第4回 「運用管理を効率化する方法は?」

今回はTCO(Total Cost of Ownership)についてお話したいと思います。「第1回 はじめに」で4つの“C”の話題を取上げましたように、運用管理におけるCost(コスト)はComplexity(複雑さ)だけが原因ではありませんが、システムの管理や運用に必要なコストが増大し続けているのも事実で、昨今では情報システム部門の経費の70%が運用コストだと言われるほどになっています。

このような環境の中でいかにコストを下げるかというのは、いつの時代でも命題になっております。ただ、単純にコストといっても昨今の複雑なシステム環境で的確にコストを把握することが困難になってきています。言葉は悪くなりますがIT部門として“どんぶり勘定”で費用を見ておけばよいという極端な事を言われるお客様もいらっしゃるのは事実です。しかし、それでは費用明細も現場の方のワークロードも把握できないばかりでなく、コスト削減など到底実現できません。

コストの把握
では、どのようなコストを把握すればよいのでしょう?代表的なものを以下に挙げます。
  • システム資産(ハードウェア/ソフトウェア)
  • 保守費用(ハードウェア/ソフトウェア)
  • ネットワーク費用(通信費など)
  • 電力量(システム/空調など)
  • 開発されたアプリケーション資産
  • IT部門に所属される方の作業量/人件費

コスト削減の観点でここに挙げたものを見た場合、「システム資産、保守費用、ネットワーク費用、電力量」に関してはサーバー、ストレージ、ネットワークの統廃合による物理的な費用削減の効果が期待できるエリアになります。

「開発されたアプリケーション資産」に関してはコスト削減の対象にはなりません。削減できるとすれば開発時点での効率化を実現する必要があります。この点に関しては、後ほど少し触れてみましょう。

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IT部門に所属される方の作業量/人件費
さて、「IT部門に所属される方の作業量/人件費」を見た場合どのようにコスト削減できるのでしょうか?

結論から言いますと、運用管理プロセスの効率化がコスト削減の第一の方法です。なぜならコスト削減だからといって、今いる要員を削減しては業務が遂行できなくなりますし、新しい業務が追加された場合も、同様に作業が増加するわけですから現在の要員では対応できない可能性が発生します。

では運用管理プロセスの効率化の意味合いはどんなところにあるかと言うと、プロセスの標準化とプロセス時間の短縮によるコスト削減にあります。たとえば業務が追加された場合でもプロセスが標準化されていれば最小限のワークロード追加で現在のプロセス/要員で吸収できる可能性が出てきます。

この運用管理プロセスの標準化のキーポイントは、以下のような項目です。

運用管理プロセスの標準化のキーポイント
  • 属人化の排除
  • 統一的運用
  • 運用管理プロセスの可視化
  • 情報の共有
  • 運用プロセス改善活動

すなわちITILの適用に他なりません。また、より効率化を図るために運用管理プロセスへのツールの適用が重要になります。運用管理プロセスを規定しても、その作業の記録を残し情報として活用するためには、単に台帳管理のような管理の仕方では運用管理プロセスの可視化も情報の共有も有効になされないことになります。これが実現できると、効率化と同時に作業時間、コスト算定の基礎データが集積されかつ内部監査に必要な監査証跡を必要なときに参照できるように記録できることになります。

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コスト削減例
ではコスト削減の例を見てみましょう。図1はあるお客様の例ですが問題/変更管理プロセスの改善の前後でTCOを算定したケースになります。

課題の発生から対応完了までのプロセスにおいてThink Timeはほぼ変わりませんがその前後の処理において30%近い改善が見られました。また、定性効果について改善前後の課題に対する評価をポイント化して見た場合においても大きな効果が得られています。

この定性効果についてはプロセス時間の短縮以上に作業者のワークスタイルやモチベーションの向上に繋がっています。
図1:A社事例に見るTCO算定
図1:A社事例に見るTCO算定
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このようにIT部門のコスト削減は企業ポートフォリオに大きな影響を与える一つ要因でもあり、Compliance(コンプライアンス)の観点からもガラス張りのIT部門の情報として整理/管理されることが重要です。

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開発フェーズの効率化
さて運用管理部門としてだけではなくIT部門としてみた場合、コスト削減に大きく繋がる項目はここに挙げたもので十分でしょうか?

前回「第3回 アプリケーション開発と運用管理の関係は?」でお話しましたが、開発フェーズから運用フェーズへの引渡しは密接に関係しています。そのため、開発の不具合が運用時点の問題を発生させる可能性があることから、開発フェーズでの効率化、品質維持と開発成果物すなわち情報の管理も、運用管理と同時に重要なファクターになってきます。開発フェーズでの効率化に貢献する代表的な項目を挙げてみますと、以下のような項目があります。

開発フェーズの効率化に貢献する代表的な項目
  • 変化する要求の適切な管理
  • アプリケーションコーディングの標準フォーマット規定
  • アプリケーションの構成管理/変更管理
  • テストの自動化

「変化する要求の適切な管理」の必要性は、開発初期と後期の発生では後ろの工程に来るほど開発工数の増大と品質の低下を招きます。「アプリケーションコーディングの標準フォーマット規定」はコーディングの品質向上に繋がるので、例えばソースコードを半自動生成するようなツールの適用で 10〜20%工数削減に繋がるケースも考えられますし、全体としての品質向上にも繋がります。

「アプリケーションの構成管理/変更管理」については、運用管理プロセスと同様、ツールの適用により大きなワークロード削減と成果物の管理に繋がり運用管理フェーズに入ってからのワークロード削減に大きな影響します。同じくテストの自動化が可能な場合、アプリケーション修正後のテストワークロード削減と品質向上が望めます。

あるお客様ではWeb系のアプリケーションでエンドユーザー画面のテストケースを自動化し1万テストケースを数時間で完了させています。当然ながらテストケースを作成する工数は、手作業で実施する工数よりは多くなりますが、何度も実行できること、ほんのわずかなアプリケーションの変更でも全テストが実施できることが大きなメリットです。また、開発完了後の運用フェーズでの問題管理/変更管理においても、リリース前に全テスト実施できることは、運用管理品質の向上に大きく繋がることになります。

開発フェーズと運用管理フェーズの関係がコスト削減の面でも密接に関係していることがお分かりいただけましたでしょうか?

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ビジネスプロセスの効率化
また別の視点でビジネスの観点で見た場合はどうでしょう。

ビジネスを取巻く外的要因からアプリケーションの早期構築、早期リリースは企業の死活問題ですから、これまで述べてきたことが実現できればIT部門がビジネスの要求に柔軟に対応できるようになると考えられます。しかしながら、このままでは開発から運用にわたるインフラが効率よく整備されただけになります。よりビジネスの要求に柔軟に対応できるようになるには、次のフェーズとしてビジネスプロセスをどう効率よく構成しどうシステムインフラとして吸収していくかと言う観点が必要になってきます。

その回答がSOA (Service Oriented Architecture)でありそれに対応したITIL V3による運用管理のライフサイクルが重要な位置づけになってきます。

アプリケーション開発の標準化/コンポーネント化が進めばより柔軟により効率よくビジネスに対応できることになりますが、反面今までお話してきた以上に今までにない運用管理の側面も見えてきます。インフラが標準化されアプリケーションとのインターフェースが明確になればなるほどアプリケーション開発とインフラが分離されインターフェースを境に隠蔽化されていくことになります。

そして統廃合を経てそのシステムインフラは単体のサーバーから仮想化サーバーへ、ストレージも仮想化ストレージへ、アプリケーションの稼動監視がインフラに分散したサービスの稼動監視となり基本となるシステム運用管理に新しい視点を盛り込んで行く必要があります。すでに先に述べた運用管理環境が実現できていればプロセス含め容易に対応できていくことになります。

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TCO削減に大きく影響する項目
ここまでの内容を図2に「TCO削減に大きく影響する項目」として簡単にまとめてみます。 そして「運用管理の変遷」もあわせて参照くださいビジネスの観点を運用管理に適用していくと運用管理の効率化と同時に運用管理が事業継続性を重視したビジネス・システム・マネージメントに変わっていく事がお分かりいただけるかと思います。

図2:TCO削減に大きく影響する項目
図2:TCO削減に大きく影響する項目
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アクセラレーター for Tivoli Service Request Manager
IBMでは、運用管理特にサービスデスクから問題管理に関してプロセスを見直し、ツールを適用したいお客様向けにMaximo 構築サービス 「アクセラレーター for Tivoli Service Request Manager」をご提供しておりますので、是非お役立てください。

図3:Maximo 構築サービス 「アクセラレーター for Tivoli Service Request Manager」
図3:Maximo 構築サービス 「アクセラレーター for Tivoli Service Request Manager」
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次回は「運用改善はどこから始めたら良いのでしょう?」と言うテーマで2回に渡ってお話していきたいと思います。

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INDEX

  概要
  第1回 「はじめに」
  第2回 「ITILとは何でしょう?」
  第3回 「アプリケーション開発と運用管理の関係は?」
  第4回 「運用管理を効率化する方法は?」
  第5回 「運用改善はどこから始めたら良いのでしょう?(その1)」
  第6回 「運用改善はどこから始めたら良いのでしょう?(その2)」
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