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グローバルを目指して

メインフレームからゲームフレームに

2007年11月20日発行

The Mainstream — 2007年11月 — 第27号

ジム・ストーリングスの顔写真

IBM Systems and Technology Groupゼネラル・マネジャーのジム・ストーリングスとのインタビュー

今回は、IBM Systems and Technology Groupのジム・ストーリングス(System z担当ゼネラル・マネジャー)との対談です。今日のグローバル経済において、企業にもたらされる課題と機会のほか、System zの活用方法を見極めるため、ストーリングスは各社との共同作業に多大な時間を費やしています。また、これまで数年間、ITに対するプレッシャーが高まり、それがSystem zに対する新たな投資の引き金となっている有様を目の当たりにしてきました。

エグゼクティブが最大の懸念事項と見なしている点は、最近になって変化しましたか。
ええ、大きな転換が生じました。CEO, CFO, CIOなどのエグゼクティブは、新興市場におけるビジネスの発展と保護に関する問題や課題に注目し、グローバルな基盤で展開しつつ株主のために申し分ない収益を引き出すことを望んでいます。ITの選択基準は、今やテクノロジーに関するものではありません。決定の基準は、自社のテクノロジーで世界規模の成長を獲得し、維持できるかどうかという点です。

どんな点が障害になりますか。
エネルギー消費が大きな懸念です。お客様からは、データ・センターを新設または刷新すると何百万ドルもかかると何度も聞いています。企業にとって成長することは重要な反面、多くの企業では、エネルギー・コストが高すぎるか、単に地元の電力会社から電力を調達できないというのが現状です。

あるアナリストは、サーバーを稼動させるためのエネルギー・コストは2年以内にサーバー本体のコストの2倍になると計算しています。ここでは、もはや調達費用は最大の考慮事項ではありません。諸費用のうちで圧倒的多数を占めるのは、スタッフとエネルギーのコストです。したがって、最新鋭のデータ・センターは効率化と簡素化を図る必要があります。

メインフレームはグローバル化の動きにどのように対応していくのでしょうか。
一例を挙げましょう。2月26日、私がニューヨークにいたときのことです。市場が過大評価されているというニュースが上海から発信された結果、株式の投げ売りがすさまじい件数に達し、世界中のありとあらゆる商業圏が影響を受けました。ニューヨークに波及した頃には、取引の不均衡が著しく、数10億件もの売り注文に対し、買い手があまりつきません。しかし、メインフレームには数々のイノベーションのお陰で、予備のキャパシティーをオンデマンドで提供する能力を備えていました。その結果で、金融サービス会社が膨大な件数の要求に応じられたのです。まかり間違えば破滅的な状況に陥っていたかもしれませんが、すべての証券会社が1件残らず取引要求を満たすことができました。今回の出来事では、世界経済がいかに緊密に関連しているかを改めて浮かび上がると同時に、お客様が成長するに従い大変注目するビジネスの回復力という重要な課題が明らかになりました。

市場という観点からは、インドは成長著しい新興国の好例です。インドでは約10パーセントのGDP成長率が続いており、それに伴ってITキャパシティーの需要も大幅に伸びています。その中には、組織的な成長を遂げているばかりでなく、大企業とのグローバルな提携や、大規模な市場への製品投入を行っている中小企業も含まれます。これまでローカルだった企業、つまり特定の地域に限定されていた企業がたちまちグローバル企業へと変貌するわけですが、そのように成長の規模が大きい場合、メインフレームは理想的なプラットフォームになります。

しかも、その規模の限界が市場での予想をはるかに上回っていることが実証されています。中国銀行は最近、当社と協力して空前の大規模な試験を行い、多数の地方銀行と数百件に及ぶ顧客記録を単一のプラットフォームで統合しました。その目標は毎秒4,000トランザクションでシステムを稼動させることでしたが、最終的に9,800トランザクションを達成しました。これは、以前であれば不可能と思われた数字です。

プラットフォームを選択するときに、セキュリティーの役割とは何ですか。
ほとんどの企業にとって、セキュリティーは最優先事項となっています。実際、企業にとって何が一番怖いかと言えば、セキュリティー・ブリーチ(抜け穴)のためにブランドの信頼を一夜にして失ってしまうことです。お客様が求めているのは、最高のセキュリティーが確保された環境、すなわちお客様のデータと情報のみならず、お客様に関するプライベート情報も安心して預けられる環境です。メインフレームは現在この分野において一番優れていることが明確になっています。

たとえば、ドイツに拠点を構えているお客様のシステムは、複数のデータ・センターに分散していました。このお客様は、数々の有名自動車メーカーに部品を提供している自動車部品専門メーカーですが、さまざまなデータ・センターに顧客情報や機密設計情報を保管していたのです。しかし、そのような分散モデルのために極めて大きなリスクにさらされていたため、分散環境をメインフレームに統合し、情報管理業務を2つのデータ・センターへと集約しました。その結果、お客様の環境は、従来よりもはるかに安全性が改善されたほか、堅牢性と拡張性も向上し、将来の成長に備えられるようになりました。

お客様にメインフレームの経済的利点をどのようにお伝えしますか。
当社は、すべての企業が異なっていること、また、すべての業界が独自の問題を抱えていることを理解しています。そのため、総所有コスト(TCO)に関する当社の経験をお客様にお持ちし、ビジネスを分析し、お客様がどのようにビジネスを運営できるかについてのプランを導き出しています。大規模な企業でも成長中の企業でも、System zが最適なプラットフォームとして引き続き選ばれています。この選択がお客様にも適していることをお伝えするのが私たちの責任です。

メインフレーム・テクノロジーの新たな利用法についてはいかがでしょう。このテクノロジーを違った形で利用しているお客様はおりますか。
ええ、ブラジルのHoplon Infotainmentというお客様は代表的な例です。Hoplonはオンライン・ゲーム配信企業で、数千人のプレイヤーが同時にプレイできるゲーム環境を提供しているのですが、System z上でこのゲームの運用を開始しました。これはHoplonとIBMの協働プロジェクトであり、私たちは「ゲームフレーム」と呼んでいます。

Hoplonではメインフレームをセル・テクノロジーと協調させ、リアルな物理的シミュレーション、衝突、加速など、動きの早いゲームに不可欠なあらゆる要素を実現しています。このシステムはメインフレームにより、膨大なスケールのゲームが実現可能になるばかりでなく、Hoplonの知的財産を保護し、プレイヤー間におけるゲームの仮想経済の完全性を保っています。これは革命的アイデアであると同時に、このテクノロジーの可能性を示唆するひとつのヒントに過ぎません。

 

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