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株式会社小糸製作所

顧客ニーズを満たす高効率・高品質開発環境の構築


掲載日 2003年10月16日

消費者ニーズに合致した新車を"できるだけ旬の状態"で市場に投入したいーーそうした自動車メーカーのニーズに応えるため、部品メーカーには短期間で製品完成度を高めて量産体制に入る「垂直立ち上げ」への取り組みが求められています。 自動車照明機器のリーディング・カンパニーである株式会社小糸製作所では、短期開発の実現に向け、IBM PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネージメント)ソリューションを活用し、設計から製造に至る開発サイクル全体にわたるコラボレーティブ製品開発環境の構築に取り組んでいます。



お客様ニーズ ソリューション 導入効果

将来の展望 お客様情報 用語の説明

製品・技術情報

お客様ニーズ


大熊成樹 氏

取締役
技術本部副本部長
大熊成樹 氏


市場への早期製品投入が課題に

小糸製作所は自動車をはじめ、航空機・船舶など交通システム分野向けの照明機器の開発・製造を中心に、事業を展開しています。主力製品である自動車照明機器は、光を制御する光学的部品のため形状が複雑で、配光や視認性など法的制約も多く、高度な設計技術と品質精度が要求されます。しかも車のスタイルの重要なポイントとなるため、開発におけるデザイン変更・仕様変更にも即応できなければなりません。

同社では、こうした厳しい開発要望に対し、IBM PLMソリューションを1985年から活用。ヘッドランプをはじめとするほぼすべての製品に3次元設計を適用し、時代を先取りした製品開発を推進してきました。特に、バーチャル試作品というべきデジタル・モックアップ(DMU)やシミュレーション技術の活用により、試作を行わずデジタルで各種の検証・評価を実施し、開発工程の圧縮やコスト低減を実現、自動車メーカーから高く評価されてきました。

このようななかで新たな課題となっているのが生産の「垂直立ち上げ」、すなわち市場への早期製品投入への対応です。自動車産業では世界最適生産・調達・供給が促進され、グローバル・レベルでの競争が厳しさを増しており、自動車メーカーはサプライヤーを含めての開発体制の変革を進めています。こうした動きに対し、小糸製作所ではグローバルな開発・製造体制を整えるとともに、プロセスの効率化と品質の向上を実現するコラボレーティブ製品開発環境を構築するというビジネス戦略を打ち出しました。

小糸製作所 取締役 技術本部副本部長の大熊成樹氏は次のように語ります。
「自動車メーカー様は消費者の方のニーズに合った新車を"できるだけ旬の状態"で市場に投入したい、という切実な願望をお持ちです。われわれとしては、自動車メーカー様が求めるIT化に応え、新車開発期間の短縮や低コスト化等に柔軟かつ迅速に対応できる体制を整える必要があります。加えて、当社が今後とも自動車照明機器の開発とテクノロジーにおけるトップメーカーでありつづけるためには、既成概念にとらわれない大胆な発想で改革・改善を進める提案型企業を目指さなければなりません」

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ソリューション

高効率・高品質環境の構築

図をクリックして拡大

モノ着手前に製品品質の造り込み完了を目指す

こうした開発プロセスの改革に威力を発揮するものと期待し、小糸製作所が取り組んでいるのがIBM PLMソリューションの活用です[図]。

これまでは、仕様検討から製品設計、金型設計・製造、設備設計・製造、製造準備という流れのなかで、設計の後半部分から品質の造り込みに入る段階でコンカレント(同時進行)開発を行ってきました。しかし、今後さらなる開発期間短縮を実現するためには金型ができてからの品質造り込みでは間に合いません。
新しいプロセスでは、設計初期段階からDMUや部品表(BOM: Bill of Material)などの情報を開発関係部署、営業、調達、金型といった各部署で共有し、コラボレーションを推進することで、最終的に金型着手前に製品造り込みを完了させることを狙いとしています。

ただ、金型着手前に品質を造り込むとすると、DMUおよび造り込み作業によって開発初期段階の工数が大幅に膨らんでしまいます。これを抑えるため、効率的に形状を作成し、品質をチェックするようITの活用を進めています。モデリングにCATIA V5を、データ管理にSMARTEAM等を導入し、現在、段階的な展開を図っています。

具体的な業務への適用としては、設計段階での仕様変更に追従できるモデリング手法を実施しています。新システムでは、開発期間の後半に作成していたBOMをCAD作業と同時に作り上げ早期にコスト算出や製造設備の検討に活用する仕組みや、形状変更の自動アップデートを可能にするモーフィング手法を開発しました。さらに、設計品質向上への取り組みとして、設計者が開発段階に金型や設備などの後工程の要件も前倒しして確認できるように、Webで検討項目を表示する仕組みも構築しています。

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導入効果

不具合未然防止、開発期間の短縮を実現

これらのシステムは、現在は特定業務に対するパイロット導入の段階ですが、PLMソリューションの効果はすでに現れています。不具合を未然に防止することで金型修正費は減少し、データ作成・検討時間も短縮傾向にあることから費用削減効果も出ています。その結果、取り組み全体が評価され、受注にも好影響を与えています。

一連の取り組みの効果について、大熊取締役は次のように評価しています。
「新しいシステムの導入によって設計変更への対応が容易になり、設計の効率化に大きく貢献していくと期待しています。また、製造要件や過去に起きたトラブルなどを設計者が知ることができれば、図面の段階で不具合を消し込むことができます。そのためのナレッジ・テクノロジー活用は有効だと考えます。また、限られた時間の中で効率的に製品の完成度を高めていくうえで、CATIA V5を中心とするPLMソリューションはさらに進化したソリューションをもたらすものと期待しています」

自動車照明機器は年々、高性能・多機能化しています。今後も新光源のLED(Light-Emitting Diode:発光ダイオード)の採用のほか、製品開発がさらに複雑化することが予想されますが、同社ではその際にさらにPLMソリューションが効果を発揮するのではないかとみています。


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将来の展望


共創の場としてIT環境を整備し、魅力ある製品づくりを目指す

「5年ほど前に比べ、最近はほとんどが海外を含めた競合というかたちになりました」と大熊取締役は語ります。
ビジネス環境がますます厳しくなるなかで、小糸製作所は競争力の強化に向けて「提案型企業」を目指しています。自動車メーカーの新型車の研究・開発の早い段階から参画して、独自に研究開発を進める先進テクノロジーの提案を積極的に進めていく意向です。そのために、今後、さらに得意先やサプライヤーとの共創の場であるIT環境を整備するとともに、魅力ある製品づくりを目指してデザイン力の強化にも注力していく考えです。

さらに、大熊取締役は今後の挑戦を見据えます。
「われわれは『短期開発』を継続的なテーマとして取り組んできました。製造業にとってこれは終わりのない永遠のテーマであり、今後とも取り組んでいかなければならないものです。一方、いまや競合各社もツールは皆同じですから、これから先は使い方の勝負になるでしょう。いかに使うかという部分で努力していくことが、新たな開発力強化につながるものと期待し、人材育成に努める一方でIBMのさらなるサポート体制の充実にも大きな期待をしております」

小糸製作所は、高効率・高品質開発環境の基盤構築により、自動車メーカーをはじめとするお客様のニーズにオンデマンドで対応できるよう、大きな一歩を踏み出しました。

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お客様情報

お客様名: 株式会社小糸製作所
所在地: 〒108-8711東京都港区高輪4丁目8番3号
URL: http://www.koito.co.jp/
概要: 創業: 1915年4月1日
設立: 1936年4月1日
資本金: 142億7千万円(2003年3月31日現在)
代表取締役: 大嶽 隆司
社員数: 4,449名(2003年3月31日現在)
事業内容: 自動車照明器、航空機部品、その他の製造・販売

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用語の説明

BOM  
Bill of Material:部品表
CAD  
Computer Aided Design: コンピューターを利用した設計や設計システム
DMU  
Digital-Mockup: デジタル・モックアップ(デジタル上で仮想的に検証するための試作品)
LED  
Light-Emitting Diode: 発光ダイオード

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製品・技術情報

 ソリューション:
IBM PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネージメント)ソリューション 詳しくはこちら

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本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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