掲載日 2004年4月5日

株式会社沖データ(以下、沖データ)は、欧州、北米市場におけるカラー・ページ・プリンター事業の本格化をうけて、SAP R/3を採用して東京本社の基幹情報システムを刷新。2003年10月から、欧米30拠点とのシステム統合によるリアルタイムな経営諸情報の一元化と共有化を可能にする、新しい基幹情報システムの運用を開始しました。この新基幹情報システムに不可欠なDBサーバーに採用されたのがIBM eServer iSeries™です。
お客様ニーズ

株式会社 沖データ
常務取締役(CIO)
丸山 理 氏
グローバルな経営管理充実を目指してシステムの再構築を決定
沖データは、オフィス向けプリンターやFAXの開発/製造を行い、世界100以上の国と地域で販売しています。特に最注力分野のカラー・ページ・プリンター・ビジネスは、競合機の3倍の印刷速度を持つ新製品の市場投入と販売チャネル強化により、欧米を中心に急拡大しています。
生産/販売拠点としては、企画開発を中心に行う東京本社/高崎・福島事業所のほか、主力市場である欧州/米国に販売会社16社、30拠点を持ち、アジアでは香港やシンガポールなどに販売拠点、タイには主力となる生産工場を置いています。このうち、欧州および米国の全販売拠点においては、すでにSAP R/3によるERPシステムを運用していました。
一方、東京本社のシステムは個別業務の最適化を優先して構築されていたため、関連企業との計数情報共有が難しく、グローバルでの情報分析は困難な状況となっており、しかもSCMの中で情報の分断が発生していました。また、沖データ・グループのビジネス・モデルが“プロダクトアウト”から“マーケットイン”に変化する中で、製品サイクルのスピードアップのほか、グループ情報体系の整備/構築も求められていました。
こうして、ビジネスのグローバル化と扱い数量の急拡大が進んだこともあり、「ゆがみがさらに大きくなっていた」(丸山 氏)ため、グローバルな経営管理を充実するために、システムの再構築が必要という結論に達したのです。
ソリューション

株式会社 沖データ
執行役員 管理本部長
畠山 俊也 氏
国内/海外で活用していたIBM eServer iSeriesを、新システムの中核に採用
新システムが目指したのは、老朽化した国内の沖データのシステムを再構築し、欧米販売会社とシステム環境を統一することです。また、これらの目的を達成した後に、生産の新業務プロセスと連携した統合システムを導入することが予定されています。
新システムの基本要件は3点。すなわち、
・グローバル・スタンダードの仕組みを作ること
・コード/情報(商品/事業/市場/情報定義他)の標準化
を行うこと
・2003年下期からの基本部分の運用開始を目標とする
こと
この運用開始目標を達成するためには、いかに導入スピードをあげるかも重要でした。
システムの再構築にあたっては、グローバル・ベースでの基幹業務の効率化といっそうのスピードアップを果たすため、すでに欧米の拠点で採用されていたSAP R/3をベースにした基幹業務/経営情報システムを導入することに決定しました。
そして、開発は日本IBMが担当。2002年9月にプロジェクトをスタートさせて要件定義の詰めを行い、2003年2月から開発・本番機の立ち上げを実施。さらにテスト、およびユーザーの参画作業を完了させて、10月には予定通りに運用を開始しました。
システムの構成は、沖電気のデータセンターにDBサーバーとしてIBM eServer iSeriesモデル830を導入、また管理サーバーとしてIBM eServer xSeriesが採用されています。
沖データでは、国内の基幹業務(生産管理、販売物流、会計管理)、及びタイ工場の生産管理をiSeries(AS/400)によって展開しており、これまで培ってきた沖データ内でのiSeriesのスキルを継承するとの観点、および、長年 利用してきたiSeriesへの信頼感から、IBM eServer iSeriesがシステムの中核をなすサーバーに採用されました。
なお、今回のシステム投資は、運用管理費や事務作業工数の削減効果などにより「今後2年間で回収できる見込み」(畠山 氏)とのことです。
導入効果

図をクリックして拡大
経営情報取得が大幅にスピードアップ、日本と世界の“急接近”を実現
今回の新システムは、グローバル経営情報管理、グローバル・ロジスティック情報管理、販売/物流/在庫管理、会計および需給/生産計画を対象業務範囲として、グローバル・ベースでの情報環境の統合化を基本思想とするもの。すなわち、事業運営上の諸計数情報のスピードアップと内容の充実、サプライ・チェーンのリードタイム短縮や資本効率の追求、ビジネス・モデル変化に対応可能な顧客をキーとした業務基盤の構築、などを狙いとして構築がなされました。
この目標に対して、実際の効果としては、グローバル販売拠点の売上げ/在庫の実績把握がその日のうちにできるようになりました。今後、グループ管理会計の集計日数が30%短縮するほか、サプライ・チェーン・リード・タイムの40%以上の圧縮が見込まれています。これにより、具体的には、沖データの単独決算は、8日を要していたものが4日に短縮され、また連結ベースでは2週間かかっていたものが10日間に短縮できる見通しです。
また新たな業務プロセスのメリットとして、営業関連では週次の需要の取り込みが可能となり、販売ロジスティクス情報を基本とした、さまざまな計数情報を、早期に入手できるようになります。
今回の新システム運用開始によって、欧米各国の拠点と本社が一体となったグローバルな基幹情報システムが構築され、「日本から世界を見る、世界からも日本が見える」仕組みを具現化。これにより、シームレスでリアルタイムな諸経営情報の一元化と共有化、グループ内での資源最適化、さまざまな視軸に対応した財務情報の提供の仕組みを可能にすることを目指します。
経営を支える基幹業務システムと、各種の計数情報をグローバルに統一整備することで、急速に拡大するカラー・プリンター事業を、さらに加速する経営インフラを構築していきます。
将来の展望
2004年度以降の第2ステップにおいて、システム再構築は完成の予定
今回のシステム構築は、第1ステップの国内基盤システムの再構築であり、2004年度以降に予定している第2ステップの生産系への展開で、タイなどアジアの生産拠点にR/3が導入され、本当の意味でSCMが完成することになります。これら拠点では、需給計画から資材調達/生産管理/ロジスティクス/販売管理/顧客情報にわたる事業のチェーン全般をグローバル・ベースでシステム的に統一する予定です。
ちなみに、タイ工場での出荷においては、日本側で入荷と売上げ計上が行われ、販売先の欧米の販売拠点にタイから船便で運ばれます。
新たなシステムの構築によって、マネジメントの意思決定迅速化への貢献、サプライ・チェーンの円滑な運営の支援、顧客満足度の向上、業務拡大に貢献する業務支援などの効果が期待されています。
こうした国内外の一連のシステム導入によって、いっそう迅速な経営判断や意思決定が可能となり、収益力向上を図ると共に、情報システムの運用管理費や事務作業工数などの低減を、沖データでは推進していく計画です。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、 eServer 、iSeries、AS/400、RS/6000 および
xSeries はInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
