IBM

京都新聞社、神戸新聞社、中国新聞社

共同での構築は業界初となる、新聞の記事・写真・紙面イメージの統合データベース開発を日本IBMがサポート


掲載日 2003年12月18日

中国新聞社 本社社屋

中国新聞社 本社社屋
時代の変化につれ、いわゆる“メディア”の種類やあり方も、大きく変貌しています。ITの発達によって近年、急速に普及したインターネットは新しい種類のメディアの一例ですが、一方、メディアとしての“大先輩”である新聞 ―― 中でも、地域に根ざし、地域と共に成長、発展を遂げている地方の新聞は、時代の動きを捉え、新しいあり方を模索しています。

時代の変化をいち早く先取りし、オンデマンドな対応を図りつつある先進ビジネスの好例が、ここにご紹介する、京都新聞社・神戸新聞社・中国新聞社による三社統合データベース・システムの構築事例です。今回、日本IBMがサポートしたこの事例について、3社を代表して、中国新聞社様にお伺いしました。



お客様ニーズ ソリューション 導入効果

将来の展望 お客様情報 製品・技術情報

お客様ニーズ


地方紙の“夢”を実現するため、初の「三社統合」がスタート

京都・神戸・中国の各新聞社は、地理的に比較的近いことも手伝い、従来から親しく意見交換等を行う関係だったそうですが、2002年当時はまた、同じような悩みと希望を持つ3社でもありました。それは、データベースの構築についての悩みと希望でした。その当時を振り返り、データベース構築の旗振り役のひとりであった、現・株式会社中国新聞社 企画局付 メディア担当の栗栖 武士郎局長はこう語ります。

「新聞社はどこも、自社の情報を管理するために、記事のデータベースを持っています。しかし、写真にもデータベースが欲しい、紙面イメ−ジのデータベースもいる、と考えていました。つまり、新聞制作上、自社の資産をきちんと管理して活用するために、記事・写真・紙面イメージのデータが相互にリンクしたデータベースが必要だ、との認識があったわけです。
そんな話をしていたら、実は、似たようなことを神戸新聞も思っている、京都新聞も作りたいと考えている、ということが分かった。しかし、どの社にも事情があって、簡単には実現できそうにない点も、同様だったんですね。
そこで、じゃあ、3社で共同開発というのはできないだろうか……という話になったわけです」

予算的には、各社が単独で構築するよりも共同で開発した方が、低額で済むことが予想されました(これはその通りであることが、後に実証されました)。さらに、3社がデータを蓄積し、それを共有し合うようにすれば、単にデータ量が3倍になるだけでなく、より多面的、重層的なコンテンツの創造も可能になるだろう。また、この3社での取り組みが成功すれば、他の地方紙からも参入希望社が現れるだろう。そうすれば、さらにデータベースの価値と利用方法は拡大し、いずれは、全国の地方紙を網羅するデータベース・ネットワークにも成長することだろう ―― 。
こうして、大きな“夢”をはらみながら、三社統合データベースの構築がスタートしたのでした。


“所有から利用へ”の概念が理想とマッチし、日本IBM案に決定

一方、新聞界では近年、NewsMLという“次世代のニュース管理の標準フォーマット”を利用した、新聞制作の標準化作業が進行中です。これは、XMLという、データをネットワーク経由で送受信するための次世代言語をベースにした仕組みで、これにより、文字情報や静止画・動画など、多様なデータの送受信や利用がスムーズになり、新聞制作の効率化はもちろん、デジタル・メディアに向けた展開も容易になることなどが期待されています。
こうした動向にも対応すべく、三社統合データベースは以下のような目標を掲げ、開発が目指されることになりました。

  新聞界の新しい流れを先取りした三社統合データベース
   1. 地方紙が連携し、設備、電子コンテンツを共有可能にする枠組み
   2. 記事・写真・紙面イメージの高品質データを多目的に再利用する
   3. XMLに対応、次の新聞界標準NewsMLも視野に入れている
   4. <新聞制作→データベース> 異メーカーのシームレス接続を実現

  多彩なコンテンツ生産を可能にする三社統合データベース
   1. 各社の記事と写真と紙面イメージのデータベースは相互にリンク
   2. 三新聞社は各社データベースを自由に検索できるIDを相互交換
   3. 検索者が類義語を自由に登録、最短最適のデータ取り出しが可能
   4. 紙面情報以外の写真、各種資料、動画ファイルも併用保存が可能

これらの要件を満たし、なおかつ金額的にもリーズナブルなシステムの構築を実現するため、日本IBMを含む5つのメーカーにシステムの提案要請がなされました。
2002年5月にメーカー各社から提出された回答を、3新聞社でそれぞれに検討した結果、3社ともの結論が日本IBM案を採ることで一致し、採用が決定しました。
「IBMさんの提案が我々の考えていたことともっとも近かったのは、データセンターをきちんと作り、そこですべてを管理する、という思想でした。これは、新聞界にとってはけっこう新しい話なんですね。
従来、新聞社は、地方紙といえども、輪転機などを含む“装置”は、自社で持っているのが普通でした。こうした“所有”から、データセンターを作って“利用”するという、“所有から利用へ”という概念の切り換えといったスキームを、IBMさんは提案された。この点が、大きかったでしょう」(栗栖局長)

さらに、異機種間でのデータのやり取りを前提としたシステムのオープン性や、全体としての性能、価格を含めた総合的な観点から、メーカー選定が行われました。



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ソリューション

データの活用度を大きくExtendする「X−DB」

その後、データベースの設置場所となるデータセンターの検討も進み、将来の展開や拡張性等を考慮して、データセンターは3新聞社のいずれかに置くのではなく、独立させて、大阪市内に設置することに決定。実際のデータセンター業務と3社を結ぶ回線の運用/保守業務は関西電力系の企業に委託することに決まりました。

このデータベース構築にあたり、新聞社側の窓口として3社の要望や意見を集約し、日本IBMとの折衝などの構築実務を担当した 株式会社 中国新聞システム開発 システム開発部 システム営業部 ソリューション第一グループの 岡部 良道 マネージャーは、構築当時の模様をこう語ります。

「各社さんとも、昔からの考え方、やり方というものがあり、同じ業界で同じ新聞というものを作っていながら、具体的な手順では、ちょっとしたところが微妙に違う、といったことは多々ありました。しかも、各社さんとも、今まで行ってきた自社の運用が最善だろうと思っていたのが、他社の方法を聞くと、“ああ、そっちの方がいいね”となった話もけっこうあって、プロジェクト自体は、そういう意味でも非常に面白いものでした。

弊社は、3社が個別にIBMさんと契約したり要求したりする不便さ、不合理さを避けるための、いわば、3社の“統括代理機能”を果たしたわけですが、これはしかし“3社の意見を1社分にする”ということではありません。
3つの新聞社が相談して要求をまとめるとなれば、各社の意見の中でも、もっとも高いレベルでまとまる場合が多いわけで、したがって、IBMさんには、かなり高難度の要求を突きつけた形となったかもしれません。IBMさんは大変だったかもしれませんね(笑)」


こうして、2003年6月、三社統合データベースが生まれました。これにより、記事、写真・画像、紙面イメージは各データベースに格納され、しかもこの各々は相互にリンクするように構築されています。またデータベースは1社ごとに独立していますが、各社間での許可があれば、データベースを相互に参照することも可能です。
質的にも量的にも、データの活用性を大きく広げるこのシステムには、Extended Database(拡張されたデータベース)の略である 「X−DB」という愛称が付けられました。

X−DBは、プラットフォームにIBM eServer pSeries® を採用し、この上で、WebSphere® やDB2® UDBなどのアプリケーションを組み合わせて各種素材の管理を統合的に行うほか、NewsMLに対応したIBMのソフトウェア・エンジン、NewsMLプロセッサーを利用している点が大きな特徴となっています。
NewsMLプロセッサーは、NewsMLのXML文書から各構成要素の抽出と組み立てを行うエンジンで、NewsMLをベースにしたコンテンツ・データの入出力を高速、かつ確実に行うことが可能。NSK(日本新聞協会)の拡張モデルが提供されており、NewsML文書の解析、変更、生成、検査を行うほか、Property要素による拡張モデルの追加、要素のコピーやNewsML文書間の合成も容易に行うことができます。


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導入効果

3社間でデータを効率的、多面的に利用することが可能

X−DBの構築により、各社内では過去のデータを再利用して紙面制作に活用できるほか、読者サービスや出版、広告企画、多メディア発信用素材といった多目的な利用を手軽に、効率よく行う道が開けました。さらに、相手先の新聞社と申し合わせることで、地場産業、観光データ、特定テーマの写真CDなど、多様なコラボレーションを展開することが可能になります。

「新聞社が日々作っている、紙面情報を管理、統合するということは、将来、そのコンテンツをいつでも、自在に融合し展開できることを意味します。例えば、阪神大震災と広島の原爆の話を比較して語ろうとか、琵琶湖の環境問題と瀬戸内海の環境問題を同時に討議しようといった形で、コンテンツを整合させようという日がいつか来ると思い、3社間でそういう議論をしました。
そうしたことを実現するならば、互いが持っている情報を、いつでも見ることができる環境がぜひとも必要です。
今までは、自社が集めた情報を外に開放することはすることは少なかったわけですが、そうではなく、オープンにして3社で共有しても、実はたいして困らないわけです。むしろ、将来、データを融合したり結合したりしながら地域情報の厚みを増していった方が、お互いの会社にとってきっと役に立つことでしょう」(栗栖局長)

システム構成図


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将来の展望


オンデマンド・ビジネスへの扉を開く統合データベース

「今後は、例えば、周辺データベース……映像のデータベースや音声データベース、弊社でいえば原爆写真のデータベースなども吸収していくことになると思います。そうして、日々、生産している新聞記事情報以外のものも吸収していくということで、本当の統合データベースに成長していくだろうと思います。
だから、例えば写真でいえば、何も、新聞社が撮った写真でなくても、商業写真で撮られたものを、中国新聞が預かって、そこに3社の加えて、一緒になって“写真市場”を作ろうと、いったことは可能ですよね。こうしたことは、先々、本当に実現すると思いますよ」(栗栖局長)
こうして、地方新聞社は今、例えば今回の統合データベース構築などを大きな契機として、従来のあり方からは考えられなかったような、まさに“次世代のオンデマンド・ビジネス”に向けて動き出しているのです。



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お客様情報

お客様名: 株式会社 京都新聞社 株式会社 神戸新聞社 株式会社 中国新聞社
概要: 株式会社 京都新聞社
http://www.kyoto-np.co.jp/
〒604-0905京都市中京区烏丸通夷川上ル少将井町239番地

株式会社 神戸新聞社
http://www.kobe-np.co.jp/
〒650-0044 神戸市中央区東川崎町1丁目5-7

株式会社 中国新聞社
http://www.chugoku-np.co.jp/
〒730-0854広島市中区土橋町7-1

三社統合データベース
http://www.chugoku-np.co.jp/prf/x-db/index.html

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製品・技術情報

 ハードウェア:
IBM eServer pSeries 詳しくはこちら

 ソフトウェア:
WebSphere 詳しくはこちら
DB2 詳しくはこちら
NewsMLプロセッサー 詳しくはこちら

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本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。

IBM、IBMロゴ、 eServer 、DB2、pSeries および WebSphere はIBM Corporationの商標。
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