京都新聞社、神戸新聞社、中国新聞社共同での構築は業界初となる、新聞の記事・写真・紙面イメージの統合データベース開発を日本IBMがサポート 掲載日 2003年12月18日
データの活用度を大きくExtendする「X−DB」 その後、データベースの設置場所となるデータセンターの検討も進み、将来の展開や拡張性等を考慮して、データセンターは3新聞社のいずれかに置くのではなく、独立させて、大阪市内に設置することに決定。実際のデータセンター業務と3社を結ぶ回線の運用/保守業務は関西電力系の企業に委託することに決まりました。 このデータベース構築にあたり、新聞社側の窓口として3社の要望や意見を集約し、日本IBMとの折衝などの構築実務を担当した 株式会社 中国新聞システム開発 システム開発部 システム営業部 ソリューション第一グループの 岡部 良道 マネージャーは、構築当時の模様をこう語ります。 「各社さんとも、昔からの考え方、やり方というものがあり、同じ業界で同じ新聞というものを作っていながら、具体的な手順では、ちょっとしたところが微妙に違う、といったことは多々ありました。しかも、各社さんとも、今まで行ってきた自社の運用が最善だろうと思っていたのが、他社の方法を聞くと、“ああ、そっちの方がいいね”となった話もけっこうあって、プロジェクト自体は、そういう意味でも非常に面白いものでした。 弊社は、3社が個別にIBMさんと契約したり要求したりする不便さ、不合理さを避けるための、いわば、3社の“統括代理機能”を果たしたわけですが、これはしかし“3社の意見を1社分にする”ということではありません。 3つの新聞社が相談して要求をまとめるとなれば、各社の意見の中でも、もっとも高いレベルでまとまる場合が多いわけで、したがって、IBMさんには、かなり高難度の要求を突きつけた形となったかもしれません。IBMさんは大変だったかもしれませんね(笑)」 こうして、2003年6月、三社統合データベースが生まれました。これにより、記事、写真・画像、紙面イメージは各データベースに格納され、しかもこの各々は相互にリンクするように構築されています。またデータベースは1社ごとに独立していますが、各社間での許可があれば、データベースを相互に参照することも可能です。 質的にも量的にも、データの活用性を大きく広げるこのシステムには、Extended Database(拡張されたデータベース)の略である 「X−DB」という愛称が付けられました。 X−DBは、プラットフォームにIBM eServer pSeries® を採用し、この上で、WebSphere® やDB2® UDBなどのアプリケーションを組み合わせて各種素材の管理を統合的に行うほか、NewsMLに対応したIBMのソフトウェア・エンジン、NewsMLプロセッサーを利用している点が大きな特徴となっています。 NewsMLプロセッサーは、NewsMLのXML文書から各構成要素の抽出と組み立てを行うエンジンで、NewsMLをベースにしたコンテンツ・データの入出力を高速、かつ確実に行うことが可能。NSK(日本新聞協会)の拡張モデルが提供されており、NewsML文書の解析、変更、生成、検査を行うほか、Property要素による拡張モデルの追加、要素のコピーやNewsML文書間の合成も容易に行うことができます。
3社間でデータを効率的、多面的に利用することが可能 X−DBの構築により、各社内では過去のデータを再利用して紙面制作に活用できるほか、読者サービスや出版、広告企画、多メディア発信用素材といった多目的な利用を手軽に、効率よく行う道が開けました。さらに、相手先の新聞社と申し合わせることで、地場産業、観光データ、特定テーマの写真CDなど、多様なコラボレーションを展開することが可能になります。 「新聞社が日々作っている、紙面情報を管理、統合するということは、将来、そのコンテンツをいつでも、自在に融合し展開できることを意味します。例えば、阪神大震災と広島の原爆の話を比較して語ろうとか、琵琶湖の環境問題と瀬戸内海の環境問題を同時に討議しようといった形で、コンテンツを整合させようという日がいつか来ると思い、3社間でそういう議論をしました。 そうしたことを実現するならば、互いが持っている情報を、いつでも見ることができる環境がぜひとも必要です。 今までは、自社が集めた情報を外に開放することはすることは少なかったわけですが、そうではなく、オープンにして3社で共有しても、実はたいして困らないわけです。むしろ、将来、データを融合したり結合したりしながら地域情報の厚みを増していった方が、お互いの会社にとってきっと役に立つことでしょう」(栗栖局長)
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