掲載日 2003年12月16日

株式会社シナジー(代表:尾坂昇治)では、介護にかかわるスタッフたちの勤怠管理や請求業務などを行うためのアプリケーション『介援隊』で培った技術と経験を基に、携帯電話との連動などを積極的に取り入れ、企業や店舗で働くスタッフたちの勤怠管理などを行うアプリケーション『バイトマスター™』シリーズを、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー:Application Service Provider)事業として展開。
その実現に貢献したのが、コストと信頼性に優れた、LinuxサーバーとDB2®によるソリューションでした。
お客様ニーズ

株式会社シナジー
取締役副社長
池畠 宏之氏
実績を築いた技術をベースに、新しい可能性へ挑戦
2001年4月より株式会社シナジーが開発を始めた『バイトマスター』シリーズは、例えばレストランやガソリンスタンドなどで働くアルバイト・スタッフの勤怠管理をスムーズに行うための、ASPシステムです。
その最大の特徴は、他に先駆けて、携帯電話との連動を取り込んだ点にあります。
しかし、このソリューションの誕生自体は「ほんのちょっとしたアイデア」だったと、同社の取締役副社長 池畠宏之氏は言います。
「そもそも弊社では『介援隊』というアプリケーションを、パッケージ版をメインとして展開していたのですが、このときの技術を活かせることと、特定のお客様から勤怠管理アプリケーションに関する要望があったということ、そして2001年当時は、まだiモードと連携したサービスなども少なかったものですから、これから先伸びていく可能性があるというのが、開発をスタートさせた理由でした」(池畠氏)
『介援隊』とは、さまざまな場所に派遣され、勤務されている介護スタッフの方々の勤務報告、そして介護サービスの事業者から国保連合会(国民健康保険団体連合会)へ行う報告をサポートするためのアプリケーション。
この時に利用していた専用のモバイル端末を、iモードをはじめとする携帯電話へとスライドさせ、アイデアを展開させたのです。
「例えば、アルバイトの方から急に休むと連絡がきたとき、登録スタッフの携帯に一斉にヘルプを依頼する連絡が出せれば便利ですよね。そして、タイムレコーダーをオンライン化してしまえば、各店舗に30人ぐらいのスタッフが在籍しているようなフランチャイズでも、リアルタイムに人件費の把握が可能になります」
「こうしたニーズに、低コストかつ柔軟に対応していくことを考え、ASP事業として『バイトマスター』の開発をスタートさせたのです」(池畠氏)
そして、このアイデアの実現に際して求められたのが「コストのかからないシステム」であり、「将来の可能性に対応できるシステム」だったと、同社のシステム開発担当 伊藤 義治氏は言います。
そして、選ばれたのが、Linuxを搭載したIBM eServer xSreise®とDB2 Universal Database™(DB2 UDB)によるソリューションだったのです。
ソリューション

株式会社シナジー
システム開発部
I課 課長
設計主任
伊藤 義治氏
決め手は、入念なサポートと希望通りの低コスト
同社のシステム開発部I課 課長 設計主任である伊藤氏は言います。
「システム上で動いているソフトウェアは私どもの自社開発なのですが、その開発に際して、実は別のシステムを利用していました。しかし、新しいニーズに期待したこのアプリケーションをASPとして展開していくには、コストが合わないと判断するほかなかったんです。そんな時に、LinuxとIBMのDB2の組み合わせが候補として挙がってきたのです」(伊藤氏)
もちろん、単にコストが低いというだけでは、ビジネスの成否を左右する決断を下すわけにはいきません。
決め手になったのは、Linux上で動作させるための緻密な検証にあったといいます。
「うちが希望した仕様というのが、通常、ハードウェアに対して想定されている許容量の5倍以上はあったのです。それだけ大きなものをLinuxの上で動かすのは初めてに近いということで、実に綿密な動作検証を行っていただきました。購入を予定していた機材で、何の問題もなくDB2 UDBが稼働しているのをこの目で見た上で、コスト面にもシビアな検討を行い、決定しました。さらに言うと、実際にIBMのサポートを受けてみた印象というのも大きかったですね」(伊藤氏)
現在、『バイトマスター』シリーズは順調に業績を伸ばしており、そのお客様からのフィードバックによって機能も次々に追加されてきています。
当初の予想を超えて多機能化が進む『バイトマスター』ですが、現在まで、ユーザー数の増加や、機能の追加によってシステムがトラブルを起こしたことはないといいます。
「今のところシステムに関しての問題は、何も発生していないですね。もちろん、処理が集中しないようにプログラムしているのですが、それ以前にシステムの能力に余裕がありましたから(1サーバー当り、80〜100のDB)」(伊藤氏)
導入効果
お客様のニーズに即応し、機能とラインアップを充実
現在、『バイトマスター』シリーズには、多彩なニーズに対応したラインアップが揃えられています。
- バイトマスター DXタイプ
- 同 スタンダードタイプ
- 同 勤怠管理タイプ
- 同 派遣版
- SSマスター™(サービスステーション・マスター)
- スタッフマスター™
増えたのはラインアップだけではありません。
「もともとは、最適な人材配置をサポートするという目的を持って開発されていたのですが、現在では、お客様のニーズを反映して、予実管理であったり、勤怠評価システムであるとか、さまざまな機能が追加されています」(伊藤氏)

当初の想定を超え、短期間のうちにここまでの機能拡張と製品の分化を進めつつラインセンス数を伸ばしていった裏には、更新・管理にかかわるコストを抑えられるASP事業としてのメリットと、“現代の雇用事情”が見え隠れしています。
「例えば、営業時間が長くなったことや少子化などによって、一日のうちに何度もシフトを交代する必要が生じたりするわけです」
「その中でスケジュールを作成していると、月末の締め日になってようやく、ある人を規定以上に働かせてしまった事実などが発覚し、追徴課税など余分なコストを発生させてしまうわけです」(池畠氏)
いち早く製品開発に取り組むとともに、こうしたニーズに敏感に反応してきた点に、後から参入してきた競合他社に対する株式会社シナジーの強みがあります。
「ただし、お客様がどれだけの機能を必要とされて、どれだけ使いこなしていただけているかという意味では、利用される方のスキルの差が大きいですから、バランスが重要だと思っています」(池畠氏)
「『バイトマスター』のコアな機能というのは、ある程度のところで固めようと思っています。今、開発が始まってから足掛けで2年半。大体の部分は完成されてきたと思っています。もちろん、お客様のセグメントによって、どうしても必要となる機能の変更や追加は続くとは思いますが」(池畠氏)
将来の展望
さらなる発展は“お客様”との真摯な付き合いから
「弊社では、機能・性能を安売りする価格競争ではなく、最適なソリューションを提供する、という立場で競争をしていきたいと考えています」
「実際、今はシステムを作った人間として営業に行く、というよりも実際の運用に関する提案までを含めて、アプローチしております。
この点に関しては、まだまだ弊社としても課題として取り組んでいる部分なのですが、自分では『システム屋』だと思っているのに、お客様には『この人は労務に詳しいんだよ』と言われています(笑)」(伊藤氏)
今後の展開も見据えて、大事なのは“お客様のメリット”を実感してもらえるソリューションを提案することだといいます。
「例えば、他社と比べて機能が足りないと言われたことは、おかげさまで今のところありません。しかし、ASPとして展開している以上、機能のアップデートだけではなく、お客様に“利用し続けていただく”ための提案が不可欠だと思っています」(伊藤氏)
「アプリケーションの性格上、『パッケージだから売り切りで終わり』、『ASPだからいつまでもお客様と密着して』という区分はできないと思っています。そういう意味で、今回ASP事業に取り組んだことで弊社の基本姿勢そのものが大きく変化したとは考えていません。今後、いろいろな展開は可能性として考えられるとは思いますが、まずは目標とする数字を達成するために努力をしていきたいです。その後は、海外へ向けて販売するのもいいかもしれませんね(笑)」(池畠氏)
お客様情報
設立:1984(昭和59)年4月
代表取締役 :尾坂昇治
事業内容:
COMMUNICATION TECHNOLOGY、アプリケーションサービスプロバイド、コミュニティサービスプロバイド、デジタルコンテンツクリエーション&プランニング
主力商品:
「バイトマスター」、「SSマスター」、「スタッフマスター」、「メディカルマスター」、「介援隊」、「MAG-Net STUDIO 」、
「お元気モード(生活支援コミュニティ・ネットワークシステム)」
用語の説明
- ASP
Application Service Provider(アプリケーション・サービス・プロバイダー)の略。インターネットを介して、主にビジネス用のアプリケーション・ソフトウェアをユーザーに提供するサービス。ユーザーは個別にアプリケーションをインストールする必要がなくなり、アップグレードの費用や手間も軽減できる。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、 eServer 、DB2、DB2 Universal
DatabaseはInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
