掲載日 2004年3月17日

株式会社福岡銀行(以下、福岡銀行)と株式会社広島銀行(以下、広島銀行)は2003年1月より基幹システムの共同利用を開始。これは勘定系から情報系、対外系まで、銀行システムのほぼ全領域におよぶ大規模なシステムの共同化です。日本IBMは、両行のコラボレーションを全面的に支援しました。
日本IBMグローバル・サービス システム・コラボレーション・プロジェクト チームでは、共同化の計画段階から参画。
また、両行の共同利用システムのアウトソーシングを遂行する実施組織として日本アイ・ビー・エム共同ソリューション・サービス株式会社(IBM Global Services Japan Collaboration Solutions and Services Company 以下、略称:CSOL)を設立しました。
大規模金融機関の共同基幹システムを、アウトソーシングで提供するサービスはこれまでに例を見ない画期的な形態であり、全国の金融機関からの注目を集めています。
この共同化プロジェクトを、IBM eServer ® zSeries®が支えています。
お客様ニーズ

株式会社 福岡銀行
IT統括部 部長
廣田 喜大 氏
基幹システムの共同化で競争力を強化
1999年、社団法人全国地方銀行協会は、地方銀行64行(当時)で基幹システムを共同化する取り組みを開始。これは、金融業界を取り巻く環境が激変していることに端を発し、コストを削減しながら、都市銀行などに対する競争力を高めていくことを目的としたものでした。
しかし、各行とも共同化による効果については納得したものの、具体的な中身についての調整で難航し、この取り組みは暗礁に乗り上げていました。
そこで、福岡銀行は自行の強みであった勘定系システムをもとにした、独自のシステム共同化への取り組みに着手し、他行への参画を呼びかけました。この呼びかけに対して、同じ頃、システムのあり方について同様の問題意識を抱いていた広島銀行が賛同。福岡銀行の勘定系システムを担当していた日本IBMとも連携し、システム共同化に向けての取り組みが決定されました。
ソリューション
アウトソーシングでコア・コンピタンスに集中
この共同システムの開発において、日本IBMはシステム設計以前のプロジェクト計画段階より参画し、開発・実行まで支援。
両行のシステムから新しいものを取り入れ、共同システム稼働に向けて作業に取り組んでいきました。
「コストを抑えて短期間で結果を出すために、半年ほど集中して、25を上回るさまざまな業務要件を綿密に決議しました。
勘定系は福岡銀行のシステムを使うことにして、そのほかのシステム選択基準は、お互いが揉めないように、より最新のシステムを選択するようにしました」(廣田 氏)
このシステム共同化の狙いは、まさにオンデマンド時代の企業に求められる要件ともいえるものです。
システム共同化の狙い
- 競争力のあるシステムの早期実現
国内の銀行としては最高レベルの、先進的かつ競争力ある最新鋭システムを構築する。
共同化によって生じた余力(費用・人材など)を、新たなサービス開発に向けたITを構築するため積極的に投資する。
- 大幅なコストダウン
システムの開発を共同で行うことにより開発費の大幅な削減を実現する。
共同化システムの運営を日本IBMにアウトソーシングすることにより効率化とコア・コンピタンスへの集中化を実現する。
- 共同化対象範囲の順次拡大
共同化対象範囲の拡大を検討し、共同化メリットの極大化を目指す。
新商品・新サービスの提供、共同による事務改善(BPR:Business Process Reengineering)の推進、他業態との連携などを計画。

システム図:クリックで拡大
導入効果

株式会社 広島銀行
IT統括部 部長
福徳 泰秀 氏
新システムには両行の資産とスキルを反映
日本IBMは、両行がすでに保有していたシステムを可能な限り活かし、機能改善や新機能の追加などを行いました。
また、両行のノウハウを結集させた新システムを構築するなど、各行が単独で行った場合よりも機能を充実させ、かつコストパフォーマンスの高いシステムを実現しています。
共同システムの概要
主な機能改善
- 勘定系システム
共同システムに必要となる基本機能と事務効率化のための機能を追加。また、24時間365日稼働を目指す。
- 対外系システム
残高・取引明細の即時反映機能・24時間365日サービスの実現を目標にした、迅速な情報提供。
- データ・ウェアハウス
各種システムでのデータ収集・蓄積・提供方法を整理し、基本データの統合と各システム・インターフェースを一元化。
主な新規開発
- 融資支援システム
融資業務に必要な情報を統合・整理し、稟議の電子化、審査のワークフローなどを実現。
- 口座振替システム
口座振替業務のBPRを行い、システムを再構築。
- アクセスハブ
新チャネル・他業態との連携を容易に実現するための汎用ネットワーク基盤を構築。
この共同システムの運営・管理は、日本IBMにアウトソーシングされ、その実施組織としてCSOLを設立しました。
将来の展望
コラボレーションが新たな競争優位性を生み出す
両行で共同システムを保有することにより、単独システムを継続した場合に比べて、約30%のコスト削減が実現できるシステムを創出。
その実現に貢献したものは、開発・運用要員の削減、調達コストの削減、両行の持つスキルやノウハウ、リソースの共有による開発コストの負担軽減などがあります。
また、システムの運用をアウトソーシングすることによって生まれたコア・コンピタンスへの集中化や、両行のコラボレーションによる新たな効果がもたらされています。
人材・スキル・知識の共有などが、お客様にとって、より魅力のある新商品やサービスの開発に結びつき、いっそう競争力の高い企業へと変革するための原動力となっています。今後、共同化の対象範囲を拡大することで、さらにコラボレーション効果が高まることが期待されています。
「アウトソーシングは1社でも問題が出る場合がありますが、我ら3社は良いスキーム作りができたのではないかと思います。今後も連携を強化して、揺るぎない信頼関係を築くことで、たとえそれぞれの担当者が変わってもより良いサービスの提供につなげていきたいですね」(廣田 氏)
お客様の声
共同システムの動向について
IT統括部長のお二方は、今後の銀行システムの共同化について、こう語ります。
「私たちがコスト削減、サービス向上を実践できたため、それをもとにして今後も地銀でのアウトソーシングによる共同化は増えると思います。
ただ、我らがスムーズに共同化できた大きな理由として、両行のトップレベル同士で理解・合意が得られていたことがあります。トップレベル同士の連携がうまくできているなら、多少の問題はなんとかなりますし(笑)。もちろん、両行の担当者レベル間でも問題の共有化などができているということも大事です」(廣田 氏)
「開発者教育などは、銀行が用意した開発環境よりも、日本IBMの方に最新の仕組みが揃っている。そのため、安心して教育をお願いできたのも良かったのではないかと思います。
また、共同化にあたって、日本IBMにはお互いの銀行同士では言いにくいことを聞いてもらうなど、両行にとっての緩衝材のような役割をしてもらったことも成功の要因になったと思いますね」(福徳 氏)
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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