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第一生命保険相互会社

Lotus Notes/Lotus Dominoのバージョンアップでコスト削減を実現。さらなる情報活用力の強化へつなげる


掲載日 2004年4月28日

第一生命保険相互会社(以下 第一生命)は、日本で最大規模のLotus Notes®/Lotus Domino®(以下 Lotus Notes/Domino)ユーザーです。サーバーは約2000台、利用者は約6万人、共有データベースは6000を超えています。Lotus Notes/Dominoはいわば社内システムの統合活用環境であり、まさに全社員に必要不可欠な業務システムとして稼働しています。

それまでLotus Notes/DominoはR4.6で運用していましたが、サポートが終了してしまうことと、いっそうの情報活用力向上、TCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)の削減のために6へのバージョンアップを決定。システム開発・運用を担当する第一生命情報システム株式会社(社長:大竹一誠 / 以下 第一生命情報システム)によりバージョンアップのプロジェクトが行われ、2002年から約1年半で成功裏に完了しました。



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お客様ニーズ


TCOの削減要求とサポート期限終了をきっかけに、バージョンアップを決断

第一生命がLotus Notes/Dominoを導入したのは1997年。以降、社内業務に深く浸透し多くの恩恵をもたらしましたが、運用側は悩みを抱えていました。それはTCOの削減要求とサポート期限です。

同社ではR4.6をベースに運用していましたが、6がリリースされる2002年10月にはR4.6はサポート切れとなります。また、TCOのさらなる削減のために、2000台ものサーバーを集約化することも課題として掲げられていました。しかし集約化を進めるにはR4.6では限界があり、バージョンアップは不可避でした。バージョンアップを決断した2001年度末頃の背景を第一生命情報システムの久永勝義氏(基盤システム本部  オープン技術グループ アナリスト)はこう振り返っています。

「最も切実だったのは約1年後に控えたサポート切れでした。次にサーバーの集約化です。導入当時はサーバーを分散して配置するのがLotus Dominoのアーキテクチャーからしても最善策でした。しかし近年ではハードウェアやネットワーク環境の進化もあり、集約化へと流れが変わりました。集約化にはソフトウェアのバージョンアップが不可欠です。実際にサーバー1台当たりの許容ユーザー数で比較すると、R4.6では500から1000ユーザーが限界ですが、6だとおよそ3000から6000ユーザーが可能と見積られています。サポート切れと集約化、この2つの理由からバージョンアップに踏み切りました」


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ソリューション

バージョンアップ成功のカギは、計画段階の綿密な検討

同社のバージョンアップ・プロジェクトでは致命的な問題は一切発生せず、作業を終えることができました。実際に移行に要した期間は1年半、かかった工数はトータルで600人月。2002年度初頭から全体設計を開始し、同年7月からツールの開発や移行テストを重ね、2002年度末から約半年強で移行作業が完了しました。

まず最初に、どのバージョンへ移行するか検討が行われました。当時はR5が出荷されていましたが、間もなく6がリリースされることはアナウンスされていたので、R5と6を比較して、第一生命は6を選択しました。

木村龍巳氏イメージ画像

第一生命情報システム株式会社
基盤システム本部
オープン技術グループ
次席コンサルタント
木村龍巳氏 


「サポート期間を考え、R5はスキップして6に移行することを決めました。これでR5への移行作業を省いて6へ移行できました。移行工数を考えると7億円くらいはコスト削減できたと思っています」と第一生命情報システムの木村龍巳氏(基盤システム本部 オープン技術グループ 次席コンサルタント)は語っています。

今回は第一生命にとって初めてのメジャー・バージョンアップになります。しかし新規導入に比べバージョンアップは容易ではありません。すでにLotus Dominoは全社で業務の基盤として稼働しています。一瞬たりともサービスを止めることは許されませんでした。
確実性を高めるには何が重要なのでしょうか。久永氏は「プランがすべてです。計画段階で作業の順番や優先度を緻密に検討しておく必要があります。作業に手戻りが発生しないように効率的な作業の順番をつけること、また限られた工数を効率的に使うために優先度の高低を見極めることも大切です」とアドバイスします。

ユーザーから遠いサーバーから作業する

計画では順番と優先度が重要だと久永氏は断言しています。では作業手順はどのように定めていくのがいいのでしょうか。久永氏は「ユーザーから遠いサーバーから作業することが基本」と述べています。

具体的には、サーバー間にあるメール転送や複製ハブといった役割を持つサーバーから作業していくことになります。こうしたサーバーなら、万一トラブルが起きてもユーザーが直接アクセスしていないのでユーザーへの影響は最小限に抑えられます。また、メール転送など大量の処理を課しているため、パフォーマンス向上の恩恵が顕著に現れるのです。

「本番作業では、テスト環境で予測し得ないことも起こります。そのためサーバー作業では、まず最初にユーザーから離れたサーバーから作業して作業項目の過不足を確認することができます」(久永氏)。

サーバー作業は遠隔操作で自動処理、またクライアント作業も自動化して一気にプログラムを刷新しました。詳細について久永氏はこう説明しています。

「サーバーは台数は多いものの、構成は均一なので徹底的にテストを繰り返し、完璧な作業手順を作り上げました。遠隔からキックして自動処理する方法を採りました。成功率はほぼ100%。クライアント作業も問い合わせを減らすために、工夫して自動化プログラムを開発しました。
ただ、問い合わせは期待したほど減らせませんでした。クライアントは機種が多く、ソフトウェア環境も均一ではないので、自動化にはあまりこだわらず多少はユーザーの手作業に任せたほうが得策だったのかもしれません。いずれにせよ、致命的なトラブルもなくバージョンアップは無事に完了することができました」

コードチェッカーとヒント集が役立つ

アプリケーションに話を移すと、アプリケーションが新バージョンで問題なく稼働するかどうかは、事前に検証しておかなくてはなりません。しかし、データベースは6000もあるので、「基盤開発DB、アプリ開発DB、EUC(エンドユーザー・コンピューティング)DB」に分けて、そのうえで、EUC DB(5000)を業務上の重要度から「1:最重要、2:一般、3:廃棄」に分けました。人事情報管理など最重要アプリケーションを200に絞り、重点的に検証。検証時にはLotus Software提供のコードチェッカーを使い、一般的な技術情報はヒント&チップ集を参考にしたといいます。

コードチェッカーとはスクリプトのコードをチェックし、特殊な予約名や仕様に変更があった関数を抽出するツールです。またヒント集とはバージョンアップに関わる技術情報が200文書ほどに集約されたもの。ともにIBMまたはビジネスパートナーから購入するか、Notesコンソーシアム会員なら無料で利用できます。

久永氏はツールに加えて情報収集も成功には不可欠だと指摘しています。

「こうした製品に依存するプロジェクトではベンダーとの連携が不可欠です。可能な範囲でIBMまたはビジネスパートナーから技術的な情報提供を受けられるパス ベンダーを確保しておくべきでしょう」
システム構成図


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導入効果

アプリケーションの開発性を高めるLotus Domino 6

これほど大規模なプロジェクトを成功裏に終えられたのは、万全な計画と技術情報の収集力にあったといえます。もうひとつ付け足すなら、新機能に欲を出さず確実に移行を成功させることに固執したことです。作業は基本的にはプログラムとメールテンプレートをR4.6から6へ移行するのみに絞りました。そのため、移行後すぐはLotus Notes 6でワークスペースを使い、フレームやレイヤーなどの新設計要素もまだデータベースに組み込まれませんでした。

「ユーザー・インターフェースはほぼ変化していないとユーザーは感じているようです。ただ、タスクボタンなど、標準搭載の新機能により使い勝手が向上したと好評です。他の選択的な新機能、例えば新しい設計要素をどう採用するかは今後の課題です」と木村氏。

「今回のバージョンアップにより、今後ユーザーの要望に柔軟に応えられる基盤が整いました。6の利点には集約化の他に、Webとの連携や管理機能の向上が挙げられます。6はLotus Domino アプリケーションとWebとの相性がいいので、アプリケーション開発の柔軟性を高めることができました」


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将来の展望


次の課題はサーバーの集約化

次に控えているのは当初の課題にあったサーバーの集約化です。バージョンアップを終了した現段階では、サーバーの数は変わっていません。久永氏は「バージョンアップと同時に集約化を行うという選択肢も当然ありましたが、複雑さもリスクも高まります。そのため別作業にしました。バージョンアップを終えて、集約化の準備が整いました」と説明します。


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お客様の声


本社、支社の全ユーザーがアプリケーション開発できる円熟したEUC環境

第一生命では、Lotus Notesからあらゆる業務にアクセスできるようにシステムが整備されています。社内にあるデータベースは6000を超えています。社員は出社するとLotus Notesを起動し、データベースアイコンが整然と並んだワークスペースを開いて各々の仕事を始めます。こうした業務環境は社内にEUC(エンドユーザー・コンピューティング)を普及させた成果でもあります。同社のEUC促進活動は、社員へのトレーニング実施や、本社、支社の全ユーザーが、アプリケーション開発権限のあるデザイナーを利用できる環境にあるなど実に積極的です。システム担当者ではなくとも高度な開発スキルを持つ社員は多くいるといいます。

このようにEUCを促進すると、業務を熟知した社員がアプリケーションを構築するので、効率的でより業務に即したものができます。木村氏は社内EUCを「Lotus Notesは、部品と簡単な関数の組み合わせだけでアプリケーション構築ができるところが優れている、と評価しています。第一生命では開発効率化のため、標準的な機能をひな型として公開するなどテンプレート整備も進んでいます」と説明しています。

最後に今後もLotus Notesを使い続けるか、久永氏にうかがった。

「私たちにとってLotus Notesは、業務に不可欠なシステム。代替できる製品はありません。もちろん、今後もLotus Notesを使い続けます」


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お客様情報

お客様名: 第一生命保険相互会社
所在地: 〒100-8411東京都千代田区有楽町1-13-1
URL: http://www.dai-ichi-life.co.jp/
概要: 明治35年に日本で最初の相互会社として創業した生命保険会社で、「ご契約者第一主義」を経営理念としています。平成12年より経営戦略と情報戦略を一体化すべく、情報システム部を企画管理部門に組み込み、より戦略的なIT化の投資を図っています。システムの開発や運用業務は、第一生命情報システム株式会社に全面的に移管しています。

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製品・技術情報

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本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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IBM、IBMロゴ、Lotus、Lotus Domino、Lotus NotesおよびNotesはIBM Corporationの商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
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