掲載日 2004年12月1日

ファインケミカル・メーカーのセイミケミカル株式会社では、基幹業務システムを稼働させていたハードウェアの老朽化を契機として、システムの移行を決意。
“保守契約切れとなる2003年12月までに確実にコンバージョンを終わらせる”という前提条件の中、メーカーおよびハードウェアの選定を開始。
その背景には、従来抱えていた「ハードウェアとシステムの独自性ゆえに、システム開発の発注先を選択する余地がない」という問題に決別する意図がありました。
そして選ばれたのが、“ハードウェア・テクノロジーが進化しても、ソフトウェア資産を継承できる”IBM eServer® iSeries™だったのです。
お客様ニーズ

セイミケミカル株式
会社
経営企画室 システ
ムグループリーダー
課長
川村 健二郎 氏
求められたのは「将来性に優れたビジネス・サーバー」への移行
2002年末、基幹業務システムに利用していたオフコンの老朽化が進み、更新の必要に迫られたセイミケミカル株式会社にとって問題となったのが、“システムの将来性”でした。
同社の経営企画室 システムグループリーダー 課長 川村健二郎氏は言います。
「(今まで導入していたメーカーのオフコンでは)システム開発やソリューションを発注できる業者が限られていたため、どうしても弊社が不利になってしまうことが、かねてからの問題でした。競合がなければ合い見積もりもとれませんよね」
そこで、同社では2001年に予算システムを再構築する際にIBM eServer iSeriesを選択。この経験が、2002年末~2003年末にかけて、ほかのすべてのシステムを移行させる計画へと結びついていきました。
「弊社としても、いつまでも同じ問題を抱えているわけにはいきません。かといって、PCを代替機とするのでは、オフコンの信頼性に及びません。そこで、どのメーカーの機種がいいのか、いろいろと調べました。
AS/400®については前々から名前を耳にしていましたし、印象は良かったんです。それに、日経の雑誌を読んでいると、常に評判がいい(笑)。
それに、OS/400ならばハードウェアのテクノロジーが進歩しても対応できる(TIMI機能)という点に、大きな魅力を感じました。そこで、2001年にまず予算システムを再構築する必要が生じたときに、IBM eServer iSeries 270を導入したのです。
導入した印象は、『こんなに処理性能が高いのか』というものでしたね。非常にパフォーマンスが高かったです」
ソリューション

セイミケミカル株式
会社
経営企画室 システ
ムグループ
主席
青木 満 氏
無駄なコストを抑え、将来の展開を見据えた“段階的移行プラン”
2002年末より検討が始まった同社のシステム移行計画(会計・原価・販売など)には、以下に記載した3種のプランが検討されることになりました。
- 従来のメーカーから提示された最新機種に、すべてのシステムを移行する
- 従来のメーカーから提示された最新機種と、IBM eServer iSeriesを併用する
- すべてのシステムをIBM eServer iSeriesの上に再構築する
選定に際し、最も重視された条件が「工期」の問題でした。
「2002年に(従来機が)深刻なディスク障害が発生したことがありまして……。それに、2003年8月には保守契約も期限切れになってしまう状況でした。つまり、それまでの間にすべてのシステムを安全に移行させる必要があったわけです」(川村氏)
そして選択されたのが、2番の併用案。システムの見直しを迫られていた販売系のシステムを他社の最新機種に再構築し、システム内容に新たな変更を必要としなかった会計・原価システムをIBM eServer iSeriesに移行させるというものでした。
同 経営企画室 システムグループ 主席 青木満氏は言います。
「川村には、無理をしてでも『すべてをiSeriesへ』という考えもありました。けれども、現場である私の方から『お願いだから』と(笑)。『2003年12月までには間に合わない』と(IBM側に)ハッキリ言われていましたし、仮に工期が間に合ったとしても、エンドユーザーとなる各部署に対して、仕様変更後の社内教育を施すのも大変な作業になりますからね」
川村氏が、続けて言います。
「一時的な対策のためだけに予算をつぎ込むような事態は避けなければなりません。従来通りのやり方でいけば工期も短くて、開発コストも低いのですが、将来を考えればその投資すべてが無駄になってしまいます。かといって、すべてを一度に新しくするには時間が足りませんでした。
私たちも手が余っているわけではありませんし、『無理なものは無理』と割り切って、段階的な移行計画を実施することになりました。このプランであれば、次の移行を実施するときに作業が楽になりますし、コストの無駄も抑えることができますから」
そして2003年12月、IBM eServer iSeries上で予算・会計・原価の3種のシステムが稼働を開始したのです。
導入効果

スムーズな移行、期待を裏切らないパフォーマンスと信頼性
「システムの移行作業に関しては、何も問題ありませんでしたね。実際の作業を請け負ってくださった会社が、弊社で利用していたオフコンからiSerieへの移行に詳しかったため、大変助かりました。弊社が使用していたシステムについても良く理解してくださったので、スムーズに進みました」(川村氏)
2003年12月のサービスインから今日まで、特に大きな問題は発生していないと言います。
「今は実際の作業を請け負ってくださった会社から、保守要員として一人出向していただいています。おかげさまで、システムもハードも、特に問題なく稼働していますよ。サービスの内容にも、サポートの体制にも、不満は何もないですね」(川村氏)
導入効果として、メリットを感じたポイントについて、川村氏は次のように言います。
「実際に切り替えてから感じたメリットとしては、先ほども言いましたが、まず処理能力の高さが挙げられますね。信頼性も、期待通りです。
後はそうですねぇ……今までは専用のプリンターが必要でして、コストもそれなりにかかっていたのですが、iSeriesの場合にはそういうことはなくなりましたね」(川村氏)
しかし、長年親しんだ機種からの移行に際し、若干の違和感も存在しているようです。
「少し気になるのは……iSeriesの場合は、表示される指示内容が少し分かりにくいですね。今までは国産のハードを使用していましたから、日本語で指示が出るわけです。しかし、iSeriesは海外で生まれていますから、翻訳されていますよね。素直な日本語でしゃべってくれるわけではない。そのため、『これは何を言いたいんだろう』と戸惑うことが時々あるんです(笑)。もちろん、慣れれば何の問題もないですよ」(青木氏)
将来の展望
さらなる業務改善に向けて
同社では、今、さらなる生産性の向上を目指し、ビジネスプロセスそのものを見直す計画に着手されています。
この計画の進行に合わせて、販売系を含むすべてのシステムがIBM eServer iSeries、あるいは他社の最新ハードウェアへと移行し、さらに改良されていくことになります。
「今回のシステムの移行は一次的なものであり、今後、すべてのシステムを改良して、新しいハードへと移行することで最終形となります。しかし、業務効率を改善し、生産性を向上させるためのシステムの変更というのは、単純に情報部門だけで行うべきことではありませんよね。全社的な問題ですから。
このプロジェクトに関しては、まだスタートしたばかりですから、まだまだ時間はかかることになります」(川村氏)
しかし、第一次の計画が終了したことで、次のステップに向けた準備が、着々と進みつつあります。
「今は、iSeriesの性能、可能性をまだまだ把握しきっていませんので、このハードを十分に活用するためのスキルを養っている段階です。DB2® の活用など、試してみたいことはいろいろありますね」(川村氏)。
「(プログラミング言語である)RPGについては、特に問題なく馴染めそうな印象があります」(青木氏)
「私も今までの経験から判断して、『数をこなせば、十分使いこなせるだろう』という印象ですね」(川村氏)
お客様情報
1947年(昭和22年)に合成香料クマリンの国産化からスタートして以来、旭硝子(株)との密接な連携のもとに、一貫してファインケミカルの研究開発に力を入れ、特色のある事業を次々と確立しているファインケミカル・メーカーです。
環境への取組みはもとより、お客様や社会の「信頼と評価」を何よりも大切にすることを基本姿勢とし、世界標準の品質システムを確立。
「創造」を推進力として、エレクトロニクス、光学、医薬など幅広い分野において、高品質の製品を内外の市場に提供されています。
![]()
用語の説明
- AS/400
IBM eServer iSeriesの前身である、IBMのオフィスコンピューター(オフコン)のシリーズ名称。 - OS/400
AS/400、およびIBM eServer iSeriesのためのOS。 - RPG
Report Program Generatorの略。IBMが開発した報告書作成に向いたプログラム言語。さまざまな処理に仕様書が用意されており、それにパラメーターを記述すればアプリケーションを作成することができる。 - TIMI機能
Technology Independent Machine Interfaceの略で、SLICと呼ばれるマイクロコードが作る仮想的なマシン。ハードウェア・テクノロジーの違いを吸収することで、ソフトウェア資産の継承を実現している。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、AS/400、eServer 、DB2およびiSeriesはInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
