株式会社証券保管振替機構DVP(株券と資金の同時決済)システム構築の中心にハブ機能を担うWebSphere Business Integration Message Brokerが活躍 掲載日 2004年11月10日
証券決済の公共性を支えるハブの信頼性 「IBMから、MQとWBI MBで進める際の技術的にも機能的にも納得いく提案があり、今回のシステム構成の中心にハブを据えると決めました。コスト的にも納得のいくIBMを選択しました」と、説明するのは背山氏です。 「DVP化を実現するため、「決済照合」と「保管振替」の2システムをつなぐ以外にも、新たに統合Webサーバーや、情報サーバーなどを導入しています。今後も新たに各種サーバーが必要になる展開も考え合わせ、サーバー群を安全かつ効率的に接続する方法を検討する中で、ハブを据えるのが最適と判断したということです。 メッセージング機能、フォーマット変換機能、プロトコル変換機能などの変換ソフトが充実しているのも大きかったですね。今回の振替業務の仕組み作りはスムーズに運びました。 とはいえ、従来の「決済照合システム」と「保管振替システム」は、一方が大型の汎用機でホスト系。片方はオープン系。別々のベンダーが作った手作りのシステムですから、つなぐのは結構大変なことで、IBMが苦労したはずです」と、ハブ導入の経緯をこう語ります。 さらに、システム第一部課長の田倉聡史氏は付け加えて、「IBMとの付き合いは初めてでしたが、高い技術力があり、徹夜もいとわず、こちらの無理を聞きいれて親身にサポートしてくれました」と、語ります。 「今回のDVP対応では、「照合から決済」までの一連のプロセスを統合するために、複数のシステム間でメッセージ連携を実現する必要がありました。ハブの導入で、サーバー間の接続方法が蜘蛛の巣型からスター型にすっきり整理されたのは大きいです。弊社のシステムは日本の金融を支える要の一つですから、安心して任せられる企業のハブにする必要がありました」と、吉田氏が追加します。
ハブ導入でDVP開発効率をアップ 「他国の決済照合システムでは、まだ振替の指図を別入力していますから、完全なシステム間連携が実現されていないのです。私どもが開発したのは、いったん照合がOKになると、その照合システムから振替システムに振替指図が自動的に行くような仕組み。遅れて開発したわが国が、今、一番進んでいます」と、背山氏は語っています。 オペレーションが楽になった点、振替時のオペレーションに起因するリスクがなくなり決済の安全性が確保された点など、海外の投資家にも好評を得て、一連のDVP(証券と代金の同時決済)化の成果はすでに上がってきています。 「今回のハブ導入で、金融インフラという非常に複雑なシステムの開発を効率化できたわけです。一般振替DVP化のテストには2003年8月から翌年4月までの9カ月をかけましたが、複雑で多岐に渡る振替業務の開発としてみれば、非常に短期間でこのシステムも仕上がったといえます」(背山氏)。 さらに、ハブ導入の副次的な効果として田倉氏は、「決済照合と保管振替のサーバー同士のやりとりを、このハブを使って洗い出し、業務自体も標準化、効率化できました」と言います。 また、今回の一般振替DVP化では、グロス=ネット型DVPを実現しており、証券と代金の同時決済でありつつ、株券の授受は1件単位の計上となり、代金の授受は差し引き計算後の最終数字のみをやりとりするだけで済みます。資金決済のネッティング(差し引き計算)効果の一例として、従来は日々1兆円の授受が必要な企業が、ネッティング効果により1000億円〜1300億円(従来の10%〜13%)の決済金額まで圧縮できた例もあるなど、企業の資金調達負担を軽減し、振替手数料や、銀行への振込み手数料も大幅に圧縮。オペレーションの負荷の大幅削減にも貢献しています。
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