掲載日 2004年12月1日
消費者金融会社大手のプロミス株式会社(以下、プロミスと表記)が“災害対策”への取り組みを始めたのは、10年前の「阪神・淡路大震災」がきっかけでした。
当時、プロミスは、創業の地である関西に電算センターを設けていました。電算センター自体は耐震設計されたIT専用ビル内に設置されていたために、被害は比較的小さく、翌日にはほぼ通常の稼働状態に戻ることができました。しかし、“万一”の事態に備えて何らかの対策が必要であることは、体験的に明らかでした。
お客様ニーズ

プロミス株式会社
IT推進部担当部長
市森和彦氏
「必要性は理解できるが、 コストとワークロードはかけたくない」
「例えば米国の場合、金融関係の企業には9・11以降、新しい基準のコンティンジェンシー・プランの策定が当局より義務付けられています。日本でも、義務化こそされてはいないものの、各社さんが整備に力を入れています。当社でも何かしなければ、という思いは強くありました」と、同社IT推進部担当部長の市森和彦氏は、災害対策の検討を始めた当時を振り返ります。
「しかし、どういう方法にせよ、まずはコストが問題でした。上層部は、その必要性は認識していても、“こんなにかかるのか”と詰問してきます。また、満足できるシステムにしようとすると、結局、構築や運用に多くのワークロードと費用を費やすことになる。結果は欲しいが、大きなリソースを要することは避けたい、ということで、私たちのニーズにマッチするようなソリューションはなかなか現れなかったんです」。
そんな時、IBMが提案したのが、今回の「GDPS®/XRC」方式による災害対策ソリューションでした。
ソリューション

プロミス災害対策
システムの概要
全ディスク・ボリュームをミラーリングし、 常に最新データを保持するGDPS/XRC
「XRC(Extended Remote Copy:拡張遠隔コピー)」とは、本番機側とバックアップ機側をブロードバンド・ネットワークで結び、両者のストレージ装置間でほぼリアルタイムのデータ更新(ミラーリング)を行うソリューションです。プロミスの基幹システムではIBM zSeries®が使われており、この基幹システムが使用しているすべてのディスク・ボリュームがミラーリングの対象となります。
また、「GDPS(Geographically DispersedParallel Sysplex:広域分散並列シスプレックス)」は、XRCのようなディスク・ミラーリングを、数百ボリュームを超える大規模な環境で実施する場合の運用支援をします。システムに関連する全ディスク・ボリュームをミラーリングすることで、災害時にはDBシステムの仕組みに依存せずにシステム復旧の手順を簡略化することができ、さらに、自動化の仕組みを取り入れることで復旧時間の短縮を可能にします。GDPSは、このように、災害対策のシステム構築を短期間で実現するための基盤を提供します。
そして、このXRC技術をベースとしたGDPSを利用することにより、常に本番機側とバックアップ機側の両方で整合性の取れた最新データが保持され、災害時でもデータ・ロス時間を数秒以内に最小化して、直ちにシステムを再稼働することが可能となります。
本番システムには手を加えずに 数百km離れたセンターにバックアップを実現
プロミスではこれまで、関西地区の電算センター内にある2台のホスト・コンピューターで、銀行勘定系と同様のIMS™/XRF(拡張回復機能)によるホットスタンバイ構成を構築してきましたが、今回の導入に伴い、関西センターから数百km離れた関東地区に新たなバックアップ用の電算センターを確保しました。これは広域災害や災害対策に関するガイドラインを考慮した結果です。
「これまではテープの隔地保管などでバックアップを行ってきましたが、今回の方式だと、数百kmも離れたセンター間で、タイムラグなく、ほぼリアルタイムでバックアップが取れる、というのが大きいですね。」
さらにXRCは、本番機側でバックアップ作業を行うのではなく、バックアップ機側から本番機のディスク更新データを取得する仕組みである、という特長を備えています。これにより、本番機のパフォーマンスへの影響はきわめて少なく、また本番システム側に専用のアプリケーションを開発することなく災害対策が実現できるメリットがあります。
「自前のアプリケーション開発が不要、という災害対策の仕組みが、こうした“商品”として出てきたというのは、多分これが初めてでしょう。その分、かなりのローコストでの導入が可能になったわけで、そこが一番の魅力ですね」と市森部長は評価します。
導入効果

GDPSの特長
「投資対効果の観点からも納得」の ソリューションが実現
1998年の発表以来、世界中で160件以上のお客様に導入されているGDPSですが、日本の金融機関としては、プロミスが初めての事例となります。今回、災害対策の対象となる範囲は「勘定系」と「対外接続系」です。最初の本稼働は、平成17年度上期を予定。
「この提案と出会い、上層部を説得するまでに丸3年、震災から数えても10年を要した災害対策ですが、これでようやく実を結びます。時間はかかりましたが、しっかりとした対策が実現し、さらに、お客様や社会に対しても高い信頼性がアピールできます。それらを考え合わせると、投資対効果の観点から見ても、納得できるソリューションではないかと思いますね」。
将来の展望
さらに、「今後はインターネット経由で発生するデータなど、ホスト系以外のデータの災害対策をどうするか。しかも、今回同様、手間とコストは極力かけない方式で。その辺に関して、IBMさんからどのような提案がいただけるかというのは、これからの大きな楽しみですね」と市森部長は将来の抱負を語っています。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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