九州大学情報基盤センターIBM eServer p5の導入で、画期的な課金システムのもと、全国共同利用計算機サービスのパフォーマンスが向上 掲載日 2005年10月13日
汎用コンピューターの予算で スーパー・コンピューター・クラスのシステムを導入 導入されたシステムは、バックエンド・サーバーのIBM <バックエンド・サーバー> IBM eServer p5 595 POWER5プロセッサー 1.9GHz×64CPU・メモリー512GB 1台 POWER5プロセッサー 1.9GHz×64CPU・メモリー256GB 5台 POWER5プロセッサー 1.9GHz×32CPU・メモリー128GB 1台 <利用者用フロントエンド> IBM eServer p5 570 POWER5プロセッサー 1.9GHz×16CPU・メモリー64GB 1台 利用にあたってユーザーはネットワーク経由でフロントエンドにアクセス。そこからホストであるバックエンド・サーバーに対して計算ジョブを投入することでサービスを受ける仕組みになっています。実効容量51TBのディスクアレイも装備。しかも、万が一に備え、それぞれのサーバーから二重化されたディスク・アクセス経路があるので、どちらかの経路に異常が発生してもサービスが継続できるという堅牢なシステムになっています。 「ベクトル並列型スーパーコンピュータの後継となりうるスカラー並列機がようやく登場してきましたね」 −あるエンドユーザー様の感想 急速に進化するハードウエア技術。今回のシステムでは、汎用コンピューターの価格でスーパー・コンピューター並みの実力を持つIBM eServer p5の導入を実現しました。村上氏は、p5の持つパワフルな処理能力と優れたコストパフォーマンスを高く評価しています。 このシステムのスケールの大きさは、課金の仕組みにも好影響をもたらしました。天野氏は「今回のシステムは想定していた規模を上回るもので、豊富な計算機資源を、より安い価格で安心して使っていただけるようになりました」と語っています。 また、九州大学情報基盤センターにとって、IBMは初めての外資系ベンダー。同じ用語でも、意味することに微妙なニュアンスの違いがあったりして、当初は戸惑いもあったそうです。しかし「一からシステムを組み立てていくという経験をして、用語だけでなく目的意識も共有できるようになり、現在は当初抱いていたような不安はありません」(天野氏) 全体会議をはじめ、担当分野ごとの個々のきめ細かいミーティングもIBMとの間で頻繁に行われ、それぞれが目標に向かって突き進み、機器の搬入からサービスインまで2カ月という短期間での導入となりました。
ユーザー・サイドに立った課金システムに多くの支持 九州大学情報基盤センターでは、これまでは個々の研究者と契約を取り交わす利用形態が主流でしたが、大規模システムを導入できたことで、組織単位での包括的な利用契約に基づく受注が可能になりました。 「大学によっては教育用と研究用の計算サービスを一つのシステムで同時に提供しなければならないところも多く、そういうところでは学内で使うPCの台数を増やさなければいけない。しかし大規模計算機のユーザーは比較的少ないので、一つの予算のなかに、そのような計算サービスのコストを入れておくのが難しいというケースが出てきております。こうした場合にも、これからは一つの大学や研究所に対して包括的にサービスを提供することができるようになります。これは共同利用センターとしては、新しいサービス形態だと思います」(天野氏) こうした新しいサービス形態にあわせて、課金体系にもメスが入れられ、年間定額制というシステムがつくられました。この背景には従来の従量制での問題を解決しようという狙いもあります。 「年間定額制というのは、例えばCPU2個、メモリー8GBといった一定の計算機資源を1年間自由に使える権利をお渡しするということです。ユーザーは年度の初頭に権利金を払うと、年度末まで追加料金を気にすることなく使うことができます。これまでの従量制ですと、年度に使うことができる研究予算には限りがあるため、年度後半になると、いくら払えばよいのかが気になって使いにくくなるということがありましたが、その心配がなくなります。また、年間通しで計算機資源を占有する必要はないけれど、ある時期に大規模な計算を大量に行ないたいというユーザーには、例えば10万円の前払いで50万円分まで使える共有タイプも用意しています。しかも包括契約なら、システム管理に労力を費やすこともありませんので、研究者は研究に専念できるというメリットも享受できます」(天野氏) こうした課金制度も大規模システムを導入したから可能になったこと。包括的な契約になれば、ある程度の計算機資源を保証する必要があるし、そうしなければ自前のホスト導入と同等のサービスを提供することはできないからです。そのためにはシステムにある程度の規模は必要になります。 そして、課金制度も含めた新しい利用形態のもと、包括契約のユーザー第1号となったのが福岡大学です。この課金システムは多くのユーザーの支持を得、現在、さらにいくつかの大学からも引き合いがきているとのことです。 センター利用によるユーザー様の計算事例(一部) ・材料科学・計算化学・物性理論 シリコン融液の粘性係数 EMI+(エチルメチルイミダゾリウム)の構造最適化 一次元ハバード模型の小数原子クラスターの磁気的性質や 金属絶縁体転移の解析 三次元ソリッド要素を用いた板材弾塑性解析 ・流体解析・流体構造連成解析 三次元非圧縮性粘性流体の層流計算 三次元圧縮性粘性流れ計算によるラジアルタービンスクロールの解析 ・音響工学 整形残響室内の定常音場解析 ほか
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