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札幌市

SOAによるサービスの再利用促進によって、マルチベンダー環境での開発・保守を効率化


掲載日 2006年6月21日

札幌市 本庁舎

札幌市 本庁舎
札幌市は、明治2年(1869年)の開拓使設置以来、北海道開拓の拠点として発展を続け、現在は人口185万人を超える、全国5番目の都市に成長しています。札幌市は「市民生活を豊かにするまちづくりを進める」というビジョンに基づき、平成13年に「札幌市IT経営戦略」を策定し、「総合行政情報システム」の構築を進めてきました。平成17年には、Service Oriented Architecture(以下、SOA)を採用し、財務会計、文書管理、人事給与など市役所の内部管理システムのオープン化を実現する共通基盤が構築されました。その結果、マルチベンダー環境におけるアプリケーション開発を進める土台が築かれ、札幌市全体のIT投資効果を最大化するとともに、システム全体の保守費の削減に道が開かれました。



お客様ニーズ ソリューション 導入効果

将来の展望 お客様情報 製品・技術情報

お客様ニーズ


可児敏章氏

札幌市 市民まちづくり局
情報化推進部 IT推進課課長
可児 敏章氏


縦割りシステムから共通サービスを利用するオープン環境への移行を目指し、全庁的プロジェクトが発足

札幌市は、都市像やまちづくりの大きな方向性を描いた基本構想を市議会の議決で定め、平成12年4月から20年間におよぶ第4次札幌市長期総合計画を策定して、計画的なまちづくりを進めています。この長期総合計画のもとに、行財政運営の基本として平成12年から17年までの5年計画が定められ、「札幌市総合行政情報システム」を構築する方針が 盛り込まれました。従来、市の情報システムにおいては、財務会計や人事給与などの業務単位で、独立したホストの上に複数で縦割りのアプリケーション・プログラムが稼働していました。そこから脱却して、共通する提携業務をサービスとして利用できる、Webサービスを活用したオープンなシステム環境に移行することが、新しい総合行政情報システムの大きな課題でした。「IT活用によって定型業務の効率化を実現し、より付加価値の高い業務を進めること。その結果、個々の職員の個性を活かした即断即決型の行政を実現することを目指しました」と説明してくれたのは、札幌市市民まちづくり局情報化推進部IT推進課課長 可児敏章氏です。そのための調査検討が平成13年から始まり、平成14年度には概要設計がスタートしました。
縦割りのシステムからオープンシステムへの移行を進める上で、可児氏が心を砕いたのは、庁内の関連部門への説明と説得です。総合行政情報システムで従来と大きく変化するのは、財務会計、人事給与、文書管理の三つの業務システムです。財務会計では、従来の専用端末を市役所内イントラネットにつながる汎用PCに置き換えることで大幅な運用経費の削減が見込めるため、すぐに関係者の理解を得ることができましたが、人事給与と文書管理の関係者にオープン化の意義を納得してもらうことは容易ではありませんでした。新しい総合行政情報システム実現のためには複数業務の共通基盤の構築が不可欠であることに加え、それぞれの業務において事務処理の効率化を進める新たなアプリケーションが提供されること、文書管理や決裁業務の電子化を進める施策を並行して進めていくことなど、現場にもたらされるメリットを説明することで、課長や職員の間に理解を広めていくことができました。

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ソリューション

システム図

システム図

マルチベンダー環境で開発を進めるために、
最適な共通基盤としてSOAを採用


総合行政情報システムがカバーする業務は多岐にわたるうえ、従来のシステムの運用・保守を担当するベンダーも複数社存在しています。そのすべてを1社独占に切り替えることは不可能でした。総合行政情報システム全体は、マルチベンダー環境で構築していくことを前提として、1年に及ぶ概要設計の検討が進められました。その中で、札幌市が重視したことは、開発・運用・保守のコストをできるだけ低く抑えること、長期的な運用と改善に向けた将来性が確保されていること、より豊かな市民生活の実現に寄与するものであることの3点でした。異なるベンダーであっても、同じようにこの3点を実現できるようにするため、システムの共通基盤づくりでは、徹底的に機能やサービスの分析が行われました。この検討を経て、Simple Object Access Protocol(SOAP)やWeb Services Description Language(WSDL)といったWebサービス技術の採用が決まりました。「最初からSOAの採用を意識していたのではありませんが、マルチベンダー環境で効果を生み出す共通基盤の検討を進めたら、結果的にSOA的なシステム基盤が最適だったということです」と可児氏は語ります。
この検討作業には、札幌市市民まちづくり局情報化推進部IT推進課の職員に加えて、日本IBM(以下、IBM)のSEをはじめとするスタッフが参加しました。「要求定義書や関連部門向けプレゼンテーション資料の作成、開発ドキュメントの整備など、業務別のアプリケーション開発を担当するベンダーに対して標準的な書式を示して指示できるようになったのは、IBMからレベルの高いアウトプットがあったからです」札幌市市民まちづくり局情報化推進部IT推進課情報システム開発担当係長 長尾隆広氏は、設計段階でのIBMの役割を高く評価しています。概要設計が終わった段階で、総合行政情報システムの共通基盤となるWebサービスインターフェースは、職員認証基盤、職員ポータル、職員情報管理、電子決裁基盤の4つの機能を共通サービスとして提供することになりました。たとえば、電子決裁システムの設計に当たっては、文書管理や人事給与などの関連する業務システムとのシームレスな整合性を実現するために、SOAの考え方が効果的に採用されています。

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導入効果

酒田英樹氏

札幌市 市民まちづくり局
情報化推進部 IT推進課
情報システム開発担当係長
酒田 英樹氏


共通基盤の構築が、システム開発標準化の推進と全職員の意識改革を後押し

平成16年からは、文書管理、人事給与、財務会計、契約管理などの各業務システムの開発が、共通基盤構築と並行して始まりました。平成17年度には、総合行政情報システムの完成を前に、市民まちづくり局情報化推進部内に、基盤整備、基幹業務システム、情報セキュリティ、イントラネット運用管理、ネットワーク管理などの担当を設け、部門全体を挙げた取り組みの体制も整いました。IBMが開発を担当したSOAに基づいたWebサービスインターフェースの部分は、平成17年末に完成しました。「業務の仕組みには、縦割りの部分もあるため、今回、Webサービスのように異なる業務の共通基盤を構築する上では、部門間の言葉を共通化していくような標準化の努力が必要でした。IBMの協力を得ることができてよかったのは、画面設計や開発の手続きを進める際の標準となるガイドラインをまとめられたことです。現在、同時並行で進んでいる業務システムの開発で、このガイドラインが役に立っています」と語るのは、札幌市市民まちづくり局情報化推進部IT推進課情報システム開発担当係長 酒田英樹氏です。
平成18年には新しい業務システムのサービス開始に備えて、職員向けの操作研修も始まりました。まず、利用部門の課長職全員を集めて新システムの利用を促進するための動機付けを行い、4月から8月にかけて約6,000名の職員を対象とする大規模な研修が実施されています。「総合行政情報システムの利用が始まることで、職員たちは自分の仕事が変化し、質的なレベルアップが実現されることに期待しています。操作マニュアルも、画面を多く取り入れたわかりやすいものを準備したので、研修を受講した職員からはわかりやすいと好評です」(酒田氏)


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将来の展望


長尾隆広氏

札幌市 市民まちづくり局
情報化推進部 IT推進課
情報システム開発担当係長
長尾 隆広氏


プロジェクトマネジメントの経験をこれからの
札幌市IT化戦略推進に活かす


総合行政情報システムの構築は、平成18年度で第一段階の完成を迎えます。現在、市民まちづくり局情報化推進部では、可児氏をはじめとして平成19年度以降の戦略をどのような計画で進めるか具体的な検討を開始しています。「これからは、住宅・水道や防災情報などの地域情報システムや、教育、保健福祉、税務などの住民情報システムなど、市民との直接の接点をシステム化していくことが課題です」と可児氏は語ります。将来の開発においても、SOAの考え方を活用し、複数の業務が共通基盤の上でシームレスに連携する、オープンでセキュアな仕組みが重要であることに変わりはありません。「総合行政情報システムで体験した、マルチベンダー環境でのアプリケーション開発では、プロジェクトマネジメントや部門間を調整するスキルがいかに大切かを実感しました。この経験とノウハウは、これからの開発でも必ず活きてくると確信しています」と可児氏は将来の展望を語ってくれました。

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お客様情報

お客様名: 札幌市
所在地: 〒060-8611北海道札幌市中央区北1条西2丁目
URL: http://www.city.sapporo.jp/city/index.html
概要: 北海道石狩平野の南西部に位置する札幌市は、大正11年(1922年)8月1日の市制施行以来、北海道の行政、産業の中心地として発展を続け、現在は人口185万人を超える、全国5番目の都市に成長しています。昭和47年(1972年)に政令指定都市となり、10の行政区があって、それぞれ地域の特性を生かした個性あるまちづくりを行っています。
札幌市章

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製品・技術情報

 ソフトウェア:
Tivoli Access Manager for e-business 詳しくはこちら
WebSphere Application Server 詳しくはこちら
DB2 Universal Database 詳しくはこちら

 ソリューション:
SOA 詳しくはこちら

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本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。

IBM、IBMロゴ、DB2、Tivoli、WebSphereはIBM Corporationの商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
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