掲載日 2006年12月5日

店舗ファサード株式会社ローソン(以下、ローソン)は、全国に約8400店のコンビニエンスストアをフランチャイズ展開しています。一日のご来店者は700万人。「マチのほっとステーション」をキャッチフレーズに、地域に根ざしたサービスを目指しており、「ナチュラルローソン」や「ローソンストア100」など、従来とは異なる業態で、社会環境の変化にも適応すべく店舗作りを進めています。
お客様ニーズ

株式会社ローソン
CIO兼 情報システム
管掌 兼 ITステーショ
ン ディレクター
長谷川 進氏
コンビニエンスストア誕生から、30年目の決断。
システムを集約し業務アプリケーションを1カ所に
ローソンの1号店がオープンしたのは、1975年。昨年30周年を迎えたローソンが抱えていた課題は、コンビニエンスストア業界に共通とも言えるものでした。「コンビニエンスストアという業態が、ある意味、大きな転換期にさしかかっていると
感じていました」と語るのは、同社CIO兼 情報システム管掌 兼 ITステーション ディレクターの長谷川進氏です。
「これまでの30年間、我々のビジネスは、20代から30代の男性のお客様に支えられて、成長してきたと言えるでしょう。しかし創業当初とは人口比率も大きく変わり、社会環境が変化する中で成長し続けるためには、従来のお客様層以外の
方々にも足を運んでいただける店舗作りを考えなくてはなりません。そのためには品揃えを変えるだけでなく、物販以外のサービスを検討することなども必要になってきます。つまり、これまでと同じやりかたでは成長が望めないということです」
この変化への対応と、ITのあり方について、長谷川氏は次のように続けます。
「コンビニエンスストアという業態は、非常にITへの依存度が高い事業モデルです。店舗作りを変えていくということは、その基盤となるITの仕組みを変えることに一致します。この創業30年という節目を契機に、次の30年に向けて変革する事業モデルを支えるインフラを、しっかり作っていこうという思いがありました」

株式会社ローソン
ITステーション システム技術
リーダー
山本 和之氏
これまでのローソンの業務を支えてきたシステムにも課題があったと語るのは、同社 ITステーション システム技術 リーダー 山本和之氏です。
「4カ所あったセンターには、様々なメーカーのサーバーが200以上設置されており、運用委託先も別々でルールもレベルも統一されていない状態でした。サーバーは業務システムごとにピークを見越して用意していたため、センター全体から見ると非常に無駄が多い状態であり、これをシンプルにすることで、コストダウンを図るだけでなく、新たなシステムが必要になった際にはシステム構築のスピードアップも図れると考えていたのです」
ソリューション

システム図
オープンでスタンダードなローソン標準に基づき、
System z上のLinuxにアプリケーションを移行
そこで選択されたのが、IBM System zでした。選択の理由を、山本氏は次のように語ります。
「我々が求めていたのは、環境が異なる複数のサーバーから、アプリケーションを効率的に移行して運用するためのアプローチでした。その中で最も重視していたのが、統合基盤としての堅牢性でしたので、物理的なハードウェアの堅牢性、信頼性は大きなポイントになりました。加えて、そのSystem z上にVMで仮想的にサーバーを立てていけば、必要なアプリケーションをそこにのせる形で開発でき、全体で不足すればCPUをオンデマンドで追加し共用できる。この形がシンプルで、コストも抑えられるという考え方です」(山本氏)
IT基盤にはオープン・スタンダードを採用するとの考え方から、OSにLinuxを選択。ミドルウェアには、Oracle DatabaseやJP1を採用し、システムサービスとしてはITIL®※を活用。同社 ITステーション システム技術 シニアマネージャー 小畑
康治氏は、基盤サービスのあり方について、次のように語ります。
「ローソンのサービス標準として、ITILを参考に開発や運用のフレームワークを策定。それによりIT基盤面では環境とプロセスを合理化し、ユーザーへのサービス提供指標も明確にしています」更に山本氏は付け加えます。「サービスレベルという考えを適用しやすく、システムライフが長いインフラとして、ハードではSystem z、サービスではアウトソーシングを選択しました」
この新たなシステム基盤構築はProject Z」の名称でスタート。「これからの10年を支え、世の中の変化に対応できるような究極のIT基盤を、プラットフォームとして作ろうという思いもありました」(小畑氏)
※ITILは、Information Technology InfrastructureLibraryの略。英国商務局が、ITサービス管理・運用規則に関するベストプラクティスを調和的かつ包括的にまとめた一連のガイドブックのこと。
導入効果

株式会社ローソン
ITステーション シ
ステム技術 シニア
マネージャー
小畑 康治氏
ホストや分散系アプリをSystem zに集約し、
資源の効率化とサービスレベルの向上を目指す
System z導入の効果として、小畑氏はまずサーバー統合を挙げます。
「2カ所のデータセンターに分散していたメインフレームのアプリケーションがSystem zの筐体一つに収まり、更に、財務会計、店舗とのコミュニケーションシステム、取引先とのデータ交換システム等、分散サーバーで稼働していた八つの業務システムを移行し、その他かなりの数をSystem zに統合しました。System zでは、各システムのCPUの空き時間をダイナミックに利用できるので、ピークのスパイク対応に加え平常時の利用効率もぐんと向上しました。また、バッチ処理時間も激減しており、財務処理では約5分の1になっています」
System zへの移行に際しては、移行前のシステムの機能とレスポンスの保証、ほぼ無停止での切り替えに留意し十分なテストと準備をして臨んだ結果、ユーザーへの影響もほとんど無く移行できました。
「こうしたシステム移行ではなかなか無いことですが、ホストの切り替えなどは計画を前倒しすることができ、コスト効果も得られ、非常に満足しています」(山本氏)
将来の展望
長期のプロジェクトを見据え、
Simpleな“z”基盤を最大限に活用
今回のSystem zへの移行は、7年間という長いレンジを見据えたプロジェクトの一部分という位置付けです。
「4カ所あったセンターのうち、1カ所の統合がほぼ終わり、他のセンターも順次完了の予定です。今後はSystem zの環境を最大限に活用し、TCO削減も含めた統合効果を出す取り組みをしていくことが不可欠だと考えます」(山本氏)
これまでは社内の後方業務の統合を中心にプロジェクトは遂行されてきましたが、2006年11月には、店舗KIOSK端末(Loppi)を支えるシステムの統合も完了しました。今後の店舗作りとITとの関わりをも見据え、長谷川氏は次のように結んでいます。
「我々のITのキーワード、Speed、Small、Simpleのうち、今回はSimpleの部分ができたと考えています。これによって開発や保守だけでなく、本来のコンビニエンスストアの業務も効率化できるだろうと考えます。店舗自体のオペレーショ
ンは、お客様の種類やニーズの多様化に合わせて、より複雑になっていくことは間違いありません。しかし、業務のために新たな仕組みが必要になったとき、それらを支えるITがシンプルであれば、より短期間に低コストでシステムを用意することができるようになるだろうと期待しています」(長谷川氏)
お客様情報
株式会社ローソンは、全国でコンビニエンスストアをフランチャイズ展開しています。「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」を企業理念に掲げ、地域のお客様に愛される「マチのほっとステーション」を目指しています。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、BladeCenter、DB2 Universal Database、eServer、System z、Tivoli、Tivoli Enterprise Console、TotalStorage、WebSphere、z/OS、zSeries、z/VMは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。
ITILは英国Office of Government Commerceの登録商標および共同体登録商標であって、米国特許商標庁にて登録されている。
