掲載日 2007年5月30日

エーザイ株式会社
システム企画部 部長
大杉 隆氏医療用医薬品、ヘルスケア製品の開発、製造、販売をしている医薬品メーカーのエーザイ株式会社(以下、エーザイ)は、hhc(ヒューマン・ヘルスケア)を掲げ、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を考え、そのべネフィット向上を第一義とし、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足することを企業理念としております。世界の人々の健康的な生活への貢献とさらなる成長のため、今後もさらなるグローバル展開に力を入れていく計画です。
エーザイでは、数年前より、サーバーの集約による運用の効率化を進めてきました。今回は、より一層のランニングコスト削減を目的として、これまで活用されてきたIBM eServer zSeries 900(以下、zSeries 900)をIBM System z9(以下、System z9)に入れ換えました。これにより、ソフトウェアライセンス料金とハードウェア保守料金を引き下げ、TCOの削減に成功しました。
目次
お客様ニーズ

エーザイ株式会社
システム企画部 課長
佐藤 清博氏
さらなるグローバル化を目指して、IT投資のコスト最適化が一つの課題に
「現在、国内医薬品メーカーの課題の一つであるグローバル化について、エーザイでは業界に先駆けて取り組んできました。今後は国内市場はもとより、北米市場のさらなる拡大や、ヨーロッパやアジアにも広く市場を求めていきます。そのためにはグローバルレベルでのコスト最適化を進めていかなければなりません」(同社 システム企画部 部長 大杉 隆氏)
このような経営環境の中で浮かび上がる課題の一つが、IT投資にかかるコストであると、大杉氏は語ります。
「成長する市場への投資は当然という考え方もありますが、一方では投資対効果を厳しく見極めることも重要です。ITへの投資も同様で、コスト削減に積極的に取り組み、ここで生み出した原資を、新たな投資として投入すべきと考えています」
同社では以前、システム更改とサーバー統合のためzSeries 900を導入しており、パフォーマンス面では新たなハードウェア導入の必然性は感じていませんでした。しかしランニングコストが削減できるという提案を受けて、今回のSystem z9の導入を決定しました。
ソリューション

システム図
Java専用プロセッサーの活用でソフトウェアライセンス料金を削減
今回のシステムではコスト削減効果を上げるため、Java専用プロセッサーSystem z Application Assist Processor(以下、zAAP)の活用が提案されました。zAAPで処理をするのは営業担当者向けの実消化(病医院など医療機関への納入実績)アプリケーションで、エーザイにおける日々の営業情報を把握するための重要なシステムです。
「zAAPを使うことで、汎用CPU(以下、CP)の数を減らせば、ランニングコストの削減につながります。また、それまでJavaが使用していたリソースを他に振り向けられるため、ユーザーへのレスポンス向上にもつながると考えました」(同社 システム企画部 課長 佐藤 清博氏)
System z9に搭載されたzAAPを活用することで、それまでCPが行っていた処理のうち、Javaで書かれたプログラムをzAAPが処理します。zAAPの利用によりCPの処理負荷を軽減できること、またSystem z9自体のCP処理能力も上がっていることから、CPの数を従来の3個から1個へ集約することができました。また、ソフトウェアの料金体系も、CPでの使用量に応じて課金するWorkload License Charges(WLC)に変更しました。この結果、CPに課金されていたソフトウェア料金を抑制できました。
導入効果

株式会社インテージ
テクノロジー本部
情報ネットワーク部
マネージャー
佐々木 均氏
少ないシステム変更負荷で移行完了。ランニングコスト削減に加え、バッチ処理時間も大幅に短縮
「System z9導入により、ソフトウェアライセンス料金が、月額で10パーセント程度削減できました。CPの集約により保守費用等についても削減の効果がありました。システム移行時のコストで最も大きな割合を占めるテスト費用に関しては、前回のサーバー統合時にz/OS 1.6へ対応させていたため、今回はOSの入れ替えをせずに済み、大幅に抑えることができました。これにより、初期投資のコストを年度内に回収できました」と、佐藤氏は語ります。
新システムへの移行は、わずか3カ月という短期間で完了することができました。システムを利用するエンドユーザーに意識させずに移行を行うことができたのは、4年前に行った統合の成果と言えます。アプリケーションを変更することなく、最新のテクノロジーのメリットを享受できるSystem zのアーキテクチャーを、佐藤氏は高く評価しています。
今回のシステム導入は、株式会社インテージが担当しました。同社テクノロジー本部 情報ネットワーク部 マネージャー 佐々木 均氏、同社テクノロジー本部 情報ネットワーク部 鹿野 博幸氏は、ランニングコストの削減効果に加え、バッチ処理時間の短縮に予想以上の効果があったと語ります。
「zAAPの導入でCP処理能力に余裕ができた分、より大きなCPパワーをバッチ処理に利用できるようになりました。これにより、日次や月次の売り上げデータ処理速度が、30パーセントから40パーセント向上しています」(鹿野氏)
「特に時間を要する月次処理もバッチ処理の向上により、公開を早めることができるようになりました」(佐々木氏)
将来の展望

株式会社インテージ
テクノロジー本部
情報ネットワーク部
鹿野 博幸氏
基幹サーバーは集約化の方向へ。ITインフラ整備によりさらにコスト最適化
製薬業界において、営業担当者が必要とする情報の元データは膨大な量にのぼります。集計や処理に時間がかかるため、こうした情報をタイムリーに提供するのは困難です。しかしエーザイでは従来、前日までのデータを翌日には営業担当者に公開しています。このスピーディーな対応、また詳細なデータの把握と分析が、現在のエーザイの強みとなっています。
「こうした処理を行うには、やはりメインフレームが必要です。同様の処理をUNIXなどの大型サーバーで行うのは、難しいと思います」(大杉氏)
膨大なデータを処理するためには、プロセッサーのスピードのみならず、入出力などの総合的な処理能力が求められます。40年以上にわたって蓄積したメインフレームの技術を活かした、System z9ならではと言えます。
さらに、ITインフラの整備について、大杉氏は次のように語ります。
「サーバーは集約化の方向で進めています。重要なシステムはメインフレームで安定性を、構築・更改サイクルの短いシステムはブレードサーバーで柔軟性を、というように最適なインフラへの集約を進めています。今後はグローバル化に対応できるコストバランスのよい全社的なシステムの実現に向けて整備を進めていきたいと考えています」(大杉氏)
お客様情報
お客様名:
エーザイ株式会社
所在地:
〒112-8088東京都文京区小石川4-6-10
URL:
1941年創業。病院で処方される医療用医薬品や、薬局・薬店で購入できる医薬品などが主力の製薬会社。国内外の研究所で新薬の開発・研究を進めながら、製造、販売、市販後の安全性監視などの機能を一貫して手がけています。

ビジネス・パートナー
企業名:
株式会社インテージ
所在地:
〒101-8201東京都千代田区神田練塀町3番地インテージ秋葉原ビル
URL:
製品・技術情報
ハードウェア
ソフトウェア
参考資料
- お客様導入事例 エーザイ株式会社(1.6MB)この事例のPDFがダウンロードできます。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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