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日立金属工具鋼株式会社

オープン系受注システムからSystem iの基幹システムの発注処理まで、WebSphere Federation Serverで連携、短期納品を実現


掲載日 2007年3月19日

日立金属工具鋼株式会社(以下、日立金属工具鋼)は、工具や金型に使われる工具鋼を扱う専門商社です。日本古来の「たたら製鉄」の伝統を引き継ぐ日立金属株式会社(以下、日立金属)安来工場の工具鋼ブランド『ヤスキハガネ』を販売コアに、材料供給・加工処理・熱処理などのサービスを一貫して提供する「ものづくり貢献企業」です。



お客様ニーズ ソリューション 導入効果

将来の展望 お客様情報 製品・技術情報

お客様ニーズ


正路 英一郎氏の写真

日立金属工具鋼株式会社
経営企画室 室長
正路 英一郎氏


ニーズが多種多様なロングテールのビジネスで暗黙知を可視化し、より短納期を目指す

「日本の鉄鋼業の中でも、工具鋼は非常に特徴のある分野です」と語るのは、日立金属工具鋼株式会社 経営企画室 室長 正路 英一郎氏です。
「一般的に鉄鋼の売買はトン単位。キロ当たりの単価も100円くらいからですが、我々が扱っているのはその10倍、1000円以上のものです。価格だけでなく、納品形態も大きく異なります。お客様から指定された成分のものを、指定の大きさにカットしたり、加工をしますので、何キロといった小口の注文が中心で、手渡しで納品をする世界です。非常に煩雑な事務処理が伴う仕事を生業としていますが、その手間や面倒な仕事を黒子としてこなすことが工具鋼ビジネスの価値といえるのではないでしょうか。逆説的には、事務工数の合理化を進め、組織文化も含めインフラの基盤がしっかりしていなければ、このビジネスはうまく廻りません。売買単位が細かく、ニーズが多岐に渡ることに加え、多種多様なお客様のものつくりに欠かせない工具・金型に、こだわりをも持つのが工具鋼ビジネスでもあります。お客様は、いわゆる町工場に代表されるような中堅企業が中心で、需要も不定期です。義理人情&ロングテールが工具鋼ビジネスの特徴だといえるかも知れません。また弊社は、2004年10月に、日立金属系列の三つの販売会社とメーカー営業部門が垂直統合され設立されたので、共通で使える社内システムの整備を必要としていました」
新会社の立ち上げに加えて、業界構造の変化においてもシステムの導入が必須であったと、正路氏は語ります。
「これまではメーカー、特約店、二次販売店と、非常に階層化された流通の仕組みがありました。しかし、今ではそうした中間業者を介さない、中抜きの流れになってきています。結果として、規模の小さなお客様にも直接対応するようになり、社内のフラット化も進んだことで、営業一人当たりの担当先も増える傾向にあり、営業マン一人あたりの局所負荷は明らかに増えています。一方で、かつてのように上司が手取り足取り教える様な事も困難になっています。そうなると、各自が持つナレッジを組織で共有し、コンピューターがアドバイザーのような役割を果たすことが重要になってきます。人間がベースの会社ですから、人同士の交流の場を活性化することは勿論ですが、暗黙知を可視化・共有する人とコンピューターの場を構築し、さまざまなレベルでルーチンに流されない様に気づきを促すことで、『考える営業・自立的な組織』となることができるのではないでしょうか」
「オープン系のWeb見積システムが構築されていましたが、販売・在庫管理を行っているIBM System i™(以下、System i)の基幹システムとは分離されており、データ処理が二度手間になっていました」と語るのは、同社 経営企画室 情報戦略部 開発課長 深町 芳治氏です。
「受注した内容を受けて、鋼種、サイズでの素材手配を行うのですが、物流に対しての出荷指示書を出力するには、改めて基幹システムへの情報入力が必要でしたので、このシステム間のデータ連携が大きな課題と考えていました。また見積処理時にリアルタイムでの在庫照会も必須でした。個別にデータ入力をすることにより、時間ロスに加えて入力ミスの恐れもあります。オープン系システムと基幹系システムのデータ情報をリアルタイムにつなげれば、正確でより短期間での納品が可能になり、お客様が要求している納期に対して応える事が可能になると考えました。市場ニーズは今日発注して明日には納品という、スピードが求められています。また、売上処理・仕入処理のデータにもリンクし事務作業の簡素化とデータの整合性を一番に考えシステム構築を行いました」

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ソリューション

システム図

システム図の拡大表示

WebSphere Federation Serverによるフェデレーションで、 オープン系エントリーシステムと基幹システムを連携

そこでシステム間連携のために導入されたのが、フェデレーション機能を提供するミドルウェアIBM WebSphere® Federation Serverです。System iから分散系DBへのリアルタイム・アクセスを実現します。
「システム選定の観点は、開発工数から、なにを選ぶのが一番早くて現実的かということ、そして費用対効果です。自分たちですべてプログラムを作成して連携することも不可能ではありませんが、細かな修正やメンテナンスを考えた場合、手間と費用がかかります。そこで今回は、ミドルウェアでデータベース間のデータ連携を行ってプログラム開発を最小限にとどめ、今後の拡張、メンテナンスを容易にする方法を取りました」(深町氏)
「既存のシステムにあるデータとプログラムを活用して短期間の構築を行いたい、また受注のデータのリアルタイムでの反映が必要という要件から、System iのSQLRPGプログラムからMicrosoft® SQL Serverのデータをリアルタイムに読み書きできるフェデレーションを使って、データを入出力する方法を選択しました」
WebサーバーからMicrosoft SQL Serverへ入力された加工受注の情報を、WebSphere Federation Server によってSystem iの基幹システムへ連携。加工受注から作業指示までが、一貫してつながるシステムが完成しました。また逆に基幹システムから在庫情報の一部をWebシステムに提供し、発注の際の簡易的な在庫確認も可能にしています。

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導入効果

深町 芳治氏の写真

日立金属工具鋼株式会社
経営企画室 情報戦略部
開発課長
深町 芳治氏


基幹システムと分散系システムのデータがリアルタイムに連携、Webポータルの利便性がさらに向上

基幹系とオープン系のデータがつながったことで、さまざまな恩恵があったと、正路氏は語ります。
「私たちは、これまでも基幹系System iのデータをWebポータルに反映させるということを進めてきていますが、その理由は、基幹系システムでは入力中心の記録志向の仕事、分散系システムでは照会・応用志向の仕事ととらえているからです。基幹系のデータと分散系のシステムのデータを一つのWebの画面で見ることができるのは、とてもありがたい。例えば、ある支店のデータについて、2月の売上げ、また受注先なども見ることができます。一元的に見渡せるようになったことで、全体のスピードアップが図れています。そして今回、受注のデータがWebSphere Federation Serverを使ってWebの見積システムから基幹System iにリアルタイムに連携できたことで、以前は工場に伝票で指示していたものが、今では受注データが入った瞬間に指示が出せます。工場側はデータに近い大きさの材料を探して加工、翌日出荷することも可能になりました。まさにオンデマンドです。これまでの標準納期は2日から3日でしたが、今、業界で競っている納期は1日。お客様の要求が即工場生産に直結し、わざわざ作り置きをする必要がなくなるレベルへ近づくことができました。アマゾンでも目指しているようですが、お客様からの注文と同時に、印刷・製本が始まるような機械加工に直結した仕組みが理想です」
仕様追加が短期間でできることもメリットと語るのは、深町氏です。
「基本的には相手となるデータベースと属性を合わせてテーブルを用意すればよく、あとはミドルウェアが全部処理してくれるのがありがたいです。新たにプログラムを作って構築すれば、2、3カ月かかっていたようなものが、一週間くらいでできました。今、追加で日立金属本社のOracleサーバーとの接続も計画しています。同じ仕組みで展開できるので今後のシステム拡張も容易と考えています。導入コストの面から見ても、長期的にメリットがあるという判断をしています。この点からも、今回の選択はよかったと思っています。System iであればアプリケーションが将来にわたって互換性がありますので、RPGでプログラムを作っておけば、今後、開発コードを変えなくても移行していけるメリットがあります」


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将来の展望


目指すはOne to One
顧客情報をつかみ、細かな対応を可能にするバックボーンに


今後はさらに情報共有を進めていきたいと、深町氏は語ります。
「現在はまだ、在庫情報のすべてをWebシステムでは提供していません。カットして売るという業態のため、切断での損耗などもあり、この業界での在庫管理が一番難しいからです。一年前からバーコード導入などによる管理自体の効率化は図ってきていますので、今後はそこをWeb化し、ポータブル情報として活用できる様にすることも現在検討しています。目指しているのはOne to Oneのサービスです。お客様の情報がすべて分かるようになれば、よりきめ細かな対応が可能になります。あくまでシステムは道具であり意志決定を行うのは人間ですので、それを支えるバックボーンとして、本当に活用できるしっかりとしたシステムに日々進化させていきたいと考えています」
「見積もりの機能なども、追加していきたいと考えています。業務の内容に合わせて試行錯誤の連続ですが、今後もますます工夫を重ね、現場密着型のお客様起点にこだわるシステムを構築していきたいと考えています」(正路氏)

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お客様情報

お客様名: 日立金属工具鋼株式会社
所在地: 〒104-0033東京都中央区新川1丁目8番8号アクロス新川ビル
URL: http://www.hitachi-metals-ts.co.jp/
概要: 工具鋼(金型や切削工具等に使用される特殊鋼)を取り扱う専門商社として、2004年10月1日に設立。素材から熱処理、機械加工までの一貫体制により、きわめて厳格な品質管理のもと、お客様をサポートしています。

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製品・技術情報

 ハードウェア:
IBM System i 詳しくはこちら

 ソフトウェア:
IBM WebSphere Federation Server 詳しくはこちら

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本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。

IBM、IBMロゴ、System i、WebSphereはInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
MicrosoftはMicrosoft Corporationの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
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