掲載日 2007年4月9日

東邦大学医療セン
ター大橋病院東邦大学医療センター大橋病院(以下、大橋病院)は、東邦大学付属病院として1965(昭和39)年に開設。以来、「優しい心、親切な心のこもった医療の実践」を基本理念に、地域の中核病院として重要な役割を果たしてきました。
医療行政が大きく変わるなか、大橋病院では安全で信頼のおける医療の提供はもちろんのこと、患者様への十分なインフォームド・コンセント、情報開示、多様化するニーズへの対応などに積極的に取り組んでいます。その一環として、ITを駆使した医診連携の強化、女性医師による女性の患者様への外来や生活習慣病ケアを含む総合健康相談センター、美容医療医学センターの開設などの新機軸を次々と打ち出し、新しい医療を目指す総合病院として高く評価されています。
近年では、良質で効率的な医療の提供に力を入れ、先進的な画像解析システム「AZE Virtual Place」を活用しながら診断・医療レベルの向上に努めています。
お客様ニーズ

東邦大学医療セン
ター大橋病院 院
長 放射線医学講
座 教授
甲田 英一氏
診断・医療に有用な三次元画像の実用化を目指して、処理時間・操作性の改善を
X線に始まり、CT、MRIと進歩してきた医療における可視化技術は、ここ10年ほどの間に長足の進歩を遂げました。一断面だけの二次元画像で病変を診断していた時代から、現在は多断面画像や高精細な三次元画像によって実際に近いリアルなイメージの形成が可能となっています。大橋病院でも、最先端の画像解析システムを駆使して日々の医療行為を支援しています。つい数年前までは一つの三次元画像作成に多大な時間と労力を要していたことを考えると、状況は劇的に進展しました。大橋病院院長・甲田英一教授(放射線医学講座)は次のように振り返ります。
「当病院では画像解析システムをいち早く採り入れ、その利用に積極的に取り組んできました。しかし、初期のシステムは自動処理できる部分が少なく、ほとんどが手作業で行われていたため、1枚の画像作成に1時間を要することも珍しくなく、1日かけてやっと10枚の画像が出来上がることもありました。臨床現場では、いろいろな角度から観察できる複数の画像が必要となります。観察の妨げになる部分を除去する必要があるときには、1スライスごとにトレースして消去するのですが、100枚にわたって作業することもありました。そうした状態で実用にはほど遠く、操作スキルを持った一部の専任担当者が技術的関心から使用していたのが実情でした」
「一方、CT装置やMRI装置も、三次元処理をするためのスキャンデータを得るには力不足で、ワークステーションもまだ十分なパワーを持っていませんでした。学会や文献では完成度の高い画像が華やかに発表されましたが、実は大変な手間をかけて作成されたもので、現場で日常的に使用されることはまれでした。しかし、三次元画像は診断・医療に有用であることはだれもが認めていたので、処理時間、操作性、画質を含めて、早く実用レベルに達することが強く望まれていました。そして、ここ3、4年の間に夢が現実のものとなったのです」
ソリューション

AZE Virtual Place
使い勝手が飛躍的に向上した画像解析システムは、いまや聴診器と同じ必需品
従来は、二次元の断面像をもとに医師の頭の中で立体像をバーチャルに再構築していたボリューム・レンダリング(三次元像描出)の世界。それが、技術の進歩によって大きく塗り替えられました。
大橋病院では、画質と操作性に優れた高精細高速三次元画像解析システム「AZE Virtual Placeシリーズ」を4台導入し、CT室に2台、読影室に1台、資料室に1台を設置。これらを、放射線科医と放射線技師、そして各診療科の医師が利用しています。
主なアプリケーションは次のとおりです。
- 脳血管自動抽出用のサブトラクション・ソフトウェア
- マルチモダリティーの重ね合わせを行うフュージョン・ソフトウェア
- 肝臓のボリューム計測を行う肝臓解析ソフトウェア
- 冠動脈の解析を行う心臓解析ソフトウェア
- 内臓脂肪と皮下脂肪の測定を行う体脂肪測定ソフトウェア
ワークステーションの選択にあたり、最も重要視されたのは「使い勝手」でした。操作者が、自分の描く手順どおりに、直感的にやりたいことが出てくることが一番大切だと甲田院長は語ります。
AZE Virtual Placeは臨床現場の意見を取り入れ、次の操作が画面上で示されるなど、直感的な使いやすさと高画質を追求した製品で、世界でもトップクラスの三次元画像解析ワークステーションとして高く評価されています。
「高速の画像処理、精細な空間分解能が実現され、扱える情報量が格段に増えました。解析ワークステーションであるAZE Virtual Placeの進化、それを支えるWindowsベースのIntelliStationの高性能化により使い勝手が飛躍的に改善され、画像解析はいまや日常的な聴診器と同じ必需品となりました」と甲田院長。
「CT、MRIなどモダリティー装置の進化とともに高性能化しているワークステーションが、限られた専門家にしか使えないのであれば意味がありません。循環器内科医が血管の状態が分かる、あるいは脳外科医が手術前に動脈瘤の位置を素早く確認できるといったことが可能になって、初めて画像解析システムの威力が発揮されます。その点、AZE Virtual Placeの導入は満足できるソリューションだったといえます」
導入効果
リアルタイム計算、自動処理機能により、再現性の高い画像を短時間で作成
ここ数年で、広範囲を薄いスライス厚で高速スキャンできるマルチスライスCTが急速に普及するとともに、ワークステーションの処理能力も高速化し、加えて各種のアプリケーションが飛躍的に進歩を遂げています。それによって、三次元画像をリアルタイムに計算でき、操作性においても自動処理機能が多く付加され、再現性の高い画像が短時間で得られるようになりました。
そのような三次元画像解析ワークステーションの使用法はユーザーによって各様であるため、大橋病院では具体的なアプローチについてはカンファレンス(複数の科の医師が解析画像をもとに治療法などを協議する症例検討会)で詰めを行っています。そのポイントは、臨床に有用な画像・解析結果をどれだけフィードバックできるかにあります。
例えば、肝臓のスキャンデータから、肝臓実質、門脈、肝静脈、下大静脈を抽出してボリュームを計算した結果を生体肝移植術前シミュレーションに利用する。あるいは、体内脂肪の経時的変化を確認するためCT画像から自動的に皮下脂肪や内臓脂肪を測定し、メタボリックシンドロームへの指標とするなどのことが可能となります。
「5年前には専門の担当者が時間をかけて行っていたこのような高度で難しい作業を、いまでは臨床の現場にいる医師が簡単な操作で処理できるようになりました。以前であれば切開して初めてわかったことも、事前にメスを入れる場所や切る長さなどをピンポイントで特定できます。また、従来の一般撮影では見ることのできなかった部位を画像化したり、血流・温度などの機能画像を表示することも可能になりました。それにより、診断能も変わってきていると思います」(甲田院長)
また、“患者様を大切にする医療”を目指す大橋病院にとって、患者様の苦痛を伴っていた内視鏡検査やカテーテル検査も、バーチャル内視鏡によって容易にかつ患者様の負担を軽減できるようになったこと、スキャン時に患者様の息止めが短縮されたこと、造影剤の量が軽減されたことなどが大きな効果として挙げられます。さらに、手術に際して患者様に症状や施術の方針などを説明でき、付随的な効果として画像を論文フォーマットに張り付けて研究目的に使うこともできます。
Virtual Placeの多彩な機能、操作の簡便性、高速の画像処理、精細な空間分解能は、多くの専門医師を満足させています。
将来の展望
医療の質を高め、患者様に心からの癒しを提供するテクノロジーの発展を
今後、ボリュームデータを扱う画像解析処理は臨床の現場でさらに日常的に使用されていくでしょう。しかし日常業務として普及するためにはさらなる自動化を実現し、だれが操作しても再現性があり、臨床に必要な分解能をもつ画像を得られるようにする必要があります。
医用画像関係者ではいま、甲田院長をはじめ臨床現場でワークステーションを使用する医師・技師からなる「ワークステーション研究会」(協賛:株式会社AZE、加賀電子株式会社、株式会社インナービジョン)が発足し、画像解析の情報共有と利用スキルの一層の向上を目指す取り組み行われているほか、画像解析技術の一層の高度化を求め、放射線技師のなかスペシャリストを育てる動きも進められています。
「いまや三次元のボリュームデータは診断・医療の現場にとって不可欠なものとなりました。今後、各種ソフトウェアの高性能化が進み、自動化が進んで操作性がより向上していくことは確実で、それは時間の問題となっています。その先に望まれることの一つは、パターン認識によって正常構造と異常構造を判別するなどの手法によるコンピューター診断システムの実現です。そうした技術の進歩に期待を寄せる一方、医者と患者様の関係に重きを置き、心のこもった医療を大切にしていきたいと思っています。医療の質を高め、病院を患者様に心からの癒しを提供する場にするための基盤として、テクノロジーがより進歩していくことを願っています」と、甲田院長は結びました。
お客様情報
臨床教育の場、地域医療の要として、東京・渋谷に近い大橋病院のほか、医学部のある大森キャンパスに隣接した大森病院、千葉県にある佐倉病院の三つの拠点をもつ東邦大学医療センター。そのなかで、大橋病院は1964(昭和39)年に開設。24診療科をもち、468床、教職員数735名の規模で運営されています。「優しい心、親切な心のこもった医療の実践」を基本理念に掲げ、地域医療の基幹病院として地域医療機関と連携し、24時間体制で患者様のニーズに合った医療サービスを提供しています。

ビジネス・パートナー
1999年4月設立。CT、MRIなどの医用画像データをワークステーションで高度解析処理するネットワークシステムの開発・販売を行っています。人と医療に役立つ製品作りを目指して、臨床現場の意見を最大限に取り入れ操作性の向上を追求するとともに、国内外の医療および研究開発施設と共同研究/臨床評価契約を結び、世界最先端の技術開発に挑んでいます。
製品・技術情報

AZE VirtualPlace
画面例
AZE Virtual Placeについて
臨床現場のお客様のニーズを取り入れ操作性を追求した、高精細・高速三次元画像解析装置です。ハードウェアには性能と信頼性で評判の高いIBM社の高性能ワークステーションの採用、AZE社開発で特許申請中の新手法PRISMA(プリズマ)を搭載し、他には類を見ない自由な画像表現を簡単操作で実現しています。独自のボリュームレンダリングエンジンにより、業界でトップクラスの画像処理速度を誇ります。シリーズの導入実績は、旧バージョンを含めて2006年12月末現在で500台以上、全国各地の画像診断支援に貢献しています。
(医療用具承認番号:21700BZZ00167000、米国FDA医療機器認可510(K)取得)
ハードウェア
インダストリー
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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